【グラスリップ】透子「かけるくん?」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/03(水) 23:16:14.15 ID:DvK9a+dU0
<第2話 ベンチ>
「俺はあの日、君と同じものを見た」
そう告げた俺に、透子は何も答えることはなかった。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/03(水) 23:26:55.15 ID:DvK9a+dU0
*
そして、翌日。
父さんの家のリビングのリクライニングソファの上で、俺は母さんの演奏する夜想曲を聴いていた。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/03(水) 23:37:18.67 ID:DvK9a+dU0
『何はともあれ、今日の約束に深水透子がどう応じるかだ』
『彼女の協力は必要不可欠なんだから、うまくやれよ』
わかってる……やれるだけのことはやるさ。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/03(水) 23:46:05.92 ID:DvK9a+dU0
*
来ないという可能性も考慮していただけに、女の子一人が同伴しての登場とは、昨日の突貫はかなりの成果を上げたと考えていいだろう。しかし――、
「やあ、こんにちは。君は昨日の……」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/03(水) 23:51:34.60 ID:DvK9a+dU0
「でも……」
永宮はなおも反対したが、最終的には透子の意思を尊重することに決めた。
「透子ちゃんを、助けてくれるのよね?」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/03(水) 23:54:34.34 ID:DvK9a+dU0
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いざ透子と二人きりになってみると、自分でも意外だが、多少の緊張があった。
それもこれも父さんや永宮の一言のせいだ――というのは、さておき。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/04(木) 00:00:56.70 ID:dmglIwuH0
*
クーラーの効いた室内から外に出た瞬間、痛いほどの日差しが肌を焦がした。
「暑い……」
20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/04(木) 00:08:18.77 ID:dmglIwuH0
言いながら、俺は透子の反応を伺う。
すると、彼女はどういうわけか瑣末なことをぶつぶつと呟き始めた。
「……謝るってことは、誰にも聞かれてないと思ってお風呂場で歌を歌ってたり、いや、そんなことより、まさかテストの点、呟いてないよね……」
21:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/04(木) 00:14:57.31 ID:dmglIwuH0
「……こないだの祭りの日」
彼女を不安にさせないよう、俺はなるべく穏やかな口調で、そう話を続けた。
「俺は初めて《映像》と《声》――両方の合わさった《欠片》を見た」
22:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/04(木) 00:27:19.72 ID:dmglIwuH0
「幻覚のようなものが見えるとき、何かきっかけがあるだろう?」
「……うん」
「それがあると、たぶん見えやすい」
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