過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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2012/08/06(月) 22:51:42.86 ID:4DOG5YTr0
翌々日、俺は市立病院を訪れた。
夕見ヶ丘に住んでいる俺にとっては、目の鼻の先にある所だけど、
こうして足を運ぶ機会は極めて少ない。
馬鹿は風邪を引かないというけど、
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2012/08/06(月) 22:52:49.16 ID:4DOG5YTr0
サカキは、俺たち三人とまんべんなく話をしていたが、
やはり見崎に目を向けることが多い。
ああ、やっぱりサカキと見崎は、俺たちにはない何か深い繋がりがあるんだな・・・
二人だけで色々話したいこともありそうだし、
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2012/08/06(月) 22:53:35.25 ID:4DOG5YTr0
「・・・これが災厄を止める方法だ。
これをどう解釈するかは、君達しだいだ。ただ、よく考えて行動してほしい。
ちゃんと考えて・・・周りの友達と相談して、後悔しないように・・・」
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2012/08/06(月) 22:54:04.19 ID:4DOG5YTr0
◆No.16 Megumi Tatara
「皆さんの中には、既にニュースなどで知ってる人もいるかもしれませんが、
先日起こった火災事故で、クラリネットパートの王子君が・・・」
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2012/08/06(月) 22:54:30.53 ID:4DOG5YTr0
家に戻り、私は三年間の思い出が詰まった写真を眺めた。
コンクールの時に全員が演奏しているものもあれば、
楽器パート別に集合写真を撮ったものもある。
フルートとクラリネットは同じ木管楽器同士なので、
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2012/08/06(月) 22:55:02.72 ID:4DOG5YTr0
数日後、悲しみがまだ完全に癒えたわけではないけれど、
ある程度気力を取り戻した私は、
松子ちゃんと一緒に、幸子ちゃんのお見舞いに行った。
いつも明るい松子ちゃんも、親友だった小椋さんを失い、
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2012/08/06(月) 22:55:35.53 ID:4DOG5YTr0
「でも杉浦さんの生まれ変わりかぁ。
ミニマムサイズの杉浦さんを想像したら・・・ぷっ」
「ち、ちょっと松子ちゃん!せっかくいい話だったのに、想像させないでよ!」
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2012/08/06(月) 22:56:01.81 ID:4DOG5YTr0
もうすぐ、お盆休みになる。
今年はあちこちで、悲しい新盆を迎えるのだろう。
友達や家族、みんなが大切な人を失った今年の夏。
でも、杉浦さんのお姉さんが言っていたように、
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2012/08/06(月) 22:56:30.32 ID:4DOG5YTr0
◆No.7 Sayuri Kakinuma
あの合宿の事故から、十日あまりが過ぎた。
地獄のような業火から逃げ惑い、その中で沢山のクラスメイトの命が失われた、
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2012/08/06(月) 22:57:00.57 ID:4DOG5YTr0
7月も終わりに近づいたある雨の日、
図書館から本を借りた私は、あともうすぐで家に着こうとしたその時、
鼓膜が破れそうになるくらい大きなクラッシュ音を耳にした。
何が起きたんだろう・・・まさか私の家で何かあったら?
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