15: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:42:12.59 ID:w4MVYybr0
玄関から出てきたところでハギヨシに招かれて、車の後部座席に京太郎は乗り込んだ。今まで生きていてまったく触れる機会がなかった超高級車を前にした京太郎の動きは非常にぎこちなかった。自分の体がぶつかって、何か失敗してしまったら大変なことになるという考えが頭にあるのだ。
「弁償だとか、そういう話になったとしたら終わりだな」
そんな悪い考えが頭に浮かんできてしまい、全身を上手く支配できなくなっている。
16: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:48:25.96 ID:w4MVYybr0
ハギヨシの質問を受けた京太郎は答えた。
「いえ、まったく何も決めていません。あと、須賀さまはやめてもらえますか。なんだか、ざわざわするので」
ずいぶんはっきりと言い切った。そして運転手にもハギヨシにもわかるくらいに、所属をどうでもいいと思っているのがわかる口調だった。京太郎は自分がどこの組織に所属するべきなのかまったく考えたことがなかった。
17: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:51:45.64 ID:w4MVYybr0
しかし普通に道が長かった。そのため思ったよりも話が合うハギヨシと運転手とで京太郎は暇をつぶしをしていた。
といってもたいしたことではなくただの世間話である。車の中でいろいろと話をしているときに、京太郎は自分の趣味を聞かれた。実にたいしたことではない。そのときに京太郎はこういった。
「麻雀ですかね、最近は漫画を読んだりしてますけど」
18: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 04:56:14.41 ID:w4MVYybr0
龍門渕の屋敷に到着した京太郎は、車から降りた。龍門渕の駐車場で車は止まっていた。
車から降りた京太郎は背伸びをした。背伸びをしたときに体がパキパキと音を鳴らした。
体を伸ばしているときに京太郎は綺麗なメイドさんを見つけた。大きく目を見開いて、非常に京太郎は集中していた。
19: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:03:53.06 ID:w4MVYybr0
ハギヨシの案内で屋敷の中を進んでいるとき何人かお手伝いさんとすれ違った。先ほど見かけた若いお姉さんから、かなりいかついおじいさんまでいろいろと働いていて、年齢層はばらばらである。
時々京太郎が見つけたメイドさんと同じようなメイド服を着ている人もいて、服装もバリエーション豊富だった。
20: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:08:31.82 ID:w4MVYybr0
実に混沌とした光景を見てハギヨシの眉間に深いしわができた。完全に怒っていた。
またほとんど同時に京太郎の眉間に深いしわが寄っていた。怒っていたわけではない。ハギヨシの怒りのオーラが炸裂することを思い、心を痛めたのである。
ハギヨシが現れたことでやや騒がしくなったのだがそれも落ち着いて、金髪の長い髪の少女、龍門渕透華が京太郎に挨拶をした。
21: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:13:14.67 ID:w4MVYybr0
息を切らせているメイドさんにハギヨシが声をかけた。
「どうしました、井上さん」
22: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:18:40.44 ID:w4MVYybr0
自分のこめかみを人差し指で押さえながらハギヨシはこういった。
「わかりました。京太郎君とディーがかまわないというのならばそれでいいでしょう。
しかし、京太郎君の力が向こうで通用するか、はからせてもらいます。もしも駄目そうなら、この話はなかったことにします。
23: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:21:56.26 ID:w4MVYybr0
天江衣の質問にアンヘルが答えた。
「サマナーの作ったレベルなんてものさしは当てになりませんよ。真剣勝負の場でサイフの大きさと中身を気にするのは愚かです。
衣ちゃんの理屈だと、十四代目よりも衣ちゃんが強いことになりますよ?」
24: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:25:58.85 ID:w4MVYybr0
ハギヨシが離れていくと、ヨモツシコメはこういった。
「マスター、全部だしぃな、あんたの呼べるヨモツイクサ五十体。戦い終わったら動けなくなっていてもいいくらいの気持ちでやらんとまけるで」
ヨモツシコメは整った顔をしかめていた。そして心の底から忠告していた。
25: ◆hSU3iHKACOC4[saga]
2015/03/31(火) 05:30:02.74 ID:w4MVYybr0
しかし次の瞬間にはその笑みというのは消え去っていた。
一瞬の出来事である。ヨモツシコメが軍勢に命令を飛ばそうとした瞬間、ヨモツシコメの頭部が消滅したのだ。
頭部が消滅したヨモツシコメもヨモツイクサの軍勢もマスターである沢村智紀も、何があったのか理解できていない。
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