76: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:30:03.24 ID:iX/HvtXE0
「……ゆかりはん?」
「え?」
77: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:38:41.20 ID:iX/HvtXE0
「あっ」
一階のロビーの隅に紗枝ちゃんの姿を見とめた瞬間、すぐに異変に気がついた。
私は歩き出しかけた足を不安定な姿勢で支えながらその場に踏みとどまった。
78: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:39:53.06 ID:iX/HvtXE0
怒鳴りつけられたような気分だった。
思考力を奪われ、言葉にならない声が私の喉から搾り出された。
79: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:40:44.80 ID:iX/HvtXE0
「んっ」
紗枝ちゃんの短い叫び声が私の唇に塞がれて止まった。
80: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:41:55.13 ID:iX/HvtXE0
――だめ、違う、こんなこと――私は心の中で叫んでいた。
しかしそれとは反対に、私の腕は紗枝ちゃんの背中をしっかり抱いて離さなかった。
混乱と後悔の渦の中で、もうひとりの私が叫んだ
81: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:42:41.28 ID:iX/HvtXE0
帰り道、私たちはひとつ傘の下、半身を雨に濡らしながらぴったりくっついて歩いていた。
「明日の週刊誌が楽しみやなぁ」
82: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:43:22.82 ID:iX/HvtXE0
「紗枝ちゃんは不安になったり、怖くなったりしないの?」
「んー……べつに?」
83: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:44:26.41 ID:iX/HvtXE0
「あんな、ゆかりはん。うちはもう、自分のことも、他人のことも、どうでもええの……けどな、ゆかりはん。あんさんだけは、うちのそばに居てほしい。遠くに行って欲しくない。ずーっと、いつまでも……うちの言ってる意味、分かる?」
「うん……分かるよ」
84: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:46:10.08 ID:iX/HvtXE0
夕食も、シャワーを浴びるのも忘れて、私たちは愛し合った。
彼女の細い指が私の一番深いところまで潜り込んで、ゆっくりと掻き回した時、同時に舌を吸われながら私は、お腹の底から幸福感に満たされていくのを感じた。
また、私がその燃えるように熱い肉膣を愛撫しだした時の、彼女の淫らな表情といったら!
85: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:46:59.60 ID:iX/HvtXE0
次の日、学校から帰って、プロデューサーさんに電話をかけた。
自室のベッドに腰掛けて、その隣には紗枝ちゃんがいつものように寄り添って座っている。
86: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 11:47:36.98 ID:iX/HvtXE0
それから私たちは雨が上がってすっかり涼しくなった十月の夕暮れを二人、歩いて買い物へ出かけた。
紗枝ちゃんが夕飯を作ってくれるということで、煮物やら、魚やら、それらに必要な食材を買い揃えたあとは、少し贅沢な、普段は買わないような高いお菓子を買って、子供みたいにはしゃぎながら寮に戻った。
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