20: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:07:59.47 ID:ZqZKzP3U0
「だって……先生が悪いんですよ。私達いっつも何時間待たされてると思ってるんですか?それをちょっと落書きされたぐらいで怒るなんてどうかしてます」
「俺は、遅刻との関連を聞きたいんだよ。どうやったら、この行為が正当化されるのか聞いてるんだ」
「だから、いつも私達にしてる事を思えば、こんな些細な事どうでもいいじゃないってことよ。なによ、エラソーに……」
21: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:15:41.84 ID:ZqZKzP3U0
数日後、俺達はいつものように雑用をこなしていた。
しかし、現場に流れる空気は重く、チームワークも壊れてしまった。
いや、俺が壊してしまったんだ。
22: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:29:34.75 ID:ZqZKzP3U0
謝れば良かっただけなのだ。
少し生意気な子供にやり直しのチャンスを貰ったと思えば、それで良かった。
ただそれだけの事だった筈なのに、俺は本当に馬鹿だった。
23: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:32:03.68 ID:ZqZKzP3U0
「……俺は、嘘は吐いてない。聞いてみろって言ってるだろ」
「じゃあ、本当にそんなことをしたならなぜお父さんは捕まってないんですか?おかしいですよね」
「俺の家を襲ったのは二人組でね。恐らく、もう一人は警務部隊の関係者だったんだろう。まともな捜査は行われなかったよ」
24: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:39:08.49 ID:ZqZKzP3U0
見知らぬ路地を抜け、サクラは一戸建てへと吸い込まれていった。
どのタイミングでも、顔さえ確認できればそれでいい。
それまでずっと張り込むつもりでいたが、その時はあっさりと訪れた。
25: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:40:14.76 ID:ZqZKzP3U0
しばらくして目を覚ますと、辺りは暗くサクラの家には明かりが灯っていた。誰も俺が倒れていることに気がつかなかったらしい。
頭痛が収まらない頭を抱えて、何とか体を起こし地面に座り込んだ。
ゆっくりと記憶を辿っている内に、ふと疑問に思った。
26: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:50:44.74 ID:ZqZKzP3U0
しかし、命を絶たない限り、眠りは永遠ではない。
短い睡眠を何度も繰り返している内に、目覚ましが終わりの来ない日々の始まりを告げた。
朦朧とする意識の中、俺は寝台の上で身を起こす。
27: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 20:57:36.44 ID:ZqZKzP3U0
なんと言って招き入れたのか、思い出せない。
気がつくと俺は、彼女にお茶まで出していた。
無言のまま正座をするサクラの顔は暗く、黙りこんでいる。
28: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 21:02:03.42 ID:ZqZKzP3U0
俺の意識は途絶えてなどいなかった。
ただ、正気は失っていたと思う。
急にニヤニヤ笑い出す俺をサクラはどう感じているのだろう。
29: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 21:04:47.81 ID:ZqZKzP3U0
「ちょっと静かにしててくれると助かるんだけど」
そう呟いてみたが、サクラには聞こえていないようだ。
仕方がないので、頭の脇に立ち右手だけで骨をゴリゴリと削るように切っていく。
30: ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2013/10/14(月) 21:08:37.96 ID:ZqZKzP3U0
意識を取り戻した時、俺は壁に背を預け天井を見上げていた。
何気なく床についた右手が水っぽい音をたてたのに驚き、目線を下へとずらす。
サクラは俺のすぐ隣で絶命していた。
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