17: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:22:50.61 ID:p0TmPlc30
「以上、即興の作り話でしたー♪」
「はー、はー・・・エヘン、ありがとーございましたー♪」
笑いすぎて溢れてきた涙を拭うと、ぱちぱちと拍手して讃える。
18: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:24:32.87 ID:p0TmPlc30
フレデリカは志希を見つめる。
穴が開くほど、じっと、ぐりぐりと見つめ続けた。
「見た目は人間と同じだよ」
19: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:25:49.58 ID:p0TmPlc30
フレデリカは親指と人差し指を伸ばし顎に手をやる。
「ふむふむ・・・他の人と同じだけど、人間ではない・・・」
目を瞑ってうんうんと唸り続けると、尋ねた。
20: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:26:26.07 ID:p0TmPlc30
「皆何かしら違うもん。シキちゃんの顔も、匂いも、ふわふわでツヤツヤな髪も、同じ人なんていないよ」
「違ってるのがフツーなんだよ」
優しく微笑みかける。
21: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:29:48.67 ID:p0TmPlc30
「別にこれはクイズでも思考実験でもなんでもない。ただの事実として、ボーっと聞いてみて」
彼女は頷いた。
22: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:30:40.56 ID:p0TmPlc30
二人は飲み物に口をつける。
ストローをくわえたまま、フレデリカはふと窓の外からの音に興味を持った。
グラスを置き、窓の鍵を開け、窓を開く。
「あっ」
23: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:33:25.52 ID:p0TmPlc30
「今日は来てくれてありがとー」
フレデリカは窓の外を見つめたまま、のんびりとした声で呟く。
「んーん、あたしが勝手に付いてきただけだよ」
24: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:34:00.16 ID:p0TmPlc30
「ねえフレちゃん」
微笑みながら彼女は尋ねた。
「明日はどうする?」
25: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:35:06.43 ID:p0TmPlc30
「あははははははははははは!!」
「あははははははははははは!!」
叩きつけるような豪雨、のたうち回るような雷。
26: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:35:41.30 ID:p0TmPlc30
「くしゅん」
ロッカーを開けながら、フレデリカは小さくくしゃみをした。
「風邪引いちゃったかな」
27: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:36:33.93 ID:p0TmPlc30
「この辺の宿泊施設は〜・・・」
志希はスマートフォンをぐりぐりと弄る。
体調を崩したフレデリカを休ませるため、今日は早めに切り上げる事になったのだ。
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