過去ログ - 佐久間まゆ「いつもあの子がそばにいる」
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10
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:40:39.93 ID:pFDECU7w0
「やっぱり、私自身がちゃんと……やめてほしいって、小梅ちゃんに伝えなければいけないんですよね」
「それなんですけど、あの」
歌鈴が気遣うように、遠慮がちに提案する。
以下略
11
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:41:29.68 ID:pFDECU7w0
「でも、私は……」
「どうしても幽霊が怖い。だったわね?」
「……はい」
「そう……ところで、歌鈴ちゃん」
「はひっ!? な、なんでつか!?」
以下略
12
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:42:23.85 ID:pFDECU7w0
「……実際怖い目に遭っていて、元々怖い話の類が苦手なら、幽霊っていう記号やネガティブなイメージに引っ張られて思考が止まっちゃうのも分かるわ。仕方のないことよ」
でもね、と礼子は言う。
「もしもそうなったら……恐怖や不安で思考が止まりそうになったら、一度深呼吸して、思い出してあげて。まゆちゃんがそこまで悩んで気遣って、どうしても守ってあげたかった白坂小梅ちゃんが、どんな女の子なのかを。そして、その子のお友達のことを」
以下略
13
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:43:35.26 ID:pFDECU7w0
「……大丈夫ですよね、きっと」
「心配要らないわよ。元々、危険なことなんて一つもないんだから」
まゆが去っていった方を気遣わしげに見る歌鈴の隣で、礼子は素っ気なく答えてコーヒーを啜る。
以下略
14
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:44:46.69 ID:pFDECU7w0
「でも、礼子さんはやっぱり凄いですね。幽霊なんて常識外れの話でも、ちゃんと冷静に話を聞いてあげて、的確なアドバイスまで」
「ん……ああ、まあね」
礼子は冷めたコーヒーを啜りながら、ぽつりと
以下略
15
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:46:00.71 ID:pFDECU7w0
◆
ちょうどオフが重なる日を見計らって、まゆは小梅を自分の部屋へと誘った。
お昼時に呼び鈴が鳴ったので玄関の扉を開けると、いつも通り両手をパーカーの袖で隠した小梅が、ちょこんと立っていた。
以下略
16
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:47:03.34 ID:pFDECU7w0
「じゃあ、音声や動画が増えていたのは?」
「晶葉さんや泉さんがやってるの、み、見よう見まねで……」
「凄いのねえ……ぬいぐるみが増えていたのは?」
「海さんや、まゆさんの真似した、って……」
「写真の顔が川島さんに変わっていたのは……」
以下略
17
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:47:50.64 ID:pFDECU7w0
「ねぇ、小梅ちゃん。小梅ちゃんのお友達の……あの子、は、どうして私のことを好きになってくれたの?」
「ど、どうして……? え、えっと……」
小梅が何か躊躇っているようだったので、まゆは安心させるように微笑みかけた。
以下略
18
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:48:32.62 ID:pFDECU7w0
「私もね、自分の気持ちが上手く伝えられないの」
まゆはそっと自分の胸に手を添える。
あの人のことを考えるだけで激しく高鳴るこの胸の想い。
今はどう考えても、ちゃんと伝わっているとは思えない。
以下略
19
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:50:26.12 ID:pFDECU7w0
しばらく泣き続けた小梅が「も、もう大丈夫……」と気恥ずかしそうに言ったので、まゆは黙って体を離した。
小梅はまだ少し赤い顔で、照れたように微笑む。
「な、泣いちゃって、ごめんなさい」
「いいのよ。もう一度言うけれど、本当にありがとう。二人の気持ち、とっても嬉しいわ」
以下略
20
:
aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:51:06.41 ID:pFDECU7w0
◆
「プロデューサーさん♪」
人通りの多い休日の昼下がり、突然街中で後ろから声をかけられ、ぎくりとする。
以下略
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