13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 05:21:26.29 ID:/p0Ll9udO
窓の外の真っ暗な闇が次第に暖かみを帯びて、お日様の光が僕の部屋にも差し込んでくる。
かなり早起きしてしまった僕は、輝く朝日を静かに眺めていた。
空は昨日と同じように青く、いつもと同じような雲が浮かんでいる。
僕はその一つ一つに安心しながら、身支度を整えた。
14:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/10(水) 05:24:05.21 ID:/p0Ll9udO
そして、しばらく忙しそうな音が続いて、パン工場の扉をノックする音が響く。
「こんちはー!」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 05:30:48.53 ID:/p0Ll9udO
「おい!アンパンマン!」
16:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/10(水) 05:36:09.25 ID:/p0Ll9udO
しかし、僕たちはなにを話したらいいか分からなくて、少し時間を持て余した。
無言の時間に息苦しさを感じて、カレーパンマンが僕に話しかける。
「そういえば、さっきジャムおじさんになにか話しかけようとしてたよな。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 05:37:29.12 ID:/p0Ll9udO
「でも、どうしてパン工場に住まなくなったの?」
「それはさ、俺はすごいやつだから、もう一人でも大丈夫だなって思って」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 05:39:18.26 ID:/p0Ll9udO
「ばいきんまんがお前を殺そうとしてる?そんな訳ねぇだろ」
「そうなのかな」
19:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/10(水) 05:40:35.16 ID:/p0Ll9udO
「カレーパンマン?」
「ああ、いや、まーさ」
20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 05:43:37.98 ID:/p0Ll9udO
カレーパンマンがパトロールに出掛けてくれてからしばらく経って、外のお日様が傾き始めた頃。
窓ガラスを通って、オレンジ色の光が僕の部屋の中を照らした。
まるでオレンジジュースの中を泳いでいるような綺麗な光を、僕はぼんやりと眺めていた。
こんなにゆっくりしたのは久しぶりで、僕はどうしたらいいか分からなかったから、今はただ夕日に包まれていたいと思った。
21:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/10(水) 05:44:42.60 ID:/p0Ll9udO
「あの……これは僕のなんでしょうか?」
「うん、まぁ、そういうことね」
22:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 05:47:12.17 ID:/p0Ll9udO
次の日、お日様は相変わらず光り輝き、野原の草や木も一本残らず照らしていく。
その優しさは僕の部屋にも届いて、壁にかけられた僕のマントや外行きの服を照らした。
この服はジャムおじさんが考えたもので、バタコさんが作ってくれた物だった。
そしてその服を着た僕を、チーズはカッコいいと言ってくれて、みんなは僕のマントが見えるとほっとすると言ってくれた。
23:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/10(水) 05:48:36.64 ID:/p0Ll9udO
毎朝の軽やかな動きで、僕の顔は焼きたてのふかふかな顔へと変わった。
僕は自分の顔を洗ったことはないけど、きっと顔を洗うのと同じくらい清々しいことなんじゃないかと思う。
元気な明るい心で満たされていく僕に、ジャムおじさんが微笑みかける。
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