過去ログ - さやか「愛に腐りし円の御剣」
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42: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:26:31.19 ID:HamqrAcGo
しかし、恭介は唐突にそれを聞いてもほむらが冗談を言っているとまでは考えなかった。
比喩的で、掴みどころのなくて回りくどい言葉を言っているな、とだけ感じた。

藁にもすがる思い。
神妙な顔で彼女の声に耳を傾ける恭介。淡々とほむらは話続けた。
以下略



43: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:28:22.53 ID:HamqrAcGo
それまでの何とも言えない表情と態度を崩し、
口の端に温かな笑みをほのかに浮かべて一呼吸おいて、
ほむらはさも大事そうに厳かな調子でその言葉を恭介に告げる。


以下略



44: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:31:21.22 ID:HamqrAcGo
それからは特に変わったことはない。

ほむらはさやかに、一方通行どころか届いてるかもわからぬ他愛ない言葉をかけたり、
先ほどまでのように何も言わず彼女を長い時間見つめたりしたのち、
来た時と同じく唐突に見舞いを切り上げ帰っていった。
以下略



45: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:33:35.80 ID:HamqrAcGo
僕は……僕は、異性としてさやかのことを愛しているだろうか?
いや、愛しては、いないはずだ。

ごく短時間に自問自答を終える。

以下略



46: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:35:14.89 ID:HamqrAcGo
しかし、さやかが大切な人であることは今も昔も確かだ。

だったらさやかの気持ちを知った今なら、自分にとって大切な人の一人である彼女を、
そういう目で見ることができるようになるんじゃないか?

以下略



47: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:37:01.04 ID:HamqrAcGo
事故に遭って入院しているとき、
甲斐甲斐しく何度も何度も病室まで通ってくれた彼女。

それ以外にも彼女は僕に、ずっとずっと前から色々な温かさを与えてくれた。

以下略



48: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:38:07.97 ID:HamqrAcGo
その無垢なさま、自分に何もかもをさらけ出している姿。
自分が何かそんな彼女に後ろめたいことをしているようだった。

さやかは僕のことが好きだ。

以下略



49: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:39:05.18 ID:HamqrAcGo
さやかの見た目が可愛いということはずっと前から知っていた。

でもそれは、彼にとってそれ以上の意味を持ったことはなかった。
そこに自分の何かが入り込む余地はなかったから。

以下略



50: ◆2DegdJBwqI[saga sage]
2014/04/17(木) 21:42:02.97 ID:HamqrAcGo
>>49 訂正

六行目
×そこには、彼が受け入れる用意がなされている。

以下略



51: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:50:51.21 ID:HamqrAcGo
母親はともかくとして、異性とここまで近づいた記憶が恭介にはなかった。

恋人だった仁美とは、まずはもっと互いに親睦を深めあう、そんな段階。

だから、部屋で二人っきりで身体を寄せ合い、
以下略



52: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:53:05.09 ID:HamqrAcGo
さやかの両手が恭介の背中に回る。

さやかの肩から恭介は顔をゆっくり離して首を曲げ、彼女の顔を見た。
さやかも恭介の目を凝視している。互いの息がかかるくらいに顔が近い。

以下略



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