過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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394: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 00:50:16.80 ID:D30LGKJg0
「戯れるな」

だが垣根はそんな美琴の言葉を一蹴した。
美琴の希望を一つ一つ砕いていくように、言った。

以下略



395: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 00:52:45.77 ID:D30LGKJg0
気付けば、美琴は震える指でスカートのポケットから一枚のコインを取り出していた。
それはゲームセンターでよく見るような、何の変哲もないただのコイン。
ただ美琴がコインを取り出した時、それはただのチップ以上の意味を持つ。

即ち超電磁砲。
以下略



396: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 00:54:28.65 ID:D30LGKJg0
「ッ、垣根ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

コインがオレンジ色の閃光となって撃ち出される。
しまった、と思った。爆発する感情に流されて、気付けば撃ってしまっていた。
音速など軽く超え、しかしそれは真っ直ぐに垣根の隣へと向かっていく。
以下略



397: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 00:57:15.77 ID:D30LGKJg0
「ゲホッ、ゴホッ……」

激しく咳き込みながら美琴はよろよろと立ち上がる。
考えていたのは超電磁砲を防がれた恐怖ではない。
理解不能の力で吹き飛ばされたことでもない。
以下略



398: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 00:59:17.08 ID:D30LGKJg0
「その年でもうボケてんのか。ちょっと前の会話を忘れるとはちっと物忘れが激しすぎねえか?」

美琴は垣根の僅かな動揺を見逃さなかった。
青年の瞳が、迷うように動いたことに気付いていた。
御坂美琴は人間の感情の機微に鈍くはない。
以下略



399: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 01:01:43.16 ID:D30LGKJg0
「覚えてる? アンタはスキルアウトに絡まれてる湾内さんを助けてくれた。
そういえばこれが私が初めて見たアンタの人助けね。あの時に垣根にある優しさを確信したんだっけ」

「……まれ」

以下略



400: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 01:03:56.08 ID:D30LGKJg0
「垣根。アンタが悪党だろうが善人だろうが関係ない。
どうしても暗い世界に浸かっている悪党である自分が、善人と一緒にいることが認められないなら私のやることは一つよ。
アンタをそこから連れ戻す。どれだけ暗い世界にいようが、どれだけ深い世界にいようが関係ない。
アンタが『闇』から抜け出ればその“下らない”こだわりにも縛られなくなるんじゃない?」

以下略



401: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 01:07:05.13 ID:D30LGKJg0
超能力者という称号と引き換えに得てしまった孤独が、今の美琴の性格を形作ったのかもしれない。
誰かを助けることで、誰かを守ることで、誰かに必要とされていたい。
そんなある種病的なまでの願望。

もしも白井が、佐天が、初春が、そして上条が、垣根が自分から離れてしまったら。
以下略



402: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 01:08:55.69 ID:D30LGKJg0
「多重能力者(デュアルスキル)って言葉ぐれえ知ってんだろ。
今でこそ能力者には一人一つしか能力は宿らねえってのが常識だ。そんなことは馬鹿でも知ってる。
……じゃあ聞くが、何故そんな法則が存在すると分かった?」

それが意味するところは明らかだった。
以下略



403: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 01:11:03.54 ID:D30LGKJg0
「やめて……」

美琴が真っ青になって言った。
それは垣根がグロテスクな表現をしているからというだけではない。
垣根の言っている楽しかった、という言葉が真実でないのは分かっている。
以下略



404: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 01:13:56.58 ID:D30LGKJg0
もはや外道とか悪党とか、そんな言葉では足りない。この世界に存在する既存の言葉ではこの悪魔の所業を形容するには足りない。
そんな目に遭わされて、少年の心が耐えられるはずがなかった。
そうして、垣根帝督は研究者たちの思い通りに『闇』の奥へ奥へと沈んでいった。
全てを失った空っぽの少年は、何も信じず誰もそばに置こうとはしなくなった。

以下略



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