1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 00:31:33.95 ID:kEcSo673O
初投稿なので、
何か間違ってるとことかあったら教えて貰えると嬉しいです
独自設定あります、結構長いかもしれないです
よろしくお願いします
2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:09:29.73 ID:kEcSo673O
テスト
3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:10:59.00 ID:kEcSo673O
キレイな夢を見たんだ
混ざりたくて今も奮闘中
──例えばそれは、出番を控えた舞台袖。
──例えばそれは、初めて出演する番組の収録前。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:12:28.92 ID:kEcSo673O
桜の香りが風に乗って流れてくる、暖かな陽気。それに反して私は、鬱々とした心地で、いつもの場所にうずくまっていました。
窓から入る日の光が、床近く漂う埃を照らしています。何だかそれが、やたらときらきら輝いているように見えました。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:13:49.09 ID:kEcSo673O
レッスンをずる休みするようになって、机の下は私の居場所になっていました。
そこに出来た影は、私の姿をすっぽり包み隠してくれるような気がして。卑怯な私を見逃してくれるような、そんな安心感があったのです。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:15:09.18 ID:kEcSo673O
「──あれ、またレッスンサボりか森久保」
ひょいと身を屈め、机の下を覗いてきたのは、私の担当Pさんでした。だらしなく緩んだネクタイと膨らんだ胸ポケットを見るに、本日何度目になるか分からない煙草休憩から戻ってきた所なのでしょう。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:16:51.84 ID:kEcSo673O
「お世話になっております、芸能四課のPです。…えぇ、森久保のレッスンですが…はい…いや本当に…至らずすみません…ははは」
トレーナーさんの口撃をへらへらと受け流すPさんを横目に、私はぼんやりと明るい窓の外を眺めていました。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:18:14.60 ID:kEcSo673O
私の質の悪い軽口を叱るでもなく、Pさんも返します。
「これ以上叱られると泣いちゃうぞ、俺?」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:19:18.33 ID:kEcSo673O
いつものカフェは、いつものように空いていました。
うさ耳メイド姿の店員さんからケーキセットを受け取った私達は、フォークを入れながら会話を続けます。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:20:23.18 ID:kEcSo673O
そんな時間を過ごしている中、唐突にPさんが訊ねてきます。
「そうだ。今度の金曜って、何か予定あるか?」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:21:21.32 ID:kEcSo673O
「そんな顔するなよなー。誰かさんが休みまくりだから、ちょっとは活動している所見せないといけないの」
コーヒーにミルクを足しながら、Pさんはしれっと言います。うぐ…と息が詰まってしまうのは、やはり私に後ろめたい気持ちがあったからでしょう。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:22:16.67 ID:kEcSo673O
春特有の浮かれたような、ざわついた雰囲気に当てられたのか日々は過ぎゆき、金曜はすぐにやってきました。
放課後になり、私なんかと仲良くしてくれるクラスメイトと話をしながら、Pさんを待ちます。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:23:00.17 ID:kEcSo673O
会場へ向かう車内で、Pさんは今回のライブについて説明をしてくれました。
「今回出演するのは新人ばかりでな。それぞれ個人ではまだライブを開けないような、若手が集まるイベントなんだ。 いわば『お披露目会』的な意味合いもある」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:23:39.10 ID:kEcSo673O
Pさんも同じように驚いたのでしょう。少し眉を上げて、会話が数秒途切れます。
「そういや学校はどうだ。新しいクラスには慣れてきたか?」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:25:08.38 ID:kEcSo673O
そうは言ってもこの時既に私には、先程の突沸したような怒りはありませんでした。それでもこんな返事をしてしまったのは、きっと私の下らない意地のせい。
さっきまで怒っていたのにすぐニコニコと返事をするのが酷く子供っぽく思えて、まだ怒っているような振りをする。幼稚さを隠そうと幼稚な行動をとってしまう。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:25:56.40 ID:kEcSo673O
それからおよそ二十分。
私達の間に会話はなく、私の知っている曲、知らない歌が窓の外を流れる景色のように、意味もなく通り過ぎてゆきました。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:26:41.45 ID:kEcSo673O
飛び込んできたドラムは、私達の空気を破裂させるような軽快なリズム。続いてギターとベースが渾然となって音のうねりを作ります。止めを刺すように、自由なようでいて芯のあるボーカルの歌声が響いて……。
私は完全に、聴き入ってしまいました。
18:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:27:20.01 ID:kEcSo673O
数分後、余白が次のメロディを運んできてようやく、私は軽く息を吐きました。自分の呼吸音さえ煩わしかったのか、浅く息をしていたようです。
少し余韻に浸った後、つい呟いてしまいました。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:28:15.71 ID:kEcSo673O
「あぁ、良い歌だよなぁ。俺も学生の頃から好きなんだよ」
努めて愛想の良い返事をしてくれていることに、私は恥ずかしさと照れを感じてしまいました。
20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:29:11.31 ID:kEcSo673O
それから少しして、ようやく私達は目的地に着きました。
まだ開場数時間前だというのに、会場の周りにはぽつりぽつり、ファンと思しき方々がいます。そこに私は、イベント特有の浮き足だったような空気を感じていました。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:32:50.98 ID:kEcSo673O
会場内はいつものことだが騒がしかった。
設営スタッフの声や大きな物音が響くかと思えば、サウンドチェックの為に突如爆音が流れる。
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