17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:52:59.01 ID:mMrPH74Do
  
  どうしてだろう、と俺も思う。 
  
  いつからなのかということすらも覚えていないことを訊かれても答えようがないのだ。 
  仕事が単調になってきたからだろうか。プロデューサー業に飽きが来てしまったからだろうか。 
18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:54:27.32 ID:mMrPH74Do
  
 「いや何、ちょっと勝手に親心を感じてただけだ」 
 「ふふ、何それ」 
  泉が俺の言葉に反応して笑みを漏らす。 
  
19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 20:56:28.36 ID:mMrPH74Do
  
   * 
  
  
 「たっだいまー。あー、疲れた」 
20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:00:21.23 ID:mMrPH74Do
  
  
  しかし、時は突然に変化の軌道を描く。 
  
  
21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:04:12.22 ID:mMrPH74Do
  
  そして、それはアイドルにとっても言える。 
  ニューウェーブといえば、最初から綺麗に舞い、数多のファンに歌声を届けられていたわけではない。 
  
  デビュー前は本人たちの戸惑いや不安もあって中々芽がでず、華々しい他のアイドルの映像を見ながら、自分たちは閑散とした商店街で商品の宣伝をしていることもあった。 
22:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:05:50.17 ID:mMrPH74Do
  
  言われれば言われるほどますます訳が分からなくなる。 
  
  誰しも成長すれば独りでに歩く。それが当たり前であるはずなのに、さくらどころか亜子までもそう言っているのだ。 
  一応彼女たちの担当である手前、どうしかして答えを探そうと必死で過去の記憶や教訓をほじくりだすが、この広い言葉の海では正解を見つけることはとうとうできなかった。 
23:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:11:24.52 ID:mMrPH74Do
  
  そして連れて来られたのはキッチンカウンターの向こうであった。 
  そこはカーペットとローテーブル、そしてソファとテレビが置いてあるリビングのような場所である。 
  ここは最初さくらと亜子が帰ってくるやいなやソファでくつろいだり、その後泉が交代するようにソファに座ったりしていた。 
  
24:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:13:12.39 ID:mMrPH74Do
  
  話の流れで言えばよくわかる。 
  
  恐らく俺と亜子、そしてさくらがキッチン側で作業をしている間、泉が別行動でこのラックを組み立てていたのだろう。 
  しかし感ずるべきはそこではなく、もっと大本のところである。 
25:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:18:41.07 ID:mMrPH74Do
  
  そういえば、先程キッチンで彼女は確かこう言った。 
  
  ――もしそうだったら、みんな成長しなくなる。 
  
26:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/01(水) 21:20:04.45 ID:mMrPH74Do
  
 「……変わったなあ、お前たちも」 
  不意に俺は呟いてしまう。 
  
  かつて彼女たちは、不安に揺れ動いていたり、やる気が空回りしていた時があった。 
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