過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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2012/08/06(月) 21:05:13.30 ID:4DOG5YTr0
当たり障りの無い言葉を選ぶのに必死で話が進まない私と風見君に対して、
赤沢さんはその後もズバズバと質問攻めにした。
赤沢さんとは、去年同じクラスになってからの大切な親友だ。
体育祭の時に一緒に撮ってもらった写真の笑顔のように、
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2012/08/06(月) 21:05:58.03 ID:4DOG5YTr0
面会時間が終わり、帰路についたその最中、
私たち三人は大切なことを忘れていたのに気がついた。
「しまった・・・、榊原君に『いないもの』の話をしていない!」
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2012/08/06(月) 21:06:37.70 ID:4DOG5YTr0
◆No.1 Izumi Akazawa
5月6日。大型連休、いわゆるゴールデンウィークが明けた初日。
まだ休みボケが残る中で、皆が会社や学校に重い足取りで向かうのに対し、
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2012/08/06(月) 21:07:08.98 ID:4DOG5YTr0
思い返せば一年半前。
家庭の事情で一つ屋根の上で暮らしていた、私の従兄の赤沢和馬。
幼い頃から、私が『おにぃ』と呼んで慕っていた彼は、
おととしの3年3組の対策係だった。
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2012/08/06(月) 21:08:05.42 ID:4DOG5YTr0
私が再び登校したのは、5月11日の月曜日。
治った途端、第二土曜で休日になってしまったため、
学校は10日ぶりのこととなった。
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2012/08/06(月) 21:09:08.29 ID:4DOG5YTr0
「ご、ごめんなさい。あなたのことじゃないの。
はっきり思い出せない、自分のふがいなさにね・・・」
「赤沢さん、あまり思い詰めても」
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2012/08/06(月) 21:10:36.46 ID:4DOG5YTr0
◆No.19 Junta Nakao
中間試験の日程が張り出され、クラスの空気が重くなるのが、
手に取るようによくわかった。
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2012/08/06(月) 21:11:45.23 ID:4DOG5YTr0
ところが、そんな俺が積み重ねてきた努力を全否定するような存在が、
今のクラスにはいるのだった。
勅使河原と風見の腐れ縁の話は、いつしか進学する高校の話になり、
勅使河原はその男にも、その話題を振った。
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2012/08/06(月) 21:12:46.76 ID:4DOG5YTr0
「天は二物を与えず」なんてことわざは、
恵まれない奴が思いついた、ひがみじゃないのかと時々思う。
赤沢さんは二物以上与えられているけど、別に嫌な思いをしたことは無いのに、
榊原に当てはめてみると、どうしても納得いかない。
俺が血のにじむような努力を重ねて得た物の何倍もの要素を、
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2012/08/06(月) 21:13:40.93 ID:4DOG5YTr0
桜木が死んだのは、そのわずか六日後だった。
中間試験も終わりに迫ったラストスパートの中、
母親が事故に遭ったという知らせを聞いた桜木は、
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