11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 01:34:05.83 ID:7L728IKno
改めてポーチの中身を漁っていると、小さな不安に襲われた。
何しろ私は今までお化粧なんてしたことがない。
平日は学校に行くからその必要もなくて、休日はごろごろしてて、それに――お洒落した姿を見せたい相手が居なかったから。
初めて手に取る化粧品の数々に戸惑っていると、すっと伸びてくる手。
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2011/08/28(日) 01:35:35.43 ID:7L728IKno
「……唯ちゃん?」
「な、なに」
「すっごく顔赤いわよ。大丈夫?」
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2011/08/28(日) 01:37:43.32 ID:7L728IKno
「おぉ……」
鏡に映る自分は、何だか自分じゃないような気がして瞬きを数回繰り返した。
鏡とにらめっこしていると、さわちゃんが隣でくすくすと笑っていた。
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2011/08/28(日) 01:40:12.03 ID:7L728IKno
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助手席の窓ごしに見慣れた街並みを眺めながら、手持ち無沙汰な右手をそっと隣の手のひらに重ねてみる。
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2011/08/28(日) 01:42:47.12 ID:7L728IKno
「さわちゃん?」
「ごめんね……、普通のことできなくて」
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2011/08/28(日) 01:45:10.08 ID:7L728IKno
その言葉で急に不安になって周りを見渡してみる。
ファミレスというだけあって、やっぱり家族連れが多い。
それに、夏休みだからか学生の姿もちらほら見受けられる。
いくら隣町だからって、ここに知り合いがいないという保証はない。
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2011/08/28(日) 01:47:25.44 ID:7L728IKno
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帰り道、さわちゃんは私を直接家まで送ると言ったけど私はマンションに戻りたいと言った。
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2011/08/28(日) 01:50:44.36 ID:7L728IKno
それから私は溜まっていたものをぶつけるようにしてさわちゃんを抱いた。
少し高く掠れたさわちゃんの声を聞きながら、自分の興奮も高まっていく。
深く深く唇を重ねて、一緒にいることを実感した。
恋人なんだってことをもっと感じたくて、さわちゃんをきつく抱き締める。
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2011/08/28(日) 01:53:53.11 ID:7L728IKno
心臓がばくばくと音を立てる。
どうしよう、どうしようとうろたえているとさわちゃんは脱いでいた服をぱっとかぶって玄関に向かった。
「そのままそこにいて」
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2011/08/28(日) 02:01:00.38 ID:7L728IKno
「ありがと、さわちゃん……」
「どういたしまして」
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2011/08/28(日) 02:03:24.52 ID:7L728IKno
さわちゃんの車を見送ってから家に入ろうとした時、憂が呟いた。
「いつも思うけど良い先生だよね」
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