【グラスリップ】透子「かけるくん?」
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48:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:42:28.34 ID:4h98r15f0
そうして俺がだんまりを決め込んでいると、高山は諦めたように俺から視線を外して、
「ううん、ウチは見ない」
決然と、そう宣言した。
49:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:46:31.59 ID:4h98r15f0
それに比べて、今の俺はどうだ……。
透子に迷惑をかけるかもしれないから、連絡を待つしかない――本当にそれでいいのか?
透子を思い遣っているようで、その実、透子に会って何かを変えるのが恐くて、二の足を踏んでいるだけじゃないのか……?
50:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:49:30.86 ID:4h98r15f0
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家に帰ると、父さんがきまりの悪そうな顔で待っていた。
「さっき、女の子からおまえに電話があったぞ」
51:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:52:44.34 ID:4h98r15f0
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父さんから話を聞いてすぐ、俺は透子にリダイヤルした。ちなみに父さんは気を遣ってリビングから出ていった。
『はい、深水ですけど』
52:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:02:17.07 ID:4h98r15f0
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透子に電話を掛けてから、一時間ほどして。
俺と透子は、俺の部屋という名のテントが張られた庭でコーヒーを飲みつつ、父さんの料理が出来上がるのを待っていた。
53:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:04:19.57 ID:4h98r15f0
「でも、今日来てもらった俺のほうの理由は、その高山のことなんだ」
昼間に石膏像として聞いた内容を、俺は一息に告げる。
「高山、井美雪哉に告白するらしい」
54:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:09:30.03 ID:4h98r15f0
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ひょっとすると、俺は気恥ずかしかったのかもしれない――というのは、後から気づいたことだ。
高山からの伝言を透子に伝えると、途端に俺の口は、チェーンの外れた自転車のように回らなくなった。
55:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:12:34.86 ID:4h98r15f0
「なんかすっかりご馳走になっちゃって」
見送りの玄関、靴を履き終えて、扉の前に立つ透子。
「お邪魔しました」
56:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:17:09.41 ID:4h98r15f0
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そこは、あの通り雨の日に、たまたま遭遇した二つのうちの、もう一つ。
家から山のほうへ少し歩いたところにある高台、木々がまばらに生えた、開けた場所。
57:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:21:28.27 ID:4h98r15f0
「………………」
何も言わず、俺は草の上に寝転がり、目を閉じる。
すると、それがここでの作法と思ってくれたのか、透子も同じように横になった。
58:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 11:37:03.76 ID:W+HAaMa50
†
あの夏祭りでの出来事は、俺のその後に大きな影響を与え、また様々なものをもたらした。
そのうち一つは、不思議な《声》――《未来の欠片》。
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