1:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:33:57.90 ID:j/IZGaDe0
こちらは「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」のSSです。
春日未来 と 如月千早 がメインのお話となります。
あと、この作品の時系列的には「プリンセス ビー アンビシャス」公演の少し後くらいなので、この点に留意してお読みください。
それでは、ぼちぼち始めていきます。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:52:01.65 ID:j/IZGaDe0
───────────────────side:春日 未来
「はぁぁ〜〜……」
3:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:52:45.50 ID:j/IZGaDe0
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4:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:53:58.42 ID:j/IZGaDe0
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5:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:57:58.39 ID:j/IZGaDe0
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6:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:06:45.76 ID:j/IZGaDe0
「え……わわっ、千早さん!? お、おお、お疲れさまです!」
慌てて振り向くと、765プロの人気アイドルで私達ミリオンスターズの先輩、如月千早さんが立っていた。でも、どうして……ここには誰にも見つからないように、こっそり来たはずなのに……。
7:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:07:58.61 ID:j/IZGaDe0
「そんな事ないですよ〜!やだな〜千早さんってば〜」
「え、でも──」
8:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:09:04.50 ID:j/IZGaDe0
───────────────────side:如月 千早
薄々気付いていた。戻ってきた時の、そして目の前に佇む彼女の様子が少しおかしいということには。
9:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:09:44.97 ID:j/IZGaDe0
そうして気づく。
『春日未来』は、みんなが思うよりもずっと強くて──そして、ずっと弱いのではないか。“みんなが求める笑顔の未来”という固い殻の中で、少しずつ傷つき泣いているのではないか、と。
10:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:22:05.43 ID:j/IZGaDe0
───────────────────side:春日 未来
「──それは嘘ね」
11:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:24:07.34 ID:j/IZGaDe0
ともかく、そうして私は話し始めた。
「実は今日、テレビの生放送に出たんです。夕方の番組の、ちょっとしたコーナーなんですけど、基本私一人でロケをやることになってて。『アイドルがぷらっと訪問!』っていうコーナーなんですけど、その今月の担当パーソナリティーに選んでもらってて」
12:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:24:58.39 ID:j/IZGaDe0
「今日のことで私が怒られるのって、当たり前じゃないですか。こわして迷惑かけちゃったんですから、しかも三回も連続で……でも、私のせいでプロデューサーさんまですっごく怒られちゃって、色んな人にあやまりに行ってくれて」
それでも今日の失敗をしゃべる。イヤな事も、つらい思いも全部。何かがこみ上げてくるのを必死に抑えながら、全部しゃべった。
13:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:40:30.94 ID:j/IZGaDe0
「でも、結局私一人じゃあダメだったんです。私一人だけじゃ、本当に全然……それで、気付いたんです」
「翼みたいな才能も、杏奈みたいな思い切りの良さも、静香ちゃんみたいなアイドルへの強い想いも……な〜んにもない私なんかが、アイドルしててもいいのかな」
14:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:42:06.07 ID:j/IZGaDe0
───────────────────side:如月 千早
そうか、やっぱりそういうことだったのか。
未来の告白を聞いて、ようやく合点がいった。自分一人だけのことなら、こんなにも弱気にはならない、なるはずがない。私が見てきた未来は、そんな娘ではない。いつもなら三十分ほどで戻ってくると、青羽さんも言っていたではないか。
15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:48:31.01 ID:j/IZGaDe0
───────────────────side:春日 未来
私のごめんなさいを聞いた千早さんは、何秒かかけてゆっくりと瞬きをした後、私をまっすぐに見つめてこう言った。
16:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:49:49.92 ID:j/IZGaDe0
「──でもね、それだけが全てではないの」
耳元で聞こえた囁き。きゅっと、あたたかい感触が私を包んだ。
千早さんが、後ろから抱きしめてくれたんだ。
17:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:50:51.48 ID:j/IZGaDe0
「私がアイドルになったばかりの頃は、それはもう酷かったわ。愛想は悪いし、トークは下手だし、笑顔一つだって満足にできなくて。そのくせ妙なプライドだけは一人前で」
「水着の撮影が気に食わなくてカメラマンを睨み付けて帰らせてしまった事もあったし、歌の出来栄えに納得できなくて思い切り駄々をこねた事もあったわ。『私が納得いくまでスタジオの使用時間を延長してください、叩かれたって動きません』って」
18:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:52:14.24 ID:j/IZGaDe0
「それに、今日のミスだって手を抜いたから起きたというものじゃないんでしょう? ちょっと頑張り過ぎたというか、挽回しようとやる気が空回りしてしまったというか……きっとそういう類いのものだと思うの」
「は、はいっ!私、手を抜いたりなんてしてません!」
19:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:52:47.58 ID:j/IZGaDe0
でもそれを千早さんは誤解しちゃったみたい。
「──ごめんなさい。いきなりこんなお説教みたいな真似をしてしまって……私らしくなかったわよね」
20:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:55:58.79 ID:j/IZGaDe0
───────────────────side:如月 千早
またやってしまった。いつもこうだ。
私のやることはいつも誰かを傷つける。遠巻きに拒絶するのかそれとも無遠慮に踏み込むのか──今回はそれが後者だったという話だ。
21:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:56:36.80 ID:j/IZGaDe0
もともと未来のことは、出逢った当初から気にはなっていた。
その笑顔が誰かに似ていると感じたから。はっきりとわかるレベルではない、淡いデジャヴのようなものだ。けれど私は、確かにそう感じたのだ。
初めはそれを春香だと思っていた。人を惹き付けてやまないその笑顔が、私の“いちばんのともだち”にそっくりなのだと。
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