過去ログ - 海未「海の日ですね」ことり「そうだね!」
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1:名無しNIPPER
2015/07/20(月) 10:38:47.47 ID:jJmn0yKU0
そう私に答えたことりは依然として、グッタリと縁側に寝そべっていた。

夏休み前のなんともいえない祝日の日。

お盆の上で、2つのコップに入った麦茶に浮かぶ氷がカランと音を立てた。

海未「はしたないですよ、ことり」

家には今、私とことりしかいないとはいえ、縁側から足をダランと伸ばすことりをたしなめる。

ことり「明日は学校かぁー」

足先に引っ掛けて、ことりは可愛らしいサンダルで、不規則なリズムでペタペタと音を立てる。

海未「人の話を訊きなさい」

足の爪に塗られた色とりどりの装飾が、太陽の光を反射してキラキラと眩しい。

麦茶を差し出すと、寝そべったままことりが受け取る。

ことり「ありがとう」

その器用さがことりらしくて、でも、普段のことりとは少しかけ離れててる気もする。

海未「せめて、飲み物を飲むときくらいは起き上がってくださいよ」




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2:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 10:47:46.74 ID:iuVH6SaK0
ことり「起き上がるのめんどくさいよー」

そう言ってことりは寝たままコップに口をつけて、コクッコクッと麦茶を飲んだ。

海未「まったく......。こぼしてしまっても知りませんからね?」
以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 11:00:47.57 ID:iuVH6SaK0
海未「海ですか......」

ことりの方をチラッと見る。

私に無理やり水着を着せて、いつものように私が恥ずかしがる姿を見て楽しむつもりなんだろうか。
以下略



4:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 11:13:51.46 ID:iuVH6SaK0
海未「ですが、もう2時を回ってますし、海に着く頃には夕方になってますよ?」

ことり「夕方の海もなんだかよくない?」

海未「ですが、あなた暑いの苦手でしょう? 現に今だってそんなにだらけて暑さ負けしているのに」
以下略



5:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 11:24:37.07 ID:iuVH6SaK0
ことり「え!」

ことりが両腕をついて私の方に前のめりに距離をつめる。

ことりが起した風の中に、ことりの匂いが混ざって私に届く。
以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 11:32:58.81 ID:iuVH6SaK0
ことり「ふむ、熱はないみたいだね」

海未「あ、あるわけないでしょう!? というか、熱があったらこんな風にことりと会ってませんよ!!」

ことり「うん、そうだよね。海未ちゃんは風邪ひかないもんね」
以下略



7:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 11:44:57.78 ID:37xvyrW70

海未「別にそんなことないですよ......?」

ことり「そう? じゃあ、今度部室でみんなが揃ってる時、ことりに『メンバーの中でキミが一番かわいいよ』って言える?」

以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 11:55:12.99 ID:xO6J73Vw0
ーーー
ーー


近場の海に行く電車の中は混んでいた。
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 12:13:00.38 ID:xO6J73Vw0
都心から通り過ぎていくと、電車の中も空いてきて、私はクーラーが効きすぎていない席へ移動した後にことりの隣に腰を下ろした。

ことりを窓際に座らせた2人掛けのクロスシートの窓の外を、景色がゆっくりと流れ次第に速度を上げていった。

ことり「海未ちゃん」
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 12:34:29.94 ID:xO6J73Vw0
ーーー
ーー


頬の辺りにくすぐったさを覚えて、ハッと目が覚めた。
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 12:55:00.98 ID:xO6J73Vw0
十分な量の写真を撮り終え満足した私は、ことりを起こすことにした。

このまま気持ちよさそうにことりを寝かせておいてやりたいが、そうすると買った電車の切符料金を超えてしまう。

人は行ける場所にしか、行けない。
以下略



12:名無しNIPPER
2015/07/20(月) 13:41:57.31 ID:yo2C1qaCo
続けよう


13:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 14:20:12.14 ID:fe1VaHRR0
ことり「うぇぇ......まぶしい......あちゅい......」

ガサガサとした雑音混じりでほとんど何を言っているのかわからないアナウンスの中でことりが起きた。

2,3度、ぱしぱし、と瞬きをして、ふぁぁと口を手で隠してあくびをする。
以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 14:38:13.10 ID:fe1VaHRR0
ことり「今どこら辺? 降りる駅もしかして通り過ぎちゃった?」

ことりが窓の外を眺めながらたずねる。

普段使っていない電車の窓の外の風景なんて見ても地理なんてわからないだろうに。
以下略



15:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 14:50:47.78 ID:fe1VaHRR0

電車が走り出すと、ことりは私に巻きつけていた腕を解き、何やらバッグの中をガサガサと漁った。

ことり「あと少しで海着くから、海未ちゃん、日焼け止め塗ろっか」

以下略



16:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 15:40:45.21 ID:fe1VaHRR0
ーーー
ーー


電車を降りると、都会とはまた違った暑さがムッと辺りに立ち込めていた。
以下略



17:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 15:57:44.31 ID:fe1VaHRR0
海にはまだチラホラ人がいて、それぞれに海の日を楽しんでいるらしかった。

ことり「海だー!」

ことりが海が見えるや否や走り出す。
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 16:18:40.16 ID:fe1VaHRR0
砂浜に持ってきたブルーシートを敷いて飛んでいかないように荷物を置いた。

ことりは早々にサンダルを脱ぎ捨てて、海に足まで浸かって1人でキャッキャしている。

海面から30度くらいの高さまで夕陽が近づいてきていて、辺りはもう夕暮れに染まっていた。
以下略



19:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 16:56:31.43 ID:fe1VaHRR0
しかし、そこは運動にあまり慣れていないことりのすることだ。

投げられたサンダルは3mもいかないところで海に落ち、数回の波乗りを経て、すぐさま砂浜にシャーっと打ち上げられた。

海未「......あー、なんていうか、ことりっぽくて良かったと思いますよ?」
以下略



20:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 17:30:45.75 ID:K2gJOVWp0
ビニールシートのところまで戻るとことりも駆け寄ってきた。

荷物から取り出したタオルを奪われる。

ことり「いいよ、座って。ことりがするから」
以下略



21:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 17:54:57.57 ID:PW7l1Poz0
上の方からタオル越しに「これくらいかな」という声がする。

服は仕方ないにしても髪はそんなに濡れていなかったのかもしれない。

ともあれ、つかの間の目の保養でした。
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