31: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:04:52.90 ID:uhMwzG8T0
それにもう一つ……プロデューサーにはこの屋台の奇妙さとは別に、気になっていることがある。
「あの、お客は俺たちだけなんですか? 外から見た時は、もう二、三人いたように見えたんですけど」
32: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:06:37.84 ID:uhMwzG8T0
――……外から見た人影が単なる見間違いだったとして、すると今度は、
相席した少女の存在が気になりだしてしまうのは、ある意味で詮索好きで臆病な人の性だと言える。
不安な状況に置かれた人は、目につく限りの疑問にたいし、
33: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:08:19.74 ID:uhMwzG8T0
「プロデューサー?」
不意に声をかけられて、プロデューサーが我に返ったように楓の方を向いた。
34: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:10:20.95 ID:uhMwzG8T0
「お月見専門の屋台だよ。出てくるのはお団子とお酒と、後はそれから、お椀に入った綺麗なお水」
少女の説明を受け、今度はプロデューサーが身を乗り出すようにしながら老人に聞いた。
35: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:12:58.17 ID:uhMwzG8T0
=・=
「じゃあ、お団子を二人分」
「あんよ」
36: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:14:20.01 ID:uhMwzG8T0
「白玉団子……たまに里芋に似てるなって、思ったりしません? プロデューサー」
「今言うことですか、それ。……思いませんよ」
37: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:15:36.20 ID:uhMwzG8T0
口の中に入った白玉の想像以上の甘ったるさに、驚きの声を上げるプロデューサーと、
悩ましい吐息を立てながら、困り顔でもぐもぐと必死に口を動かす楓。
そんな二人の反応を満足そうに眺めて、老人が言う。
38: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:36:45.67 ID:uhMwzG8T0
「あい」
カウンターの上に、徳利とお猪口がトンと置かれた。
39: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:38:51.74 ID:uhMwzG8T0
=・=
――……黒蜜騒ぎからしばらく経って。
屋台の中には静かに酒を飲む楓と、眉間に深い皺を寄せ、
40: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:40:02.02 ID:uhMwzG8T0
「私も色々とお酒は飲んで来たつもりでしたけど。こんな味は、初めてです」
「ニンジンをォ、丸かじりしてるよんな味。活きの良いニンジンじゃなきゃ、まず出んめ」
41: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:42:32.25 ID:uhMwzG8T0
「これも月見酒には、敵んめ」
「月見酒」
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