過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 21:10:36.46 ID:4DOG5YTr0
◆No.19 Junta Nakao
中間試験の日程が張り出され、クラスの空気が重くなるのが、
手に取るようによくわかった。
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2012/08/06(月) 21:11:45.23 ID:4DOG5YTr0
ところが、そんな俺が積み重ねてきた努力を全否定するような存在が、
今のクラスにはいるのだった。
勅使河原と風見の腐れ縁の話は、いつしか進学する高校の話になり、
勅使河原はその男にも、その話題を振った。
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2012/08/06(月) 21:12:46.76 ID:4DOG5YTr0
「天は二物を与えず」なんてことわざは、
恵まれない奴が思いついた、ひがみじゃないのかと時々思う。
赤沢さんは二物以上与えられているけど、別に嫌な思いをしたことは無いのに、
榊原に当てはめてみると、どうしても納得いかない。
俺が血のにじむような努力を重ねて得た物の何倍もの要素を、
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 21:13:40.93 ID:4DOG5YTr0
桜木が死んだのは、そのわずか六日後だった。
中間試験も終わりに迫ったラストスパートの中、
母親が事故に遭ったという知らせを聞いた桜木は、
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2012/08/06(月) 21:14:10.90 ID:4DOG5YTr0
◆Interlude I Shoji Kubodera
こんな酷いことが、本当にあっていいのか?
信じられない惨状が、目の前で広がっていた。
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2012/08/06(月) 21:14:58.10 ID:4DOG5YTr0
これから、我がクラスはこのような惨劇が、
来年の3月まで、立て続けに起きるのだろうか?
教え子が死ぬのをただ黙って見続けるのは、どうしても避けたい。
教師として、これほど辛く悲しいことはないからだ。
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2012/08/06(月) 21:15:51.63 ID:4DOG5YTr0
◆No.8 Tomohiko Kazami
ゆかりが、死んだ。
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2012/08/06(月) 21:16:25.17 ID:4DOG5YTr0
二日後、僕は学校を無断で欠席した。
そして僕は今、斎場に向かって自転車を走らせている。
カゴには通学カバンと、新聞紙で包んだチューリップの花束・・・
先月、榊原君のお見舞いに行った時に買った、
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 21:17:09.89 ID:4DOG5YTr0
「これは・・・」
「は、はい。この場に相応しくないことは重々承知してますが、
どうしても・・・あ、本当にすみません」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 21:17:48.63 ID:4DOG5YTr0
天井も窓も、床も全てが深紅に染まっていた。
いや、それだけではない。空も地もありえない位、真っ赤な世界だった。
「ここはどこだ・・・」
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