ヴァイス「少々席を外したいのですが」ターニャ「何故だ?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:30:46.11 ID:i37PCr8J0
「少佐殿。総員配置につきました」
「うむ。では、諸君。始めるとしよう」

ヴァイス中尉の報告に頷き、デグレチャフ少佐は開催を宣言した。途端に沸き立つ一同。
皆、ジョッキを手近な仲間とぶつけ合う。
酒の入っていないグラスを片手に、デグレチャフ少佐は目を細めて部下達の笑顔を眺めた。
たまにはこうして馬鹿騒ぎする必要もある。
それは生前の会社勤めでも同じことが言えた。
要するに、ストレス解消だ。ただ純粋に部下を思っての会合。それ以上でも以下でもない。過酷な任務に身を投じ続ける第二〇三航空魔道大隊の息抜きを目的とした大宴会が挙行された。

「デグレチャフ少佐」
「ん? どうしたヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ少尉。私に何か用か?」
「是非とも少佐殿と乾杯がしたくて」
「ああ、そういうことか。しかし、乾杯と言ってもな。中身はお子様の飲み物なのだが……」

ジョッキを片手に近づいてきたセレブリャコーフ少尉に、デグレチャフ少佐は苦笑した。
しかし、グラスの中身は関係ないらしく。

「少佐殿には甘いジュースがお似合いですよ」
「ふん。それならまだコーヒーの方がマシだ」
「まあまあ、とにかく、乾杯させてください」
「はあ……わかった。乾杯」
「かんぱーい!」

生前の年齢ならば、何も問題はなかったのに。
自らの境遇にやるせないため息を吐きつつも、デグレチャフ少佐はグラスをぶつけた。
それを受けて、嬉しそうに破顔するセレブリャコーフ少尉に、少しだけ救われた気がした。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:33:05.07 ID:i37PCr8J0
「ヴァイス中尉」
「少佐殿、如何しました? 小官はもう暑くて暑くて、一刻も早く服を脱ぎたいのですが」
「ああ、待て待て。まだ脱ぐな。この場には女性士官も居ることを忘れたのか? 」
「これは大変失礼しました。くれぐれも、下着は脱がないように気をつけます」
「相当に酔っているようだな。まあ、どのみち遅いか早いかの話だから問題あるまい」
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:35:20.50 ID:i37PCr8J0
「かぁーっ! 美味い! 美味すぎる!!」
「本当に美味しいワインですね……ただ」
「どうしたんだよ、ヴィーシャ少尉。こんな美味いワインにケチつけたら、少佐が怒るぞ」
「そんな滅相もありません、グランツ少尉! ケチをつけるなんてとんでもない! そうじゃなくて、ちょっとだけ、変な味がするような……」
「おい、よせって! 少佐に聞かれたらどうするんだ! きっと気のせいだろ。気にすんなって」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:37:03.50 ID:i37PCr8J0
「それで、ヴァイス中尉」
「はっ」
「貴官は腹が痛むから席を外したいのだな?」
「恥ずかしながら、その通りであります」
「却下だ」
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:39:52.52 ID:i37PCr8J0
「中隊長、通してください」
「駄目だ」
「トイレに行きたいんですよ」
「デグレチャフ少佐に許可を貰え」

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:43:07.20 ID:i37PCr8J0
「ヴァイス中尉」
「はっ」
「腹の具合はどうかね?」
「正直申しますと、限界です」
「よろしい。説明するから皆を黙らせろ」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:46:03.38 ID:i37PCr8J0
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:47:12.47 ID:i37PCr8J0
「とはいえ、全てが諸君らの所為というわけではなく、今回このように残念な結果となってしまったのは、大隊を率いる私の監督責任であるとも言える。よって、私自身も同じく下剤を服用し、戦友と苦しみを分かち合うことにした」

ざわっと、どよめきが起こる。困惑が広がる。

「おや? 意外かね? 私だって腹くらい下すさ」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:48:42.60 ID:i37PCr8J0
「中尉! 盲信するだけでは少佐の為になりません! 時には諫言を口にすることも必要です!」
「……嬉しかったんだ」
「えっ?」
「少佐殿が身近に感じられて、自分は嬉しい」

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:51:07.49 ID:i37PCr8J0
「話を戻すぞ。さて、本題だ。今回諸君らに飲ませたシューゲル主任技師特製の下剤は、非常に強力な代物だ。わざわざ言わずとも、その効果は貴官ら自身が今まさに体感している筈だ」

含まれる成分などを説明する必要はなかった。

「この先この下剤は有効に活用される予定だ」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:53:33.33 ID:i37PCr8J0
「えーっと、その、臨床試験とは何ですか?」
「臨床試験の意味も知らんのか? 浅学すぎるぞ、グランツ少尉。セレブリャコーフ少尉」
「はっ」
「グランツ少尉に臨床試験の意味を説け」

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sape saga]
2018/11/23(金) 22:56:33.96 ID:i37PCr8J0
「グランツ少尉のロマンスの行方はともかく、現在進行形で戦友諸君らの腹の具合は加速度的に悪化していると推察する。しかし、下剤の効能を確かめるまでは用を足すことは認められない。故にこの部屋は現在封鎖しているわけだ」

早口で現状を説明するデグレチャフ少佐。
新薬の臨床試験が終わるまで退室出来ない。
その過酷な現実に直面して皆不安に駆られた。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:58:05.39 ID:i37PCr8J0
「ヴァイス中尉、歯を食いしばれ」
「えっ?」
「むんっ!」
「ぐあっ!? 少佐、突然何を……?」

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:00:03.67 ID:i37PCr8J0
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:00:50.30 ID:i37PCr8J0
「臆病者は帝国軍に不要だ。さっさと漏らせ」
「少佐殿! どうかお許しくださいっ!!」
「だから許すと言っているのだ。苦しみから解放し、今すぐ楽にしてやると。不服なのか?」
「小官はまだ戦えます! ですから、どうか!」

以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:02:28.36 ID:i37PCr8J0
デグレチャフ少佐の説明はわかりやすかった。
たしかに尋問に対する耐性は身につくだろう。
しかし、それでも思う。そこまでするか、と。

「敵が常に我々の想定内の手段を取るとは限らない。故にあらゆる可能性を考慮し、対応策を練る必要があるのだ。この試験もその一環だ」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:04:58.93 ID:i37PCr8J0
「たしかに、今のところは平気ですね」
「流石は鉄の胃袋だな」
「見たところ、少佐も平気そうですけど……」
「そんなことはない。ポーカーフェイスで取り繕っているだけだ。今も腹が痛くて堪らない」

以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:08:00.47 ID:i37PCr8J0
「了解しました。脱げばいいのですね」
「ああ、ヴァイス中尉。下着は脱ぐな」
「ですが、いずれ汚れてしまいますよ?」
「漏らした者から順次、退室させる。それまでは穿いておけ。女性士官も居るのだからな」
「少佐殿と、セレブリャコーフ少尉ですね」
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:11:05.75 ID:i37PCr8J0
しばらくデグレチャフ中尉は見回りを続けた。

「ん? ノイマン少尉、何をしている?」
「あ、いや、その、素数を数えていまして……」
「貴様は戦場で素数を数えているのか?」
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:13:51.57 ID:i37PCr8J0
「ほう? ならば、貴様が一緒に漏らしてやれ」
「……小官はまだ戦えます」
「共に同じ釜の飯を食った仲と先程言ったな」
「はい」
「では、ノイマン少尉のカマを掘りたまえ」
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:16:40.45 ID:i37PCr8J0
「もう、少佐は目を離すとすぐに無茶をなさるんですから。中隊長達が離脱して、この先の任務に支障が出たらどうするおつもりですか?」
「我ながら短絡的だった。つい、な」
「たしかにノイマン少尉のお尻は大きいので思わず蹴飛ばしたくなるのはわかりますけどね」
「ああ、全てはあいつの尻がデカいのが悪い」

以下略 AAS



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