過去ログ - 妖狐姫「わらわの座椅子となるのじゃ」
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◆hs5MwVGbLE
[saga]
2017/03/09(木) 21:20:20.61 ID:l6gu8MXB0
俺の人生は終わっていた。
いや、具体的には俺が勝手に終わらせたと言う方が正しいか。
高校卒業後『ただただ働きたくない』『社会が怖い』という理由から地元の適当なFラン大学へ入学。
しかしだ、Fラン大学へ入学したということは察しがいい奴ならもう分かっているだろうが俺は勉強も嫌いだ。
ロクに大学に行かず、バイトをするわけでもなく実家暮らしでゴロゴロゴロゴロとニート同然の暮らしをしていた。
親からは呆れられ、大学をやめてなんでもいいから手に職をつけろと毎日のように言われている。
日に日に親と会話するのも辛くなり、だからと言って大学の教諭と顔を合わすのはもっと辛い…
そんな俺を責めもせず癒してくれるのは二次元の女の子と飼い猫だけだった…。
俺の存在価値は飼い猫の座椅子役だけとなっていた。
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2
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:21:19.89 ID:l6gu8MXB0
自分の膝枕の上で気持ちよさそうに丸まり眠る飼い猫を見ているときにのみ自分の存在価値を見出せる…悲しき人生だ。
しかしその飼い猫もとうとう一週間前に老衰で死んでしまった。
俺は唯一の存在価値を失った。
3
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:22:34.92 ID:l6gu8MXB0
そして今日の俺は、いや今日も俺は大学に行かないくせに外をブラブラと散歩していた。
天気のいい日は家にいても死にたくなるだけなのでこれにつきる。
男「…あれ?」
以下略
4
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:23:17.12 ID:l6gu8MXB0
男(もういいか。傘も持ってねーし濡れて帰るか)
肩や頭に降り注ぐ一滴一滴が己への罪なんだと考え自己満足も良いところだが全部浴びて帰ることにした。
以下略
5
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:24:35.78 ID:l6gu8MXB0
この瞬間俺は全てを悟った。
男(もしかして俺の人生ってこの先真面目に生きたってこんなことばっかになるんじゃね?)
何か努力しても、別の何かがその努力をなかったものにしてしまうのではないか…
以下略
6
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:25:12.15 ID:l6gu8MXB0
男「あー…」
ならいっそのこと犯罪に手を染めて暴れるというのはどうだろう。
あの、よくあるあれだ『ムシャクシャしてやった』というやつだ。
以下略
7
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:25:53.67 ID:l6gu8MXB0
男(…なんだあれ?)
だがその女の子…どうも普通じゃない。この国にいるのは不自然なほどの鮮やかな黄金色の髪、だが服装は和風な巫女風装束だ。
男(小学生コスプレイヤーとか…?マジ?)
以下略
8
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:26:35.19 ID:l6gu8MXB0
「はっ…はっ…あやつらめ…何処までわらわを追い回す気なのじゃ…」
「…ひゃっ!?」
俺が目の前まで近づいたその瞬間、女の子は濡れた地面に足を滑らせて前から倒れかけた。
以下略
9
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:27:28.63 ID:l6gu8MXB0
俺の方がおろおろとしていると金髪少女は何かを決心したような真剣な顔つきとなり先に口を開いた。
「うにゅよ…」
男(え?俺のこと…?)
以下略
10
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:28:02.19 ID:l6gu8MXB0
男(ひ、姫…?この子お姫様なの!?)
「くっ!見つかってしもうたか!」
「おい!うにゅよ!わらわをおぶって走るのじゃあ!」
以下略
11
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:28:37.51 ID:l6gu8MXB0
急いで言われたとおり金髪少女を背負い走り出す。
男「どっ、何処行けばいいんだ!?」
「なるべく人間がおらん場所へ出るのじゃ!」
以下略
12
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:29:28.36 ID:l6gu8MXB0
「ここらでよいか」
なんとか男たちを巻き、人通りの少ない場所へ出たところで背中の少女はぶつぶつと呪文のような何かを唱え始めた。
以下略
13
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:30:24.85 ID:l6gu8MXB0
…………
人混みが騒つく声で目を開けた。
一人で落ち着く自室に籠もっていると、どうもこういう騒がしいのは苦手だ…。
以下略
14
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:30:53.83 ID:l6gu8MXB0
男「なんだ…これ…」
まず、どう見ても自分の知っている場所ではない。
高校の教科書でしか見たことないような古い雰囲気の漂う市場で沢山の人達が衣類や果物を買っている。
以下略
15
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:31:53.39 ID:l6gu8MXB0
「何処でもよいと適当な転移鳥居をくぐってしもうたが…さっきの世界は耳と尻尾を隠す必要があって大変じゃったな…」
「ふぅ…やっと楽になったのじゃ…」
男「なぁ、ここは一体何処なんだ…?」
以下略
16
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:32:50.65 ID:l6gu8MXB0
「姫様!探しましたよ!?」
「主様!ここにおられたでごじゃるか!」
突然の出来事の連続は俺に冷静になる暇を与えてはくれない。
以下略
17
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:34:02.70 ID:l6gu8MXB0
「てんこ、くぅこ。この者は怪しい者ではない」
妖狐姫「紹介が遅れたな。わらわは妖狐姫…こっちの黒い髪の方がわらわの女中のてんこ…そして銀色の髪の方が護衛役のくぅこじゃ」
てんこ「なんだ姫様のお知り合いであったか」
以下略
18
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:34:58.56 ID:l6gu8MXB0
てんこさんとくぅこも驚きを隠せない表情をしているあたりやはりあれは何かの間違いだったのだろうか…というか十中八九そうだろう。
出会って10秒もしないうちに逆プロポーズなんて少なくとも人間の常識では聞いたことがない。
妖狐姫「これであの男もわらわを諦めてくれよう」
以下略
19
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:35:48.07 ID:l6gu8MXB0
…………
てんこ「で、再確認するが…男殿は姫様とはなんの面識も持たない殿方で間違いないのだな?」
男「まあ…そうですが…」
以下略
20
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:36:23.86 ID:l6gu8MXB0
男「あ、あの…やっぱ何かの間違いなんですかね」
妖狐姫「そんなことはないぞ?」
てんこ「姫様は少し黙っていてください」
以下略
21
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/03/09(木) 21:37:06.78 ID:l6gu8MXB0
男(ん…)
妖狐姫「むぅ〜」
妖狐姫の方に少し目を向けると彼女はバツが悪そうにそっぽを向いていた。
以下略
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