過去ログ - 【モバマス】P「なぁカミサマよ、願わくば」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 22:43:52.81 ID:KJCAM6rl0
地の文メイン。
独自設定あり。
未熟者ゆえ、人称や口調等でミスがあるかもしれません。
どうかご容赦いただければ幸いです。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 22:45:36.87 ID:KJCAM6rl0

「……なあ。ええ加減諦めてもらわれへんかなあ。こっちとしてもそろそろ待つの限界やねん」

兵庫県・某所。
とある教会にて。
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 22:57:33.70 ID:KJCAM6rl0



今日もまた、ロクな成果を上げることができなかった。

以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 22:58:26.00 ID:KJCAM6rl0

気に入らない相手なら恫喝の一つもしてやろうものだが、相手はただ頭を下げるだけ。
こちらも良いことはしていないという自覚があるから、どうにも強く出ることは出来ずにいた。

上からの指示は早急な回収、できないなら建物を差し押さえろ、登記書を持ってこい、権利書を持ってこい。無理矢理にでも。
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 22:59:15.73 ID:KJCAM6rl0

「何もしてへんからじゃドアホ。お前客一人相手にナンボほど時間かけとんねん」

「……それは、あの」

以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:00:36.52 ID:KJCAM6rl0



おじいさん、と表現してもいいだろうその男性は、自身をとある芸能事務所の社長だと名乗った。
そして、自分のその事務所でプロデューサーとして働かないか、と俺に言った。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:01:08.59 ID:KJCAM6rl0

入社から二週間程度が経ったある日、俺は社長から呼び出された。経歴に関わることを調べられたのかと思って少し肝を冷やしたが、話はそれとは関わりのないことだった。……後になって思えば、関わりがないとは言えなかったかもしれない。

「……新人アイドルを任せる?」

以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:02:05.72 ID:KJCAM6rl0

静かに室内へ入ってきた彼女。
天然モノらしい澄んだ金髪を後ろで結ってまとめ、綺麗な顔立ちは薄く微笑んでいる。

(…………んん?)
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:02:56.59 ID:KJCAM6rl0

俺が担当する新人アイドルが件のシスターだったということで、俺は即座にクビになることを覚悟した。アイドルの卵とプロデューサー候補ならば、当然前者を優先するだろうと思ったからだ。

しかし、何をどう思ったのかは知らないが、彼女はそもそも俺との関係や俺がどんなことをしていたのかを言わなかった。ただ顔見知りである、とだけ伝えた。

以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:03:32.56 ID:KJCAM6rl0

クラリスさんのプロデューサーとして仕事を始めるにあたって、始めの頃、俺は彼女を信用していなかった。
俺を近くに置いておいて、折を見て過去をちらつかせて強請ったり脅したりするんじゃないかと疑っていた。

だけど、十日経って、ひと月経っても、彼女はそんな様子は一切見せなかった。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:04:12.38 ID:KJCAM6rl0

省電力のための必要最低限な明かりの下で一人仕事をしていると、なんだか気分まで暗くなってくるようだった。

前の仕事の方が気楽だった、とか。
肉体的にも楽だった。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:04:47.56 ID:KJCAM6rl0

時計の短針が十の数字を指す頃。

(……やーっと終わったでぇ…………)

以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:05:29.48 ID:KJCAM6rl0

ぐう、と。
唐突に腹の虫が鳴き声を上げた。
気まずい沈黙が一瞬場を支配する。

以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:06:04.87 ID:KJCAM6rl0

注文してから料理が来るまで。
なんとも言えない沈黙が流れる。一体なにを話したものやら。

「あー……なあ、クラリスさん」
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:07:10.17 ID:KJCAM6rl0

今更謝られてもどうにもならない。そう言って冷たい反応が来るのが普通だと思う。少なくとも俺ならそうするか、もしくは怒りをぶつけただろう。

「……顔を上げてください」

以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:07:58.21 ID:KJCAM6rl0



あの日から、仕事に対して幾分前向きになれた気がする。

以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:09:08.36 ID:KJCAM6rl0

「そう言っていただけると。……ところでプロデューサー様、今日のレッスンはどのような?」

「ん? いつも通りにレッスンルームで……ああ、今日はトレーナーさんおらへんのやっけ。……え? あれ、そういうときどないしたらええんやろ」

以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:09:46.50 ID:KJCAM6rl0

天気のいい昼下がり、自転車で川沿いの道のランニングに付き合う。
彼女はこれまで運動に積極的ではなかったようで、そこまで体力があるわけではない。したがってペースはさほど早くない。距離もそんなに長くは走れないようなのだが。

(……めっちゃ疲れるわ。チャリやのに。体力あらへんなあ俺)
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:10:19.41 ID:KJCAM6rl0

「……そうっぽいなぁ。クラリスさん、行ったってくれる?」

「……もとよりそのつもりでしたが。プロデューサー様はどうなさるのですか」

以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:11:16.94 ID:KJCAM6rl0

「ホンマです。ちょい電話かけますわ」

彼女の電話番号を呼び出すと、ワンコールもしないうちに繋がった。

以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:11:42.48 ID:KJCAM6rl0

予定外の疲労を持って事務所へ帰った。
時間も予定より随分遅くなり、デスクに戻る頃にはすでに他の職員たちはあらかた帰ってしまっていた。

(……俺はここから今日の分の事務仕事か。めんど過ぎるやろぉー……)
以下略



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