何も無いロレンシア
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53: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:03:49.20 ID:zJUkddjZ0
 希代の名工アレッサンドロの遺作にして怪作、さらには最大の失敗作と評せられた槍。

 それが皆殺朱。

 長さはおよそ三メートルだが三段式となっており、握りの部分を操作しながら動かすことによってその射程は五メートル、七メートルと変化する。これにより戦況に応じた長さに変化させることが狙いだった。
以下略 AAS



54: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:04:17.50 ID:zJUkddjZ0
※ ※ ※



 高らかに謳う深紅の男。彼は自らが神聖で選ばれた存在だと疑いもしない。その真っ赤な槍をさらに穢れた血で朱く染め上げようとする。
以下略 AAS



55: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:05:00.78 ID:zJUkddjZ0
※ ※ ※



 拮抗した三人の実力。先に動いた者が残る二人の標的になりかねないという緊張が奔るや否や、躊躇いなく動く者がいた。
以下略 AAS



56: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:05:35.29 ID:zJUkddjZ0
 サウザンドが踏み込みつつ蛇の処理をした、隙というにはあまりに小さな瞬間。ロレンシアはその隙間に強引に進み出た。

「阿呆がっ!!」

 突きを終えて戻る皆殺朱と、前に進むロレンシアが平行の動きをとるや否や、サウザンドの一括と共に薙ぎ払いが襲いかかった。
以下略 AAS



57: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:10:34.35 ID:zJUkddjZ0
>>55
>>56
訂正
〇フィアンマ
×サウザンド
以下略 AAS



58: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:22:11.74 ID:zJUkddjZ0
 ロレンシアはドアを蹴破るや否や、身に着けていた黒い外套を前へと投げ飛ばしていた。武器は無い。必要無い。この至近距離で、プレートメイルを身に着けた鈍重な相手に必要なのは剣では無い。

 自ら投げた外套の下をくぐるように行われた低空のタックル。重い甲冑を身に着けた大男を一度倒した後、立ち上がるのを許すほど“何も無い”ロレンシアは甘くない。

 二人の動きを横手から見ていたア―ソンはロレンシアの勝ちを確信し、残ったロレンシアをどう処理するか半ば考え始めていた。
以下略 AAS



59: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:22:44.75 ID:zJUkddjZ0
 フィアンマは蛇を処理するにあたって、槍を直撃させずかすめる方法をとっていた。なぜなら床や壁をつたう蛇に直撃させれば、瞬刺殺の尋常ではない威力の余波が建物を傷め、自分にとって優位な戦場を失ってしまう可能性があったからだ。

 だがそれを抜きにしても、“深緑”のア―ソン“血まみれの暴虐”フィアンマ、そして“何も無い”ロレンシアという規格外同士の戦いは、開始から一分に満たない間に建物へかつてない衝撃を与えていた。そして今、戦いの余波ではなくフィアンマとロレンシアが建物の破壊を目的として、そのあらん限りの力を床に放つ。

 二人のいた周囲の床は、フィアンマが瞬刺殺を放つための踏み込みで特にダメージを受けていた場所でもあった。前後左右のみならず、天井からも含めて百を超える蛇がその身をくねらせ迫る中、軋む異音と共に二人は落下する。蛇たちも一点の穴に流れる水のように二人へ続くが、先ほどまでとは違い囲んでいるわけではなく、同じ方向から固まった状態での襲撃など二人にとって脅威ではなかった。
以下略 AAS



60: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:23:39.07 ID:zJUkddjZ0
 フィアンマとア―ソンの武名や悪評は、残酷さや血生臭さ、そして嫌悪と恐怖無しには語れないものだった。

 対してロレンシアのそれは二人のそれとは趣が異なり、不可解な不穏さを感じずにはいられないものであった。

 トロイメライ城消失事件の主犯にして、嘆きの谷を血染めの滝に変えし者、三度にわたる幻影の騎士の殺害。調べれば調べるほど謎が増える事件に関わっていることが一度や二度ではないのだ。
以下略 AAS



61: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:24:17.12 ID:zJUkddjZ0
「ひっ……」

 逃げようにも恐怖で体が固まってしまって動けずにいた住民の一人が、再開する戦いの前兆として膨れ上がる殺気と狂気に引きつった声をあげてしまう。 

 そして、その声にア―ソンが反応してしまった。
以下略 AAS



62: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:24:50.28 ID:zJUkddjZ0
「ハイヤアアアアアァツッ!!」

 雄たけびと共にフィアンマが駆ける。身長一九〇超、体重一〇〇超の男が三〇キロ近いプレートメイルを身に着けて爆走するその姿は、純粋な脅威に他ならない。

 ロレンシアは槍を手放しつつ後ろへと飛び下がるが、目を疑う追撃が待っていた。
以下略 AAS



63: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:25:21.55 ID:zJUkddjZ0
「……クキ、キカカカカッ」

 最初は呆気にとられていたア―ソンだが、やがて例の甲高いのにくぐもった耳障りな嗤いを立てる。

「サ、流石“何モ無イ”ロレンシア……ッ! ダガ、終ワリダ! 私ノ蛇ハ……優シサモ甘サモ無イ! ホンノ少シノ毒デモ、十分ダ! オマエハ即死ジャナイダケ……ダ!!」
以下略 AAS



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