32:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:08:11.93 ID:Csg2FCKN0
「ちょ、離して下さい!!」
「そんなこと言わずに―― こちらです!」
33:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:26:59.80 ID:Csg2FCKN0
「神様―― この度は本当にありがとうございました」
どうしてこうなった。
危ない美女に強引に連れられて辿り着いた先は―― 寂れた雑居ビルの二階だった。
34:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:31:24.34 ID:EwL7hHPK0
「そうか、君は神様ではなかったのか」
「当たり前でしょう……」
一悶着あって。
35:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:35:44.48 ID:EwL7hHPK0
「貴様―― このまま生きて帰れるとでも思っているのか?」
そして今度は脅迫…… 黒髪女の赤い瞳が鋭い光りを帯びた。
どういうことだ。感謝されることはあっても恨まれることはないはずだ。
36:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:38:21.72 ID:EwL7hHPK0
「そうだな、何がいいだろうか……」
「いや、本当に何もいいですから―― 気持ちだけで」
「さすが教主様ですっ!」
37:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:42:39.87 ID:EwL7hHPK0
許容範囲内なら何でも一つ叶えてくれる―― それは一体。
何でも叶えてくれる(許容範囲内なら)と言った玲子、その言葉はエコーのように響いて俺の脳裏で悪魔の囁きの如くずっとうごめいている。
望み、願い…… 何でも?
何でも、許容範囲内なら何でも叶えてくれる―― いや、そんなことできるはずがない。
38:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:46:05.81 ID:EwL7hHPK0
何だ? 胡散臭い名刺でも寄越すつもりか?
「善次郎くん、君は喫煙者か?」
「――はい?」
39:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:49:54.91 ID:EwL7hHPK0
「あなたは一体」
「これが私のちか―― う゛ぇっ!!」
「え!? だ、大丈夫ですかっ!?」
40:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:52:53.78 ID:EwL7hHPK0
悪魔将軍、だって?
何だその世紀末みたいな響きは。どこぞやの大魔王か?
思春期特有の妄想がまだ抜け切れていないのだろうか? 何歳だか知らないけれど、少なくとも俺とそんなに離れているわけではないだろう。そんな大人の立派な女性から頓珍漢な言葉が放たれたのだから、これはもう驚愕以外、反応の選択肢はない。
41:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 05:57:19.68 ID:EwL7hHPK0
彩音の代わりに玲子が宣言する。
「支配って…… 子供の妄想じゃないんですから」
42:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 06:02:26.15 ID:EwL7hHPK0
「そうだな―― しかしそうできないから地道に出ているわけだ」
説明役を放棄していた玲子がそこで間に入ってくる。
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