15:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:40:07.72 ID:nYXsbXrS0
それ以後、僕はリュックを背負って旅をした。
部屋を移るごとに千円札を投げ込んでいくのさ。
○
16:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:40:33.74 ID:nYXsbXrS0
「屁とも思わないくせに」
「またそんなこと言うんだから。今だって、アンタの評判は悪いけれども、私の天才的な立ち回りを見せて、
かばってあげているんだからね。少しは感謝してほしいってもんよ」
17:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:41:09.93 ID:nYXsbXrS0
僕が窓を開けたのに、彼女は反応しなかった。不審に思いながら部屋に入り、彼女に声をかけてみた。
「あの、失礼します」
いくら声をかけても彼女は反応しない。僕はおずおずと彼女の顔を覗きこんだ。
18:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:41:53.98 ID:nYXsbXrS0
あまりの理不尽さに僕は憤った。冬月副司令、断固許すまじ。
僕はアスカの手配してくれた隠れ家に速やかに逃げ込み、冬月副司令に見つからないように息をひそめ、
生まれたての小鹿のようにぷるぷると怒りに震えていた。
19:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:42:21.67 ID:nYXsbXrS0
「冗談じゃないですよ」
「でも、君の事は身を挺してかばうと言っていたよ」
○
20:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:42:50.89 ID:nYXsbXrS0
ソーセージを食べる気にもならない。
どうせ同じ部屋に出るだけだ。
どうせ同じさ。
僕はただ胸の内でそう呟いていた。
21:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:44:17.43 ID:nYXsbXrS0
アスカのような恐ろしい人間とは早く袂を分かとうと思っていたけれど、それもうまくいかなかった。
自室にこもる僕を訪ねてくるのは、アスカだけだったからさ。
○
22:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:44:45.98 ID:nYXsbXrS0
「そうだ……」
僕は思わずつぶやいた。
アスカは、たったひとりの僕の親友だったんだ。
23:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:45:12.82 ID:nYXsbXrS0
その人物をはっきり認識した瞬間、心臓が止まりかけた。
何か言おうとしても、ぱくぱくと魚のように口が動くだけで、声が出てこない。
僕は何とか最初の一言を絞り出した。
24:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:45:44.16 ID:nYXsbXrS0
「言葉で説明するよりも、見てみる方が早いんじゃないかなぁ。ちょっとついて来て下さい」
そう言って、彼女と一緒にユイさんのいる部屋へと歩いて行った。
○
25:アスカ「私なりの愛ってやつよ」
2011/04/13(水) 23:46:22.85 ID:nYXsbXrS0
「ちょっと荒療治だったわね。80日間も部屋をさ迷わせる事になっちゃったから。
でもあなたはきちんと気付いたわ。自分自身で殻を破った」
僕は母を誤解していたのかもしれない。こんなにも深い愛情に包まれたのは初めてだった。
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