【グラスリップ】透子「かけるくん?」
��
↓ ��
1- ��
覧 ��
板 ��
20
53:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:04:19.57 ID:4h98r15f0
「でも、今日来てもらった俺のほうの理由は、その高山のことなんだ」
昼間に石膏像として聞いた内容を、俺は一息に告げる。
「高山、井美雪哉に告白するらしい」
54:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:09:30.03 ID:4h98r15f0
*
ひょっとすると、俺は気恥ずかしかったのかもしれない――というのは、後から気づいたことだ。
高山からの伝言を透子に伝えると、途端に俺の口は、チェーンの外れた自転車のように回らなくなった。
55:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:12:34.86 ID:4h98r15f0
「なんかすっかりご馳走になっちゃって」
見送りの玄関、靴を履き終えて、扉の前に立つ透子。
「お邪魔しました」
56:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:17:09.41 ID:4h98r15f0
*
そこは、あの通り雨の日に、たまたま遭遇した二つのうちの、もう一つ。
家から山のほうへ少し歩いたところにある高台、木々がまばらに生えた、開けた場所。
57:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:21:28.27 ID:4h98r15f0
「………………」
何も言わず、俺は草の上に寝転がり、目を閉じる。
すると、それがここでの作法と思ってくれたのか、透子も同じように横になった。
58:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 11:37:03.76 ID:W+HAaMa50
†
あの夏祭りでの出来事は、俺のその後に大きな影響を与え、また様々なものをもたらした。
そのうち一つは、不思議な《声》――《未来の欠片》。
59:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 11:44:25.46 ID:W+HAaMa50
<第6話 パンチ>
透子に驚愕されたテント生活だが、利点を一つ挙げるなら、目覚まし時計が要らないことだろう。
なにしろ幕一枚隔てた先は屋外だ。自然と、日の出と目覚めが同期する。
60:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 11:48:25.82 ID:W+HAaMa50
*
その日、俺は午前中と昼過ぎの二度、透子に電話を掛けた。
会う約束を取りつけるつもりだったが、一度目は慌ただしく切られ、二度目も要領を得ないまま早々に切られてしまった。
61:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 11:53:20.77 ID:W+HAaMa50
*
外で話したい、と言った井美雪哉は、要件はおろか、どこに行くのかも告げずに、ひたすら俺の前を歩き続けた。
そうしてやってきたのは、例の急な階段の上にある神社。
62:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 11:57:00.91 ID:W+HAaMa50
状況的には、以前に透子からハイキングに誘われたときと同じ。答えは決まっていた。
ただ、今回は相手が井美雪哉――気を遣う必要もないので、俺はあけすけに突っぱねる。
「なら断るよ。わざわざ波風を立てる必要もないだろ」
63:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 12:03:57.56 ID:W+HAaMa50
俺が透子に関わり、透子の友人関係に変化をもたらす可能性は、考慮していた。
それでも、引き下がるという選択肢はなかった。
透子は、俺がずっと探していて、やっと見つけた、《未来の欠片》を解き明かす鍵。
171Res/212.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20