過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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24: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:35:54.87 ID:4SRjOM3Xo
あやせは顔を真っ赤にしながら、俺の手からオニギリを取り上げようとした。
俺はそんなあやせには構わず、形の崩れたオニギリを口へ運んだ。
さっきまで俺が食っていた三角形のオニギリと、何ら味に変わりはないはずなのに……
何十倍も美味く感じるのは何でだろうな。

以下略



25: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:36:24.29 ID:4SRjOM3Xo

「初めてお兄さんと出会った時、優しそうな人で何となくいいなぁと思ったんです。
 その後しばらくして桐乃のことがあって、ほんの少しだけ嫌いになりかけました。
 わたしはまだ子供だから、あの時は、お兄さんの本心がわからなかったんです。
 でも、家に帰ってから、冷静になってゆっくりと考えてみたんです。
以下略



26: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:36:59.79 ID:4SRjOM3Xo

「わたし男の人って、何だか苦手だったんです。
 同級生の男の子から、付き合ってくれって告白されたこともあります。
 でも、わたしが断ると、陰で悪口を言われたり、良くないうわさを流されたり……。
 ……学校ではわたし、男子からあまり好かれてないんです。
以下略



27: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:37:34.06 ID:4SRjOM3Xo

「あやせ、ちょっと聞いてもいいか? もし言いたくなけりゃ、それでも構わんから」
「何でしょうか、聞きたいことって」
「あやせは初恋っていくつの時だった? さっきも言ったけど、答えなくてもいいけどさ」
「別に恥ずかしいことじゃありませんし……
以下略



28: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:38:09.54 ID:4SRjOM3Xo

「今、あやせは恋をしているんじゃねえかな。
 それはあやせにとっての初恋なんだと思う。初めて誰かに恋をしたってことさ。
 なにも四六時中とは言わねえけど、そいつのことが頭に浮かぶんだろ?」

以下略



29: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:38:37.90 ID:4SRjOM3Xo

いつまで経ってもあやせからの攻撃が無いことを訝しく思い、
頭を抱え込んだまま、俺は恐る恐るあやせの様子を窺った。
不思議なことに、あやせは何が可笑しいのか穏やかに微笑みながら俺に言った。

以下略



30: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:39:21.52 ID:4SRjOM3Xo

桐乃のことを異性として意識し始めたのは、俺が中学生になったばかりの頃だ。
クラスにも可愛い子や、中学生にしては美人な子も中にはいることはいた。
しかし、当時の俺にとって、妹の桐乃ほど心がときめくヤツはいなかった。
それまで兄貴が実の妹に恋するなんて、エロ小説かエロ漫画の世界だけだと思っていたから、
以下略



31: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:40:14.74 ID:4SRjOM3Xo

長い間、心の奥底に封印していたことをあやせに話し終えて、
俺は肩の荷を降ろしたような気分だった。
そんな俺をあやせは、慈愛に満ちた優しい眼差しで見つめてくれていた。

以下略



32: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:40:44.91 ID:4SRjOM3Xo

あやせから告白されても、彼女を傷付けねえように上手くかわしたつもりだった。
それなのに、これじゃあ振り出しに戻っちまったじゃねえか。
何もあやせが言うように、俺があやせを振るつもりなんて微塵もねえって。
ただ、今の俺には、あやせの気持ちを受け止めてやるだけの自信がねえんだ。
以下略



33: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:41:11.13 ID:4SRjOM3Xo
 
「この公園の桜も、もうしばらく経たなきゃ見頃になんねえなぁ。
 ……本当に、今日はごめんな。もうちっと咲いててくれてもいいじゃんかなぁ」
「わたしは、このくらい咲いている方が好きですよ。
 だって、桜って満開になるとすぐに散ってしまうじゃないですか。
以下略



34: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:41:49.51 ID:4SRjOM3Xo

手のひらに載せた一輪の桜をじっと見つめていたあやせは、
ゆっくりと俺に視線を向けると、俺の眼をしっかりと見据えてから言った。

「来年の桜が咲く頃に、今日お兄さんに摘んでもらったこの桜の花を見た時……
以下略



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