過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:55:02.72 ID:4DOG5YTr0

数日後、悲しみがまだ完全に癒えたわけではないけれど、
ある程度気力を取り戻した私は、
松子ちゃんと一緒に、幸子ちゃんのお見舞いに行った。
いつも明るい松子ちゃんも、親友だった小椋さんを失い、
以下略



140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:55:35.53 ID:4DOG5YTr0

「でも杉浦さんの生まれ変わりかぁ。
ミニマムサイズの杉浦さんを想像したら・・・ぷっ」

「ち、ちょっと松子ちゃん!せっかくいい話だったのに、想像させないでよ!」
以下略



141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:56:01.81 ID:4DOG5YTr0

もうすぐ、お盆休みになる。
今年はあちこちで、悲しい新盆を迎えるのだろう。
友達や家族、みんなが大切な人を失った今年の夏。
でも、杉浦さんのお姉さんが言っていたように、
以下略



142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:56:30.32 ID:4DOG5YTr0

◆No.7  Sayuri Kakinuma

あの合宿の事故から、十日あまりが過ぎた。
地獄のような業火から逃げ惑い、その中で沢山のクラスメイトの命が失われた、
以下略



143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:57:00.57 ID:4DOG5YTr0

7月も終わりに近づいたある雨の日、
図書館から本を借りた私は、あともうすぐで家に着こうとしたその時、
鼓膜が破れそうになるくらい大きなクラッシュ音を耳にした。
何が起きたんだろう・・・まさか私の家で何かあったら?
以下略



144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:57:29.56 ID:4DOG5YTr0

ここからは記憶がところどころ飛んでしまったけれど、
合宿所が例の火事になると、私は松子ちゃんともはぐれ、
ひたすら出口を目指して逃げ出した。
けど、玄関で私たちは落下したシャンデリアの下敷きとなってしまう。
以下略



145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:57:59.41 ID:4DOG5YTr0
その二日後、私は図書館で辻井君とばったり再会した。
図書館がもうすぐ盆休みでしばらく閉まってしまうため、
今のうちに本をいくつか借りておこうと思ったのだ。
たぶん、辻井君も同じだろう。

以下略



146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:58:37.02 ID:4DOG5YTr0

「・・・ところで、柿沼さんが返した本はなんだったの?
さっきは慌ててたから、ちらっと見る暇もなかったよ」

お互いに喋ることもなく、黙々とただ道を歩いて行く中で、
以下略



147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:59:02.30 ID:4DOG5YTr0

そんなこんなで話をする内に、
歩道の反対側に見慣れた人影が二つ見えた。
あの眼帯は間違いない。見崎さんと榊原君だ。
二人は私たちの存在に気づかなかった様子で、そのまま通り過ぎていった。
以下略



148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:59:31.79 ID:4DOG5YTr0

見崎さんの話によると、5月から始まった災厄は、
あの火事を最後に終わったのだという。
沢山の人が犠牲になり、生き残ったクラスメイト達も、
誰もが心に大きな傷を残した。
以下略



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