2: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:20:25.44 ID:xp1O2wjRo
  
 赤い夕焼けに照らされて、光る水平線が目の前に広がる 
 お気に入りのミュールを手に持ち、私は一人足を波にさらしていた 
 日は落ちたけど、それでもここは南国だと意識させる暑さが身を包む 
 泳ぐにはもう遅いのかな? 他に人影は見えなかった 
3: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:22:22.17 ID:xp1O2wjRo
  
 ■出会はいつも偶然に 
  
 1年前…… 
  
4: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:23:47.24 ID:xp1O2wjRo
  
 「プロデューサーの業務についてですが……」 
  
 意気揚々と出社してきたものの早くもノックアウト気味だった 
 勤務初日と言う事で、業務説明を受けたまでは良かったのだが 
5: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:24:58.90 ID:xp1O2wjRo
  
 「ここがレッスン場です。仕事の無い日はここでレッスンをするのが基本になります」 
  
 (へぇー、立派なとこなんだな……) 
  
6: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:27:42.94 ID:xp1O2wjRo
  
 「皆さんの担当するアイドルはここにはいません。担当アイドルはこの方法で探してもらいます」 
  
 そっと、一枚の紙をトレーナーさんが配り始める 
  
7: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:28:48.90 ID:xp1O2wjRo
  
 「……あの人、辞めたそうですよ」 
  
 「ふーん……そうなんだ」 
  
8: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:30:10.00 ID:xp1O2wjRo
  
 それから数日が経ち、長かった研修も終了し 
 オレは晴れて新人プロデューサーの肩書きを手に入れた 
 とは言っても、名ばかりなので何かができるわけでもない 
 そもそも担当アイドルもいないのにプロデューサーとはおかしな話だ 
9: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:33:02.16 ID:xp1O2wjRo
  
 「それでは今からオーディションの概要を簡単にご説明します」 
  
 どっかで顔を合わせたと思う、進行役の爺さんと堅物そうなおっさんが隣で説明をしている 
 そんな二人を含めたオレ達四人は、よくニュースとかで見る簡素な机とパイプ椅子に座り 
10: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:35:10.07 ID:xp1O2wjRo
  
 「宜しくお願いします!!」 
  
 「ありがとうございます。では、おかけ下さい」 
  
11: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:36:57.19 ID:xp1O2wjRo
  
 十人程度を過ぎたところで、オーディションの残り人数もわずかとなってきた 
 合格、不合格、未だに分からない判断基準に頭がグルグルと混乱する 
 呆けた目で残った履歴書を見てみると、この後五人しかいない 
  
12: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:38:53.85 ID:xp1O2wjRo
  
 目の前では会話をしているのに、時計の音がコチコチとうるさい 
 あれから集中して目の前のオーディションを眺めていたが 
 結局、今までと変わらず動く事は出来なかった 
  
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