2: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:28:04.84 ID:zJUkddjZ0
※ ※ ※
その街が盗賊団に襲われたのは二日前のことだった。
3: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:29:18.43 ID:zJUkddjZ0
※ ※ ※
「ハッ……ハッ……ハッ!」
4: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:30:06.54 ID:zJUkddjZ0
木々をかき分け、開けた場所に出ると同時に頭を抱えて転がる。
俺の突然の動きに驚く“奴”を、射線上から邪魔な俺がいなくなった仲間が次々と射ぬく――はずだった。
「…………は?」
5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:30:47.71 ID:zJUkddjZ0
人を不幸にしなければ生きていけない盗賊の俺ですら吐き気をもよおす腐臭を、ソイツは全身から放っていた。
全身を大きな外套で身を包み、その体格ははっきりとはわからない。かろうじて背丈が一七〇半ばと予想できる程度か。
黒い髪。泥沼のような瞳。
6: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:31:22.57 ID:zJUkddjZ0
「疑問は解けたな。では俺の質問に答えてもらう」
別に切っ先を向けられたわけではない。そしてかろうじて俺の手には獲物がある。
けどもう、今のやり取りでほんの少し残っていたかもしれない気力も、完全に無くなってしまった。
7: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:32:10.94 ID:zJUkddjZ0
※ ※ ※
8: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:32:46.46 ID:zJUkddjZ0
剣を肩に乗せ、“奴”が俺の目の前に立つ。
“奴”の腕ならば、次の瞬間にも俺を[ピーーー]ことができる。
許されるのは一言だけだ。
9: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:33:34.91 ID:zJUkddjZ0
「そうか。じゃあ最後の確認だ」
それはまるで、今日の天気を確認するかのような軽い口調だった。
「オマエの利き腕は、右だな?」
10: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:34:12.19 ID:zJUkddjZ0
※ ※ ※
こうすればどうなるか予想できていた。
11: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 02:34:53.53 ID:zJUkddjZ0
楽しいから生きたい。楽しめなくなる死が怖い。
多くの罪を犯し、断罪の刃が目の前に迫ってなおそう思えるほど、奴の人生は楽しいものだった。
これでやっと終われるなど、微塵も考えなかったんだろう。
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