過去ログ - 海未「誕生日に菊の花を貰ってしまいました」
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1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 00:24:25.44 ID:GSBZbNEV0
ラブライブssです。

海未ちゃんの誕生日をお祝いします。

SF(少し不思議)系です。

地の文あります。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 00:26:07.20 ID:GSBZbNEV0
園田海未という少女は、あまり自分の誕生日に執着しない性質だった。
その癖、親友の高坂穂乃果や南ことりの誕生日なんかはきっちり覚えていて、割と手の込んだプレゼントを手渡してくれる。

そもそも海未は自分の誕生日を言い出す事はなく――海未の誕生日、三月十五日はたいていの場合が長期休暇という事もあり――流されている事が多い。

以下略



3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 00:28:26.18 ID:GSBZbNEV0
三月とはいえ日暮れは早く、うかうかしているとあっという間に月夜になってしまう。
海未とことりは日が暮れる前に穂乃果の家を出て、帰路に着いていた。

「海未ちゃんは今年はどんなプレゼントがいい?」

以下略



4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 00:34:12.25 ID:GSBZbNEV0
「こいつ、足に変なキズがあるぜ!」

「!」

小学生の体育の時間だった。
以下略



5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 00:39:06.18 ID:GSBZbNEV0
音はしたが、痛みはない。

ことりは恐る恐る眼を開けると、そこには一人の少女が立っていた。

一寸の白もない黒髪が、まずことりの視界に飛び込む。
以下略



6:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 00:46:30.04 ID:GSBZbNEV0
記憶の世界へトリップしてしまっていたことり。

そんなことりを海未は心配して、何度か名前を呼んでいた。

「ことり? ことり?」
以下略



7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 00:52:45.03 ID:GSBZbNEV0
〔考えたんだけど、ことりちゃん〕

「んー……?」

結局海未に家まで送ってもらって、晩御飯を食べ終わったその日の夜。
以下略



8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 00:59:56.08 ID:GSBZbNEV0
〔でもね、ことりちゃん〕

文面からでしか解らないが、きっと穂乃果はパソコンの前で真剣な表情になっている。
ことりは直感的にそう感じて、居住まいを整えた。

以下略



9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:08:34.02 ID:GSBZbNEV0
スピカテリブル、という造語がある。

スピカ、とはおとめ座の事で、テリブル、とは恐怖の事だ。

恋をする 乙女が抱く 恐怖心 という日本語にでも訳せようか。
以下略



10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:12:13.73 ID:GSBZbNEV0
「悩めば悩むほどどれもピンとこないなぁ……」

結局商店街を行ったり来たり。
かれこれ七往復もして、しかし何をあげればいいのかピンとこないまま一日が過ぎようとしていた。

以下略



11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:18:02.43 ID:GSBZbNEV0
「えーと、確か……」

ことりはポケットからスマホを取り出すと、Siriを起動させる。

「花言葉!」
以下略



12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:21:55.49 ID:GSBZbNEV0
おじいさんの方を見た筈だった。
なのに、ことりがいる場所は、ことりが見た場所は、商店街の外れに不自然に空いた空き地だった。

綺麗な花もなければ、レンガの家もない。当然、お爺さんも居なかった。

以下略



13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:27:02.22 ID:GSBZbNEV0
月が浮かんで、月が沈んで、太陽が昇って。

三月十五日土曜日。天候、快晴。

ことりは自宅で可愛い包装紙に包まれたプレゼントを眺めながら、緊張していた。
以下略



14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:32:58.88 ID:GSBZbNEV0
園田家の剣道場は、いつも冷えた空気と厳粛な気配が漂っていて、海未は静かにその冷え込んだ空気を吸い込んだ。

いつもここに来ると、気持ちは静かになり集中力が増す。それを海未は心地よく感じていた。
雑念はない、後は無心に剣を振るうだけ。

以下略



15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:36:43.40 ID:GSBZbNEV0
夕焼けはいつだって眩しくて、綺麗で、気高かった。

そんな風に西の空に沈んでいく太陽を眺めながら、ことりは約束の場所で海未を待ち続けていた。

結局昨日のレンガの家はなかったが、ことりはもう気にしてはいなかった。
以下略



16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:43:31.02 ID:GSBZbNEV0
「うん。オオギクだよ」

海未はオオギクを見つめながら考え込む。

ことりの好きな、あの日本刀のまなざしを浮かべて。
以下略



17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:47:12.88 ID:GSBZbNEV0
優しい風が吹いて、プリザーブドフラワーがひらりと揺れる。

海未の髪を撫でて、ことりの髪を撫でる。

「ことり――私は同性愛者――という訳ではないのです」
以下略



18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:52:53.32 ID:GSBZbNEV0
「ここなのですか?」

夕焼けの商店街は人もまばらになっていた。
海未とことりは更に商店街を進んで、もう人が通ることもないような商店街の外れまで差し掛かる。

以下略



19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/15(土) 01:57:43.77 ID:GSBZbNEV0
「絵里? どうしたのですか? え? 今から? 真姫の家? はい、はい、わかりました」

海未ははち切れそうな笑顔を隠さず、ことりを振り向く。

「これから真姫の家で私の誕生日を祝ってくれるそうですよ? ホントはことりに黙って連れて来て欲しかったのに、ことりが電話に出ないから、と」
以下略



20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/15(土) 02:03:50.16 ID:HXMiavPZ0

最高だった


21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/15(土) 04:27:12.72 ID:0rHOlASN0
乙すばらしいね


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