過去ログ - グリP「先輩と」モバP「先輩」
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:30:28.00 ID:d3Zd/SN00

アイドルマスターシンデレラガールズ、ミリオンライブのSSです。

地の文アリ。


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2:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:31:38.31 ID:d3Zd/SN00
01


 私は今、幸せだった。

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:32:30.15 ID:d3Zd/SN00
02


桃子「……お兄ちゃん、遅いな」

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:34:20.93 ID:d3Zd/SN00
 桃子は振り返った。振り返って、その声の主を見た。『あの人』ではないことを確認するために――『あの人』ではないことを、願いながら。

「……桃子、ちゃん?」

桃子(……ああ)
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:36:18.70 ID:d3Zd/SN00
03


泰葉「でも、知らなかったな。まさか桃子ちゃんがあの765プロのアイドルなんて」

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:38:48.16 ID:d3Zd/SN00
 昔……桃子がまだまだ新人で、芸能界のことを何もわかっていなかった頃。

 桃子は泰葉さんのことを『泰葉ちゃん』と呼んで、子どものように懐いていた。
 桃子にとって『泰葉ちゃん』は憧れだったのだ。
 その頃の泰葉さんはまだ子役で、よくテレビに出ていた。 
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:39:38.16 ID:d3Zd/SN00
泰葉「……桃子ちゃんは、今、楽しい?」

桃子「仕事ですから、楽しいも何もありません」

泰葉「そっか」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:40:41.77 ID:d3Zd/SN00
泰葉「……桃子ちゃんも、そうなんでしょう? あの765プロで……アイドルを、やっているのなら」

 桃子を見て、泰葉さんは微笑む。その微笑みに、どんな感情が含まれているのか――知りたくなくて、桃子は泰葉さんの視線から逃げるように顔を背けた。

桃子「……泰葉ちゃんが、何を知ってるの」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:41:30.90 ID:d3Zd/SN00
04


「ここに居たのか」

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:42:31.03 ID:d3Zd/SN00
泰葉「昔の後輩に、会ったんです」

モバP「昔の?」

泰葉「はい。今は、765プロのアイドルをやっているそうです」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:43:15.46 ID:d3Zd/SN00
モバP「泰葉がそこまで褒めるか」

泰葉「Pさんも知っているくせに、そんなことを言うんですか」

モバP「俺にとってのいちばんは泰葉で決まってるからな」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:43:59.77 ID:d3Zd/SN00
モバP「手厳しいな。それで、周防桃子と会って、どうしたんだ?」

泰葉「少し、話しました」

モバP「……話せたか?」
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:44:29.80 ID:d3Zd/SN00
 そして、Pさんは言った。

モバP「泰葉。また、話したいか?」

泰葉「……え?」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:45:15.98 ID:d3Zd/SN00
05


 遠くからタッタッタッと小走りする音が聞こえた。その音に顔を上げると、そこにはお兄ちゃんが居た。

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:45:58.64 ID:d3Zd/SN00
桃子「バカ、バカ、バカっ。……桃子を一人にしないでよ……桃子のことを、見捨て、ないでよ」

グリP「桃子……」

 桃子、何言ってるんだろう。わからない。でも、お兄ちゃんが悪いんだ。ぜんぶ、お兄ちゃんが悪い。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:46:41.04 ID:d3Zd/SN00
06


グリP(……寝た、か)

以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:47:14.73 ID:d3Zd/SN00
グリP(しかし、なら、いつ、どこで?)

 プロデューサーは考える。残りの可能性として考えられるのは、仕事の後。桃子が自分を待つまでの時間。その中で何かあったと考えるべきだろう。これは桃子の言葉からもわかる。自分が予定通りに来ることさえできれば、何も問題はなかったのだ。事情があったとはいえ、プロデューサーはそのことを許せなかった。自分のせいで桃子が……そう考えると、たまらなく自分自身のことが嫌になった。
 しかし、そんなことをしていても桃子の心の傷が癒えたりすることはない。原因を探らなければならない。まずは、今日、ここで仕事をしていた人のことや、何かあったか見かけた人は居ないかを聞き込み――

以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:48:26.86 ID:d3Zd/SN00
07


 泰葉ちゃんは桃子の憧れだった。

以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:49:16.42 ID:d3Zd/SN00
 ――でも。

監督「君たちはそこに立っているだけでいいから。いいかい? 何も話さず、ただ、立っているだけでいい」

 桃子たちに向かって、監督は言った。そのシーンは、主人公一家の娘役である泰葉ちゃんと、その母親、それとそのママ友役の人たちがメインのシーンで、桃子たちはそのママ友役の人たちの子ども、という設定だった。確かに台本を見ると後に緊迫したシーンもあるのだが、そのカットはただの日常風景のシーンだった。そんなシーンで、『立っているだけ』?
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:49:51.86 ID:d3Zd/SN00
 だって、桃子の言葉に、その監督は怒ったのだから。

「子どもが何を言っている」だの「何がわかる」だの「俺の演出にケチを付けるつもりか」など色んなことを言われた。周囲の様子を観察する限り、これはこの監督にとってそれほど珍しいことではないようだった。さすがに桃子は子どもだったから、止めてくれる人も多かったけれど、その中には『呆れ』のような感情が大きく含まれているような気がした。

 監督の言葉に桃子は反論したけれど、それでも監督は桃子の言葉を否定したし、周りの人は桃子をたしなめた。あの監督よりも桃子の方が簡単に折れると思ったのだろう。周りの人はとても困っている様子だったし、苛立っている人も居たように思えた。だから、桃子は仕方なく、折れることに――
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:51:09.51 ID:d3Zd/SN00
監督「……はぁ?」

 監督の声のトーンが明らかに下がった。先程までよりも不機嫌な声。

監督「泰葉ちゃーん。いくら君が天才子役でも、大人には大人の演出ってものがあるんだよ。それに、このくらいでそこまで変わらないって。それとも、君、降ろされたいの? 子役なんて誰でも一緒だし……まだ、一話だし。降板させても、いいんだよ?」
以下略



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