44:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:27:28.54 ID:4h98r15f0
<第5話 日乃出橋>
通り雨の日に高山と話をしてから、数日。
工房で会って以来、透子から連絡はない。
45:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:29:54.98 ID:4h98r15f0
*
高山に案内されてやってきたのは、急な階段の上にある小さな神社だった。
日陰になっている社の軒下、礎石に腰を下ろし、俺は高山が何か言い出すのを待った。
46:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:33:37.85 ID:4h98r15f0
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高山がまず話してくれたのは、井美雪哉のことだった。
彼は陸上部で、一年の夏に足を怪我して以来、リハビリ中なのだという。
47:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:38:52.68 ID:4h98r15f0
「未来が見えるといいのに」
思わず、俺は高山のほうに振り返った。
透子から何か聞いたのだろうか――そう思ったが、
48:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:42:28.34 ID:4h98r15f0
そうして俺がだんまりを決め込んでいると、高山は諦めたように俺から視線を外して、
「ううん、ウチは見ない」
決然と、そう宣言した。
49:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:46:31.59 ID:4h98r15f0
それに比べて、今の俺はどうだ……。
透子に迷惑をかけるかもしれないから、連絡を待つしかない――本当にそれでいいのか?
透子を思い遣っているようで、その実、透子に会って何かを変えるのが恐くて、二の足を踏んでいるだけじゃないのか……?
50:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:49:30.86 ID:4h98r15f0
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家に帰ると、父さんがきまりの悪そうな顔で待っていた。
「さっき、女の子からおまえに電話があったぞ」
51:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:52:44.34 ID:4h98r15f0
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父さんから話を聞いてすぐ、俺は透子にリダイヤルした。ちなみに父さんは気を遣ってリビングから出ていった。
『はい、深水ですけど』
52:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:02:17.07 ID:4h98r15f0
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透子に電話を掛けてから、一時間ほどして。
俺と透子は、俺の部屋という名のテントが張られた庭でコーヒーを飲みつつ、父さんの料理が出来上がるのを待っていた。
53:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:04:19.57 ID:4h98r15f0
「でも、今日来てもらった俺のほうの理由は、その高山のことなんだ」
昼間に石膏像として聞いた内容を、俺は一息に告げる。
「高山、井美雪哉に告白するらしい」
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