過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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6:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:17:33.97 ID:Yu37ZZYbO
パトロールを終えたぼくは、そーっとパン工場の扉を開いた。
もうジャムおじさん達は寝ているだろう。
そう思って音をたてないように開いたのに、ジャムおじさん達はぼくの帰りを待っていたようで、パン工場の中から大きな声が聞こえた。


以下略



7:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:18:45.45 ID:Yu37ZZYbO
「実は、今日はメロンパンナちゃんにもパトロールをお願いしたんだよ。
だから、みんなが助けを呼ぶ前にメロンパンナちゃんが助けていたのかもしれないね」

「けど、森にいたあの子は」

以下略



8:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:20:06.10 ID:Yu37ZZYbO
ぼくはきっと、あの瞬間に正義の味方ではななくなったのだろう。
白み始めた空を見ながら、ぼくは思う。
正義の味方ではなくなったから、助けを呼ぶ声も聞こえないんだ。
これからもきっと、治る日はこない。
君が生き返ることがないのと、同じように。
以下略



9:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:21:08.07 ID:Yu37ZZYbO
「なにがあったの?ドキンちゃん」

「ばいきんまんが……私をかばって……!」


以下略



10:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:22:27.43 ID:Yu37ZZYbO
ぼくは煙突から飛び出し、出来る限りのスピードでバイキン城へ飛んだ。
辺りはだんだんと暗くなっていき、黒く厚い雲が空を覆い始める。
足下の花畑はごつごつとした岩場に変わり、湿気がまとわりつくようになった。

そして、ぼくは遠くのがけの上から、太く煙が上っているのを目にすることになる。
以下略



11:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:24:19.19 ID:Yu37ZZYbO
「ばいきんまん!中はどうなってるの?」

「うるさい!ちょっと扉が歪んで開かないだけだし、ちょっと故障してるだけなのだ!」

「やっぱり外には出られないんだね!」
以下略



12:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:25:43.25 ID:Yu37ZZYbO

「アンパンマン!」


ぼくを呼ぶ声が拡声器から聞こえる。
以下略



13:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:26:47.21 ID:Yu37ZZYbO
ばいきんまんの声が再び聞こえた。
でもそれは聞き間違いだと思いたかった。
ぼくはさっきよりさらに青ざめて、扉を力一杯蹴る。


以下略



14:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:28:39.98 ID:Yu37ZZYbO

「ばいきんまん!」

「お前が出来ないなら、おれさまがやるしかないな……」

以下略



15:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:29:50.81 ID:Yu37ZZYbO

「アンパンマン!大丈夫!?」

「メロンパンナちゃん……!ぼくを上に連れていって!」

以下略



16:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 15:31:13.13 ID:Yu37ZZYbO
ぼくたちは遅れて飛んできたアンパンマン号に乗り込んだ。
中にはジャムおじさん達とドキンちゃんが乗っている。
窓の外に広がるバイキン城の残骸を見て、ドキンちゃんは青ざめていた。
なにも喋らないドキンちゃんに、ぼくは起こったことの全てを話した。

以下略



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