1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:03:32.10 ID:slx1J284o
さくっと終わる地の文SSです。
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2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:04:02.44 ID:slx1J284o
街は赤く彩られ、茶色に思いを載せて行く。
少し前までは鬼とか豆とか言っていた街中も、すっかり姿を変えていたのでした。
3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:04:28.66 ID:slx1J284o
「――なるほど、確かにそういう時期ですからね」
彼女たちの手元にある物を見れば、何をしていたかはすぐにわかります。
そんな私の言葉を聞くと、二人は少し後ずさってそれを隠してしまいました。
4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:04:55.90 ID:slx1J284o
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5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:05:24.93 ID:slx1J284o
「……ところで、翠さんはどのくらい作りました?」
ありすちゃんがジュースなのに対して、千鶴さんは湯のみから暖かい緑茶を注いでいました。
習字が趣味とのことですから、もしかしたらお茶も好きなのかもしれません。
6:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:06:13.00 ID:slx1J284o
「なるほど……水野さんがそういうのなら大丈夫、ですよね」
そもそも全員が食べられる量を二人で作るのは至難の技ですから、そこまで気負うこともないとは思いますが。
7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:07:57.83 ID:slx1J284o
ひとしきり話し込むと、不意に沈黙が訪れました。
話題が一段落すると突然やって来る、心地良い間とは、まさに今のことなのでしょう。
8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:11:45.13 ID:slx1J284o
「あ、それ私も見ていい?」
「どうぞ。ためになりますよ」
9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:12:41.50 ID:slx1J284o
「私の、ですか?」
「うん。そりゃ渡すだけだから大したことはしてないと思うんだけど……参考にしておきたいなって」
10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/12(水) 22:12:56.10 ID:9SrHzTX3o
せめてモバマスとわかるように頼みたい
11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:14:12.98 ID:slx1J284o
「……どうしてですか」
換気が済み、すこしツンとする冷たさが肌を撫でる事務所の中に訪れた小さな沈黙。
飲み物の存在などとうに忘れ、全意識が私に向かっているのをひしひしと感じています。
12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:14:49.74 ID:slx1J284o
その時、ありすちゃんは身を乗り出して私の瞳に顔を近づけました。
「あ、ありすちゃん?」
「……」
13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:17:12.29 ID:slx1J284o
「――っ!」
明らかに普段の調子ではない声色に、思わず意味を持たない声をあげてしまいました。
14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:17:40.90 ID:slx1J284o
どっ、と私の中から濁ったモノが溢れてくるのが全身に伝わってきます。
15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:18:47.34 ID:slx1J284o
「水野さんは、Pさんの事は好きですか?」
「なっ――」
16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:19:47.56 ID:slx1J284o
恋愛感情という存在を形として表すにはとても曖昧すぎる事は、いくつかの小説や映画で見聞きしています。
本当にそれが好きという感情なのか、それとも擬態した何かのなのかは、本人の年齢や環境、そしてその当時の状況によって変わってくるからです。
17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:21:08.19 ID:slx1J284o
再度訪れた沈黙。
誰もが望んだ物ではなく、何かの導きによって生まれた空間。
18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:22:09.51 ID:slx1J284o
「……私は、そう思わないけど」
しかし、それは予想外の所から打開されました。
19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:24:09.38 ID:slx1J284o
「――もしも、です」
どのように答えるのが正解なのか、そしてどのように考えるのが正解なのかがまとまらずに答えあぐねている私を見て、ありすちゃんはふと切り出しました。
20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:25:36.85 ID:slx1J284o
つまるところ、私は色々な物事に保険をかけてかけて、それこそ何重にもかけたせいで、思考と行動が雁字搦めになっていたのです。
チョコレートを通じて私の心が止まらなくなるのが怖い。
21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/12(水) 22:27:47.05 ID:slx1J284o
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