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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その26 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/24(木) 23:03:01.36 ID:WYQV+q5yo
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
┃. │ _| レ _ノ `"⌒) o ,__,,」 ノ´ 、ノ .| 丿 /^\ .o .o ━┛
. ̄
――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。
――かもしれない…。
〜前回までのあらすじ〜
朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
徐々に明らかとなる内通者の存在。そして四人は再び東へと向かう。
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html
◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html
◆専用あぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/
◆前スレ(その25)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715130904/
愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715108060/
ハルヒ「最近わたしのss見かけなくなったわね」 @ 2024/05/07(火) 15:04:17.64 ID:FJQjQ6ct0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715061856/
孤独のエレナ Season3 @ 2024/05/06(月) 23:06:58.73 ID:mOA71iC60
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715004418/
雑談はヒーローごっこじゃない @ 2024/05/06(月) 20:39:20.98 ID:e5NXmnk+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714995560/
朝顔 @ 2024/05/06(月) 00:25:05.84 ID:AB/bv7Jv0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714922705/
オゾン層依存症って3回 @ 2024/05/05(日) 18:17:43.14 ID:JwHCDSU70
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714900662/
【安価スレ】あかるくたのしい傭兵生活 @ 2024/05/04(土) 01:17:50.63 ID:3fwRECJNO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714753070/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/24(木) 23:03:57.25 ID:WYQV+q5yo
◆過去ログ(その1〜24)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 23:32:06.31 ID:u5O1Qc/vo
フッ… l!
|l| i|li , __ _ ニ_,,..,,,,_
l|!・ω・ :l. __ ̄ ̄ ̄ / ・ω・≡
!i ;li  ̄ ̄ ̄ キ 三
i!| |i  ̄ ̄  ̄ =`'ー-三‐ ―
/ ; / ; ;
; _,/.,,,// / ヒュンッ
/・ω・ /
| / i/
//ー--/´
: /
/ /;
ニ_,,..,,,,,_
/ ・ω・`ヽ ニ≡ ; .: ダッ
キ 三 三 人/! , ;
=`'ー-三‐ ―_____从ノ レ, 、
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:15:44.45 ID:8f7UmOyDO
>>1
乙!
新スレおめでとうございま−す!!
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:47:33.22 ID:26P9kxOAO
>>1
おつ
こんだけ出世されるなんて青年兵の先輩の魔道兵涙目だな
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 07:55:38.53 ID:49it7EXDO
>>1
乙っす
クラーケンって雌だったんだな……
あと巫女って魔物化しちゃったから師匠とかと同じとこには行けないんかな
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/25(金) 08:23:29.91 ID:jI1vGRMno
一応これも張っとこう
〜国軍階級〜
大元帥:
元帥:
上級大将:司令官
大将:副司令官
中将:各部司令
少将:騎士団長、青龍先生、将軍
准将:
上級大佐:エリート、左翼長、隊長、大軍師
大佐:白虎長、各部副指令、博士<技術士官>、青年兵←New
中佐:各部参謀、各部魔道長、各拠点長
少佐:占い師、男隊員、女隊員、南方弓長、(バーテン)、(戦士父)
大尉:
中尉:
少尉:各部副官、青龍士官
准尉:
曹長:格闘家
軍曹:ボス
伍長:東方伍長
兵長:
上等兵:
一等兵:
二等兵:
()は現役当時。<技術士官は>通常二階級下
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22 より
http://ex14.vip2ch.com/news4gep/kako/1290/12906/1290677469.html/889
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 10:14:43.26 ID:kGFlIjvlo
東方先生より上になっちゃったか
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/25(金) 12:33:38.65 ID:59CeCC170
>>1
乙
いつもありがとう!
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/25(金) 17:38:30.38 ID:oPhMC0xAO
>>1
乙
愛してるぜ
11 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:42:02.89 ID:V1PrEx6go
カツカツカツカツ
青年兵「……はぁ」
カツカツカツ…
青年兵「……あっ」
戦士父「……」
青年兵「ど、どうも」
戦士父「…どうも」
カツカツカツカツ…
青年兵「あの人は…確か……」
カツカツカツ…ガチャッ
戦士父「……」
司令官「…悪いね、わざわざ」
戦士父「何でしょう?」
司令官「東方にさ、行ってきてくれない?」
戦士父「…まさかゾディアックですか?」
12 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:43:04.32 ID:V1PrEx6go
司令官「…ん」
戦士父「東方は訪れた事がありません」
司令官「案内人付けるよ」
戦士父「……」
司令官「いや、もう依頼しちゃったんだけどね」
スッ
司令官「これ、依頼書ね」
戦士父「……よりにもよって…っ」
司令官「東方にも縁があるし、君も知らぬ仲じゃないだろう?」
戦士父「……」
司令官「明朝、もう一度来てくれないかな」
戦士父「……分かりました」
司令官「頼んだよ」
戦士父「……失礼します」
司令官「……ん」
13 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:43:52.87 ID:V1PrEx6go
〜本国、郊外〜
青年兵「新聞社とはいえ、夜中に行くのはちょっとね……」
テクテクテク
青年兵「……っ」
ピタッ
青年兵「出でよ、ワイバーン!」
シュイイィィン
青年兵「飛ばせばすぐの距離だしね…」
テクテク…グッ
青年兵「このまま真っ直ぐ、西へ」
ゴウッ!!…バサッバサッ…
ワイバーン「……どうした?」
青年兵「んー?どうもしないよ」
ワイバーン「……なら、いいが」
青年兵「……うん」
14 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:45:02.12 ID:V1PrEx6go
ゴウッ…ドシュウウゥゥ
青年兵「あのさ、ワイバーン」
ワイバーン「……何だ」
青年兵「この前の事、覚えてる?」
ワイバーン「…いや、一瞬だったからな。何も覚えておらん」
青年兵「そうだよね…。ごめん、ありがと」
ワイバーン「何か関係があるのか?」
青年兵「ん?」
ワイバーン「お前の落ち込み具合とさ」
青年兵「…ははっ、落ち込んでなんていないって」
ワイバーン「……今日の飯は不味いな。透明さがない」
青年兵「……」
ワイバーン「まぁ良い。ところで、どこへ行くのだ?」
青年兵「……もう…見えてくるよ」
上空を悠然に飛ぶワイバーンと青年兵の視界に、暗い海が見え始めていた。
15 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:46:17.06 ID:V1PrEx6go
ゴウッ…バサッバサァ
青年兵「ありがと」
ワイバーン「ここは?」
青年兵「…僕の故郷だよ」
ワイバーン「そうか」
青年兵「それじゃ、またあとで」
シュイイィィン
青年兵「……さて」
ザッザッザッザッザ
青年兵「……っ」
ガチャッ
青年兵「……?」
テクテクテク
青年兵「母さん?」
人の気配を感じない実家。青年兵はひとまず、居間の明かりを灯す。
16 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:47:11.67 ID:V1PrEx6go
青年兵「…こっちかな?」
テクテク…カチャッ
青年兵「……っ!!」
母「……青…年兵かい?」
青年兵「母さんっ!」
母「ごほっ!……ごほごほ…っ!」
タタッ
青年兵「母さんっ!大丈――」
ゲシッ!!
青年兵「痛っ!!」
母「何を…のこのこ帰ってきてるんだいっ」
青年兵「ご、ごめん…っ。でも何も蹴らなくたって……」
母「全く、人が寝てる最中に。来るならもっと早く……ごほっ!」
青年兵「か、母さん…っ」
母「…今、起きるよ。ちょっと肩を貸しておくれ」
17 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:48:13.95 ID:V1PrEx6go
グイッ
青年兵「……っ」
母「すまないねぇ」
青年兵は返す言葉を失った。肩に回した腕は、
かつて漁業で培ったそれを失い、支える為に手を回した腰も同様、痩せ細り、
かつて頑健そのものであった母親の面影は微塵たりともなくなっていた。
母「それで、今日はどうしたんだい?」
ひとまず母を椅子へ座らせると、青年兵は台所へ向かいながら返答した。
青年兵「久し振りに本国まで来たからさ、ついでだよ」
母「久し振り…?あんた、今は本国勤めじゃないのかい?」
青年兵「うん。今は東方司令部…東にいるんだ」
カチャカチャッ
青年兵「でも左遷じゃないよ、自分で望んでの事だし…出世もしたんだ」
母「……ごほっ」
青年兵「さっき総司令に言われてね、近々大佐だってさ」
18 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:49:24.79 ID:V1PrEx6go
母「……」
青年兵「はい」
無言で顔を見つめる母。青年兵は茶をテーブルへと差し出す。
母「何かあったんだろう?」
青年兵「え……っ」
母「たったそれだけの事で来るなんて…違うだろ?」
青年兵「……いや、報告したかっただけだよ」
母「そんなもの、手紙の一つで十分じゃないか」
青年兵「……っ」
母「情けないねぇ。救いが欲しくて親の顔を見に来るなんてさ」
返す言葉はなかった。全て見透かされている、ただそれだけだった。
母「言ったろ?お国の為に、人を幸せにする為に働けって…」
青年兵「……」
母「ましてや偉い身分になって、立ち止まってる場合じゃないだろう?」
青年兵「……」
19 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:50:24.14 ID:V1PrEx6go
母「ほら、行きな。あんたが帰ってくるべき場所は、ここじゃないよ」
青年兵「…うん」
スクッ
青年兵「次、帰って来る時は…自分の夢が叶った時にするよ」
母「……ああ、そうなさいな」
青年兵「……大元帥になったら、帰ってくるから」
母「……夢は大きすぎると、苦労するよ?」
青年兵「この程度で苦労してたら、誰も助けられないよ」
母「言うじゃないのさ。男に二言はないよ?」
青年兵「…うん。それじゃ、行ってきます」
母「いってらっしゃい」
スタスタスタ…パタン
母「ごほごほっ!!げほ……っ!!」
青年兵「――っ」
グッ……タッタッタッタッタ…
20 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:51:26.11 ID:V1PrEx6go
青年兵(母さん…ごめん……っ)
タッタッタッタ
青年兵(僕にはまだ…やらなくちゃいけない事が…残ってるんだ!)
タッタッタッタ
青年兵(きっとまた、きっと……帰ってくるから!)
母の病状が悪化している。それは青年兵にとっても、一目瞭然であった。
たった一人の肉親。全てを捨てて残り僅かに迫る余生を共に過ごすという
選択肢も決してないわけではない。
青年兵「……」
だが、それは最も確率の低い選択肢であった。おそらく母親の思いも同じであろう。
タッタッタ…ザッ
青年兵「出でよ、ワイバーン!」
シュイイィィン
ワイバーン。龍の姿をした青龍を代表する召喚獣。
その背中に乗り、使い手は再び、自分の居場所へと戻って行った。
21 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:52:21.06 ID:V1PrEx6go
〜最北の村〜
大軍師「……どうぞ」
占い師「……っ」
カツ…コツコツコツ…
大軍師「明かりを」
ヒゲの男「……へい」
ボッ
占い師「――っ!!」
大軍師「…どうです?」
占い師「……こ……んな」
ザシャッ
大軍師「あまり触れない方が宜しいですよ。崩れては元も子もない」
占い師「……っ」
大軍師「今はまだ、このままです。必ずや刻は来ます」
占い師「……はい……っ」
22 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:53:33.66 ID:V1PrEx6go
〜次の日〜
戦士「さーて、来たはいいが……」
魔道士「いますかねぇ…?」
召喚士「とにかく、聞いてみましょう」
テクテクテクテク
召喚士「あの、総司令官はお戻りになられてますか?」
受付「あぁ、はい。昨晩お戻りになられましたよ」
戦士「んだよ、入れ違いだったのか」
受付「朱雀先生ご一行様ですよね?お通しするよう言われております」
盗賊「……どうも」
スタスタスタスタ
戦士「準備万端てか」
魔道士「一体、どんな依頼なんでしょうね?」
召喚士「気になりますね」
盗賊「…ああ」
23 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:55:02.36 ID:V1PrEx6go
〜司令室〜
コンコン…カチャッ
秘書官「朱雀先生がお見えです」
召喚士「失礼致します」
スッ
戦士「んな……っ!?」
魔道士「戦士さんの……お父様…!?」
戦士父「……はぁ」
司令官「よく来たね。まぁ座って」
召喚士「…し、失礼します」
ススッ
司令官「今日はね、君達に頼みがあるんだ」
召喚士「まさか、戦士父さんと関係が…?」
司令官「うん」
戦士「やだよ」
24 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:55:50.07 ID:V1PrEx6go
戦士父「こっちの台詞だ」
召喚士「ま、まぁまぁ……」
司令官「あのね、東方へ行って貰いたいんだ」
盗賊「…東方?」
司令官「そう。彼が用事あるんだって」
戦士父「……っ」
召喚士「何か…するんですか?」
戦士父「ちょっと探し物をな」
司令官「だからね、東方に詳しい君達に案内して貰えないかと思って」
魔道士「なるほどですね…」
盗賊「……」
召喚士「…戦士」
戦士「……っ、分かったよ。私情で四の五の言える立場じゃねぇ」
司令官「…ん、助かるよ」
戦士「……はぁ」
25 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:56:46.69 ID:V1PrEx6go
〜新聞社〜
テクテクテクテク
青年兵「あの、すみません」
受付嬢「はい」
青年兵「こちらに、女記者さんとう方がお勤めだと思うのですが……」
受付嬢「生憎、女記者は外出しておりますが」
青年兵「存じています。その件でお話したい事が……」
受付嬢「あの、失礼ですが……」
青年兵「あ、私はこういう者です」
スッ
受付嬢「国軍の……っ」
青年兵「急を要する話です。責任者の方をお願い出来ますか?」
受付嬢「……少々お待ち下さいませ」
スクッ…カツカツカツカツ…
青年兵「……」
26 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:57:32.45 ID:V1PrEx6go
…
カツカツカツカツ…
受付嬢「青年兵様、お待たせ致しました」
編集長「私が女記者の上司にあたります、編集長と申します」
青年兵「始めまして。国軍所属――」
編集長「議会立役者の青年兵殿、ですな。知ってますよ」
青年兵「ど、どうも。流石ですね」
編集長「いや、あの時は我が社も出遅れましてなぁ」
青年兵「……」
編集長「他社に持っていかれてしまいましたよ。はっはっは」
青年兵「そうですか…」
編集長「それで、あのバカ…何かやらかしましたか!?」
青年兵「え…っ?」
編集長「何とか……示談で事を納めては頂けませんでしょうか?」
青年兵「い、いえ……っ。あの……」
27 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:58:13.85 ID:V1PrEx6go
…
編集長「……死んだ……?」
青年兵「……」
編集長「…………」
青年兵「現在、国軍本部にてご遺体と遺留品を保管しております」
編集長「死……」
青年兵「あと、これを……」
スッ
編集長「……」
青年兵「現場で見つかりました。彼女の取材手帳かと」
編集長「……っ」
青年兵「……彼女は、死の間際まで…立派な記者でした」
編集長「バッキャロ……ッ、死んじまったら…取材出来ねぇじゃねぇか…っ」
青年兵「…………」
編集長「最後の最後まで……面倒かけやがって……っ」
28 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:59:01.68 ID:V1PrEx6go
スクッ…ザッ
青年兵「申し訳ございませんでした!」
編集長「……」
青年兵「私が国軍を代表し、謝罪させて頂きます」
編集長「やめようや、青年兵殿」
青年兵「……」
編集長「アンタが深く頭を垂れたところで、帰ってくるわけじゃないんだ」
青年兵「……」
編集長「その涙は、嬉し泣きにとっておいて下さいよ」
青年兵「……は……い…っ」
編集長「これ、頂いてもいいですかね?」
青年兵「少し、待って貰えますか?」
編集長「……?」
青年兵「その手帳に、犯人のカギが残っているかもしれないんです」
編集長「……っ」
29 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 17:59:58.93 ID:V1PrEx6go
青年兵「先程も申したように、女記者さんは最後まで……」
編集長「そうかぁ…。最後の最後に大スクープだなぁ……」
スクッ
編集長「では、他の遺留品と……女記者の遺体はこちらで引き取ります」
青年兵「…よ、宜しいのですか?」
編集長「はい。……ありがとうございました」
青年兵「こちらこそ……」
編集長「あんなバカの為に涙してくれる人がいて、あいつも喜ぶ事でしょう」
青年兵「……」
編集長「では、失礼」
スタスタスタ
青年兵「……」
受付嬢「お、女記者さんは……編集長の娘さんなんです…っ」
青年兵「――っ!!」
受付嬢「平静を装ってはおられますが……辛いでしょうね……」
30 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 18:00:43.31 ID:V1PrEx6go
青年兵「……っ」
ガクッ
青年兵「僕は…僕は……っ」
張り詰めていた青年兵の何かが、音を立てて切れた。
受付嬢「あ、あの……っ」
スクッ…テクテクテク
青年兵「……大佐?望むところじゃないか」
テクテクテク…
青年兵「このまま…頂点まで突っ走ってやる!」
冷静さを欠いても無謀な行動には決して出ない。
無謀と勇敢を履き違える事のないそれはまさに、青年兵ならではの事。
先代の大元帥とは無論、面識はなくとも、それを自然と体現している彼だからこそ、
周囲の期待も非常に大きく、性格や勤勉さも相まって、
短期間での大出世に大きく反映されているのである。
そして青年兵はこの後、大きな飛躍を遂げる事となる。
31 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 18:01:23.08 ID:V1PrEx6go
〜本国、港〜
戦士「…しっかし、まさか親父のお守りとはねぇ」
戦士父「……」
戦士「介護にゃ早いぜ…ったく」
戦士父「五月蝿い奴だな。嫌なら残れ」
戦士「そうはいかねぇだろ!国軍付なんだしよ」
戦士父「だから前に言っただろう、軍属は面倒だと」
戦士「なりたくてなったんじゃねぇっ!」
戦士父「じゃあ何故、なったのだ?」
戦士「うっ……」
戦士父「…自業自得だ、馬鹿」
戦士「てめぇこそ軍の言いなりになってんじゃねぇかよ!」
戦士父「別に言いなりではない」
戦士「じゃあ断ればいいだろうがっ」
戦士父「……」
32 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 18:02:35.20 ID:V1PrEx6go
召喚士「ほ…ほらっ、船が出航しちゃいますよ?」
魔道士「そ、そうですよ。周りもみんな…注目してますし……」
盗賊「……恥だな」
戦士父「…ところでお前、何故それを持っている?」
戦士「それ…?戟の事か?元から俺のだろ」
戦士父「……」
戦士「親父にはその槍を渡しただろ。覚えてねーのか?」
戦士父(戟は確かに、一昨日送ったはずだが……)
戦士「聞いてんのか?」
戦士父「まぁいい。とにかく、それを返せ」
戦士「だーから!俺のだって言ってんだろうがっ!!」
戦士父「それはお前の手に余る物だ。それに……」
戦士「ゾディアックだってんだろ!知ってるよ」
戦士父「……」
戦士「もう何がなんだか分からんから、とにかく話をしよう、話を!」
33 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 18:04:14.93 ID:V1PrEx6go
…
戦士「……あー」
戦士父「そういう事か」
魔道士「でも、どうなるんですかね?」
召喚士「ドッペルゲンガーのコピーでも、ソディアックとして発揮するんですか?」
戦士父「……さぁ、どうだろうな」
戦士「お気楽な……」
戦士父「今更言ってももう遅い。手遅れだ」
召喚士「駄目だったら…どうするんです?」
戦士父「威力は落ちるが、何とかなるんじゃないか?」
召喚士「……」
盗賊「…お前より呑気だな」
戦士「…うっせ」
魔道士「と、とにかく…東方で見つかるといいですね…っ!」
召喚士「そ、そうですね……ははは…っ」
34 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 18:04:50.73 ID:V1PrEx6go
〜鉱山の街、鍛冶屋〜
おかみ「あんた〜荷物届いたよーっ」
鍛冶屋「はいはいはいはいっ」
おかみ「まったく、こないだといい…国軍の連中は……」
鍛冶屋「まぁ仕方ないよ。大軍師さんとも約束しちゃったし……」
おかみ「…でも、本当にいいのかい?」
鍛冶屋「ん?」
おかみ「…こいつさ。ゾディアックなんだろ?」
鍛冶屋「うん。正しき者が使えば、それはきっと力になる」
おかみ「……」
鍛冶屋「その刻が来たら、お前の判断に任せる……そう言われたからね」
おかみ「律儀に…結婚してまで守っちゃってさ」
鍛冶屋「違うよ。前にも言ったけど、僕が結婚したのは君が好きだからだよ」
おかみ「……そ、そんな事どうでもいいからっ、さっさと運ぶよ!」
鍛冶屋「そうだそうだっ、運んじゃおう!」
35 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 18:05:41.12 ID:V1PrEx6go
気温はやや暖かさを戻し、日没の時間もやや延びていた。
18時頃になるだろうか、薄暗さを増した空の下、船はターミナルへと入港した。
〜ターミナル〜
召喚士「ここで乗り換えですね」
戦士父「いよいよ東方か」
魔道士「素敵な所ですよ〜っ」
戦士父「それは楽しみな限りだな」
盗賊「……ああ」
戦士「出航まで1時間くらいあんぞ?」
召喚士「着くのは深夜になりそうだね」
盗賊「…どうする?」
魔道士「このまま東方で宿を取ればいんじゃないですか?」
召喚士「ええ、それがいいと思いますよ」
戦士「急ぐ旅でもねーしな」
召喚士「そうだね。出航まで身支度整えておこっか」
36 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/25(金) 18:06:27.95 ID:V1PrEx6go
…
船員「出航致します」
戦士「…おっ、あれ御者さんじゃねーか?」
召喚士「本当だ!これからターミナル出るみたいだね」
魔道士「お仕事頑張ってますねーっ」
戦士「あの、うるせぇ奴も頑張ってっかな?」
召喚士「青年兵くんもいるし、心配ないと思うよ」
盗賊「…そうだといいな」
召喚士「みんな、どこに居ても頑張ってるんだよね」
魔道士「私達も頑張らないとですねっ!」
召喚士「ええ」
戦士「まぁ…まずは……」
戦士父「…何だその目は」
召喚士「は、はは…っ」
五人を乗せた船は、夜分遅く東方の都へと到着した。
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/25(金) 18:09:04.55 ID:V1PrEx6go
金曜だし多分、深夜投下出来ると思います!
また後ほど。来なかったら疲労限界で落ちたという事で…
新スレもご支援感謝!ありがとう!それでは!ノシ
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 18:11:35.54 ID:w1Ahs/fZo
>>1
乙
::::::::::::::::::: ____ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::: / \ :::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::: / :::):::(::: u\ :::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::/\. / ‐=・=-:::‐=・=- \/\:::::::::::::::::::::
::::::::::/ .| ヽ (__人__) / | \:::::::
::⌒Y⌒Y´ \ ` ⌒´ /⌒Y⌒Y´::::::::::::
_|\∧∧∧MMMM∧∧∧/|_
> ワイバーン <
/ ─ / ──┐ ──┐ll ヽ| |ヽ ム ヒ | |
\/ ─ / / / | ̄| ̄ 月 ヒ | |
ノ\ __ノ \ /\ / | ノ \ ノ L_い o o
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 18:36:50.86 ID:8f7UmOyDO
>>1
乙
青年兵は召喚士一行とは違う立場で物語のキーマンになってきてるね。
金曜深夜更新来てると嬉しいけれど、無理はしないようになー
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/25(金) 19:27:38.68 ID:AEHPqroDO
>>1
乙
あくまで予想でしかないけどやっと繋がった
伏線スゲー
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 19:51:44.74 ID:2DrjcFGW0
泣いた
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 19:53:54.05 ID:YuVXhhlAO
>>1
乙
編集長…
天才のおまけは要人が集まるパーティーへの潜入任務とかどうだろう
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 20:13:09.41 ID:ovb94xpAO
>>1
乙
女記者死んじゃったね
こんなにズバッと死ぬとは…
魔導師ちゃんがもう召還士一筋って気づいてしまって以来、良い子だなぁとか思って目を付けてたのに…非常に残念
どうか天国では変なオジサン達に気をつけながら幸せにね
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 20:18:14.06 ID:49it7EXDO
>>1
乙っす
目から汗がとまらない
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 22:13:39.56 ID:gY5nhygDO
>>1
先生乙であります(。・x・)ゞ
ところでドッペル君と戦士が捕まった時に装備って実は入れ替わってたりするのかな?かな?
ゾディアックはともかく斧兼盾って本物と偽物で差異ってあるのかな?
斧に5行付加されてからドッペル君に会ってたらある意味チートだったような……
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 22:39:30.53 ID:XvD6sAtDO
アレだろ?つまりドッペルはポケモン金銀の増殖バグだろ?
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:19:18.32 ID:VRNHruOAO
>>46
戦士が99人とか誰得ww
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:33:01.73 ID:OXWL3taAO
>>47
盗賊「!!」ガタッ
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 02:46:13.74 ID:kpRJk5eDO
>>47
ウィッチ「!!」ガタッ
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/26(土) 03:09:29.28 ID:4zC+p2OH0
>>47
俺「!!」ガタッ
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 03:11:15.09 ID:R7iXN75Fo
>>50
俺「!!」ガタッ
52 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:13:27.61 ID:QMQV7h+3o
〜東方、都〜
戦士父「……おぉー」
シャンシャンシャン
魔道士「夜なのに、随分と活気がありますねぇ!」
召喚士「おそらく、都付近の魔物が居なくなったからでしょうね」
戦士「やっぱいいよな…この、夜の東方の雰囲気!」
盗賊「……ああ、華やかだ」
テクテクテクテク
客引き「兄ちゃん達っ、どうだい?酒に女…揃ってるよぉ〜」
戦士「おぉー」
魔道士「戦士さんっ!」
戦士「冗談だっての」
召喚士「まずは宿を確保しないといけませんね」
戦士「…と、なると」
盗賊「……あそこか」
53 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:14:02.95 ID:QMQV7h+3o
〜旅籠〜
女将「まぁまぁ、いらっしゃいまし」
召喚士「夜分遅くすみません」
女将「あら、うちは全然構いませんよ」
魔道士「また、お世話になりますーっ」
女将「…あら、こちら初めてお目にかかるお顔やわぁ」
戦士父「…どうも。世話になります」
女将「いいえ〜。こちらこそ」
魔道士「こちらの戦士父さんは、戦士さんのお父さんなんですよっ」
女将「あらまぁ、そうだったの」
戦士「…はぁ、まあ」
女将「親子で有難いわぁ。それじゃすぐに仕度してきますわね」
ササッ…パタパタパタッ
戦士父「……何だ?」
戦士「…別に」
54 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:14:38.44 ID:QMQV7h+3o
…
召喚士「さて、明朝からの予定ですが……盗賊さん」
盗賊「…ん?」
召喚士「槍の使い手とか、情報は分かりますか?」
盗賊「…聞いた事ないな」
戦士「…となると、まずは情報収集からか」
戦士「どこに聞きゃいいんだ?」
魔道士「あっ、盗賊さんのおうちなら何か分かるんじゃないですか!?」
戦士「情報収集も生業だもんな」
盗賊「…うん」
召喚士「最終手段はそれですね」
魔道士「という事は…後はぁ……」
戦士「鬼丸にも聞いてみっか。相当数の武器を溜め込んでるみてーだし」
召喚士「そうだね。あとは……あの人か」
戦士父「……?」
55 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:15:10.31 ID:QMQV7h+3o
〜朝、名代の屋敷〜
戦士父「ここは…?」
魔道士「名代さんのお屋敷です」
召喚士「こちらの方は本国で言う、右大臣様のような役職の方です」
戦士父「…ほう、大物だな」
召喚士「さて、いるかな…?」
ザッザッザ
召喚士「すみませーん」
小姓「……?」
召喚士「あの、名代さんはいらっしゃいますか?」
小姓「名代様ですか?生憎、おりませんが……」
召喚士「いつ頃お戻りで?」
小姓「…戦ですから、いつになることやら」
召喚士「……そうですか」
小姓「何か、ご伝言などあれば伝えますが…?」
56 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:15:37.69 ID:QMQV7h+3o
召喚士「いえ、大丈夫です。ありがとうございました」
ザッザッザ
戦士父「戦…?」
召喚士「おそらく、帝が東方平定に動いているのではないかと…」
テクテクテク
戦士「名代はどうだった?」
召喚士「それが、不在で……」
戦士「そっちもか」
召喚士「え…?という事は……」
盗賊「…鬼丸も…いなかった」
召喚士「……みんなで払ってるって事か」
戦士「どういう事だ?」
戦士父「どうやら、戦いが始まっているらしい」
魔道士「名代さんも、それでいらっしゃらないみたいなんですよ」
戦士「……そういう事か」
57 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:16:06.85 ID:QMQV7h+3o
盗賊「…どうする?」
召喚士「…ひとまず、城へ向かってみましょう」
盗賊「…上様も…いないのでは?」
召喚士「ええ。ですが、他の方ならいる可能性はあります」
戦士「行くだけ行ってみるか」
召喚士「うん」
テクテクテクテク
門番壱「……ややっ!?」
門番弐「あ、あなた方は…っ!」
召喚士「ど、どうも……」
門番壱「藤蔵の姫ではござりませぬかっ!」
門番弐「生憎、上様はご出兵なされておりまして……」
召喚士「ええ、そのようですね」
盗賊「…藤蔵の者はおるのか?」
門番壱「はい。今は土忍様がおられますが……」
58 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:16:33.25 ID:QMQV7h+3o
盗賊「…ちと会わせて貰えぬか?」
門番壱「勿論です。さぁどうぞ、お通り下さいませ」
魔道士「ありがとうございますっ!」
テクテクテク
戦士父「…凄いものだな。この国でも顔パスか」
戦士「大したモンだろ?」
戦士父「お前の力じゃないだろ」
戦士「……けっ」
一同は正門を抜け、そのまま西門へと向かい、藤蔵の詰所を訪ねた。
盗賊「……おーい」
土忍「……姫っ!?」
戦士父「…なぁ」
戦士「んー?」
戦士父「さっきから姫って言っているが、何なんだ?」
戦士「あー、あいつ…東方の姫様なんだよ」
59 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:17:02.93 ID:QMQV7h+3o
戦士父「!?」
召喚士「領主の娘のようです。東方ではかなりの地位かと……」
戦士父「……そうだったのか」
盗賊「土、ちと聞きたい事があるのだが……」
土忍「…何なりと。戦の事ですか?」
盗賊「それも気になるが、別件だ」
土忍「…?」
盗賊「東方で槍の使い手と言えば、何か情報はないか…?」
土忍「槍…ですか?そうですね……」
盗賊「……」
土忍「使い手は存じませぬが、総本山などはどうでしょうか?」
魔道士「総本山?」
盗賊「…ああ、全国に建立されてる寺の本拠と言ったところだ」
召喚士「なるほど。そこは槍で有名なのですか?」
土忍「…うむ。東方における槍術の頂点と言っても、過言ではないな」
60 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:21:51.32 ID:QMQV7h+3o
戦士「なるほど。その…総本山てのに行けば槍の手がかりが……」
土忍「…ああ」
召喚士「盗賊さん、場所は分かりますか?」
盗賊「…一応」
土忍「この時期はなかなかきついものがありますぞ?」
盗賊「分かってるよ」
召喚士「…?」
盗賊「とにかくありがと」
土忍「あ、姫……」
盗賊「…?」
土忍「もしなんでしたら、一度御館様にご相談なされては?」
盗賊「父上に…?」
土忍「御館様であれば、総本山の法主様とも懇意であられます故……」
盗賊「なるほどな。どうせ通り道だ、寄ってみよう」
土忍「それに……」
61 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:25:58.93 ID:QMQV7h+3o
盗賊「…?」
土忍「いえ、何でもありませぬ」
盗賊「土、ありがとな」
土忍「姫様もお気を付けて」
召喚士「ありがとうございました」
戦士「そんで、まずは盗賊の家へ行くのか?」
盗賊「…ああ。そうする」
魔道士「それじゃ、はりきって行きましょーっ!」
テクテクテクテク
土忍「……喜ぶなどと申せば、御館様に咎めを受けてしまうやもしれんからな。ふっ」
五人は土忍より話を伺い、城を出て都を離れる。
その足でまず目指すは、都より北に位置する藤蔵の屋敷。
戦士「お前も久々に、親父に会えて嬉しいんじゃないか?」
盗賊「…べ、別に嬉しくはないし…久しくもないっ」
道中、東方の風情を楽しみながら夜には藤蔵へと到着したのであった。
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/02/26(土) 03:30:24.62 ID:QMQV7h+3o
PSPとマウス握って落ちてましたごめんなさい…
ちょっとだけだけど投下。そして寝ます…
ご支援ありがとうございましたーおやすみー!ノシ
〜オマケ〜
御館様「むっ!?」
侍女「…どうなさいました?」
御館様「見ろ、茶柱が立っておる」
侍女「おぉー、良い事あるかもしれませんね」
御館様「しかも、先程から何か悪寒のようなものが……」
侍女「あら、風邪ですか?」
御館様「たわけ。忍が風邪など引くものか」
侍女「でも、火は体調不良で寝込んでますよ?」
御館様「……」
侍女「…あっ、言わない方が良かったかしら…っ」
御館様「……火はどこにおる?」
侍女「えっと、離れの屋敷に……って、どうするおつもりですか!?」
御館様「…なぁに、すぐに任務へ向かうか切腹するかは選ばせてやるつもりだ」
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 03:31:55.96 ID:R7iXN75Fo
>>1
おつ!
深夜のリアルタイム嬉しかったず
疲れてるんだからしっかり休みなさいよね
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 03:32:12.35 ID:4yjuLDguo
>>1
乙
ここでご両親顔合わせか……これで色々と円滑に進められるな……
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 04:41:37.55 ID:fjv1fLIDO
乙です。
不休の投下、感服&感謝です。
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 05:03:18.12 ID:/JEdZvo3o
いやあこれは鬼対決が見れますよー!!!
女記者追悼…
深夜更新乙!
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 11:37:08.45 ID:G708lJeDO
槍、寺、総本山・・・
宝蔵院胤舜を出してくれるのか?
漢字もあってるか自信ないけど、、、
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 12:01:03.44 ID:6yjQ9d8ao
でも宝蔵院は技はあっても名槍ってなくね?
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 12:41:04.84 ID:VFCgVibCo
東方の名槍といえば3本あるが、はたして・・・
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 12:56:35.95 ID:qDEoUTeoP
東方の名僧が実はゾディアックの正体だったんだよ!
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 13:02:28.56 ID:R7iXN75Fo
向こうで戦士が俺のゾディアックうんぬんで暴れるとみた
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/26(土) 13:39:33.37 ID:f0eDhs3vo
>>71
昼まっからシモネタか・・・
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 14:07:38.54 ID:VFCgVibCo
名僧に名槍をぶっこんでゾディアックと成す・・・なるほどな
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 15:32:04.84 ID:5ataSmzgo
スレ民の迷走
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 15:32:16.11 ID:REy4NnfDO
ここでまさかのゾディアックシステムで舞台はFF12へ!!
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 15:48:21.57 ID:tTF3CiwAO
バガボンドで胤舜は十文字槍使ってたな
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 16:05:28.72 ID:jSpuDC0Co
肥桶の柄杓をたんぽ槍ならぬ田んぼ槍と言って振りかざすわけですね
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/26(土) 18:05:50.27 ID:iqTmreyR0
ゾディアック・・・・・・ゾディアッーーーーーーーーーーーーー!!!!
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 18:43:34.47 ID:n2pV5CrAO
戦士「ところで俺のゾディアックを見てくれ。コイツをどう思う?」
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 18:50:16.29 ID:kpRJk5eDO
>>79
戦士父「よこせ」
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 19:08:38.29 ID:5ataSmzgo
だれだよ
こんな所につまようじ捨てたの
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 19:24:03.93 ID:cVI8/puDO
タンポン槍を…
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 20:01:47.84 ID:9zv9E2z8o
分割されたゾディアックを一つに重ねると
ドーナッツ状態になれる
TrainTrain走っていけ!TrainTrainどこまでも!
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/26(土) 20:06:55.12 ID:j70Uf5IAO
レスを控えろ
もうすぐで
>>1
登場。
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 20:21:36.55 ID:0YJ8OfFAO
__
/。 \
|ノ ゚|
ノ ゴ ハ
86 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:44:12.00 ID:mLnmhV20o
〜藤蔵〜
盗賊「…着いた」
戦士父「これは…家なのか?」
召喚士「まぁ、城と言った方が近いかもしれませんね……」
ザッザッザ…
男忍「……姫っ!?」
盗賊「ただいま」
男忍「おかえりなさいませ!ささっ、どうぞ」
魔道士「失礼しますーっ」
テクテクテクテク
風忍「……姫っ!!」
侍女「おかえりなさーい!」
タッタッタッタ…ガバッ!!
侍女「最近、頻繁に帰ってきてくれて…嬉しいわぁ〜!」
盗賊「……」
87 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:44:48.82 ID:mLnmhV20o
風忍「…こちらの御仁は?」
戦士「ああ、俺の親父だ」
風忍「――っ!!」
侍女「……っ!!」
ズザッ
侍女「とうとうこの刻が…来てしまったのね……」
戦士「はぁ?」
風忍「姫……っ、お気持ちは…変わらないのですか…?」
盗賊「…何が?」
侍女「あとは……御館様を口説き落とせるかどうかね…っ」
風忍「…うむ。こうなったら我らも、出来る限りの協力はしようではないか」
侍女「そ、そうね……っ」
盗賊「さっきから何を言っておる」
侍女「ご安心を…!私達は姫の味方ですからっ」
盗賊「だから、何の話だっ!!」
88 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:45:14.27 ID:mLnmhV20o
…
風忍「御館様のお成りである」
スッ…スタスタスタ
御館様「一同、面を上げい」
スッ
盗賊「この度はお目通り頂き、恐悦至極」
御館様「うむ。して、今日は何用じゃ?」
盗賊「父上にお力添え頂きたく……」
御館様「……申してみよ」
盗賊「槍の総本山、我らはそこへ向かいたく…」
御館様「…ほう。理由を申してみよ」
盗賊「それはこちらの方より…」
スッ
戦士父「始めまして」
御館様「そなた、見ない顔だな。何者だ?」
89 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:45:41.33 ID:mLnmhV20o
戦士父「……一介の旅人です」
風忍「こちらの、戦士殿のお父上にあられるそうです」
御館様「何…?」
戦士父「戦士父、と申します」
御館様「何故、総本山へと向かわれる?」
戦士父「私は、とある理由の為…世界中を回っております」
御館様「……」
召喚士「ゾディアックと呼ばれる、12本の槍を探しているんです」
御館様「それが総本山にあると?」
戦士父「東方に存在する、とまでしか分かりませぬ」
戦士「名代さんの話によると、総本山が槍術に長けていると…」
盗賊「そこに手がかりがあるのでは、と踏んでおります」
御館様「それで、どうしろと?」
盗賊「もし面識がおありならば、事を円滑に進める為……」
御館様「助力せよと申すか」
90 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:46:07.64 ID:mLnmhV20o
盗賊「……いえ、その…っ」
御館様「構わん」
盗賊「……っ」
御館様「総本山は元より、来る者拒まず。まぁ問題はあるまい」
盗賊「…はっ」
御館様「しかし、法主への書状の一つでもあれば話は早かろう」
盗賊「……」
御館様「明日にでも整える。今日は泊まっていくが良い」
盗賊「…有難う御座いまする」
戦士父「助かります」
御館様「うむ」
スッ…スタスタスタスタ…
盗賊「……良かった」
召喚士「無事、いきそうですね」
盗賊「…ああ」
91 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:46:34.13 ID:mLnmhV20o
…
ホーッ…ホーッ
戦士父「東方も、夜は冷えるな」
戦士「だな。ま、どこに居ても世界は一緒って事だろ」
戦士父「その通りだな」
スタスタスタ
魔道士「いいお湯でしたねーっ」
召喚士「魔道士さん、ええ…やっぱり天然の温泉はいいですね」
風忍「そうであろう?」
召喚士「風忍さん」
スタスタスタ
風忍「まだ、眠らんのか?」
召喚士「あの、風忍さん。お聞きしたい事が……」
風忍「……もしや、戦の事かな?」
召喚士「……ええ」
92 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:47:06.07 ID:mLnmhV20o
…
ジャリッジャリッジャリッ
盗賊「……父様」
御館様「……」
縁側に座り、夜空を見上げ佇む盗賊の元へ、
石庭の脇を歩き、父である尾館様が無言で歩み寄る。
盗賊「…上様は、大丈夫ですか?」
御館様「……ああ。あの方の強さは本物だ」
盗賊「……」
御館様「物理的なものではない。芯の強さだ」
盗賊「…ええ」
御館様「物理的なものは、我らが補えば良い」
盗賊「……火と、水が付いているそうですね」
御館様「流石に此方も、全員を派遣するわけにはいかんからな」
盗賊「あの二人、大丈夫でしょうか……」
93 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:47:32.91 ID:mLnmhV20o
御館様「……ふっ」
盗賊「……?」
御館様「お前に心配されるようになるとは。二人も落ちたものよ」
盗賊「あ、いえ…っ、そうではなく……仲が…悪いから」
御館様「たわけが。戦の最中に私情を挟むほど愚か者ではないわ」
盗賊「……っ」
御館様「名代や鬼丸も付いておる。何も心配はあるまい」
盗賊「ええ……」
御館様「槍の総本山。強いぞ」
盗賊「……」
御館様「心してかかれよ」
ジャッジャッジャリッ…
盗賊「父上…っ!」
御館様「…?」
盗賊「……おやすみ…なさい…っ」
94 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:48:05.02 ID:mLnmhV20o
…
召喚士「…なるほど、火忍さんと水忍さんが…っ」
戦士「それに名代さんと鬼丸だろ?まぁ安心だわな」
戦士父「反抗勢力は強いのかな?」
風忍「いえ、数はさほどでもありません。徐々に平定も進んでおるようです」
魔道士「おぉーっ」
風忍「この調子でいけば、半年とかからず東方も平定される事でしょう」
召喚士「そうすればいよいよ……」
風忍「はい。本国と正式な同盟へと進みます」
戦士「そこでついに……」
戦士父「ああ。五ヵ年計画の…最後が始まる」
風忍「…?」
召喚士「最後…即ち、魔王討伐……」
戦士父「そういう事だ。心してかかれよ」
召喚士「……はいっ」
95 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:48:32.34 ID:mLnmhV20o
魔道士「それじゃ、おやすみなさーい!」
戦士「俺らも寝るか」
召喚士「うん、おやすみなさい」
スタスタスタ
戦士「…親父、行かねーのか?」
戦士父「ああ、もう少ししたら戻る」
戦士「……んじゃ、おやすみ」
戦士父「……」
ジャッジャッジャ…
戦士父「……どうも」
御館様「…まだ、起きておられたのか」
戦士父「…東方の夜空は始めてでしてな」
御館様「本国とは違いますかな?」
戦士父「違うようで同じようで……。何とも言えませんな」
御館様「……宜しければ、一献傾けるかな?」
96 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:49:02.93 ID:mLnmhV20o
…
戦士父「すみません。酒は弱いもので…一杯だけ……」
御館様「構わぬ。此方こそ下戸なのに申し訳ない…」
戦士父「いえいえ、では…頂きます」
コクッ
戦士父「……効きますなぁ」
御館様「…ふっ」
戦士父「……失礼ですが、奥方は?」
御館様「…既に死別しておる」
戦士父「それは失礼……っ」
御館様「構わん。……貴殿は?」
戦士父「…私もです。随分と前に」
御館様「そうであったか……」
戦士父「…実は、妻も軍人でしてね」
御館様「…もしや、戦死なされたのか…?」
97 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:49:46.73 ID:mLnmhV20o
戦士父「……ええ」
御館様「それは…気の毒な」
戦士父「…私は、妻を救ってやれなかった」
御館様「……」
戦士父「だから軍より身を引いたのです」
御館様「そうであったか……」
戦士父「そして、息子には同じ道を歩んで欲しくなかった」
御館様「…親の背を見て、育ったのでしょう」
戦士父「いえ、私は何も語っておりませんし、見せてもいません」
御館様「……」
戦士父「あいつは自分の意思で、戦いの中に身を置いたのです」
御館様「そうであったか」
戦士父「血は争えぬ…と言ったところか」
御館様「しかし貴殿も、今は戦いの中にその身をおいておられる」
戦士父「学んだのでしょうね」
98 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:50:51.35 ID:mLnmhV20o
御館様「……ほぅ」
戦士父「しかも息子から。学んだのでしょうね」
御館様「……」
戦士父「ただ、逃げているだけだと思い知らされたのです」
御館様「それもまた、一つの道なのでしょうな」
戦士父「貴殿は強いですな」
御館様「……?」
戦士父「一人娘なのでしょう?」
御館様「あれも勝手に、飛び出しただけの事」
戦士父「……」
御館様「それを制する道理など、某には持ち合わせておらぬ」
戦士父「…成程。しかし、その身に何かあれば……」
御館様「父である前に藤蔵の長。長である前に…東方の忍」
戦士父「……」
御館様「某とてそうして生きてきた」
99 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/27(日) 00:51:18.94 ID:mLnmhV20o
戦士父「……」
御館様「兄弟もそうやって死んでいった。今更の事よ」
戦士父「しかし逃げなかった。やはり貴殿は強い」
御館様「強さの形など一つでは御座らん」
戦士父「確かに、そうかもしれませんな」
御館様「……とを頼みます」
戦士父「保障は出来ませぬ。この先の戦いは、熾烈を極めます」
御館様「……」
戦士父「しかし、目に届く限りは…出来るだけの事は致しましょう」
御館様「忝い……」
戦士父「……良い娘さんをお持ちで。羨ましい限りです」
御館様「…ただの世間知らぬな小娘ですよ」
ジャリッ
御館様「…さて、そろそろ失礼致そうか。……話せて良かった」
戦士父「……こちらこそ」
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/02/27(日) 01:25:01.92 ID:ts5feHTDO
>>1
乙!
最近忙しいみたいだし、無理に深夜更新とかしなくて良いんじゃないか?
こっちとしては、すごく嬉しいけどな。
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:25:20.68 ID:wOUDyQmV0
乙です。
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:26:56.23 ID:RrJR7ZcAO
>>1
おつ
そういえば昔は戦士父がホームレス状態なのを最近の活躍ですっかり忘れてたわ
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:52:59.77 ID:8Qr6Au7SO
もし自分が槍の使い手だって事を忘れてなくてホームレスしてたら恐ろしいことになってたな
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 02:00:17.37 ID:l+YLImiDO
>>1
乙!
パパ会談が平和に終わって良かったwwww
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 02:03:54.56 ID:yQ/Pj1vDO
>>1
乙です愛してる
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 06:14:26.54 ID:xWrKh6yDO
>>1
乙
結局戦士父はどんな強敵に出会ったんだろうか
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 07:37:11.55 ID:hGjFPHjfo
とを
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 18:32:59.66 ID:EELE3xVx0
雷忍死んでから全く見てなかったが、このスレまだ続いてたのね…乙
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 20:08:06.57 ID:osAPQ0MAO
今最初から読み直してるんだが召喚士五行無双はどこだっけ?
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 21:26:03.17 ID:da/G6buAO
>>1
乙
>>99
で予測変換が出来てないぜ。多分
御館様「……とを頼みます」
↓
御館様「……盗賊を頼みます」
違ってたら聖行受けてくる
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 21:32:29.33 ID:iAjPvhcRo
,、
//
///)
/,.=゙''"/ _,r'三 ̄`ヽ、
i f ,.r='"-‐'つ /ヘ/" ゙̄\,ミ\
>>110
/ _,.-‐'゙~ ,! 、!r r。-r ミ i こまけぇことはいいんだよ
,i ,二ニー; ドツ ヽ ̄ fハ, il
ノ il゙ ̄ ̄ l ー-_゙ ,、/ /
,イ「ト、 ,!,! ゙! )二」゙ ,!i Y
/ iトヾヽ_/ィ"___. ヽ.t _/,! i
r; !\ヽi._jl/゙_ブ,フヽヾーtー:、__ ,トf-≦-=、_,L
∧l \゙7'゙ .j!/ / /\jr=ニ:ー-゙┴、 ゙ミ三ヽi]l「/l
./ i ! \.// /./ ./ \ ┌‐ヽミ≦‐十'"!
/ i゙i /  ̄ ̄ ̄ i .l ッー-、\_ミ「彡゙ー=r.、
ノ ヾ、 / i! ! \_ ̄i i l r‐へ__\ー-、
/ ゙''y' l .i 、 l !.j .l l 「,> ゙t.,>‐fi
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 23:20:36.92 ID:iWNLAF1Ko
>>111
(\
(\\\
\"''゙=.,\
こまけぇことが大事なんだろうが ⊂'‐-"'=r., f i \
/_ノ ー、\~'‐-.,_ | ヽ
/(●) .(● )⊂ニ二, i, \
/ :::::⌒(__人__)⌒::::::ブli ヽ. ヽ
| |-┬r| |!,!, 、ト「イ,
\ `'ー` /"ィ丶_/ヾトi 丶
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 23:22:39.08 ID:X/iG51J6o
>>112
___ }\ __
> ` ` ∠_ _
∠ _ _ \ l」}
. ∠ └ '´ ` ┘ ゝ ヽ__ ノj !
/ ( ・)} ( ・) NこLL山彡' ノ Sorry 悪いが 聞こえないよ。
{/ (__,_う_ ヽ-{了-┬''´
r‐r-、 _,{/ / / ヽ、 \ }┤ |
E「ヽ  ̄ ̄ W し O し, 丶 ノ
└― ‐- ,,__| | } `´ し } 丁´
レし1 | し' |
| | {{ | N
{ { | }
___ }\ __
> ` ` ∠_ _
∠ ┌-、 <丶 \ l」}
. _ ∠  ̄ ´ ゝ ヽ__ ノj !
〔[[.し レ、/ ( ・)} ( ・) NこLL山彡' ノ 耳に バナナが入っててな。
. { こ/´{/ (__,_う_ ヽ-{了-┬''´
. } |_{/ / / ヽ、 \ }┤ |
. | ` W し'^マ ヲ し 丶 ノ
、 __| | } ` .し } 丁´
レし1 | し' |
| | {{ | N
{ { | }
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 23:28:36.83 ID:eknhvSS+0
やめれwwwwwwwwwwwwwwww
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 23:36:53.07 ID:NPsaAEVJ0
【喧嘩中】
マーマー ∧,,∧ ∧,,∧オマエラヤメ
∧∧(´・ω・)(・ω・`)∧∧
(´・ω・) U) (U とノ(ω・` )ケンカイクナイ
|し U∧∧ ∧∧と ノ
u-u( ・ω・)=つ);:)ω・`)
(っ ≡つ=つ⊂⊂)
( /∪ バババ∪ ̄\_)
オラオラ!!
116 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:06:55.01 ID:Zmk8eoJQo
〜次の日〜
侍女「はい。これ、御館様からの書状」
盗賊「ありがと。……父様は?」
侍女「…さぁ。朝から見てないけど」
盗賊「……そっか」
風忍「それでは皆様方、お気を付けて」
魔道士「はいっ。ありがとうございます!」
召喚士「それでは行きましょうか」
風忍「道案内を付けたいところなのですが……」
戦士「こっちはこっちで忙しいんだろ?気にしないでくれ」
盗賊「うん。道なら分かるから」
侍女「じゃあ、ご武運をっ!」
戦士父「一宿一飯のご恩はいずれ。御館様にも宜しくお伝え下さい」
風忍「ははっ。確かに」
盗賊「それじゃ、行ってきます」
117 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:07:28.60 ID:Zmk8eoJQo
テクテクテクテク…
戦士「んで、総本山てのはどの辺りなんだ?」
盗賊「…ここから南西の…山の上だ」
魔道士「山の上にあるんですねぇ」
盗賊「…うん。結構険しい」
魔道士「そ、そうなんですか!?」
盗賊「…行けば…分かると思う」
戦士「この前の雪山みてぇのは勘弁だなぁ……」
召喚士「とにかく、行くしかないですよね」
戦士父「ああ、すまんな」
召喚士「いえ、戦士父さんのせいではありませんよ」
戦士「いーや、親父のせいだね」
魔道士「戦士さんっ!」
戦士「…へいへい、とにかく早めに行こうぜ日が暮れると厄介だろ」
盗賊「…ああ。そうだな」
118 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:08:23.37 ID:Zmk8eoJQo
〜東方司令部〜
青年兵「それでは、お世話になりました」
東方司令「……ああ」
青年兵「皆様方も…お元気で」
スッ…ザッザッザッザ…
東方副司令「しかし、随分と急な話でしたね」
東方司令「……」
東方副司令「…まさか、先日の件……っ」
東方参謀「馬鹿者がっ。あやつの仕業だとでも申すのか!」
東方副司令「……ですよね」
東方司令「なんにしろ、これからどうなる事やらだな」
東方参謀「一気に二人も、士官を失ったからな」
東方副司令「え、ええ…っ」
東方参謀「まぁ、本部からの通達を待つしかあるまい」
東方司令「……」
119 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:08:57.15 ID:Zmk8eoJQo
ザッザッザ
東方伍長「……お、おい…っ」
青年兵「……」
東方伍長「ど、どうなっちまうんだよ!?なぁっ!」
青年兵「……」
ザッザッザッザ
東方伍長「なぁ、何とか言ってくれよ…っ!」
青年兵「分かったでしょ先輩、あれが左翼のやり方ですよ」
東方伍長「……っ」
青年兵「用無しと判断すれば、同胞ですら死に至らしめる……」
東方伍長「じ…じゃあやっぱり、東方魔道長様は…っ」
青年兵「……」
東方伍長「お、教えてくれっ!俺はどうしたら……」
青年兵「自分で考えて下さい。それに…口の利き方には気を付よ、伍長殿」
東方伍長「……っ」
120 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:09:48.56 ID:Zmk8eoJQo
〜東方、山中〜
戦士父「……」
魔道士「…はぁ……はぁ」
戦士「…何なんだ、ここはよ!」
標高3000メートル付近。やや暖かさをみせた地上とは打って変わり、
氷点下と豪雪が一同の足取りを重く、遅くさせる。
戦士「予想以上だな……」
召喚士「うん…。視界が遮られて……遭難しないように気を付けないと」
魔道士「い、いつも…こんなひどいんですかっ?」
盗賊「…ああ。難なく登山出来るのは夏の3ヶ月程度であろう」
魔道士「うえぇ……っ」
召喚士「今はまだ…何とか進めるけど……」
戦士「これ以上になると厄介なんてもんじゃねぇぞ?」
召喚士「…うん。その時は……」
戦士「…?」
121 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:10:43.82 ID:Zmk8eoJQo
…
ビュオオォォォォ
戦士「魔道士ぃ!!見えるかぁーっ!?」
魔道士「…えぇーっ?何ですーっ?」
召喚士「……これは、もう限界だなぁ」
戦士父「……どうした?」
召喚士「……」
ジャッ…ザザッ
召喚士「行けっ!クジャタ!!」
盗賊「!?」
シュイイィィン
戦士「な…んだぁ!?」
召喚士「クジャタ!お願いっ!!」
クジャタ「……ブオオォォォォ!!」
魔道士「え……えっ!?」
122 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:11:51.43 ID:Zmk8eoJQo
雪原の中に召喚された一匹の巨大な牛、クジャタ。
クジャタは召喚士のよびかけに咆哮し、天を見上げる。
盗賊「これ……はっ!?」
クジャタを中心に巻き起こる風。それは徐々に徐々にと外側へ広がり、
五人の行く手を遮る豪雪を、周囲より跡形もなく消し飛ばした。
戦士父「おぉ……っ!!」
戦士「これが…クジャタ!!すっげぇ!!」
召喚士「さぁ急ごう。まだ未知数の召喚獣だから、どうなるか分からないし……」
魔道士「はいっ!」
タタッ
召喚士「…ん?」
戦士「どした?」
召喚士「……今、あそこに女性の姿が」
戦士「…あん?」
盗賊「……見えぬぞ?」
123 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:12:46.04 ID:Zmk8eoJQo
ゴウッ
召喚士「あ……」
背後を振り向いた召喚士の視界が、再び雪へと戻る。
召喚士「……気のせい…か」
――「面白い奴じゃのう」
召喚士「っ!?」
戦士「召喚士ーっ!早くしろぉーっ!!」
召喚士「あ、うん……っ!!」
タッタッタッタッタ…
走るクジャタの後を、召喚士達は懸命に追う。
召喚士(クジャタを中心に、天候がかわるみたいだな……)
チラッ
召喚士(でも、離れすぎた背後は…徐々に天候が戻ってる…)
タッタッタ…
召喚士(……魔力次第って事か)
124 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:13:56.69 ID:Zmk8eoJQo
走ることどれ程か。頂上へ近づくにつれ空気は薄くなる。
召喚士「はぁ……はぁはぁ……はぁ…っ」
戦士父「大丈夫か?」
召喚士「…はぁ、え……えぇ…っ」
ただでさえ空気の薄い場での困難な登山。それに加えて、
クジャタを召喚し続ける召喚士の体力には、限界がきていた。
召喚士「……なんとか…もう少し…っ」
盗賊「…見ろっ!雲を抜けるぞ!」
周囲の景色を捉えながら、盗賊が叫ぶ。
戦士「よし…いいぞ、召喚士!クジャタを解除しろっ」
召喚士「……うん…っ」
シュイイィィン
召喚士「はぁはぁはぁ……はぁ…はぁ」
魔道士「召喚士さん…大丈夫ですか…っ?」
召喚士「……な、なんとか…っ」
125 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:14:41.45 ID:Zmk8eoJQo
…
戦士「…しっかし、本当にこんな所に…寺なんてのがあるのか?」
盗賊「……ある」
戦士「物好きな奴らもいたもんだわ」
盗賊「…昔から」
召喚士「…?」
盗賊「…ここは昔から、『不死の山』と呼ばれている」
魔道士「不死の山…ですかっ?」
盗賊「…うん。険しい道のりゆえ、登頂すれば不死を得られると伝わる」
召喚士「なるほど…。それで修験者はこの山に……」
盗賊「…ああ」
戦士父「それで、その総本山は頂上にあるのかな?」
盗賊「…おそらくは」
戦士「…しゃーねぇ、雪も落ち着いた事だし、一気に頑張るか!」
魔道士「はいっ!頑張りましょう〜!」
126 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:15:42.06 ID:Zmk8eoJQo
…
戦士「……おっ!?」
魔道士「…わぁっ、日の出だ!綺麗〜っ!」
盗賊「ご来光か……。噂には聞いたが…素晴らしいな」
召喚士「……ええ」
戦士「おいっ!あれって……っ!!」
戦士父「どうやら頂上のようだな」
召喚士「……あれは屋根…ですかね?」
魔道士「やっと…着いたみたいですね」
戦士「ようやくかぁ…。長かったなぁ……」
盗賊「…ああ」
頂上到達と同時に迎える重々しい鉄の扉。
その向こうには幾つかの建物らしき屋根が見える。
召喚士「ここが……総本山」
五人は不死の山頂上、総本山へと、今…辿り着いた。
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:37:52.06 ID:Zmk8eoJQo
週末はちょこっと更新ですんません…そして花粉ががが
それではおやすみなさい!ご支援感謝!ノシ
〜オマケ〜
火忍「……はぁ」
ザシュッ
火忍「風邪…引いて辛い……」
ザシュッ…ドシュッ
火忍「こんな時…姫が看病してくれたりしたら……」
ズバシュッ…ズバッ
火忍「…何だか、姫が近くに居る気がしてきたぞ…!」
ザクッ…ドムッ…グフッ
水忍「……何、馬鹿な事を言ってるんだお前は」
火忍「うるせぇ…。はぁ…姫……」
鬼丸「…アイツ、すげぇな」
帝「うむ。飄々と100人斬りは達しておるな。無我の境地というやつか……」
火忍「……うおおぉぉ!!姫ええぇぇ!!」
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:42:41.40 ID:Zmk8eoJQo
あとごめんなさい。
>>110
は仰るとおりです。聖行受けてきます
>>108
>>109
ありがとございます!
五行無双は伯爵のところのやつかな?
だとすれば19スレ目の中盤あたりですね!
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/02/28(月) 00:44:29.57 ID:5NjeUBfDO
>>1
乙!
最近、召喚士が女にしか見えなくなってきたんだが、そこで気づいたんだ。
ここの召喚士一行って、FF5じゃね?ってさ。
再生厨うぜーとか思われるのは仕方ないが、何よりも言いたいのは、召喚士タンチュッチュ
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 01:19:07.83 ID:Yy+QEqIDO
>>1
乙っす
雪女か……
大好物です(キリッ
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 01:20:21.43 ID:IR+U5IUao
>>1おつおつ ただ火忍の斬撃にモビルスーツ混ぜんなwwww
>>129 FF5・・・
戦士・・バッツ(男性) 盗賊・・ファリス(海賊) 魔道士・・クルル(最年少)
ということは 召喚士・・レナ(メインヒロイン・・!!)
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/28(月) 01:38:27.06 ID:XrN89NiAO
>>128
うお!わざわざ
>>1
が教えてくれるとは!ありがトン見てくる!
そして
>>1
愛してるぜ
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 01:42:05.35 ID:xL0Wds+AO
富士山に寺建てるとはなんという建築技術
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 08:21:13.96 ID:I4jcLWpDO
>戦士「名代さんの話によると、総本山が槍術に長けていると…」
名代、留守だったよな…
135 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:07:51.88 ID:9dT107R1o
>>134
やべぇ…名代ではなく土忍でしたごめんなさい↓続き
136 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:08:42.18 ID:9dT107R1o
ゴゴンッ…ギギイイィィィィ
魔道士「門が…っ!?」
戦士「お出迎え頂けるのかねぇ」
開門と同時に、その向こうより剃髪した男性が近づいてくる。
ザッザッザッザ…
僧兵「このような所に何用か」
盗賊「初めてお目にかかる。私は藤蔵の者だ」
僧兵「藤蔵の…!?というより……女か…っ」
盗賊「まずはこの書状を拝見して頂きたい」
僧兵「……私は、一回の僧にすぎませぬ」
ザッ
僧兵「中にお入り下さいませ」
召喚士「い、いいんですか?」
僧兵「拒む理由は御座いませぬ。何人も……ね」
召喚士「……」
137 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:09:36.89 ID:9dT107R1o
僧兵「どうぞ、ご案内致しましょう」
戦士父「失礼」
テクテクテクテク…
召喚士「…あれは?」
門を潜る直前、召喚士が足を止め、右方の景色を見つめて呟いた。
盗賊「……影不死だな」
魔道士「影不死…?」
盗賊「…不死山の隣に位置する…言わば双子山だ」
戦士「ふぅん」
盗賊「…不死山と違い…影不死は登山も困難と言われている」
戦士「こっちですらあれだったのに…更に困難なのかよ…っ」
盗賊「…妖は住まう地と聞く。何かあるのかもな」
召喚士「……」
戦士「触らぬ神にってやつか」
先へ進む僧兵を追うように、一同は小走りに屋内へと入って行った。
138 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:10:06.60 ID:9dT107R1o
ザッザッザッザ…
僧兵「おい……女だ」
坊主「……っ」
テクテクテク…
盗賊「……」
魔道士「な、何だか…凄い見られてませんか…っ?」
戦士「異国人が珍しいんだろ。今更だよ」
魔道士「……うぅ」
僧兵「匂いが――」
坊主「ああ…っ、服の上からでも分かる――」
戦士「…確かになんか…ぶつくさ言ってるな……」
戦士父「経というやつだ。古来からの教えを復唱しているのさ」
戦士「…ほぉ、物知りだな」
戦士父「…以前、話で聞いた事があってな」
召喚士「ふーん」
139 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:10:32.33 ID:9dT107R1o
…
魔道士「……おぉーっ!」
召喚士「質素かと思いましたが、意外と煌びやかですね」
戦士「金やら朱やら…むしろ派手なもんだ」
堂内に広がる絢爛な作り構え。朱に染まった柱や天井。金で塗られた像。
その様は登頂した者にしか得られない、まさに極楽といったところか。
僧兵「…こちらです」
戦士父「……」
そんな景色を余所目に、僧兵は脇の廊下を奥へと歩んで行く。
五人はただ無言で、その後を付き従うしかなかった。
スタスタスタスタ…
僧兵「……僧兵長」
廊下の途中、一つの襖の前で僧兵は立ち止まり、声を発した。
すると、中から低い男の声で、返答が帰ってくる。
僧兵長「……何かな?」
140 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:11:00.06 ID:9dT107R1o
僧兵「お客人です。何でも…藤蔵の者と」
僧兵長「藤蔵の…?ふむ、通しなさい」
僧兵「はっ。……では、どうぞ」
ススッ
盗賊「失礼致します」
襖の奥は畳十畳程度であろうか。その端にぽつりと置かれた平机。
その前にて書き物を記す、これまた剃髪した大男がこちらを振り向いた。
僧兵長「遥々このような所へ、如何なるご用かな?」
盗賊「藤蔵のお館様より書状を持参して参りました」
僧兵長「…何、藤蔵の?」
盗賊「まずはこちらをご一読頂きたく」
僧兵長「……ふむ」
盗賊の差し出す書状を受け取り、僧兵長はゆっくりとそれに目を通す。
僧兵長「……成程。槍の為にわざわざ本国から参られたのか」
戦士父「…ええ。何か手掛かりを、と思いまして」
141 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:11:35.81 ID:9dT107R1o
僧兵長「確かにここ、総本山は槍術に長けておる」
戦士父「そのようですね」
僧兵長「……しかしながら、名槍の話は存じ上げないですな」
戦士父「……」
召喚士「こちらには、ないのですか?」
僧兵長「歴史上、そのような槍も存在しなかったわけではございません」
盗賊「……」
僧兵長「しかし、近年は特にそのような事も聞きませぬな」
戦士「…まいったな。外れか」
戦士父「本国より伝わった槍です。そのような話は?」
僧兵長「本国から…ですか。やはり聞いた事はありませんな」
戦士「ちょいと失礼」
僧兵長「…?」
戦士は立ち上がり、長い布をその場で解き、中より戟を取り出す。
戦士「…この柄の部分。こういう紋章の付いているやつなんだが……」
142 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:12:21.41 ID:9dT107R1o
僧兵長「…見た事はあるか?」
僧兵「…いえっ、私はありませぬ」
僧兵長「……やはり見覚え御座いませぬ」
戦士「そっかぁ……」
魔道士「残念ですね…」
戦士父「まぁ仕方ない。他の手掛かりを探そう」
僧兵長「一応、大僧正にお話を伺いますか?」
召喚士「大僧正…?何者ですか?」
僧兵長「ここの長、法主であられるお方です」
戦士父「その方が何かご存知で?」
僧兵長「総本山を司るお方ゆえ、何か存じておるかもしれません」
戦士「なるほどな。まぁ、聞くだけ聞いてみようぜ。金がかかるわけでもないし」
召喚士「うん。そうだね」
戦士父「では、お願い出来ますかな?」
僧兵長「はい。ご案内致しましょう」
143 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:13:23.70 ID:9dT107R1o
再び場を変え、僧兵長の後に続き本堂へと戻る一同。
木作りの巨大な象の背後へ回ると、そこから奥へと伸びる一本の通路がある。
僧兵長「こちらです」
狭い通路を真っ直ぐに進んで行くと、やがて開けた小さな部屋へと辿り着いた。
僧兵長「……大僧正様」
小さな部屋の中、中央に座禅を組み瞑想する一人の老人。
大僧正「……お客人か。成程、異国の方に藤蔵の者……か」
召喚士「!?」
魔道士「な、何で……っ」
大僧正「心じゃよ。無の心を用いれば、相手の心も分かるというものよ」
ゆっくりと目を開き、大僧正と呼ばれた老人は白髭を撫でながら微笑んだ。
戦士父「初めてお目にかかります。戦士父、と申します」
召喚士「同じく召喚士です。こちらは戦士、魔道士、盗賊……」
戦士「みんな本国の冒険者だ。宜しく」
大僧正「……ふむ。どうやら帰依、などというわけではなさそうじゃの」
144 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:13:51.97 ID:9dT107R1o
…
大僧正「……書状は確かに、拝見させて貰ろうたぞ」
盗賊「はい」
大僧正「それで、お主は藤蔵の……」
盗賊「当主、お館様の娘にあたりまする」
大僧正「そうかそうか。あやつももう、父であったか……」
盗賊「父を…ご存知なので?」
大僧正「勿論存じておるよ。直接、関係を持ってはおらんがのう」
盗賊「そうでしたか…」
大僧正「さて、本題じゃが……お主らが探しておるような槍は、ここにはない」
召喚士「やっぱり…そうですか」
大僧正「この総本山はの、俗世とはかけ離れた場所なのじゃよ」
戦士父「……」
大僧正「そのような場に、異国の文化なぞ入ってくるわけもない」
召喚士「確かに……」
145 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:14:27.17 ID:9dT107R1o
大僧正「それに槍術と言えど、過大評価されとるだけの事よ」
戦士「そうなのか…?」
僧兵長「我らは下界に降りる事など、そうはありません」
盗賊「……」
大僧正「その通りじゃ。噂が一人歩きしている…という事じゃ」
戦士「でもよ、それだけでそんな評判になるかね?」
魔道士「そうですよっ」
僧兵長「それは、例えば帝の前にて披露したり……」
大僧正「あとは、ここより出て行った不届き者の仕業よ」
召喚士「…?」
大僧正「最初は清らかな心をして、此処を訪ねてもじゃ……」
盗賊「……」
大僧正「槍術を身に付け、己の腕を試したいと、邪な心が芽生える」
戦士父「……」
大僧正「中には下山し、その槍術を以って腕を試す者もおるのじゃよ」
146 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:14:54.14 ID:9dT107R1o
召喚士「なるほど。それが風評となって世間に……」
大僧正「悲しき事じゃ。心身を鍛える為の武術が、そのような事にのう」
魔道士「……っ」
僧兵長「我らが総本山流槍術は、命を奪う為のものではない」
大僧正「……そう。命を助ける為のものじゃ。それが古くからの教えよ」
戦士「それを破ってる奴らが、結果的にここの名を上げてるってわけか」
大僧正「皮肉なものじゃよ。悪名じゃ」
戦士父「……」
僧兵長「とにかく、お分かり頂けましたかな?」
召喚士「ええ。ここにゾディアックは存在しないと……」
戦士「結局白紙だな。本当にあるんだよな?」
戦士父「……まぁ、そういう話だがな」
戦士「……っ」
召喚士「仕方ありませんよ。次の手掛かりを探してみましょう」
盗賊「…ああ、そうしよう」
147 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:15:59.96 ID:9dT107R1o
テクテクテクテク
魔道士「色々とありがとうございましたっ」
大僧正「遥々来て下さったのに、力になれずすまんなぁ」
召喚士「いえいえ。こちらが勝手に訪ねただけですから」
戦士「……あの」
大僧正「…?」
戦士父「もし宜しければ、槍術をご披露頂けませぬかな?」
盗賊「!?」
戦士「親父…?」
戦士父「いえ、無理であらば結構。ただの興味本位ですので」
僧兵長「……い、如何なさいますか?」
大僧正「ふぅむ。しかしお主、相当の腕前とみるが。相手できる者がおるかどうか」
僧兵長「…あやつならば或いは」
大僧正「…むうぅ、しかしのう……っ」
召喚士「…?」
148 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:16:45.70 ID:9dT107R1o
…
僧兵長「こちらが稽古場です」
戦士父「……」
正面の鉄門を潜る事なく、砂利道を左手に曲がると、その一画は顔を出す。
正方形に囲まれた壁の中。複数の者達が長棒を手に振り回している。
召喚士「…おぉーっ」
僧兵「はぁっ!!」
坊主「ぬんっ」
ガキィ!!…ガンガンガンッ!!…ゴガッ!!
戦士「なるほどな。噂になるわけだ」
戦士父「ああ。皆、良い動きをしている」
僧兵長「……槍侶!」
名を呼ばれた一人の若い男が、駆け寄り近づいて来る。
ザッザッザッザッザ
槍侶「はいはいっ!」
149 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:17:28.13 ID:9dT107R1o
僧兵長「異国より来られし客人が、腕をみたいと申しておる」
槍侶「なんと…っ!」
僧兵長「お主、手合わせしては貰えぬか?」
槍侶「願ったりです。こちらこそ是非に!!」
僧兵長「……では、宜しいですかな?」
戦士父「ありがとうございます」
ザッザッザ
槍侶「宜しくお願い致しますっ!」
戦士父「こちらこそ」
棒を脇に挟み、胸の前で左手の拳を右手包み、一礼する槍侶。
それに応じるかのように一礼し、戦士父は足元に転がる棒を拾い上げる。
僧兵長「それでは……始めぃ!」
ザザッ
槍侶「……」
戦士父「……」
150 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:23:42.33 ID:9dT107R1o
間髪入れず唐突に始まった試合。いや、試合とはそういうものなのだろうか。
召喚士達四人はおろか、稽古の途中であった僧兵らも無言で息を飲む。
戦士父は右手で低く棒を構え、それに対し槍侶は両手で棒を握り締め、
頭上よりやや高く、己の右……眉間の辺りにそれを静かに構える。
戦士父「……」
間合いを少しずつ詰め、そして離す二人。そこで戦士父は一つ気付いた。
戦士父(……動きが…全く読めぬ…っ)
槍侶は時に身体をゆらゆらと揺らし、目線は戦士父を見ているようで見ていない。
その得体の知れぬ戦法に、戦士父は迂闊に踏み込めない。
戦士「おいおい、どうなってやがんだ……?」
召喚士「互いに……動けないようだね」
戦士父「……」
槍侶「……」
ピクッ
戦士父「!?」
151 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:24:18.00 ID:9dT107R1o
ザッ
槍侶「……」
戦士父(……フェイント。いや、一歩間合いを詰めただけか)
盗賊「…全く隙がない。いや…隙だらけなのか?」
戦士「それすらも分からねぇ…。何なんだこの感じは……っ」
僧兵長「あれこそが総本山流槍術です」
召喚士「……っ」
僧兵長「言うなれば枝より落ちる枯葉の舞う如く」
魔道士「……」
僧兵長「流れる川に浮かぶ花弁の如く」
槍侶「……」
僧兵長「その動き、読む事は困難極まりけり」
戦士「確かに…。あれはちょっとやそっとじゃ攻略出来ねーぜ」
僧兵長「中でもあの槍侶は、心技体全てにおいて秀でておる」
盗賊「……」
152 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:25:20.04 ID:9dT107R1o
戦士父「……」
槍侶「…………」
戦士父(無駄だとは思うが……)
ドンッ!!
戦士「うお……っ」
召喚士「凄い……威圧っ!」
ビリビリビリッ…ゴゴゴゴゴゴ
槍侶「……」
僧兵長「暖簾に腕押し、というやつです」
戦士「何だそりゃ?」
盗賊「…暖簾をいくら押しても…手ごたえがないって事」
戦士「なるほどな。そりゃ言えてるわ」
戦士父(やはり無駄か。押して駄目なら引くところだが……)
ズザッ
戦士父(引いたところで相手が仕掛けぬのでは…意味もないっ!)
153 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:26:34.26 ID:9dT107R1o
長らくの睨み合いから、ようやく風景に動きが加わった。
戦士父「……っ!!」
険しい表情の戦士父が右手で繰り出す突きの一撃。
槍侶はそれを表情一つ変えず、軽やかにかわす。
戦士父「……」
ビュオッ!!…シュババババッ!!
戦士父の手は止まる事なく、突きの連撃が繰り出される。
槍侶「……」
戦士「……全部…受ける事なくかわしてやがる…っ」
魔道士「す、すご…っ」
戦士父(カウンターを仕掛けてくる気配もなし。あくまで見切るつもりか)
槍侶「……」
戦士父(……ならば)
乱れ突きの動きが流動的に移り変わる。
槍侶「……っ」
154 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:27:50.57 ID:9dT107R1o
突ききった瞬間から棒を即座に打ち下ろし、その軌道を変える。
更にそれを振り上げ、今度は薙ぎ、その途中で突きへと動く。
僧兵長「……凄いものだな。棒が生き物のように動いておる…っ」
戦士父(相手の動きを読むというならば、読ませなければ良い)
言うは簡単な事だが、それを実戦するは難しいものであろう。
しかしそれを為し得るには、戦士父の技量、ただその一言に尽きる。
槍侶「……っ」
カツッ
戦士「防御に回った!?」
槍侶は初めて、戦士父の棒を己の棒で弾き防いだ。
戦士父(ここだっ!)
相手が防御に出れば、そこからは経験則がものを言う。
防御をすれば後手に回る。そこには必ず防ぎきれぬ隙が生じる。
その一点を戦士父は、数多の戦いの中から、自然に身に付け知っていた。
戦士父「はぁっ!」
155 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:28:17.74 ID:9dT107R1o
ビュオッ!!
槍侶「…………」
戦士父「……」
ズザッ
戦士父「……!?」
絶対に回避出来ない一点。そのはずであった。
戦士父(避けた……だと!?)
槍侶が防いだ棒は左膝付近への薙ぎ払い。その時、確かに動きは静止した。
そこから防いだ棒を右上部へ持ち上げる事は、常識的に考えれば困難。
戦士「マジ…かよっ」
盗賊「……っ」
左下から右上、若しくは右下への動きというものはそこまで困難ではない。
しかし左下から左上への動きというのは、身体の可動域からして
他の部分に比べると、これは容易にいくものではないはずなのだ。
しかし、棒を携えたこの若い、剃髪した男はそれをやってのけた。
156 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:29:24.33 ID:9dT107R1o
戦士父「…はぁ!」
ブオォッ!!
一瞬、戸惑いを見せた戦士父であったが、再び攻撃を再開する。
戦士父(手を休めればこちらの敗北は必死)
槍侶「……」
繰り出す攻撃を一つ一つ、まるで楽器を演奏するかのように打ち鳴らす。
甲高い棒のぶつかり合う音が稽古場全体に鳴り響く。
戦士父「……っ」
槍侶「……」
決して命のやり取りではない。しかし二人の眼差しは真剣そのものであった。
それに気圧されるかのように、周囲で見守る僧兵達は、一言も発する事はない。
ただ、固唾を飲み込み、瞬きも忘れるほど、両者の試合にのめり込んでいる。
戦士父「……はぁっ!!」
槍侶「……っ」
何十合とその攻防は繰り広げられ、ただ木が打ち合う音と風だけが耳に残る。
157 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:30:35.12 ID:9dT107R1o
ガンッ…ガンッ…ガツッ!!
槍侶「……」
目の前の猛者が振るう棒を打ち払い、槍侶は若干の焦りを覚えていた。
槍侶(……この者、どこまで無尽蔵なのだ!?)
先程から延々と繰り出される棒による猛攻。
槍侶は一撃……いや、かすりもしてはいないが額に汗を感じていた。
戦士父「はあぁ!!」
ズバババババッ!!…ブオンッ…ヒュンッ!!
槍侶「……っ」
そして足元の影に気付き、また改めて一つ気付いた。
槍侶(押されている……!?知らぬ間に……後退していた!?)
別段、このような攻撃が初めてというわけではない。
何度となく繰り返された鍛錬の中、このようなやりとりも多々あった。
しかし一つ違うのは、その攻撃が休む事無く、長時間であるという事。
槍侶(……どれだけ無尽蔵な…体力をもっているのだ…っ!)
158 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:31:15.60 ID:9dT107R1o
下界ならなんら不思議な事ではない。だが、ここは高所。それもかなりのだ。
その境遇においてこれ程までに攻撃を繰り返せば、呼吸は乱れ、
下手をすれば倒れる事すらあるだろう。それが目の前の男には微塵も感じない。
むしろ攻撃の手は徐々に速度を増しているようにすら思える。
槍侶(……いい加減に仕掛けねば、此方がまずいか…っ)
戦士父「……っりゃあ!」
攻撃が増しているように思えるのは、戦士父が速度を上げているわけではない。
槍侶が防御しつつも、徐々にその体力を失っているのである。
戦士父はその時を待っていた。槍侶が攻撃に転じるその時を。
ススッ
槍侶「……はっ!!」
一瞬、戦士父の両腕が上がり、腹部に隙が出来る。
それを逃す事なく、槍侶は棒で鋭く突きを放った。
戦士父「……」
槍侶(……何かが…おかしい)
159 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:31:51.14 ID:9dT107R1o
突きの途中、槍侶はそんな事をふと思っていた。
既に止まる事のない一撃ではあるが、どうにも不自然な状況なのだ。
何故攻撃してしまったのか。一つ言えばそれは『焦り』である。
作られた焦りの環境に、防御から攻撃へ転じてしまった。
先程まで繰り広げられていた両者の攻防は逆転している。
そんな状況こそが不自然そのものの原因であった。
槍侶「……っ」
突き切る前に、槍侶は敗北を確信した。
この攻撃は、作られた隙に焦りを見せ、打ち込んでしまった、
言わばこの試合において、最も愚策なる一手としか言い様もない。
戦士父「……ふんっ!」
そんな事を思いながら槍侶は、手にした棒が舞い上げられる光景を
ただ呆然と見上げる事しか出来なかった……。
槍侶「……参り……ました」
空を見上げる槍侶の顔は、敗北してなお、嬉しそうな笑顔そのものであった。
160 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:33:05.61 ID:9dT107R1o
カランッ…カラカラカラッ
僧兵長「……そ、そこまで…っ」
ドヨドヨドヨッ
僧兵「ま、まさか……あの槍侶を…っ」
坊主「何という……っ」
僧兵長「一応訪ねるが、他に一手交えたい者はおるか?」
その一言に返答する者は一人も居なかった。
戦士父「……いい試合であった」
槍侶「……お見それ致しました。上には上がいる者ですなぁ!」
二人は固く握手を結ぶと、ニッコリと笑顔で一礼を交わした。
ザッザッザッザ
僧兵長「……お見事でした」
戦士父「いや、勝敗はありません。どちらが勝ってもおかしくはない」
僧兵長「槍侶を負かした者は初めてですよ。それだけでも素晴らしい……」
戦士父「……どうも」
161 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:33:50.38 ID:9dT107R1o
ザッザッザ
戦士「……」
盗賊「…戦士?」
戦士「ん、あぁ…何だ?」
盗賊「……いや」
魔道士「これから、どうしましょうかね…?」
召喚士「ひとまず下山して、どうするか考えましょうか」
盗賊「…そうしようか」
ザッザッザ
大僧正「では、気を付けて帰りなされ」
僧兵長「もし何か、情報があらば藤蔵へお伝え致します」
召喚士「助かります。ありがとうございました!」
戦士父「…では」
槍侶「……また、会いましょう」
戦士父「ああ」
162 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/02/28(月) 18:34:42.58 ID:9dT107R1o
ザッザッザッザッザ
槍侶「……井の中の蛙とはまさにこの事ですね」
僧兵長「彼は戦いに身を置く者。我らのそれとは勝手が違う」
槍侶「しかし、人を助ける為の戦いです。それは正しい事では…?」
大僧正「人であれ妖であれ、命を奪うは罪な事よ」
僧兵長「その善悪、そして責を背負う心が出来たら、お主も為すが良い」
槍侶「……心」
大僧正「お主は座禅や瞑想が大嫌いじゃからの」
槍侶「ぐむ…っ」
僧兵長「一人前になりたくば、心技体を鍛錬するが良い」
大僧正「そうじゃ。戦いのみでなく、平常の心技体をじゃぞ?」
槍侶「…今日から頑張るかぁ。あの人に…勝ちたいもんなぁ」
僧兵長「…全く。お前が真面目なのは、得物を手にしている時だけだな」
槍侶「……へへっ。これからは身を改めまっす!」
開いた鉄の門は、再び下界と隔離するように閉じていった。
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 20:09:57.45 ID:2wHn1rAAO
や…槍侶?
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/28(月) 21:25:43.78 ID:/olH+DRDO
マジレスすると
そうりょ
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/28(月) 21:54:06.56 ID:lyjGJ8yA0
は…早漏?
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 22:19:01.63 ID:4TBwSasvo
>>164
マジレスなのか
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 08:47:50.75 ID:huHaoDPu0
質問というかチラ裏だから答えてくれなくていいんだが
世界中に存在する魔物が召喚獣として存在していたり或いは召喚獣になることはあるのかな?
これ過去スレにあるかな?
168 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 11:39:13.21 ID:irY9Uzuno
>>167
ない
召喚獣と召喚師の住んでる世界はそもそも
別の次元だって言ってた気がするし
クジャタみたいに召喚されっぱなしの召喚獣がいたら
魔物って呼ばれることはあるかもしれんが
169 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 12:40:41.66 ID:iS0SHFhto
一歩ごとにマグネタイトを消費する
170 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/01(火) 15:26:43.22 ID:FvZbzLiE0
ダークハーフか
171 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:31:06.31 ID:+icQjqmlo
ビュオオォォォォ…
戦士「だああぁぁ!!昼なんだからちょっとは晴れろよぉ!!」
戦士父「怒鳴るな。雪崩でも起きたらどうする」
戦士「そんなんで起きるかっての」
戦士父「起きるから行っているのだ。山をなめるな」
戦士「……っ」
戦士父「登山より下山の方が困難なのだ。気を抜くな」
戦士「…へいへい」
召喚士「……そろそろ限界だな。行けっ!クジャタ!!」
シュイイィィン
戦士「もう使うのか?」
召喚士「いや、これでも遅いくらいだよ。俺にもっと魔力があれば……」
戦士父「十分さ。もう少し下れば斜面も緩やかになるだろう」
召喚士「……ありがとうございます」
クジャタが道を切り拓く中、一同はその傍を離れぬよう懸命に追随した。
172 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:31:50.72 ID:+icQjqmlo
ザッザッザッザ
魔道士「でも、本当に凄い召喚獣ですね」
盗賊「…ああ。助かるな」
召喚士「意外と役に立ちましたね」
魔道士「ほんとっ、ピクニックの時とか大助かりですね!」
戦士「何で?」
魔道士「だってぇ、雨降ったら嫌じゃないですかぁ」
戦士「……はぁ」
召喚士「ま、まぁ…そういう使い方もありますよね…」
戦士「怒られても知らんぞ?」
ザッ
クジャタ「……」
戦士「…ほれ、クジャタが怒ったぞ」
魔道士「ご、ごめんなさいっ」
召喚士「……いやっ、違う!……これはっ」
173 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:32:53.25 ID:+icQjqmlo
即座にクジャタは左方を見つめる。
雪に閉ざされた真っ白な視界。しかしその奥に、確かに気配を感じる。
盗賊と戦士父は気配でそれを感知し、召喚士と戦士は察知で気が付く。
魔道士は月読で、その僅かな風と雪の動きを察知する。
五人それぞれの手段ではあるが、心中考える事は同様であった。
召喚士「何か……いる…っ」
戦士「盗賊っ、親父!……前を張るぞ!」
盗賊「…ああ」
戦士父「……」
ザッ
魔道士「魔物…ですか…?」
召喚士「…分かりません。しかし、このような場に居る事は普通じゃありません」
魔道士「……ですよね…っ」
前衛、盗賊を中央へ据え、左右に槍を構えた親子二人が身構える。
クジャタの拓いた道の上、細く白い足が一歩、また一歩と近づいて来た。
174 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:33:36.38 ID:+icQjqmlo
ビュオオォォォォ…
戦士「!?」
――「おや、先程の人間か」
ザッザッザッザ…
魔道士「……女の…人…っ!?」
召喚士「この気候の中…防寒具も付けず素足でいられる人なんていませんよ」
戦士父「それに、先程の『人間』…と、言ったな」
――「うふふっ、頭の良い人間は嫌いではない」
ザッザッザ…
――「……おや?どこかで見た顔じゃの」
ザッ
――「……思い出したわぁ。わらわの邪魔をしてくれた人間じゃ」
戦士「――っ!!」
召喚士「…お前は……っ!!」
かつて華国で対峙した、九尾を持つ若い女の姿。名を夫人と言った。
175 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:34:16.70 ID:+icQjqmlo
魔道士「あ……あぁ…っ」
盗賊「…よりにもよって…こんな時にっ」
ザッザッザ
夫人「うふふっ。あの時は…世話になったのぅ」
召喚士「……」
夫人「うふっ、そう構えなさんな。わらわに戦う気はないからの」
戦士父「見逃してくれるのか?」
夫人「…ん、この渋い殿方は初めてお会いするのぅ」
戦士「んな事ぁどうでもいいっ!こんな所で何してやがるっ!」
夫人「それはこちらの台詞じゃ。お主らこそ何をしておるのじゃ?」
召喚士「……話す必要はありません」
夫人「うふふ…っ、怖い顔をする。まぁ良いかの」
ザッザッザッザ
夫人「このまま真っ直ぐ下山する事じゃ。そうすれば何ら、身の危険はないからの」
戦士「質問に答えやがれっ!こんな所で何をしている!?」
176 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:34:56.11 ID:+icQjqmlo
夫人「……何をと申しても、ここはわらわの棲み処じゃ」
魔道士「……!?」
夫人「ずーっと前からの。人間が後から勝手に来たのであろう?」
盗賊「……」
夫人「余計な道草をせず、そのまま帰る事じゃな」
召喚士「あなたは…一体何が目的で……」
夫人「目的…?わらわの目的はただ一つよ」
召喚士「……」
夫人「わらわは…一国の主となりて、いや…この世界を我が物として――」
戦士「今、改めて思うと…こいつって危なくない系の魔物じゃないか?」
召喚士「……そうかもしれない」
戦士「だったら、相手にせずさっさとおさらばすっかね」
召喚士「…うん」
夫人「……えぇいっ!自分から話を振っておいてえぇ〜っ」
召喚士「!?」
177 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:35:40.72 ID:+icQjqmlo
ズオッ…ゴウッ!!
クジャタ「――!?」
眉間に皺を寄せながら、夫人は力任せにクジャタを右手で押し潰す。
夫人「話は最後まで……聞かんかぁ!!」
ドズウウゥゥゥゥンッ!!
戦士「しまっ……」
召喚士「ぐふ…ぁ…っ!!」
ガクン
盗賊「…景色がっ」
戦士「クジャタがやられた!召喚士を頼むぞ!」
魔道士「は、はい…っ!」
ビュオオォォォォ
戦士「くぅ…っ!!視界が……」
魔道士「召喚士さん、召喚士さんっ!?」
召喚士「ぐく…っ!だ、大丈夫…です」
178 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:36:45.68 ID:+icQjqmlo
夫人「あーっはっはっは!いい気味よのっ」
戦士父「全員動くなよ!無事だな…?」
戦士「…ああ。しかし…こう四方の視界を遮られちゃあな」
盗賊「…ん?」
ボッ…ボッボッボッ
魔道士「照明!?」
盗賊「…そんなものはなかった!何か怪しい……」
夫人「狐火じゃ。聞いた事はあるかの?」
戦士「知るかっ」
夫人「ふんっ、まぁ良い。わらわは帰るとする」
ザッ
夫人「なんならお主らも来るかえ?うふふっ」
ザッザッザッザッザ
魔道士「……火が少しずつ消えて…っ」
戦士父「……」
179 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:37:29.93 ID:+icQjqmlo
戦士「おいっ、どーすんだよ!?」
召喚士「このまま……真っ直ぐ下山出来るとは…思えない」
盗賊「…大丈夫か?」
召喚士「ええ。しかし魔力回復まで少し時間が……」
戦士父「……あの魔物、信用出来るか?」
戦士「……分からん。南東国をメチャクチャにした張本人だからな」
戦士父「……」
召喚士「でも、話が出来る分…他の魔物よりは……」
魔道士「火がどんどん消えていきます…っ!」
戦士父「…仕方あるまい。全員離れるなよ、付いて来い!」
戦士「お…おいっ、まさか……行くのかよっ!?」
戦士父「止むを得んだろう。じっとしていても死ぬだけだ」
戦士「罠かもしれないんだぜ!?」
戦士父「そんな手間を掛けるくらいならとっくに殺されてるさ」
戦士「……っ」
180 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:38:29.01 ID:+icQjqmlo
…
召喚士「…はぁ……はぁ」
魔道士「召喚士さん、大丈夫ですか…?」
召喚士「……はい」
どれ程歩いたか。景色は相も変わらず変わらないが、
いつの間にか寒さはなくなっていた。
戦士父「……!?」
盗賊「……視界が…開ける」
大雪の影響で真っ白だった視界。それが突如真っ白な視界へと変わる。
同じ白い景色でもそれは全く別物であり、雪も他の景色もない完全なる白。
戦士「なんだ……ここは…っ!?」
魔道士「い、一体どういう事なんでしょうか…?」
パーティーの中で唯一人、かつて似たような景色を経験した覚えがあった。
召喚士「……召喚獣の世界みたいだな」
五人はその先へ吸い込まれるように、ゆっくりと前進した。
181 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:39:10.23 ID:+icQjqmlo
テクテクテク…テクテク…
ぼんやりとした視界の中、徐々に風景が作り上げられてゆく。
戦士父「……!?」
そこは先程の天候とは真逆の、穏やかな風が吹き、青空の下、
白い雲が流れ、小鳥が心地良さげに囀り飛び回っている。
戦士「夢の中にでも入り込んじまったのか…っ?」
戦士父「夢や幻術などではない。紛れもない本物だ」
盗賊「……!?」
ザザッ
夫人「……おや、本当に付いてくるなんてね」
召喚士「……っ」
夫人「ここがわらわの棲み処じゃ」
戦士「なかなかいい所じゃねーか」
夫人「……そうかの?わらわは嫌いじゃ」
盗賊「……」
182 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:40:02.33 ID:+icQjqmlo
夫人「このような……不自由で狭い、何の楽しみもない所……」
召喚士「…?」
夫人「…まぁ良い。ほれ、さっさと帰るがよい」
魔道士「あ、あのぉ……どうやって帰ったら……」
夫人「……そこを下れば樹海に行き着く。あとは自力で帰る事だの」
戦士父「地上に…出られるのだな?」
夫人「うふふっ。多分ね」
戦士父「……」
夫人「ほれ、早よう行かぬかっ」
召喚士「……行きましょう」
戦士「ああ。んじゃな、狐の化物」
夫人「わらわは夫人じゃ!化物などと呼ぶでないっ!」
戦士「へいへい」
夫人「全く……。まこと無礼な人間――」
呆れ口調で言葉を発する夫人の声が止まった。
183 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:40:58.14 ID:+icQjqmlo
ゴゴゴゴゴゴ
夫人「――っ!!」
――「なーにを騒いでおるか、夫人」
夫人「な、何でもないわっ」
――「……んん?そこにおるのは……人間かえ?」
召喚士「な、何だ…っ!?」
夫人「よいから早よぅ行けっ!!」
戦士父「何か嫌な予感がするな。行こう」
盗賊「…ああ」
ザザッ
召喚士「……っ」
タッタッタッタッタ
――「…ほぉ、戯れで人間を助けるとは。お前らしくもないのぉ」
夫人「別に、そんなつもりではないわ。さーて、寝るとするかの」
――「……ふっふ、お前もひねた性格をしとるのぉ」
184 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:41:45.39 ID:+icQjqmlo
タッタッタッタッタ
魔道士「な、何だったんでしょう!?」
召喚士「分かりませんっ。しかし……」
戦士父「先程の声の主。あれは……」
戦士「夫人より格段に高い威圧だった…っ」
盗賊「……ああ。一瞬ではあったが…確かに感じた」
その場に留まり迎え撃つ事も可能ではあった。
しかし、魔力を失った召喚士を戦力と換算する事は出来ず、
残った四人で夫人と更なる化物を相手には出来ない。
結論は逃走。そう判断した故の、戦士父の一言であった。
戦士父(逃がしてくれたと言ったところだが、素性も分からんしな……)
いつもの四人であれば逃走という手段は最優先に出てこなかったかもしれない。
長年の経験と軍人、しかも特殊遊撃に所属していたからこその、咄嗟の判断。
結果として不必要な交戦はなく、その場を難なく凌ぎきれた。
その結果が幸か不幸かは、まだ先の話である……。
185 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:42:18.81 ID:+icQjqmlo
タッタッタッタ…ザザァ
戦士「はっ…はっ……はっ」
盗賊「…なんとか…戻ってきたようだな」
戦士父「ああ。しかし、悪天候は変わらずか」
召喚士「森林…というより、ここが夫人の言っていた樹海…?」
盗賊「…そのようだな」
戦士「んお…っ?」
魔道士「ど、どうしました…!?」
戦士「何だか……左手が重…っ」
グググッ
召喚士「まさか、どこか怪我を…!?」
戦士「いんや、そうじゃねぇ…っ。この感じは……」
ググッ…グイッ
戦士「これだ…っ」
盗賊「……斧?」
186 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:43:02.97 ID:+icQjqmlo
戦士「こいつの磁石がどうも、反応しているらしい」
戦士父「磁場が強いのかもしれんな」
戦士「仕方ねぇ。ひとまず担いで運ぶとすっか…」
戦士父「急いだ方がよさそうだな」
戦士「あん?」
戦士父「磁場が強いとあまり良い事はない」
魔道士「そ、そうなんですか…?」
戦士父「魔力は弱まり、しかも金行……」
ガサガサッ
盗賊「!?」
法衣を纏った複数の男がゆっくりと近づいてくる。
戦士「…何だ?総本山の坊主か?」
魔道士「ちち、違いますよっ!顔を見て下さい…っ!」
盗賊「…囲まれた!?」
傘の先を上げ顔を向けると、そこには真っ青な肌をした男が牙を剥いて笑った。
187 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:43:49.63 ID:+icQjqmlo
盗賊「ちぃっ!…魔物の気配は感じ取れなかったぞっ」
戦士父「磁場の影響だ、焦らず各個撃破で突破するぞ」
戦士「おうっ!」
五人を取り囲む法衣の男らは妖怪、青坊主。
青坊主「…けけけっ、この樹海からは…出さぬぞぉ」
戦士「召喚士、いけるかっ?」
召喚士「召喚術は無理だけど……」
チャキッ
召喚士「こっちなら、なんとか」
腰のレイピアを鞘から抜き、召喚士は戦士の横に居並ぶ。
戦士「何だ?武闘派召喚士でも目指すのか?」
召喚士「……足手纏いには…なりたくないからねっ」
戦士「…よっしゃ、そんじゃあ行くか――」
戦士父「待て!!」
戦士「!?」
188 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:44:47.53 ID:+icQjqmlo
腰の雷切を抜刀しかけた瞬間、背後より戦士父の怒号が響いた。
戦士父「雷切は使えぬ!磁場なんだぞっ!」
戦士「!?」
戦士父「磁場で雷を放てば暴走する。どうなるか分からんぞ」
戦士「……ちぃ、そういう事か」
戦士父「君もだ。いいね?」
魔道士「は、はいっ!雷は……なしですねっ!」
盗賊(雷遁は使えない…。ならばっ!)
タタッ
青坊主「!?」
先手必勝と言わんばかりに、盗賊は一匹の青坊主めがけクナイを放つ。
更にそのクナイは、印を結んだ盗賊より発せられた炎に包まれた。
青坊主「ぐぎゃああぁぁ!!」
盗賊「…まず一匹……とはいかぬか」
青坊主「……やぁってくれるぜぇ」
189 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:45:44.55 ID:+icQjqmlo
ザザッ
戦士「召喚士、左は任せて…いいんだな?」
召喚士「うんっ!」
戦士「……おっし、行くぞ!」
タンッ!!
戦士と召喚士。二人は迫る青坊主を迎え撃つ為、左右に分かれ走り出す。
召喚士(俺の腕力でいけるかどうか…っ)
様子見を兼ねて、召喚士はフェイントを織り交ぜながらレイピアを放つ。
ヒュオッ…サクッ
青坊主「……いでぇ!このやろぉ!!」
召喚士「無傷…ではないな。よし…っ、お次は……」
青坊主「一斉にかぶりついてやれぇーっ!」
召喚士「はぁっ!!」
ザザッ…ゴオオォォォッ!!
召喚士の振り上げたレイピアより突風が巻き起こり、青坊主の群れを吹き飛ばした。
190 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:46:35.61 ID:+icQjqmlo
戦士「派手にやってるじゃんかよ」
青坊主「余所見してんなってのぉ――」
ドズン
青坊主「……へっ?」
戦士「悪い悪い。この斧、磁石が仕込まれててさー」
青坊主「……あが、あががが」
戦士「磁場に引っ張られて落としちまったわ。ははっ」
青坊主「あ、足がああぁぁ!?」
戦士「ふんっ!」
ザシュッ!!…ビュオッ
戦士「……さぁどうする?降参するなら…命は助けてやるぜっ!」
妖怪を一振りで真っ二つした戟を再び身構え、戦士が威勢良く啖呵を切る。
青坊主「な、なめるなよぉ!この人数相手にいいぃぃ!!」
戦士「でっりゃああぁぁ!!」
戦士の振り上げた戟の一撃により、青坊主の群れがあえなく吹き飛ばされた。
191 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:47:48.43 ID:+icQjqmlo
青坊主「んやろう!!」
キィンキィンキィンッ
戦士父「……ふんっ」
ブオォッ!!…ザシュッ!!……ドサァ
戦士父「退くがいい。勝ち目はあるまい」
青坊主「人間のくせに生意気なぁ…っ!」
ジリジリジリッ…
青坊主「奥の手を見せてやるっ。いくぞお前らっ!」
ジャラララッ
盗賊「まずいっ!鎖鎌だ!」
青坊主「ふんぬりゃああぁぁ!!」
複数の青坊主が一斉に放つ鎖鎌。それは直線的な動きではなく、
まるで生き物のように地を這い、木々をすり抜けながら迫り来る。
戦士「なにぃ!?」
召喚士「……くっ」
192 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:48:29.06 ID:+icQjqmlo
フォンフォン…ヒュオッ
召喚士「かわすのが…精一杯…っ」
戦士「なんつう数だよ…っ」
盗賊「……はぁっ!」
タンッ!!……ガシィ
盗賊「……!?」
青坊主「なーにも目に見える所だけってわけじゃあないんだよねぇ」
木の葉の隙間から針に糸を通すように、盗賊の左足に鎌の分銅が絡みつく。
盗賊「くぅっ!」
青坊主「立て続けに仕掛けろぉ!」
ジャラララッ
盗賊「あぐ…ぅ!!」
更なる追撃の鎖。それは左足だけではなく、盗賊の右足、両手をも捉えた。
青坊主「吊るし上げろぉ!!」
盗賊「くあぁ……っ!!」
193 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:49:20.06 ID:+icQjqmlo
ギチギチギチッ
まるで蜘蛛の巣に囚われた蝶のように、盗賊の身動きが封じられる。
盗賊「あ……うぅ…っ」
青坊主「このまま喰ろうてやるわぁ!!」
ババッ!!
戦士「盗賊っ!!」
ヒュイイィィ…ドドオオォォォォンッ!!
青坊主「あ……がぁ……っ」
ドシャッ…ブスブスブスッ
空中で黒焦げに燃えた青坊主が、無残にも地面へ叩きつけられ、
焚き火のように燻り、そのまま動きを止めた。
魔道士「私だっている事っ、忘れないで下さい!」
青坊主「あいつ、術を使うぞ!あいつから殺れぇ!」
魔道士「え…っ、きゃあぁーっ!!」
召喚士「魔道士さん!!」
194 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:50:18.82 ID:+icQjqmlo
ギュルルルッ…ガシィ
首筋に絡まる鎖。それは頭上の枝を介して、まるで絞首台であるかのように、
魔道士の身体を持ち上げ、呼吸を奪う。
魔道士「か…は……っ」
戦士「くっそぉ……っ!!」
ヒュンッ
戦士「…?」
青坊主「後ろだぁ!一人接近――」
ブンッ!!…ヒュンヒュンヒュン…ドサッ…コロコロコロ
青坊主「あ…え?」
戦士父「……」
瞬時に迫った戦士父の十字槍が、魔道士を痛めつけていた青坊主の首を、
一瞬の内に斬り落とし、それが地面をころころと転がった。
戦士父「……大丈夫か?」
魔道士「げほげほ…っ。は、はい……ぃ」
195 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:50:51.76 ID:+icQjqmlo
青坊主「なんだこいつら…っ!?強いなんてもんじゃあねぇぞ」
召喚士「てりゃあぁ!」
青坊主「く、くそぉ!鎖の数が……っ」
戦士「だっりゃああぁぁ!!」
青坊主「鎌も分銅も…何も……」
盗賊「…はぁ!」
青坊主「わわっ!こっちに来るううぅぅ――」
魔道士「やあぁっ!!」
青坊主「あんだけ居たのに……何でぇ……」
戦士父「…ふんっ」
ドササッ
戦士「…片付いたみてーだな」
召喚士「魔道士さん、盗賊さん……大丈夫ですか!?」
盗賊「…ああ、大丈夫だ」
魔道士「ご、ご心配かけました……」
196 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:51:29.14 ID:+icQjqmlo
チャキッ
戦士父「他に魔物は居ないようだな。早くここを抜けた方が良さそうだ」
召喚士「ええ、そうしましょう」
戦士「よっと」
ガシャッ…スタスタスタ…
戦士父「……ここからでは見えんな」
タタッ…スタッ…トッ
戦士父「……」
戦士「急に木登りなんかして、どうしたんだ?」
召喚士「多分、星を見ているんだ」
戦士「星…?」
魔道士「あっ、星の位置で方角を……」
スタッ
戦士父「まだ夕暮れだが、多少は把握出来た。こっちだ」
盗賊「……うん」
197 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/01(火) 18:52:23.43 ID:+icQjqmlo
…
ザッザッザッザ…
戦士「おっ!?」
戦士父「どうやら抜けたようだな」
魔道士「はぁ〜っ。これで一安心ですねぇ」
召喚士「ところで、ここはどの辺なんだろう…?」
盗賊「…おそらく南だな。海がかすかに見える」
戦士「海?暗くて分からん」
戦士父「……凄い視力だな」
盗賊「…まぁ…慣れてるから」
戦士「そんで、どうやったら帰れんだ?」
盗賊「……ここより西へ進んでいけば、都に着くはず」
召喚士「それでは一旦、都へ戻るとしましょうか」
戦士父「ああ、それが良かろう」
不死の山を辛うじて下山した五人は、一路都へと戻る事に相なった。
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/01(火) 19:04:32.40 ID:+icQjqmlo
それでは帰ります!ご支援ありがとうございました!
あとで来れたら来ます!ノシ
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 19:05:20.94 ID:zjivCLgYo
乙
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 20:08:45.37 ID:clbDKv7AO
>>1
乙
今って、知らずとは言え戦士父が死ぬのを手伝っている形になるんだよな…
残酷なディスティニーだぜ…
てか、俺も俺の魔導師ちゃんへのこの溢れんばかりの気持ちも、叶わぬ愛だけど、それでも物語を見続ける辺り…何か通ずる物があります
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 21:59:32.35 ID:huHaoDPu0
亀だが
>>168
ありがとう
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 22:14:52.72 ID:b36T99zDO
>>1
乙っす
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 22:47:02.45 ID:UVfn+pOko
ピンチのはずなのに縛り上げられるとニヤニヤしてしまうのはなぜだ
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 22:51:52.41 ID:SgovKcoDO
>>1
先生乙です(。・x・)ゞ
巨乳の盗賊は縛られ要員だからな、仕方のないことだ
205 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:03:42.66 ID:S35AjapIo
テクテクテクテク
戦士「やっぱり山を下ると、少し暖かいな」
魔道士「もうすぐ春ですねぇ〜」
召喚士「ええ」
戦士父「だが、季節が過ぎれば過ぎる程……」
戦士「……決戦の時は近い、ってか」
盗賊「…だな」
魔道士「あっ」
タッタッタッタッタ
飛脚「こんばんはっ!」
魔道士「こんばんは〜」
戦士父「今のは…?」
盗賊「…飛脚。手紙を運ぶ仕事の者だ」
戦士「ふーん。ワーカーの依頼みてぇなもんか」
盗賊「…まぁ、そうだな」
206 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:04:29.73 ID:S35AjapIo
…
召喚士「盗賊さん、都までどの程度かかりそうですか?」
盗賊「…ここからだと、数時間は」
戦士「うげ…っ」
魔道士「と、とにかく頑張りましょうよ!」
戦士父「どうする?野宿するかそれとも、夜通し歩くか」
魔道士「うーっ、究極の選択ですねぇ」
召喚士「俺はどちらでも……。任せますよ」
戦士「ちゃっちゃと行って、ゆっくり休んだ方がいいんじゃねぇか?」
魔道士「…うぅ、そうかもしれませんね」
戦士父「それじゃこのまま頑張って、歩くとしようか」
盗賊「…ああ」
戦士「おーし、気合入れて行くぞーっ!!」
魔道士「おーっ!!」
掛け声響く中、一同は夜通し都を目指し、海岸沿いの道を進んだ。
207 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:05:09.06 ID:S35AjapIo
〜東の砦〜
タッタッタッタッタ
飛脚「……都より、書状をお持ち致しました」
名代「ご苦労」
カサッ
名代「……老中殿からですね。西の諸侯はこちらに靡く気配との事」
帝「そうか。何よりだ」
名代「先達て平定した、西の大名家が降った事が大きいですな」
帝「それに、この東征も功を奏しておるようだな」
名代「無駄な血を流さずに済みそうですね」
鬼丸「ちぇっ、つまんねーの」
名代「鬼丸、何も殺し合いのが戦いなのではないぞ?」
鬼丸「……へいへい」
飛脚「そういえば道中、怪しげな異国の者らを見かけました」
帝「異国の者…?」
208 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:06:26.09 ID:S35AjapIo
飛脚「ええ…っ。五人かそこからの…旅人のような格好でしたが…」
帝「反抗勢力が異国と組む可能性は皆無に等しい。捨て置け」
飛脚「はっ。それでは失礼致します」
シュバッ
名代「関の解放、もう少し遅らせても良かったかもしれませんな」
帝「…いや、平定して直ぐだからこそ意味があるのだ」
名代「……」
帝「これからは東方同士、隔たりなどない国を作り上げなくてはならん」
名代「それが東方の団結に繋がりまするな」
帝「……ああ」
名代「…さて、間もなく火忍殿と水忍殿も戻りましょう」
帝「あと一息だな。この戦いが終われば……ようやく落ち着けるか」
名代「ですな」
鬼丸「美味いモンたらふく食って、爆睡してぇわ」
帝「……ふふっ、そうだな。うん」
209 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:07:16.13 ID:S35AjapIo
〜次の日、都〜
戦士「だぁ〜着いたぞー!!」
召喚士「お疲れ様」
魔道士「すっかり遅くなっちゃいましたね〜」
戦士父「これでも早いものさ。四人とも大したものだよ」
魔道士「ありがとうございます。えへへっ!」
盗賊「…さて、と」
戦士「飯だ、飯っ!」
盗賊「…だな」
召喚士「盗賊さん、何かお勧めはありますか?」
盗賊「…そうだなぁ」
魔道士「あっ、じゃあ……私食べたいものが……」
召喚士「…?」
戦士「美味いのか!?何だ!?」
魔道士「えへへ〜っ、それじゃ行きましょうか!」
210 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:08:01.33 ID:S35AjapIo
〜寿司屋〜
ガラッ
板前「らっしゃい!」
戦士父「ここは…?」
盗賊「…寿司屋。魚料理…かな」
戦士父「…ほぉ」
板前「さっき漁港から仕入れた、新鮮なタネが揃ってるよ!」
魔道士「冬の魚と言えば……」
板前「鰤にカンパチ、それに鮭もいいよっ!」
魔道士「じ、じゃあ……それをっ!」
戦士「それも美味そうだなぁ」
板前「冬は脂が乗ってて、一番旨い時期だからねぇ〜」
召喚士「よ…読めない…」
板前「もしなんなら、こっちで適当にオススメ握らせて貰いやすぜ?」
召喚士「じゃあそれでお願いします」
211 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:08:54.49 ID:S35AjapIo
…
板前「へいっ、お待ち!」
戦士「どれ……」
魔道士「…んーっ!!美味しい〜っ!!」
戦士「うほぉ…っ、脂が乗ってて…たまんねぇ!」
戦士父「確かにこれは…格別だな」
召喚士「……ええ」
盗賊「…どうした?……モグモグ」
召喚士「えっ、いえ…何でもないですよっ」
盗賊「……?」
召喚士「…ワサビ、でしたっけ?ちょっと目にしみて…ははっ」
盗賊「…そうか」
板前「山葵駄目でしたかい?もし言って下されば抜く事も出来ますんで!」
召喚士「はいっ、ありがとうございます」
潤んだ瞳を擦りながら、召喚士は遠い日の思い出を寿司と同時に飲み込んだ。
212 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:12:18.29 ID:S35AjapIo
…
戦士「あー食った食ったぁ!」
板前「毎度どうもっ!また来て下さい!!」
魔道士「ご馳走様でした〜っ」
戦士父「寿司か……。なかなか美味であった」
召喚士「ええ、本当に美味しかったですね」
盗賊「…さて、次は」
魔道士「お茶屋さんですねっ」
盗賊「…え、う…うん」
〜茶屋〜
看板娘「いらっしゃいまし〜」
召喚士「えぇと、お茶5つと……」
盗賊「…団子。みたらしとあんこで」
看板娘「はいっ!毎度〜っ」
戦士「よく食うなぁ」
盗賊「…甘い物は…別腹だ」
213 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:24:16.22 ID:S35AjapIo
…
看板娘「はいっ、お待たせ〜!」
カチャカチャッ…コトッ
魔道士「…はーっ、暖かくて美味しい〜」
戦士「んで、手がかりなしでどーするよ?」
戦士父「ここからは俺一人で大丈夫だ」
戦士「はぁ!?」
戦士父「心強い情報源も得る事が出来たしな」
盗賊「……あ、あぁ」
召喚士「でも、宜しいんですか?」
戦士父「お前らだってやらねばならん事が多々あるのだろう?」
戦士「まぁ、そりゃあそうだけどよ……」
戦士父「だったらいつまでも縛り付けてるわけにはいかんさ」
魔道士「そ、そんな事は……」
戦士父「いやいや、心配せんでくれ。元々一人の身だ」
214 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/02(水) 00:27:15.22 ID:S35AjapIo
中途半端ですが…タイムアップにて寝ます!
ご支援ありがとうでした!おやすみなさい!ノシ
〜オマケ〜
火忍「ぶぇ〜っくしょん!!」
水忍「…まだ風邪が治らんのか?」
火忍「……さぁ…ひ、ひえぇ〜っくしょい!!」
ゴシゴシッ
火忍「…いや、これは違うな。風邪じゃない」
水忍「…?」
火忍「…きっと姫が噂をして……ぶふぇっくし!!」
水忍「…ああー」
火忍「…なっ!?だろっ……ぶひぇーっくしょん!!」
水忍「成程な。火よ……」
火忍「……あん?」
水忍「それ、花粉症だ」
火忍「何ぃ!?……は、はーっくしょいぃ!!」
215 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 00:29:44.47 ID:O1H6v3STo
磁場ときいてノームさんようやく活躍かと思ったらそんなことなかったぜ!
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 00:40:45.53 ID:YcKl8H0SO
そういや精霊は結界貼るのとは別に能力持ってたな
ノームおじいちゃん………
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 00:46:42.11 ID:w23uyBAco
老衰で…
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 01:02:13.31 ID:U9DATzrAO
初出番の千載一遇のチャンス逃しちゃったな
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 01:06:43.93 ID:Vmy91bXio
召喚士は武士に寿司をおごってもらったのを思い出してたんだな
220 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 03:11:47.31 ID:ULtRXEDKo
1乙
221 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/02(水) 03:53:14.21 ID:kVmFn/EDO
ワサビが食べれない召喚士ちゃんかわいい
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 04:04:18.89 ID:Ur1A6UfAO
夫人かわいいよ夫人
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 05:28:17.34 ID:2G2TNRHDO
>>1
乙っす
寿司食いてぇ
224 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 09:52:48.68 ID:kzZnC/SDO
鎖緊縛プレイが見れたので満足している
うむ、あれはいいものだ。
225 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:12:05.73 ID:8ii6X30ko
…
店主「毎度どうもー」
召喚士「えぇっと……」
バサッ
戦士「ほー、これが東方の地図か」
召喚士「どうみます?」
盗賊「…本国の地図と比べると…そこまで精巧ではないと思う」
召喚士「測量技術の問題ですかね」
盗賊「…多分。でも…問題はないと思う」
召喚士「えっと、藤蔵の位置は……」
盗賊「…ここ」
キュッ
召喚士「…よし。ここが都で……不死の山が……」
盗賊「…ここだ」
召喚士「なるほど」
226 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:12:44.90 ID:8ii6X30ko
魔道士「この辺りが樹海ですかね?」
召喚士「……そ、そうか」
戦士「ん?」
召喚士「夫人の居た場所……影不死なんだ!」
魔道士「!?」
盗賊「…なるほど…そういう事か」
召喚士「魔物も住んでて登山も困難って言う意味がやっと分かりましたよ」
戦士父「確かに、言われて見れば合点がいくな」
戦士「でもよ、下山した時は一つしか山はなかったぜ?」
召喚士「そうなんだけど、不死山の山頂からは確かに見えたよ」
戦士「どうなってんだかなぁ」
魔道士「隠れ家みたいな感じなんですかね……」
盗賊「…スグリーヴァの城もそうだしな」
魔道士「確かにそうかもしれませんねぇ」
召喚士「……なるほど」
227 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:13:15.05 ID:8ii6X30ko
戦士父「では、地図は頂くぞ」
召喚士「はい。この程度しかお役に立てませんけど」
戦士父「いやいや、十分に助けて貰ったさ」
盗賊「…何かあれば…藤蔵へ」
戦士父「ああ、そうさせて頂こう」
ザッ
召喚士「もう、行かれるのですか?」
戦士父「ああ。日が暮れぬうちにもう一度、藤蔵を訪ねたいと思ってな」
魔道士「そうですか……」
戦士父「これを、総司令に渡して置いてくれ」
盗賊「…手紙。確かに預りました」
戦士父「ああ、頼んだよ」
魔道士「それでは、お気を付けて!」
戦士「……あのよっ」
戦士父「……?」
228 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:14:00.81 ID:8ii6X30ko
戦士「……えぇとだな。あの…あれだ、総本山で戦った時にさ」
戦士父「ああ」
戦士「親父はあいつに、避けられない一撃を放ったよな?」
戦士父「…ああ、あれか。おそらくこういう事だろう」
スッ
戦士父「正面に構えて、槍を俺の左足に添えてくれ」
戦士「……こうか?」
戦士父「そこから素早く、左肩へ振り上げてくれ」
戦士「…いいのか?」
戦士父「早くしろ」
戦士「……っ」
ビュオッ!!
召喚士「かわした…っ!?」
戦士「……なんでそんなアッサリと」
戦士父「簡単な事だ。全ては下半身の体重移動だよ」
229 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:14:39.47 ID:8ii6X30ko
魔道士「体重移動!?」
戦士父「東方の槍術は、言わばしなやかな自然の動きを主体としている」
盗賊「……」
戦士父「南東国の槍が剛であれば、東方の槍は柔」
戦士「要は、そのしなやかな動きでかわしたってのか?」
戦士父「最初の左下への攻撃。この時、重心をあえて左にかけていたんだ」
召喚士「!!」
戦士父「そうする事によって、素早く身体を右に移動させる事が出来る」
戦士「でもよ、普通に右方向への攻撃がきたらどうすんだよ」
戦士父「言ったろ。柔軟な動きだからこそ、どこに重心があろうと防御出来るんだ」
召喚士「凄いな…っ、そんな事まで…」
戦士父「事実、奴は次の攻撃も防ぐつもりでいたのだろう」
盗賊「…そうなのか?」
戦士父「ああ。しかし思いがけぬ左方向への攻撃により、回避という行動をとった」
戦士「ハナっから避けるつもりだったんじゃないのか?」
230 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:16:54.79 ID:8ii6X30ko
戦士父「もしそうなら、その後の間に説明がつかん」
召喚士「あ……っ」
戦士父「もし奴が回避を前提としていたならば、すかさず距離をとるか……」
召喚士「場合によっては、攻撃していたかもしれない…っ」
戦士父「…そういう事だ」
召喚士「しかしあの場面、両者共に不意を突かれたような間に……」
戦士「言われてみればそうだな。確かに不自然だった……」
戦士父「互いに予想外だった、という事さ」
戦士それがあいつの…強さの秘密か」
戦士父「一朝一夕で身に付くものではない。若いのに相当鍛えているな」
魔道士「でも、勝った戦士父さんは…やっぱり強いですよね!」
戦士父「強い…か。まぁ真理で言えばそうなのかもしれんな」
魔道士「え…っ?」
戦士父「99回負け続け、泥水をすすり生き長らえたとしても……」
盗賊「……」
231 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:17:38.27 ID:8ii6X30ko
戦士父「最期の1回、100回目で勝てば、その者が勝者という事さ」
召喚士「……なるほど」
戦士父「今回は技術ではなく、肉体面と経験でこちらが勝った」
戦士「だな…」
戦士父「次は分からぬし、奴がこのまま経験を積んでいけば、負けるかもしれん」
魔道士「……深いですね」
戦士父「戦いにおいての勝利とは、命あってのもの。忘れるなよ?」
召喚士「…はい」
戦士父「それじゃ、そろそろ……」
戦士「あ、あのよ……っ!」
戦士父「何だ、まだ何か――」
戦士「親父も…気を付けてな……っ!」
戦士父「……ふっ。息子に心配されるなど、俺もヤキが回ったかな」
戦士「……っ」
戦士父「……それじゃあな」
232 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:18:17.69 ID:8ii6X30ko
スッ…テクテクテクテクテク…
召喚士「……」
魔道士「行っちゃいましたね…」
戦士「……さ、これで任務終了だ!こっちも本国へ戻るとすっか!」
盗賊「…そうだな。一先ず手紙を届けねばならぬしな」
召喚士「ええ」
戦士「ほれ、行くぞ」
召喚士「うん」
魔道士「あっ、はい……っ!」
タッタッタッタッタ
本国、南東国間での同盟。東方司令部の内通者による事件の処理。
そして東方での一連の動き。全てはバラバラであるが、思いは一つである。
それは無意味な命のやり取りなどなく、安心して暮らせる平和な世界。
それを脅かす根源である魔王を討つべく、世界は急激に掛かりつつあった。
〜第三十九部、完〜
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:19:32.56 ID:8ii6X30ko
バカバカッ!!最後の最後で……っ!!
× それを脅かす根源である魔王を討つべく、世界は急激に 掛かり つつあった。
○ それを脅かす根源である魔王を討つべく、世界は急激に 変わり つつあった。
234 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:20:36.14 ID:8ii6X30ko
〜本国、国軍本部〜
通信士「ももっ、もし…申し…もし……」
博士「何を言っているのら」
助手『もしもし…?何ですそれ?通信時の合図ですか?』
通信士「えぁ?えっと……も、申し…もし…っ」
博士「何をそんなに緊張しているのら。貸せ」
通信士「あ……っ」
パシッ
博士「申し上げるのら。聞こえるか?」
助手『もしもし?聞こえますよ〜』
博士「もしもしはやめるのら!」
助手『もしもしもしもしー!』
博士「……」
ガチャッ
通信士「!?」
235 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:21:23.18 ID:8ii6X30ko
博士「とにかく、無事通信は出来ているようなのら」
カツカツカツ
司令官「……どうかな?」
博士「うむ。問題なしなのら!」
司令官「ついに出来たか。よく間に合わせてくれた」
博士「何を言ってるのら。これからが大仕事なのら……」
司令官「…ん、そうだね」
博士「とにかくこれで、本国と西方司令部間での電話は繋がったのら!」
通信士「す、凄いものですね……。一体どうやって……」
博士「それを事細かに説明すると長くなるから省くのら。あとは軍事機密なのら」
通信士「は、はぁ……」
司令官「……それで、次は?」
博士「無論、北なのら。ここから北方司令部へ繋げるのら」
司令官「間に合うかい?」
博士「知らんのら。それは穴掘りの連中に聞くのら」
236 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:22:05.40 ID:8ii6X30ko
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第四十部〜
237 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:22:35.18 ID:8ii6X30ko
〜ターミナル〜
召喚士「うーん、船はしばらく空きますね」
戦士「しゃーねぇ。軽く食事でも取りながら待つとするか」
魔道士「そうですねぇ」
ターミナルは船の終着地点。言ってみれば超大型のドックのようなものである。
その為、周囲に大きな町村もなく、多ジャンルの店舗がこの中に集約されている。
本国の大通りや北の港の商業地区ほどではないが、それなりの華やかさがあった。
テクテクテクテク
盗賊「…店が増えているな」
戦士「作り途中のもチラホラあるな。何かあったのか?」
召喚士「多分、東方との同盟を見越しての事じゃないかな?」
魔道士「同盟の影響…ですか?」
召喚士「ええ。そうなればここから東への海路が自由に拓けますからね」
戦士「そうすりゃあ、必然とここの利用者も増えるってわけだな」
召喚士「うん。観光に交易に…賑やかになると思うよ」
238 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:24:00.26 ID:8ii6X30ko
魔道士「なるほどですね〜!」
戦士「そんじゃ俺らも、店でも出しておくか?ははっ」
――「残念だが、そう簡単にはいかん」
テクテクテク…
魔道士「――っ!?」
召喚士「……高官…さんっ」
高官「久し振りだな、議会の時以来か」
戦士「……」
高官「ところで、本当に出店を考えているのかね?」
召喚士「い…いえっ、冗談ですよ」
魔道士「お店出すのって、そんなに大変なんですか?」
高官「……君は確か、商家の出ではなかったかな?」
魔道士「あ、あの……っ、そういった事は疎くて……」
高官「まず、出店するには場所というものが必要になる」
盗賊「…ああ」
239 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:24:34.70 ID:8ii6X30ko
高官「その辺りの平地で露店をするならばいざ知らず、ここは本国の領地だ」
戦士「まぁ、ターミナル内だからな」
高官「そう。そこで出店するには、当然ながら本国の許可がいる」
召喚士「ちなみに、いくらなんです?」
高官「察しがいいな、朱雀先生」
盗賊「…?」
高官「出店にはまず本国から場所を借りる。これにより月々の家賃が発生する」
魔道士「ほうほうっ」
戦士「何メモってんだよ」
魔道士「だって、いつか役立つかもですよっ?」
高官「もちろん立地の良い場所であればある程、家賃も高い」
盗賊「…目立つしな」
高官「更に、実際出店をした場合、売上に応じて本国へマージンを支払う」
戦士「マージン?」
高官「販売手数料の事さ」
240 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:25:15.22 ID:8ii6X30ko
戦士「家賃払ってんのに手数料も取るのかよっ!?」
高官「これが売上の5%。それが本国への支払いだ」
召喚士「結構取られますね……」
高官「そうか?安いものだぞ」
盗賊「…?」
高官「ターミナルという特異な場所と性質を考えてみろ」
魔道士「えっと……つまり……」
高官「ターミナルはたまたま通りかかるような場所ではない。必然と来ているのだ」
召喚士「…そうかっ。結果、値段は高くても買う人はいるんだ…!」
戦士「そうなのか?」
召喚士「例えば今の俺らがそうだよっ」
戦士「は?」
召喚士「次の船まで時間が空いてるから、軽食を取ろうとしていた」
魔道士「…そっか!それは多少割高でも使わざるを得ないっ!」
召喚士「そういう事です」
241 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:25:47.45 ID:8ii6X30ko
高官「他にもそうだな、例えば……旅の道具をつい忘れてしまったりとか」
戦士「船内じゃ手に入らないものだってあるもんな」
高官「そういう意味では5%など高いものではないのだよ」
戦士「ふぅん。なんか難しそうな話だわな」
盗賊「…ああ」
召喚士「まぁ他にも、人件費や諸経費はかかりますけどね」
高官「しかし一から店舗を立てて商売するよりはコストダウンが図れうだろう」
召喚士「ですね」
高官「我々はこうしった手法を『テナント』と呼んでいる」
魔道士「テナント……」
高官「テナントの確立で、小額の資本金でもビジネスが起こせるという事だ」
召喚士「商業支援の一環ですね」
魔道士「土地やお金がある人だけが、設けられるというわけではないんですねっ」
高官「そうだ。それが経済機関が行っている政策の一つさ」
盗賊「……」
242 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:26:36.94 ID:8ii6X30ko
戦士「しかしよ、何で俺らには難しいんだ?」
高官「知っていると思うが、我が国は東方との同盟を結んだ」
盗賊「…ああ」
高官「今後、最も多くの往来が見込まれておるのだ」
魔道士「西国や南東国もそうなんじゃないですか?」
高官「東方は最近まで、国同士の交流を閉ざしていた」
召喚士「他の国に比べ、異国の者にとっては未知なる国……」
高官「そうだ。本国とは違う数々の文化。興味を惹かれる者はすくなくないだろう」
戦士「えぇと、そんで?」
高官「言わば本国で今、最も注目されている土地。それがターミナルなのだ」
召喚士「商売にはうってつけな環境になるわけですからね」
高官「だからこそ、もう飽いているテナントもほぼ皆無なのだよ」
戦士「…そういう事か」
高官「それに……」
召喚士「…?」
243 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:27:53.66 ID:8ii6X30ko
高官「先程も述べた通り、政策は経済機関が管轄している」
盗賊「……」
高官「裏を返せば、権限は全て……左翼にある」
魔道士「!!」
高官「君達が仮に出店希望したところで、申請が降りると思うかね?」
戦士「あーそういう事ね……」
高官「だから私は、簡単ではないと言ったのだよ」
召喚士「高官さんは、ターミナルの政策担当なんですか?」
高官「……まさか。担当であればこんな所にはおらんよ」
盗賊「…?」
高官「先日の一件でな、左翼でのポジションを失ったよ」
魔道士「え…っ!?」
高官「役職こそそのままだが、たかが一地方の現場監督さ」
召喚士「……そうでしたか」
高官「別に良いさ。因果応報と言ったところだろう」
244 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:28:53.97 ID:8ii6X30ko
戦士「……すまねぇな」
高官「君のせいではない」
戦士「でも、俺だって絡んで……」
高官「元凶を作り出したのは私だ。目が覚めたよ」
戦士「……っ」
高官「君達親子には本当に感謝しているよ」
戦士「……親父を?」
高官「まぁな」
召喚士「そういえば、先日ウィッチさんに会いましたよ」
高官「…ウィッチに!?」
魔道士「はいっ!元気で旅してましたよっ。仲間も居て……」
高官「そうか」
召喚士「次会う時は、笑顔で抱きしめてあげて下さい」
魔道士「きっと…ウィッチちゃんも喜びますよっ」
高官「……ああ、そうだな」
245 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:30:27.93 ID:8ii6X30ko
…
高官「済まなかったな、引き止めてしまって…」
盗賊「…お気になさらず」
魔道士「色々とお話が聞けて、勉強になりましたっ!」
戦士「だな。こちらこそありがとうございます!」
高官「しかし、大変だったな」
召喚士「…?」
高官「おや、東方司令部へ居たと聞いたが……」
戦士「ああ、えぇと…ちょろっと……な」
魔道士「その後は東方に行ってましたから」
召喚士「あの、何かあったんですか…!?」
高官「大規模な火災があったらしいではないか」
盗賊「!?」
魔道士「火災……っ!?」
高官「知らなかったか?何でも東方魔道長と民間人が亡くなったと……」
246 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:30:55.05 ID:8ii6X30ko
ゾクッ
召喚士「…………」
確信はなかったが、召喚士の身に悪寒が走った。
召喚士「民間人……?」
高官「ああ、新聞社の記者が巻き込まれたとか」
目の前の男が次々に言葉を発しているが、召喚士の頭には入らなかった。
高官「西地区と西の塔も全焼だとかいう話でな。お陰でこの辺りも慌しい」
頭の中はただ真っ白になり、景色も音も止まり、心音だけが脳裏に響いた。
高官「青年兵は本国へ戻され、更に近々東方司令部解体の噂も出ている」
ドクドクと脈打つ鼓動は徐々に早まり、呼吸が乱れ始めた。
召喚士「…は…はっ、は……っ……は……っ」
盗賊「……女記者が」
戦士「死んだ……っ!?」
魔道士「嘘……っ」
重く圧し掛かる現実が数分かけて整理され、四人を再び現実へと引き戻した。
247 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:31:58.94 ID:8ii6X30ko
…
盗賊「…………」
戦士「…………」
魔道士「ひっ、ひぐ…っ!うっ……うっ」
召喚士「……」
ギリッ
戦士「…何で、アイツが死ななきゃなんねーんだよ」
盗賊「……っ」
戦士「あと一日……俺らが居てやれば……っ」
召喚士「…どうだろうね」
戦士「…?」
召喚士「俺らが居たからって助けられたとは限らない」
ガタッ…グイッ
戦士「……助けられなかったってのかよ」
召喚士「……」
248 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:32:34.57 ID:8ii6X30ko
魔道士「戦士さんっ、やめて下さい!」
戦士「…ちっ」
パッ
召喚士「それに、タイミングが良すぎる」
盗賊「……?」
召喚士「俺らが去った矢先に火災だなんて。早々起きるものでもないだろうし」
盗賊「…つまり、どういう事だ?」
召喚士「犯人は何かしらの証拠を隠滅したかったんじゃないかな?」
魔道士「……証拠…ですか?」
召喚士「海峡北の森に居たという事実ですよ」
戦士「じゃあ…っ、俺らが青年兵に与えた情報が漏れたってのか!?」
召喚士「分からない。分からないけど……」
ググッ…ギリッ
召喚士「そう考えれば、辻褄があうんだよ……っ」
盗賊「……青年兵が……そうは思えんが」
249 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:33:41.92 ID:8ii6X30ko
召喚士「青年兵くんだとは思っていませんよ。ですが……」
スクッ
召喚士「彼が何か知っているのは事実。急いで本国へ向かいましょう!」
魔道士「ええ…っ。ぐす…っ」
戦士「……ぜってぇ…見つけ出してやる」
盗賊「…ああ」
軽食を済ませた四人は本国への船へと乗り込み、ターミナルを出航した。
ザザーン
戦士「人間てのは、呆気ないもんだよな」
召喚士「……」
戦士「少しだけ…ほんの少しだけどよ、不死を求めるバカ共の気持ちも分かるわ」
召喚士「……不謹慎だよ」
戦士「……分かってるよ。でも、やるせないんだよ」
召喚士「……」
悲しみを乗せた船は、本国へと入港した。
250 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:35:52.07 ID:8ii6X30ko
〜本国、国軍本部〜
召喚士「えっと……7時か。まだ早いかな?」
戦士「いいんじゃねーか?軍人なんて24時間営業だろ」
召喚士「いや、そうかもしれないけどさ……」
テクテクテク…
門兵「ご苦労様ですっ!」
召喚士「ど、どうも……」
テクテクテクテクテク…
召喚士「あの、すみません」
受付「朱雀先生っ!?」
召喚士「えっ、は……はい」
受付「司令ですか?いらっしゃいますよ」
戦士「今日はすんなりだな」
盗賊「…みたいだな」
テクテクテクテクテク
251 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:43:34.15 ID:8ii6X30ko
召喚士「あの……」
受付「はい」
召喚士「青年兵く……殿はいらっしゃいますか?」
受付「はい。召喚兵舎の方へいらっしゃるかと」
召喚士「召喚兵舎?」
受付「裏手の、講堂の脇ですよ」
召喚士「へぇ。ありがとうございます」
受付「いえいえ」
テクテクテクテクテク
秘書官「朱雀先生…?」
受付「では私はこれで」
秘書官「司令、朱雀先生がお見えです」
カチャッ
召喚士「失礼します」
司令官「……ん」
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/02(水) 18:49:29.82 ID:8ii6X30ko
すっげー中途半端…。ごめんなさい…
ノームさんはきっと出番があるはずです。きっと!
それでは失礼致しまっす!ご支援ありがとうでした!ノシ
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 19:06:21.87 ID:GeurxHnDO
>>1
先生乙です(。・x・)ゞ
明日はひな祭りですなぁ、きっと帝が出てくるオマケがあると期待するであります!!
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 20:14:34.00 ID:K1bdATpAO
いよいよ四十部。残りは六十部だっけか
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 20:28:58.74 ID:FysPcxXuo
そろそろ司令官の素顔も明らかになるんだろうか・・・
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 00:31:36.74 ID:C8Ll1XBAO
もうそろそろ50章行きそうなのに展開が読めなくて面白いわ
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 01:26:39.47 ID:cKXoHzFDO
飛ばしているとはいえ40は純粋にすごいと思う
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 08:34:19.05 ID:4Up1eoeAO
>>1
乙
今日はひな祭りだね
どうか愛しの魔導師ちゃんに幸せが沢山あるように、僕も祈ってるよ*^^*
259 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:37:11.30 ID:GHSy577/o
召喚士「ただいま、東方より戻りました」
司令官「ご苦労さん。戦士父は?」
召喚士「まだ滞在中です。実は…ゾディアックは未だ見つかってなくて……」
司令官「そうなの」
盗賊「…彼より…文を預かってきました」
スッ
司令官「…ん。ありがと」
召喚士「東方の有力者への橋渡しは済んでおります。問題はないかと…」
司令官「…ん、ご苦労だったね」
召喚士「……あの」
司令官「…ん?」
召喚士「東方司令部、大変だったようで…」
司令官「…ああ、君らが病む必要はないよ。こちらの問題だ」
召喚士「……」
司令官「ま、色々と失った代わりに…得たものも大きいしね」
260 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:37:47.96 ID:GHSy577/o
戦士「大丈夫なのか?」
司令官「予定外の出来事だけど、計画に支障はきたさないよ」
魔道士「……っ」
司令官「報酬は後日、ワークショップ経由で受け取って」
召喚士「…分かりました。それでは失礼します」
スッ
司令官「…あ、そうそう」
召喚士「…?」
司令官「朱雀先生に一つ、聞きたい事があるんだ」
召喚士「何でしょうか?」
司令官「……コカトリスってさ、石化以外の力…あるの?」
召喚士「…………」
俯いた顔の前で両手を組み静かに語る総司令の姿を見て、
召喚士は素直に答えるかどうか、一瞬躊躇した。
盗賊「……この人は…大丈夫」
261 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:38:25.34 ID:GHSy577/o
それを察してか、横に立つ盗賊が後押しするようにぽつりと呟いた。
召喚士「……いえ、石化だけではありませんよ」
司令官「……」
召喚士「尾に毒を持ってます。勿論、解毒作用も……」
司令官「石化解除も出来るの?」
召喚士「……え、えぇ。あの…それが何か?」
司令官「…ん。興味本位…かな」
召喚士「そうですか……」
司令官「国軍本部の…ましてやトップが訪ねるんだ。何かあると思うよね」
召喚士「…えっと……まぁ」
司令官「あるよ。でもね、悪い事じゃないんだ。信じてくれ」
召喚士「……」
司令官「そのうち分かると思うよ。切り札だから今は教えられないけどね」
召喚士「……信じますよ」
司令官「…ん、ありがと」
262 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:39:12.72 ID:GHSy577/o
…
魔道士「それでは、失礼致します〜」
パタン…テクテクテクテク
戦士「んで、どーすんだ?青年兵に会っていくのか?」
召喚士「…もちろん」
戦士「まぁ、そうだよな。えっと…講堂の方って言ってたっけか?」
召喚士「うん。あっちなら道も分かるし、受付にだけ許可を貰っておこうか」
四人は一旦、受付へと戻り、青年兵を訪ねる旨を伝え講堂方面へと向かった。
テクテク…ザッザッザ
召喚士「えぇと。こっちかな」
盗賊「…声が聞こえるな」
戦士「兵舎っつー事は、召喚兵の寮って事か?」
召喚士「寮もあるかもね。召喚兵の拠点ってとこかな」
魔道士「なるほど〜」
召喚士「…ん?あっちから声が聞こえる……」
263 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:39:45.88 ID:GHSy577/o
〜召喚兵舎、練兵場〜
青龍兵「だっりゃああぁぁ!!」
青龍士官「後ろから仕掛けろっ!!」
青龍兵「了解です!」
ゴウッ!!
青年兵「……」
前後左右、四方よりワームとワイバーンが青年兵を取り囲む。
その中心に立つ青年兵の頭上にはリンドブルムが一匹。
青龍士官「同時に攻めればかわされる!時間差攻撃だ!」
ババッ
青龍士官「ゴーッ!!」
青龍兵「うおおぉぉ!!」
青龍士官の掛け声えお合図に、召喚獣の群れが順番に、
一体のリンドブルムへと牙を剥き襲いかかる。
青年兵「……」
264 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:40:26.15 ID:GHSy577/o
フワッ
青年兵「……いけるっ」
リンドブルムは錐もみ状態で空中を旋回し、前方のワイバーンを潜り抜けると、
その後に続くワームらも次々に回避し、再び中央へと戻った。
青龍兵「……くっ」
青龍士官「……もう一体ずつ…召喚だっ!」
青龍兵「出でよ、ワーム!」
青龍士官「出でよ!リンドブルム!!」
シュイイィィン
青年兵「これで8体。流石にかわすには限界か」
ザザッ
青龍士官「あちらももう一匹だすつもりだぞっ」
青龍兵「召喚前に……叩くっ!」
ゴウッ!!
青年兵「出でよ、アンフィスバエナ!!」
265 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:41:04.72 ID:GHSy577/o
シュイイィィン
青龍士官「な、何だとぉ!?」
青龍兵「……くぅっ!」
青年兵「はあぁーっ!!」
迫る召喚獣らの魔道士に突如姿を見せたアンフィスバエナ。
当然使い手はかれらの知る限り青龍先生のみであり、青年兵がこの召喚獣を
呼び出した事に対し。驚きを見せていたのであった。
青龍士官「まずいっ!前後の召喚獣を――」
ドゴオオォォンッ!!
青龍兵「がふぅ……っ!」
青年兵「まずは…2匹!」
アンフィスバエナの前後にある頭部より猛毒の霧が吐き出される。
青龍士官「早く召喚解除をしろっ!」
もがき苦しみ力尽きるワイバーンらを余所目に、青年兵はその召喚主を探す。
魔力を消費した事により、息の上がっている者を捉えるのは容易であった。
266 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:42:01.88 ID:GHSy577/o
青年兵「あの二人か。という事は……」
回避に専念していたリンドブルムが一転、攻撃へと移り変わる。
青年兵「……ここだっ!」
リンドブルム「ガアアァァーッ!!」
おびただしい量の落雷がリンドブルムを囲むように覆い、帯電した球体を
作り上げたそれは、空中の龍達を次々に地面へと墜落させる。
青龍士官「ぐあぁ……っ!」
ズドオオォォンッ…ドシャアアァァ
青龍兵「8体もいた召喚獣が……っ」
青龍士官「たったこれだけの時間で……」
スタッ
青年兵「次っ、稽古できる者はいないか?」
青龍士官「青年兵――様」
青年兵「呼び捨てでいいよ、青龍士官」
青龍士官「今日はお前も含め、みんな疲労が激しい。また明日にしよう」
267 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:42:30.25 ID:GHSy577/o
青年兵「……」
青龍士官「気持ちは分かるが、正直残った魔力ではお前の相手にはならん」
青年兵「……よし、今日はここまでとする。各自しっかり休むように」
青龍兵「ありがとうございましたっ!」
ザザッ…カツカツカツカツ
青龍士官「俺も、失礼するぞ」
青年兵「ああ、ありがとう」
ザッザッザ
青龍士官「っ!?」
召喚士「ど、どうも」
青年兵「召喚士……さんっ!?」
タッタッタッタッタ
青年兵「どうしたんですかっ、こんな所へ……」
召喚士「うん。ちょっと本部へ用事があったから…ついでにね」
青年兵「……召喚士さん、ちょっと宜しいですか?」
268 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:43:24.14 ID:GHSy577/o
召喚士「え…?う、うん」
青年兵「青龍士官、あとは頼む。すぐ戻るから」
青龍士官「お、おう…っ」
テクテクテクテク…
召喚士「あ、あの……」
青年兵「東方司令部の事、聞きましたか」
召喚士「…うん。よく分かったね」
青年兵「つい先日まで東方司令部に居た僕を、わざわざ本部で訪ねるなんて…」
戦士「そっか、異動したって知らなくちゃ有り得ないわな」
魔道士「青年兵さん、女記者さんは本当に……」
青年兵「……っ」
ババッ
青年兵「申し訳ありませんでしたっ!!」
召喚士「……!!」
青年兵「全ては……この私の過失です」
269 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:43:52.33 ID:GHSy577/o
召喚士「せ、青年兵くん…っ」
戦士「お前のせいじゃないだろ、頭を上げてくれよ」
青年兵「いえ、僕が殺したも同然です」
盗賊「…それならば、我らとて同罪だ」
召喚士「……ええ」
戦士「何があったか…聞かせてくれよ」
青年兵「予兆も何もありませんでした。本当に突然です」
魔道士「放火…ですか?」
青年兵「いや、魔法によるものです。犯行はおそらく東方魔道長……」
魔道士「――っ!!」
青年兵「確信はありません。本人も死亡しておりますから」
戦士「つー事は、左翼の仕業なのか…?」
青年兵「左翼は左翼でしょうけど、同胞の東方魔道長もころされてます」
盗賊「……裏切ったのか?」
青年兵「何かしらの理由で、不要な者を切った…という見解も出来ます」
270 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:46:42.21 ID:GHSy577/o
召喚士「それで、何故…女記者さんが……」
青年兵「真犯人の目的が何なのか……」
盗賊「……」
青年兵「消失した西地区、及び西の塔はほとんど無人の地区です」
戦士「だから被害者が少なかったのか……」
魔道士「何で人が少ないんです?」
青年兵「保管庫だからですよ。備品や……資料のね」
召喚士「……っ」
青年兵「もし、資料の喪失が真犯人の目的ならば女記者さんは…」
戦士「まさか…口封じに!?」
青年兵「……これ、何だか分かりますか?」
スッ
魔道士「手帳……?」
召喚士「もしかして……っ」
青年兵「ええ。生前、女記者さんが使っていた手帳です」
271 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:47:32.79 ID:GHSy577/o
魔道士「っ!!」
盗賊「…これが…何か?」
青年兵「先日、東方司令部で僕がお二人に言った事、覚えてられますか?」
戦士「二人?俺らか…?」
召喚士「……えっと」
青年兵「風呂で話したかと思います。女記者さんの事で……」
戦士「ああ、お前が女記者に好意を寄せてるって……」
青年兵「違いますっ!……女記者さんは一字一句間違う事無く……」
パラパラッ
青年兵「聞いた事を書きとめている。そう言いましたよね?」
召喚士「こ、これは……っ!!」
戦士「行きの馬車でした…俺らの会話!?」
魔道士「こ、こんな事まで書き記していたんですね…っ」
青年兵「この中に一文、ある言葉が書かれています」
盗賊「……?」
272 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:48:13.09 ID:GHSy577/o
青年兵「ただ一言なんです。『海峡北の森はどうする?』……と」
召喚士「――っ!!」
青年兵「だれの発言かは分かりません。いや、そんな事はどうでもいいのです」
召喚士「その一文だけでも……当事者にとっては……」
青年兵「そうです。まずいでしょうね」
戦士「つ、つまり……」
青年兵「ここから話す事は、完全にぼくの推測です」
盗賊「……」
青年兵「一連の犯行は、真犯人の実行犯である東方魔道士長によるもの」
魔道士「……」
青年兵「目的は西地区にある資料。具体的に言えば行動記録です」
戦士「……っ」
青年兵「それを喪失させる為に、理由を付けて東方魔道長に犯行を起こさせ…」
召喚士「…口封じに…殺害……っ」
青年兵「更にはこの手帳を見た真犯人は……女記者さんを……」
273 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:49:17.73 ID:GHSy577/o
戦士「じゃあ犯人は……」
青年兵「東方司令部の士官。その線が濃厚です」
魔道士「でもっ、士官って司令と副司令と参謀さんと……」
召喚士「皆、犯人には思えない……っ」
青年兵「……東方魔道長と女記者さんは、素手で殺害されていました」
戦士「素手?」
青年兵「しかも、僕は犯人を一瞬目撃した……」
魔道士「っ!!」
青年兵「しかし、召喚したワイバーンも一瞬で消し飛ばされました」
召喚士「……まさか…魔法で…?」
青年兵「腕力があり、強力な魔法が放てる。普通はそんな者いませんよ」
盗賊「…それはそうだ」
戦士「……普通は?腕力……?」
召喚士「……っ」
青年兵「僕は……信じたくありません」
274 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:49:59.09 ID:GHSy577/o
……――
戦士『……あぁー』
ザブザブザブ…バシャッ
召喚士『腕相撲終わったの?』
戦士『ん、ああ』
召喚士『勝った?』
戦士『結局、勝負付かずで引き分けだ』
召喚士『へぇ、東方参謀さんて強いんだね』
戦士『あれで文官とか……反則だろ』
青年兵『ええ…っ。戦う軍師というか……』
――……
魔道士「あの……っ、えっとつまり……」
戦士「いるんだよ…っ。一人だけどっちもすげぇのがよ……っ」
召喚士「でも…そ、そんなはずは……っ」
盗賊「……っ」
青年兵「真犯人は……東方参謀です」
275 :
>>274修正
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:52:10.43 ID:GHSy577/o
……――
戦士『……あぁー』
ザブザブザブ…バシャッ
召喚士『腕相撲終わったの?』
戦士『ん、ああ』
召喚士『勝った?』
戦士『結局、勝負付かずで引き分けだ』
召喚士『へぇ、東方参謀さんて強いんだね』
戦士『あれで文官とか……反則だろ』
青年兵『ええ…っ。戦う軍師というか……』
――……
魔道士「あの……っ、えっとつまり……」
戦士「いるんだよ…っ。一人だけどっちもすげぇのがよ……っ」
召喚士「でも…そ、そんなはずは……っ」
盗賊「……っ」
276 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:53:16.09 ID:GHSy577/o
青年兵「真犯人は……東方参謀です」
魔道士「う、嘘……っ」
戦士「それ以外にいねぇよな……っ」
召喚士「……」
青年兵「この事、絶対に言わないで下さいね」
召喚士「…もちろん」
青年兵「お願いします」
召喚士「でも、一つだけ……」
青年兵「…?」
召喚士「俺には東方先生が内通者とは、思えないんだ……」
青年兵「…僕だって未だにそうですよ……っ」
召喚士「だから、他の道も探して欲しいんだ。出来る限りの協力はするから!」
青年兵「…勿論です。既に動いていますから」
召喚士「……うん…っ」
青年兵「おそらく、東方司令部は近々、解散する事になると思います」
召喚士「…………」
277 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:54:50.93 ID:GHSy577/o
…
召喚士「じゃあ、青年兵くんも気をつけてね」
青年兵「ええ、召喚士さん達も。狙われる可能性はありますから」
盗賊「…心得ておこう」
召喚士「それじゃ、また」
青年兵「はい」
召喚士「あ、あのさ……」
青年兵「…?」
召喚士「女記者さんは……」
青年兵「新聞社の編集長へお願い致しました」
戦士「……」
青年兵「あの方が、女記者さんのお父さんだそうです」
魔道士「……っ!!」
召喚士「……そんな事…って」
青年兵「良かったら、訪ねてあげて下さい」
278 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:56:31.32 ID:GHSy577/o
テクテクテクテク
戦士「……」
召喚士「……」
戦士「……どうしていいか…分かんねぇよ」
盗賊「……うん」
戦士「新聞社へ行ったところで、何も出来るわけじゃない」
召喚士「でも、やっぱり行くべきだよね」
戦士「…ああ、そりゃそうだ」
カツカツカツ
博士「およ?朱雀先生なのら」
召喚士「博士さん…?」
博士「こんな所で何をしているのら?」
召喚士「博士さんこそどうしたんです?」
博士「ふっふっふ。ついに、ついに完成したのら!」
魔道士「…?」
279 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:57:10.94 ID:GHSy577/o
〜通信室〜
博士「君達だから特別に見せるのら」
召喚士「ありがとうございます。これが……」
博士「そう。電話なのら」
戦士「ほんとにこんなんで、離れた人間と会話が出来るのか?」
博士「……試してみるか?」
戦士「い、いいのか…っ!?」
博士「…おい、準備するのら」
通信士「は、はいっ」
ガチャッ…ブゥン
博士「こっちを口元、こっちを耳に当てるのら」
戦士「お、おう」
博士「しばらくすると声が聞こえるはずなのら」
魔道士「…な、なんだか緊張しますね……っ」
召喚士「え、ええ……」
280 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:58:29.96 ID:GHSy577/o
〜西方司令部、通信室〜
ジリリリリッ…カチャッ
助手「はーいっ。もっしもーし!」
戦士『聞こえるかー』
助手「聞こえますよー。ってか、誰ー」
戦士『そっちこそ誰だ?』
助手「助手でーす。博士いますかぁー?」
戦士『博士、呼んでるぞ』
博士『…全く、なんなのら』
ガタガタッ…ザザッ
博士『代わったのら』
助手「今の誰です?」
博士『ああ、朱雀先生パーティーの戦士なのら』
助手「ふぅん」
博士『それだけなのら。以上』
281 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:59:20.87 ID:GHSy577/o
ガチャッ
博士「……とまぁ、こんなもんなのら」
魔道士「へぇーっ!すっごぉい!!」
戦士「さっきの女は誰なんだ?」
博士「ああ、西方司令部の助手なのら」
召喚士「本当に、西方司令部と……」
盗賊「…あんな…離れた場所なのに」
博士「今は本部と西方司令部だけだけど、今後は全部繋げるのら」
魔道士「夢のようなお話ですね〜っ」
博士「それが夢じゃないのら。既に始まっているのら」
召喚士「でも、これどうやって……」
博士「詳しくは言えないのら」
戦士「軍事機密か」
博士「少しだけ教えると、地下に結果石と雷の鉱石を使っているのら」
召喚士「地下…ですか?」
282 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 17:59:56.03 ID:GHSy577/o
博士「地上だと魔物の目にもつくし、余計な混乱を招くのら」
戦士「よく海上を通せたな」
博士「そこは以前からの動きに便乗させて貰ったのら」
魔道士「何かあったんですか?」
博士「大昔に本国と三日月島を地下で繋ぐ計画があったのら」
盗賊「…!!」
博士「そこを再利用して、まぁみんな頑張ってくれたのら」
戦士「そんな形跡なかったけどなぁ……」
博士「そうでもないのら」
盗賊「…?」
博士「西方司令部には地下があるし、本国だって……」
戦士「地下水路かっ!!」
博士「ほら、形跡はちゃーんと残ってるのら」
召喚士「そうだったんですね…っ」
魔道士「それで、他の司令部にはいつ頃繋がるんですか?」
283 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 18:00:48.65 ID:GHSy577/o
博士「うーん。南はまだ先なのら……」
召喚士「という事は、北は近い将来……」
博士「うむ。穴掘り連中の進み具合によるのら」
戦士「穴掘り?」
博士「今、懸命に地下道を掘っている連中がいるのら」
盗賊「……」
博士「本国から北にある鉱山の町の――」
召喚士「あぁーっ!!」
博士「!?」
召喚士「鉱山の町……穴…っ、そいいう事か!!」
戦士「まさか…穴掘り連中って……」
召喚士「ジュニアさんや眼鏡さん達だよきっと!」
盗賊「……っ!!」
召喚士「前に言ってた……特殊な任務だって……」
ジュニアと初めて会った日、バーテンの店での会話を召喚士は思い出す。
284 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 18:01:29.97 ID:GHSy577/o
……――
召喚士『ジュニアさんこそ、その若さで功績三位だなんて凄いじゃないですか!』
ジュニア『んーまぁ特殊な任務してっからかねぇ…ハッハ』
盗賊『…特殊?』
ジュニア『そ。モチロン戦ったりもするけど、裏方のが多いからねぇ』
バー テン『…もしや、龍脈絡みのアレか!?』
ジュニア『ご名答!でも…国家機密なんでこれ以上は言えませーん』
――……
召喚士「きっと……この事だったんだ」
戦士「どーりで功績もバカスカ上がるわけだわな」
召喚士「でも、龍脈が関係するんですか?」
博士「さぁ、それは研究機関の管轄外だから分からないのら」
召喚士「……」
博士「多分、本国から鉱山の町まではすぐにでも着工出来るはずなのら」
魔道士「そこから更に北の……北方司令部まで……」
285 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 18:02:27.61 ID:GHSy577/o
博士「うむ。まぁ鉱山から司令部までの距離はそこまで難しくないはずなのら」
召喚士「それ以外にも繋げるんですか?」
博士「最終的な構想は、海峡まで引くつもりなのら」
戦士「海峡!?とんでもなく遠いじゃねぇか」
博士「馬鹿なのら」
戦士「誰が馬鹿だっ!」
博士「遠いからこそ、電話導入の意味があるのら」
召喚士「それは…そうですけど……」
博士「海峡はそこまで困難ではないはずなのら」
魔道士「そうなんですか?」
博士「うむ。既に結界石を使った母体があるから楽なのら」
盗賊「……母体?」
博士「おや、知らぬのか?司令部、北関、海峡を繋ぐ立派な……」
戦士「……地獄の壁……かよっ」
博士「何だ、知ってるじゃないか」
286 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/03(木) 18:03:21.85 ID:GHSy577/o
戦士「……全部、計画通りって事か……っ」
博士「別に電話の為に作ってきたわけではないのら」
召喚士「……っ」
博士「でも結果的にこうなる事は、運命ってやつなのら」
召喚士「このタイミングで全てが出来上がっていく……」
盗賊「……」
召喚士「そりゃ五ヵ年計画が…実行されるわけだ…」
博士「ここまで完璧に整えて、それでも勝てなかったら……」
魔道士「……」
博士「人間はこの先、魔物に勝つ事は出来ないのら」
召喚士「…………」
戦士「事は思った以上に重大。改めて思い知らされたぜ…」
盗賊「…ああ」
召喚士「俺らは出来る限りの事を…やるだけですよ」
魔道士「……はいっ!」
287 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/03(木) 18:19:41.85 ID:GHSy577/o
キリいいのでこれにて失礼致します
ご支援ありがとうございました!では!ノシ
>>253-258
ありがとうございます!雛祭オマケ頑張りますー
先の読めない展開=何も考えてな(ry
288 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 18:41:02.29 ID:mwRZuDVDO
>>1
乙
乙です
回収見事
289 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/03(木) 18:44:48.61 ID:IHxFL9XAo
おつー!
リアルタイムで見れて楽しかった!
290 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 18:50:22.69 ID:nYid3brB0
>>1
乙
司令の謎の言葉。
先が楽しみでござる。
291 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 19:29:10.83 ID:asTAb7yDO
>>1
先生乙です(。・x・)ゞ
そのうち東方先生は東方不敗と名前を変えたり石破天驚拳を使ったりしないのでしょうか?
292 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 20:12:55.62 ID:5srFnMYDO
うぜぇ予想厨まがいのコテまがいが湧いてきたな
みんな自重してるってのに、空気の読めん奴だ
293 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 20:24:04.84 ID:YM4NxGTJo
ブーメラン攻撃になってる
294 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 20:41:35.43 ID:h/d09Oj/o
>>1
おつんつん
予想してるレスがあんまり見当たらないが、まぁアレだ。
荒れそうな話題はアッチでってこったな!
295 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 21:40:02.12 ID:6f0OZJJAO
>>291
お前寒いよ
296 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 23:01:25.34 ID:cKXoHzFDO
>>1
乙っす
おまけwwktk
297 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 23:53:20.94 ID:asTAb7yDO
寒いの承知してるし予想だの言われるなら自重する、コテまがいって言うなら以降レスしないよ
でも他人批判する前に
>>1
乙くらいは言うべきじゃない?
それに
>>1
乙wwktkだけだとなんか寂しいだろうし
>>1
もレスは見てくれてるみたいだしさ
何か一言なり付け加えて
>>1
の話のネタになればと思っただけです
とりあえず以降はレスしませんが
>>1
先生自分のペースで頑張ってください
298 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 00:21:52.72 ID:uvwSY7A90
そーゆーの厨っていうんだぜ
出しゃばりは消えなよ
299 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:23:21.77 ID:t2RH7xDwo
まぁまぁ、みんなで楽しく盛り上がりましょうよ!
やっぱり和気藹々と色々するのがこういう所の醍醐味であって…
まぁなんかごめんなさい。自分がもうちょっとちゃんとせねばですね…気を取り直して↓続き!
300 :
先にオマケ
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:24:00.56 ID:t2RH7xDwo
火忍「3月3日と言えば……ひ・な・ま・つ・りいいぃぃ!!」
風忍「……そうだな」
火忍「うわぁ……やる気ねぇ」
水忍「お前がやる気なだけだろう」
火忍「姫っ!!姫初……雛祭りしましょう、雛祭り!!」
盗賊「もうそんな年じゃないよ……」
火忍「何を言いますかっ!大切な行事!!」
土忍「お前は姫を行き遅れにする気か?」
火忍「はぁ?」
土忍「雛祭りは女児の成長を祈る行事」
水忍「雛人形を出しっぱなしにしておると、行き遅れるなどといった言い伝えもあるな」
火忍「……と、いう事は姫はずっとここに……っ」
ズイッ
御館様「ほぉ、盗賊が生涯独身でもいいと……?」
火忍「い、いやっ!ていうか御館様だって行って欲しくないくせぐげええぇぇ!!」
301 :
3月3日終わってた…orz
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:24:41.40 ID:t2RH7xDwo
…
名代「……それで、此処へ来たというわけですか」
火忍「はい」
盗賊「……何だか、すみません」
帝「いや、構わぬ。皆で祭った方が…楽しいし」
召喚士「……かわいい」
戦士「かわいい」
魔道士「……かわいいけど…むぅ」
火忍「早速雛人形を飾りましょう!!」
…
火忍「お内裏様と〜お雛様〜」
召喚士「テンション高いね」
戦士よく分からんけど、東方じゃめでたい事みたいだしな」
盗賊「…まぁな」
風忍「……よし、これで終了だ」
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:25:09.00 ID:t2RH7xDwo
魔道士「おぉーっ!!素敵ですー!!」
戦士「この一番上の二人は誰だ?」
盗賊「お内裏様とお雛様。言わば王と女王だな」
帝「……私はどちらになればいいのだろう」
名代「それは上様のご自由にどうぞ……」
召喚士「その下の三人は?」
水忍「これは三人官女と言って、宮仕えの女官だな」
鬼丸「そんじゃこれはお前らだな」
魔道士「私達ですかっ!?」
盗賊「…でも、一人足らんぞ?」
魔道士「あーじゃあ……」
…
召喚子「……何故」
火忍「……何で可愛いんだ?」
水忍「……俺は至って正常のはずだ」
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:25:40.10 ID:t2RH7xDwo
名代「その下は五人囃子。その名の通りお囃子を奏でる楽人だな」
帝「これはさしずめ、五忍囃子と言ったところか」
土忍「流石上様、うまいですな」
風忍「このような大業を仰せつかり恐悦至極……」
帝「いや、そんな畏まられても……」
帝「その下は随身。右大臣と左大臣だな」
召喚士「それでは名代さんと老中さんですね」
老中「おぉ、私も入れて頂けるとは……何と有難い」
帝「だから何故、そんなに畏まるのだ?」
名代「一番下に仕丁。これは従者ですね」
戦士「そんじゃ俺と鬼丸と……あと一人は」
召喚士「武士さんだね」
盗賊「……ああ」
魔道士「凄いっ!全部配役が決まりましたよ!!」
帝「結局、お内裏様は居ないけど」
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:26:07.50 ID:t2RH7xDwo
…
戦士「おっ、これ知ってるぞ!」
盗賊「…それは雛あら――」
戦士「鬼は外おおぉぉ!!」
魔道士「鬼は外ーっ!」
鬼丸「痛てっ!何すんだよ!?」
盗賊「使い方違うっ!それは節分だっ!」
火忍「普通に食やいいんだよ、普通に……むしゃむしゃ」
水「だからと言ってお前は全部食うな」
帝「……私の……雛あられ」
名代「う、上様っ!?お泣きになられまするなっ」
帝「雛……あられ……」
火忍「…………」
風忍「火、責任持って……」
火忍「…買ってきます」
305 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:26:39.55 ID:t2RH7xDwo
風忍「切腹せい」
火忍「何でだよっ!?」
…
戦士「あー騒いだ騒いだ!」
召喚士「楽しかったですね」
魔道士「はいっ!えへへ!!」
盗賊「…たまにはこういうのも…いいか」
火忍「たまになどと言わず毎年やりましょうよ姫」
土忍「お前は早く腹を切れ。介錯人が今か今かと待っておるぞ」
鬼丸「……へっへっへ」
火忍「だから何故っ!?」
帝「皆、ありがとう」
名代「上様の成長を祈っての事です」
帝「……そんなに…小さいかな」
名代「あの、何処を見て仰られているのです?」
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:27:08.35 ID:t2RH7xDwo
…
帝「……はぁ」
テクテクテク
帝「お内裏様とお雛様〜」
スッ
帝「皆で祝うのも……良いものだな」
フリフリッ
帝「……あやつも祝ってくれてるかな?」
コトッ
『カカッ――』
帝「!?」
クルッ…キョロキョロ
帝「……ふふっ」
テクテクテクテク
帝「お内裏様とお雛様〜」
307 :
ここから本編
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:27:40.23 ID:t2RH7xDwo
…
魔道士「それでは、本当にありがとうございました!」
召喚士「色々と勉強になりました」
博士「いやいや、大した事でもないのら」
盗賊「…それじゃ…失礼します」
テクテクテクテク…
博士「……」
通信兵「…あのっ、宜しかったのですか?」
博士「何がなのら?」
通信兵「国軍の人間でもないのに、その……」
博士「……ああ、彼らは特別なのら」
通信兵「特別……」
博士「そうでもなければ、本部を自由に出入りできる?」
通信兵「……いえっ」
博士「それに一介のワーカーに司令直々相手など、普通はあり得ないのら」
308 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:28:09.07 ID:t2RH7xDwo
テクテクテクテク
魔道士「あ……っ」
召喚士「……」
カツカツカツ…
左翼官「ほぉ、このような所までご苦労な事だ」
召喚士「…どうも」
左翼官「右翼の犬も大変だな」
戦士「左翼のネズミよりは楽っすよ」
左翼官「……」
ピタッ
左翼官「口の利き方に気を付けろよ」
戦士「アンタの下にいるわけじゃねぇ」
左翼官「……ちっ」
カツカツカツカツ…
戦士「…なんだよっ、あいつ」
309 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:28:40.58 ID:t2RH7xDwo
魔道士「戦士さん、喧嘩腰は駄目ですよ……っ」
戦士「仕掛けてきたのはあっちだろ…」
魔道士「そ、そうですけどぉ……」
召喚士「とにかくうちらは新聞社へ急ごう」
盗賊「…だな」
テクテクテク…
文官「ワーカー風情が生意気な奴らですね」
左翼兵「全くだ。そんなに権力があるのか特別扱いなのか……」
左翼官「……おいっ!!」
盗賊「!?」
左翼官「……えぇと君、名はなんと言ったかな?」
魔道士「えぇ…っ、魔道士…ですけど」
左翼官「魔道士さん、君……大商家と何か関係があるのかな?」
魔道士「!?」
左翼官「あぁ、深い意味はないんだ。以前…たまたま見かけたものでね」
310 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:29:10.35 ID:t2RH7xDwo
魔道士「大商家は…私の父ですけれど……」
文官「っ!?」
左翼官「……そうだったのか。成程」
魔道士「あの、それが何か……?」
左翼官「それで右翼と繋がりがあるというわけかね」
魔道士「父は関係ありませんっ」
左翼官「……ああ、そうか。それは失礼した。……行くぞ」
クルッ…カツカツカツカツ
魔道士「何なんですかっ、あの人……っ!」
戦士「魔道士さん、喧嘩腰はいけませんよぉ?」
魔道士「変な事聞いてきたのはあちらですよっ」
戦士「……へいへい」
盗賊「…行くぞ?」
魔道士「あ、はいっ!」
タッタッタッタッタ
311 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:29:37.93 ID:t2RH7xDwo
〜受付〜
左翼官「……資料室へ通して貰うぞ」
受付「あ、はいっ。どうぞ」
左翼官「……朱雀先生の一行、何をしに此処へ?」
受付「えぇと、総司令官へ会いに……」
左翼官「司令に?一ワーカーがか?」
受付「は、はぁ」
左翼官「……そうか」
受付「あ、あの…何か?」
左翼官「いや、たまたま顔を会わせたので気になってな」
受付「そうですか」
カツカツカツカツ…
左翼官(総司令が直々に会う……どういう事だ?)
文官「あの、左翼官様?」
左翼官「……何でもない。行くぞ」
312 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:30:11.86 ID:t2RH7xDwo
〜資料室〜
資料室長「では、どうぞ」
左翼官「うむ」
カツカツカツ…コツ
左翼官「……おい」
左翼兵「はっ」
左翼官「朱雀の四人、先にそちらを調べるぞ」
文官「朱雀先生…ですか?」
左翼官「少し気になってな」
文官「はぁ……」
左翼官「室長、ワーカーの名簿はあるか?」
資料室長「週に一度ですので、先週分となりますが…」
左翼官「構わん。貸してくれ」
資料室長「えぇと……こちらですね」
左翼官「うむ」
313 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:32:58.73 ID:t2RH7xDwo
ドサッ…パラパラパラッ
左翼官「……S-39とS-4、それからM-104……一人足らんな」
文官「どうやら東方の出らしく、名簿はありませんね」
左翼官「それではその三つをここに」
左翼兵「はっ」
ザザッ…タッタッタッタッタ
文官「ありました。S-39……朱雀先生こと召喚士」
左翼兵「こちらがS-10…戦士とM-104…魔道士です」
左翼官「ご苦労。召喚士……何、最北の村出身なのか!?」
文官「最北と言えば屯田の…。何か因果があるのでしょうか?」
左翼官「さぁな。……先代の朱雀先生は師匠にあたるのか」
左翼兵「S-40ですね。念のため持って参ります」
左翼官「すまんな。……それにしても情報量が少ないな」
文官「ワーカーの期間も短いですし、天涯孤独ではどうしようもありませんね」
左翼官「……」
314 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:36:36.39 ID:t2RH7xDwo
…
左翼官「S-4…戦士。何だとぉ……!?」
文官「…?」
左翼官「あの一番槍の息子だそうだ」
文官「一番槍と言えば、確か初代特殊遊撃の……」
左翼官「しかし追記は最近だな。それまで知らなかったのか…?」
タッタッタッタ…
左翼兵「S-40お持ち致しました!」
左翼官「ご苦労。……ふぅむ、こいつも特に特筆すべきは無しだな」
文官「残るはM-104、魔道士ですね」
パラッ
左翼官「大商家の一人娘か……」
文官「……至って普通ですね。むしろ魔道学校の成績は…普通以下……」
左翼兵「こんな連中で、よくやっていけておりますな」
左翼官「……」
315 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:41:23.79 ID:t2RH7xDwo
…
文官「結局、何もありませんでしたね」
左翼官「……」
スクッ…カツカツカツ
左翼官「まさかとは思うが……」
左翼兵「…?」
左翼官「室長、ここの鍵を貸してくれ」
資料室長「そこは未分類の棚ですよ?それに開錠の許可は上層部の……」
バサッ
左翼官「これが読めるか?私は左大臣様の代理としてきた。権限も預かっておる」
資料質長「……は、はい…っ」
カチャカチャッ…ギイイィィ
左翼官「…………」
グッ…パシッ
左翼官「……未分類439。タイトルは…全属性を持つ召喚士の記録……っ」
316 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/04(金) 00:42:29.92 ID:t2RH7xDwo
うぅ…手がかじかむ!寒いですね。風邪など引かれぬ様お気をつけ下され!
それではご支援ありがとうございました!おやすみなさい!ノシ
317 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 00:44:19.71 ID:P5n5iyiIo
おつ
ついに召喚士の秘密が明らかに
正座して待て!
318 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/04(金) 02:33:02.10 ID:SqMsFkgDO
これは気になるっ
全裸待機で正座してます
さむいよぉ・・・
319 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 07:43:54.91 ID:39ZCt8eDO
>>297
そういうこといってる時点で書き手側にも負荷与えてるって気付こうな
320 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/04(金) 08:57:45.55 ID:D0gdQWWDO
>>1
乙
スルーで良いじゃないか
予想にしても
>>1
が良いって言ってるんだから、
気にくわなかったらスルーすれば良いだけ
粘着するわけじゃないんだから注意するよりもスルーしておけばそこで終わりでしょ
書き手に不快な思い与えたくないなら
でしゃばるよりも引くほうが助けになると思う
321 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 08:59:03.60 ID:LVYUzDmAO
>>1
乙んつん 今病院の待合室なんだが全裸にならなきゃ駄目?
322 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/04(金) 10:10:18.85 ID:RnA678sIO
おうちでね
323 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 12:26:42.57 ID:1uB1MEsPo
全裸待機は用法、用量を守って正しくお使いください
324 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:19:12.16 ID:73IRWxYRo
カサッ…パラパラッ
左翼官「……」
文官「ど、どうでしょうか……っ?」
左翼官「然したる内容でもないな」
文官「全属性の召喚が出来る事以外は、特筆すべき事もないようですね」
左翼官「……編集者は大軍師か」
パタン…スッ
左翼官「……?」
文官「未分類1031。あぁ、功績ランク一位ワーカーの……」
左翼官「天才、と言ったか」
パラッ
左翼官「……凄いものだな。何十年ワーカーをしているのだ…っ」
パラッパラパラッ
左翼官「……ん?」
文官「何かありましたか?」
325 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:19:43.96 ID:73IRWxYRo
左翼官「いや、随分と訂正や追記が多いなと思ってな」
文官「確かに、やたらと改変されておりますね」
左翼官「……何だったかな」
文官「……?」
左翼官「いや、こちらの話だ。何だろうなこの既視感――」
文官「……左翼官様?」
左翼官「……っ!!」
バッ…タッタッタッタ
左翼官「どこだ……確かこの辺りに……」
ガシッ
左翼官「――っ!?」
左翼兵「…左翼官様?どうなされました?」
左翼官「違う…っ、以前は確かにそうだったはずだ……っ」
カツカツカツ…
左翼官「S-4…S-39…S-40、M-104……」
326 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:20:10.07 ID:73IRWxYRo
文官「あ、あのぉ……」
左翼官「S-477……大商家の名簿はどこだ?」
文官「えぇと…M-477ですね。すぐにご用意致します!」
タッタッタッタッタ…
左翼官「……あの連中は何をそこまで」
タッタッタ…
文官「ありましたっ」
左翼官「よし、貸せ!」
ババッ…パラパラパラッ
左翼官「……ははっ、そうだろうなぁ!」
左翼兵「…?」
左翼官「……室長!」
資料室長「は、はいっ」
左翼官「……所属名簿を見せてくれ……王宮のだ」
資料室長「す、すぐに…ご用意致します…っ」
327 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:20:38.85 ID:73IRWxYRo
〜新聞社〜
召喚士「…………」
魔道士「……っ」
編集長「そう改まらんで下さい」
召喚士「しかし…ですね……」
編集長「朱雀先生のお気持ちは重々分かります。感謝致しますよ」
戦士「……すみません」
編集長「誰が悪いわけでもない」
盗賊「……」
編集長「それに貴方達には、女記者を東方司令部へ届けてくれと頼んだ」
魔道士「……」
編集長「それ以降の事は頼んでおらん。任務は遂行したではないか」
召喚士「そんな……」
編集長「それが彼女の運命だった…。それだけの事さ」
召喚士「……っ」
328 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:21:06.78 ID:73IRWxYRo
スクッ
編集長「おっと、すまんがこの後来客でな。失礼する」
テクテクテクテク
戦士「ああ言われちまうとなぁ…」
盗賊「…うん」
テクテクテク…
召喚士「記者さん…」
記者「……どうも」
スッ
記者「いやぁ、大変な事になってしまいました……」
召喚士「…はい」
記者「まさか…何故彼女があんな目に……」
盗賊「……っ」
記者「いや、事件やスクープを追う身としては…いずれはこういう事だって…」
戦士「そうかもしれないけどよ。でも……」
329 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:21:44.32 ID:73IRWxYRo
記者「……私達は断じて許しません」
召喚士「……っ!?」
記者「彼女を死に至らしめた連中を…」
魔道士「記者さん…」
記者「私達は新聞社です。世間に真実を伝える事が仕事です」
盗賊「……」
記者「もし人間が魔物と加担し、悪事を働いているというのであれば……」
戦士「……」
記者「絶対に許せません。追い詰めてやりますよ」
召喚士「……しかし」
記者「編集長もやる気ですし、我が社を挙げて取り組みます」
召喚士「…気を付けて下さいね。深入りすると記者さんも危ないですよ」
記者「分かっております。それでも、やれるところまではやってやりますよ!」
召喚士「……何かあれば言って下さい。お手伝いします」
記者「…はいっ、ありがとうございます!」
330 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:22:47.46 ID:73IRWxYRo
…
戦士「少し安心したっつーか…何だろうな」
召喚士「……うん」
戦士「みんな、強いな」
盗賊「…ああ」
魔道士「私達も頑張りましょう!絶対に許せませんよ…っ」
召喚士「……ええ。必ず見つけ出しましょう」
盗賊「…見つけ出して…どうするのだ?」
召喚士「……」
そこからは誰も答えなかった。いや、答えられなかった。
人間同士の命のやり取りに、答えなど存在しなかった。
魔族相手ですら命のやりとりを最終手段と置き始めた彼らにとって、
目には目をの報復手段は間違った答えであり、選択する余地はない。
しかし心の奥底に眠る葛藤が否定ではなく沈黙へと表現された。
無言のまま四人は新聞社を後にした。
331 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:23:29.63 ID:73IRWxYRo
〜国軍本部、資料室〜
左翼官「……」
パタン
左翼官「……やはりな。やっと繋がった」
文官「……」
左翼官「道理で……。裏が取れれば何の事はない。納得だよ」
左翼兵「あ、あの……」
左翼官「引き揚げるぞ。もうここに用はない」
文官「は、はいっ」
左翼官「それでは室長、世話になった」
資料室長「ど、どうも…っ」
カツカツカツカツ
資料室長「……一体、何だったんだろうか」
カサッ
資料室長「ん…?妹…未分類?」
332 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:24:06.72 ID:73IRWxYRo
〜本国、大通り〜
テクテクテクテク
戦士「…ん、何だありゃ?」
魔道士「行列ですね。何かあるんでしょうか?」
男「押すなって!順番だろうが!」
おっさん「次の馬車なんて待ってられるかよ!」
召喚士「……あれ?参謀さん…!?」
タッタッタッタッタ
魔道士「参謀さんっ!」
参謀「!?……これはこれは、どうしました?」
戦士「こっちの台詞だよ。何でまた本国なんかに…」
参謀「あぁ、彼らを迎えに来たんですよ」
盗賊「…彼らは?」
参謀「失業者達です」
召喚士「……て、事は」
333 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:24:53.62 ID:73IRWxYRo
参謀「ええ。北方司令部では本格的に屯田が始まります」
魔道士「おぉーっ!」
参謀「電話の話、聞きました?」
召喚士「あ、はい。つい先程」
参謀「どうやら思ったより早く進んでいるようで、こちらも急がされる事に……」
盗賊「…なるほど」
戦士「でもよ、穴掘りは順調なんじゃないのか?」
参謀「そちらは問題なさそうなのですが、もう一つの…」
召喚士「地獄の壁…ですか?」
参謀「こちらも開戦に間に合わせるつもりでいましたからね。迂闊でした」
戦士「ほんとに海峡まで伸ばすつもりかよ…?」
参謀「あくまで上はそう考えてますよ」
盗賊「……」
参謀「私は最悪、北関まででも良いかとは思うのですが……」
召喚士「……そうですか」
334 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:25:42.11 ID:73IRWxYRo
タッタッタッタッタ
北方兵「馬車出発出来ます」
参謀「うむ。すぐに北関へ向けて出発してくれ」
北方兵「ははっ!」
参謀「それでは私も、これで失礼します」
魔道士「はいっ!頑張って下さい!」
召喚士「何かあればお手伝いしますからっ」
参謀「ありがとうございます」
テクテクテクテク…
戦士「いよいよ慌しくなってきたなぁ」
盗賊「…そうだな」
召喚士「俺らもジッとしているよりは、色んな所の手伝いとかしたいね」
魔道士「あ、そうですよね!それがいいですよ〜っ」
五ヵ年計画も残すところ1年半余り。最後の1年を覗くと猶予は既に半年。
武官文官問わず、人間対魔族の最後になるであろう戦いに向けて動き始めていた。
335 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:26:31.59 ID:73IRWxYRo
〜経済機関〜
左秘書官「……」
左大臣「本当なのだろうなァ?」
左翼官「はい、間違いないと思われます」
左大臣「次にこちらがヘタを打てばァ、再起は難しいのだぞ?」
左翼官「分かっております。しかし、それだけ自信がございます」
左大臣「…フッハハハハァ!!」
左文官「……っ」
左大臣「確かに資料を見る限り、間違いはなさそうだなァ……」
左翼官「……はい」
左大臣「王宮へ向かい裏を取れ。あとはァ……」
スクッ
左大臣「しばらく留守にする。あとは任せるぞ」
左秘書官「はっ」
左大臣「……さて、うまく取り込めると良いがなァ」
336 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:27:48.48 ID:73IRWxYRo
〜サモナーの家〜
サモナー「……ふーっ」
眼鏡を机に置き、サモナーは大きく仰け反るように上半身を伸ばす。
サモナー「……」
そして窓の外からマーメイドを見つめ、目が合うと手を振り、にっこり微笑む。
サモナー「あとちょっとなんだけどなぁ……」
キィ…
サモナー「おわっ!?」
ガタンッ…ドサドサドサッ
椅子を斜めに揺らしていると、バランスを崩し倒れるサモナー。
その上に背後の本棚から無数の本が零れ落ちた。
サモナー「い……っててて」
ヨロッ
サモナー「…ん?」
右手の上に被さった一冊の古びた書物。
337 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:29:10.61 ID:73IRWxYRo
サモナー「なんだっけこれ……」
市販のものではない。かつて玄武先生の下に集った弟子の一人が記した手記。
サモナー「……」
手で埃を払うと、おもむろにそれを開く。
パラパラパラッ
手記は異質な内容であった。これまでどの文献にも記載がない、
言わば独自解釈。本国が密教と認定する、魔王を崇めた思想集団。
それは万物全てにおいて命があり、生を始まりとし、死を終わりとしている。
人間は現世の行において、来世の命が決まると言う。
それを輪廻と言い、魔族にも同様の事だと言うのだ。
人間は魔族の手にかかり魔族化する事も無論ある。
しかし密教において、それは外道とされており、真なる救いは輪廻によって、
来世で魔族として生まれ変わる事だと言うのだ。
サモナー「馬鹿げてる……こんな話……っ」
口ではそう言いつつも、サモナーの中で微かな思惑が浮かんだ。
338 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 18:30:01.77 ID:73IRWxYRo
サモナー「……」
ならば召喚獣はどうなのであろうか?」
人間と魔物が並列した存在であるとするならば、同じく万物における
召喚獣という存在も、同様の事が言えるのではないのか。
サモナー「…………」
しかしその存在は根本的に違うものであった。まずはその世界である。
人間と魔物は同様の世界に存在するが、召喚獣はあくまで、人間の魔力を
媒介とし、その存在を同じ世界へと、言わば召喚するのである。
サモナー「……」
ところが人間が召喚獣の世界へ行く事は可能なのである。
限られた条件の下ではあるが、確かに行く事が出来るのだ。
サモナー「……」
もし、四属性の召喚獣と式神に繋がりがあるとするならば、
どちらが本当の形であるかは明白な事であった。
サモナー「……龍脈か。もしそうならば…なんて残酷な話なんだ」
339 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/04(金) 19:08:31.11 ID:73IRWxYRo
〜数日後〜
戦士「おいっしょおおぉぉ!!」
おっさん「兄ちゃん、若いのにタフだねぇ」
戦士「おっさんも頑張れよ〜」
おっさん「おうよ!やっと手にした職だ、気合入れねーとな!」
召喚士「……ふーっ」
目の前に広がる巨大な壁。四人は北関を拠点とする屯田の元を訪れていた。
魔道士「皆さーんっ、昼食の準備が出来ましたよーっ!!」
男「おぉ!?待ってましたぁ!!」
戦士「召喚士、俺らもメシにしようぜ!」
召喚士「うんっ」
魔道士「はいっ、盗賊さん!」
盗賊「……いただきます」
戦士「働いた後のメシは格別ってやつだわな!」
召喚士「そうだね、本当に美味しいっ」
340 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/04(金) 19:13:50.55 ID:73IRWxYRo
色んなもの開いてたらPCフリーズ→勝手に再起動したので帰ります
書き溜め分の残り少なくて良かった…
ご支援ありがとうございました!ノシ
341 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 19:25:19.35 ID:8soxFcRx0
乙
妹……だと……?
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 20:09:53.28 ID:SXYOIO3AO
>>1
乙
なるほど…魔導師ちゃんが俺の妹って可能性もあるわけか…
つまり初めから結ばれぬ運命と言うことだったのか
神様は意地悪だな
343 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 20:51:52.19 ID:KqNTzioAO
魔導師ちゃん(67)
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 21:44:55.90 ID:2YSuMmqAO
>>1
乙
そういえば魔道士がパーティーから抜けた時に何か伏線があったような…
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 21:45:47.85 ID:Ag15KYdko
サモナーがケモナーに見えた・・・寝てくる
346 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 21:54:04.31 ID:IvrCxKmao
お前ら予想とかはあっちでやれ
サモナーはケモナーだろwwwwwwww
347 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 23:37:39.51 ID:pWuoW0qAO
未分類の妹とかどこのssまとめサイトの管理人だとか思ってしまったww
348 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 23:51:02.31 ID:ggP1lZ8IO
やっぱり魔導士はあの人の妹なんか…
349 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 05:05:15.41 ID:Yb40Q+dSO
あー昨日誕生日だったんだ俺……
妹が欲しいです
350 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 08:02:35.10 ID:fEIPR4lAO
戦士がS-4と分類されるのなら戦士父はS-408っと言ったところか
351 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/05(土) 09:55:05.64 ID:l94Dz/SW0
せんしおっさんということか
ハッΣ(・□・;)
352 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 10:46:06.03 ID:jzagzr7Q0
戦士父は既出じゃなかったか?
ところでこれの二次創作とかはおkなのかな?
>>1
は前におkみたいな事言ってた気がするけど一応
353 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 10:55:47.44 ID:1Sj1+f/DO
そういうのはあっちのスレでやったほうがいいぞ
354 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 12:20:05.96 ID:rV6vsy7IO
>>352
お前過去スレ全部読み直してこい
355 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/05(土) 16:29:00.44 ID:l94Dz/SW0
>>349
誕生日おめ
/)
///)
/,.=゙''"/ 人人人人人人人人人人人人
/ i f ,.r='"-‐'つ____ < >
/ / _,.-‐'~/⌒ ⌒\ < 細けぇ事はいいんだよ!! >
/ ,i ,二ニ⊃( ●). (●)\ < >
/ ノ il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \ YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
356 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 16:33:53.64 ID:Wij5gDn/o
>>349
妹が欲しい?
逆に考えるんだ。「今からなら娘を作った方が早い」と考えるんだ
357 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 23:48:17.05 ID:iF/lW8FAO
>>359
娘を産む機械はどこで売ってますか?orz
358 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/05(土) 23:48:47.46 ID:MgQyNNmlo
…
戦士「あー食った食ったぁ!」
盗賊「…ご馳走様でした」
召喚士「ほんと、美味しかったですよ」
魔道士「そうですかっ!?ありがとうございます〜!」
戦士「さーて、腹も膨れたところで午後も……ん?」
パッカパッカパッカパッカ…
左翼長「おーっ、やってるな」
戦士「おじさんっ!」
左翼長「何だか悪いな。わざわざこんな事をやらせちまってよ」
召喚士「いいんですよ。好きでやってる事ですから」
左翼長「しかしお前らも物好きだよな。なーんでこんな事を……」
召喚士「……してみたかったんですよ、こういう事も」
左翼長「…まぁ、こっちとしちゃありがてぇけどな」
魔道士「楽しいですよっ、えへへ!」
359 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/05(土) 23:51:59.98 ID:MgQyNNmlo
…
左翼長「……とまぁ、こんなところだな」
戦士「司令部まで伸びてるんだろ?結構、完成してるよなぁ」
召喚士「あと…半年ですもんね」
左翼長「山岳地帯は途切れ途切れだがな」
盗賊「…間に…合うのか?」
左翼長「まぁな。形だけならなんとかなる」
戦士「形だけって……」
左翼長「いいんだよ。そもそもが魔物を近づけさせない為のものだ」
盗賊「……」
左翼長「兵なり結界石なり配置してカバーする事は簡単だからな」
魔道士「なるほど〜」
左翼長「そんで、親父からは何か連絡あったのか?」
戦士「…いや、まぁ何かあってもわざわざ連絡してくるとは思えねぇけど」
左翼長「……それもそうだな」
360 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/05(土) 23:53:49.83 ID:MgQyNNmlo
〜本国、王宮〜
カツカツカツカツ
左翼官「お目通り頂き、ありがとうございます」
エリート「……何の御用でしょうか」
左翼官「まぁ、そのような怖い顔をなさらずに」
エリート「……」
左翼官「今日は王宮で管理されている資料を拝見したく……」
エリート「資料?」
左翼官「無理難題を申し付けるような物ではありません。至極、簡単な物です」
エリート「どういった物でしょうか?」
左翼官「王宮に仕えていた者を記した名簿を拝見したいのです」
エリート「……?」
左翼官「何か問題でもありますか?」
エリート「いや、特にないが……一体、何の為に……?」
左翼官「それをお話する必要はございません。いや、するつもりはありません」
361 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/05(土) 23:59:55.82 ID:MgQyNNmlo
エリート「……随分と正直ですね」
左翼官「隠す必要はありませんからね。しかし目的は言えません」
エリート「……」
左翼官「断る事は出来ぬはずです。公な資料ですからね」
エリート「……分かりました。しばしお待ちを」
左翼官「はい」
カツカツカツ
エリート(一体……何が目的なのだ…っ?)
カツカツカツ…コンコン
皇太子「いいぞ」
エリート「失礼致します」
皇太子「どうした?」
エリート「左翼官殿が参られました」
右秘書官「左翼官?一体、何用だ…?」
エリート「それがですね……」
362 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 00:02:32.64 ID:evX4dAM5o
…
右秘書官「……過去の名簿?」
エリート「どう考えても裏があります。しかし……」
皇太子「断る道理はない。いや、権利はないな」
エリート「……はい」
右秘書官「止むを得ないが、従うしかないでしょう」
エリート「但し、不審な動きがないか、私が同行します」
右秘書官「願ってもない。頼むぞ」
皇太子「……」
エリート「はい。それでは行ってきます」
カツカツカツ…パタン
右秘書官「……一体、何の目的なのでしょうか」
皇太子「さぁな。しかし全てを疑うのはあまり好ましいとは思えぬが」
右秘書官「お気持ちは分かりますが、それが我らの仕事です」
皇太子「……そうか。そうだな」
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 02:42:21.72 ID:IGTjjQYDO
>>1
乙っす
もう少しで大きな戦いが始まろうとしているのになぜ左翼はこんなにも邪魔してくるのか
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 04:12:49.40 ID:PpYIxtl9P
>>363
スレを全部読み直して来るべきだと思う
>>1
乙!
365 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 08:03:44.60 ID:OoXtUEsSO
左翼は経済担当→戦いがあれば武具やらワーカーの需要と供給が生まれ→経済ウマー
流石にこれ以上は言いたくない
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/06(日) 11:20:34.86 ID:IGTjjQYDO
>>364-365
いやそんなことはわかっちゃいるんだがね……
どうしても言わずにはいられなかったんだすまんね
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 12:29:46.21 ID:NQT00+/go
死の商人的なアレだよ
368 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/06(日) 19:31:06.20 ID:RapFjIPq0
まず左翼は敵と内通しているかもってこともあるし
戦争による経済効果にしたって、それは第三国が戦場になる場合だよ
自国の領土が戦場になる状況で経済効果なんて最初のうちだけ
しかも開戦したって一か八かの戦争なわけで、反対派がいるのも当然
内通してる左翼が妨害工作として反対してる
真面目に国益考えて反対してる
どちらにせよ反対の立場に違和感なくない?
369 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 20:04:33.97 ID:I6XEqsGSo
戦争によるリスクを考えると現状を維持したほうが国のためになるという考え方 資本主義ではないし
また内通者が妨害工作として妨害している
屯田の効果は経済的にも大衆的にも受けが良いので支持率が右翼に持って行かれる
370 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:49:43.97 ID:evX4dAM5o
カツカツカツ…コツ
〜保管庫〜
エリート「……こちらです」
左翼官「どうも」
カツカツカツ…
宮仕「エリート様?」
エリート「左翼官殿が資料を閲覧されたいとの事だ。開けてくれ」
宮仕「あっ、はい」
カチャッ…キイィ
エリート「どうぞ、お入り下さい」
左翼官「……?」
エリート「どうしました?私も一緒では、何か不都合ですか?
左翼官「ははっ、仕事熱心な方だ」
エリート「それしか取り柄がないものでね」
左翼官「そうですか……私もですよ」
371 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:50:38.78 ID:evX4dAM5o
…
エリート「この棚のものがかつて王宮に所属していた者らの資料です」
左翼官「かなりの数だな」
エリート「無論、公に出来ない事項などは別……」
左翼官「それは結構。えぇと、年代は……」
エリート(何を知りたいと言うのだ?ここにあるものでは履歴書以下のレベルだぞ…?)
左翼官「……この辺りか」
スッ……パラパラッ
エリート「……っ」
左翼官「……やはり…ないな」
エリート「お探しのものは見つからなかったようですな」
左翼官「……ないのだよ」
エリート「……?」
左翼官「22年前のこの名簿。突如、陛下の世話係が入れ替わっている」
エリート「それが何か…?」
372 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:51:07.14 ID:evX4dAM5o
左翼官「男女一名ずつ。前任者の名が一切…載っていない」
エリート「……」
左翼官「……君も知っていると思うが…22年前、ある記事が新聞に流れた」
エリート「新聞?」
左翼官「この年、一人の女性な亡くなっている」
スッ
左翼官「当時の新聞を切り抜いたものです。どうぞ」
エリート「……」
左翼官「亡くなった女性は故、女王陛下の世話係」
エリート「ま、まさか……」
左翼官「女王亡き後、陛下と密に関係があったと噂されていましたっけ」
エリート「……っ」
左翼官「前年より姿を見せなくなり、この年に突然の死去……」
エリート「……」
左翼官「世間は色々と噂したものです」
373 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:52:18.70 ID:evX4dAM5o
エリート「何が……言いたいのです……っ」
左翼官「分かっているでしょう?その記事の通りですよ」
エリート「……っ」
左翼官「ある新聞社の記者が、スクープとして取り上げたものです」
エリート「しかし……これは……」
左翼官「女は、陛下との間に女児を設け…出産後、間もなく死んだ……と」
エリート「……っ!!」
左翼官「そして同時期に、陛下の世話係が2名入れ替わっている」
エリート「…………」
左翼官「これはどういった意味なのでしょうね。因果関係があると思いませんか?」
エリート「こんな記事はデマではないか!因果以前の問題だっ!!」
左翼官「その通り。この記者はデマをでっち上げたと新聞社からも謝罪があった」
エリート「それはそうでしょう。侮辱だとしても甚だしい……」
左翼官「ですが、これがもし本当だとしたら……一体どうなってしまうのでしょうね」
エリート「……っ」
374 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:54:06.90 ID:evX4dAM5o
バンッ!!
エリート「貴方達は何が目的なのだっ!こんなデタラメまで……」
左翼官「私は上の者に従うのみです。それ以上は知りません」
エリート「従う…?あのような国賊まがいの事を認めると言うのかっ!?」
左翼官「国賊?それは違うっ!国を思えばこその事であろう!!」
エリート「国を思ってこのような真似をすると言うのかっ!」
左翼官「無益な血を流さずに世を統べる事こそが政治であろう!」
エリート「それは全てを為しえてからの問題だ。魔物がいる以上、空論に過ぎん」
左翼官「魔物がいるからこそ、政治が成り立つ事とてあるのだ」
エリート「そんな世の中だからこそ、血が流れるのであろう!」
左翼官「……若いな」
エリート「……?」
左翼官「まぁいいでしょう。ここで貴方と論争しても何も始まらぬ」
エリート「……っ」
左翼官「ありがとうございました。もう十分ですよ、収穫はありましたから」
375 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:54:42.72 ID:evX4dAM5o
バンッ!!
エリート「貴方達は何が目的なのだっ!こんなデタラメまで……」
左翼官「私は上の者に従うのみです。それ以上は知りません」
エリート「従う…?あのような国賊まがいの事を認めると言うのかっ!?」
左翼官「国賊?それは違うっ!国を思えばこその事であろう!!」
エリート「国を思ってこのような真似をすると言うのかっ!」
左翼官「無益な血を流さずに世を統べる事こそが政治であろう!」
エリート「それは全てを為しえてからの問題だ。魔物がいる以上、空論に過ぎん」
左翼官「魔物がいるからこそ、政治が成り立つ事とてあるのだ」
エリート「そんな世の中だからこそ、血が流れるのであろう!」
左翼官「……若いな」
エリート「……?」
左翼官「まぁいいでしょう。ここで貴方と論争しても何も始まらぬ」
エリート「……っ」
左翼官「ありがとうございました。もう十分ですよ、収穫はありましたから」
376 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:55:50.84 ID:evX4dAM5o
…
左翼官「では、失礼」
カツカツカツカツ…
エリート「……っ」
宮仕「……あ、あのぉ」
エリート「もう良い。閉めてくれ」
宮仕「は、はい」
カツカツカツ
エリート「……」
カツカツカツ
エリート「……だとしたら、何だと言うのだ…っ」
カツカツカツ
エリート「……狙いは」
カツカツカツ…ピタッ
エリート「――っ!!」
377 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:57:04.76 ID:evX4dAM5o
〜右大臣室〜
タッタッタッタ…バンッ
右大臣「!?」
エリート「はぁはぁ……はぁ……っ」
右大臣「エリート…?」
エリート「…はぁ…はぁ、父上…っ」
右大臣「一体どうしたと言うのだ?」
カツカツカツ
エリート「今しがた、左翼官が王宮を訪れました」
右大臣「左翼官?」
エリート「過去に王宮へ所属していた者の名簿を見たい、と」
右大臣「……それで?」
エリート「彼は22年前の名簿を見て、ただそれで帰って行きましたよ」
右大臣「……」
エリート「父上ならば、この意味がわかるのではありませんか?」
378 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 22:58:24.64 ID:evX4dAM5o
右大臣「…………」
エリート「父上、いえ…右大臣殿。何か知っているのであれば…教えて頂きたい」
右大臣「…………」
エリート「奴らは既に、何かに気付き……答えに辿り着こうとしております!」
右大臣「……」
エリート「時間がないのです!」
右大臣「……」
エリート「分かっておるのですか!?奴らの狙いは殿下なのですぞ!」
右大臣「……」
エリート「父上っ!!」
右大臣「……付いて来い」
エリート「どこへ?」
右大臣「陛下の下へだ。……殿下も連れてな」
エリート「……っ」
右大臣「先に行く。待っておるぞ」
379 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 23:00:37.52 ID:evX4dAM5o
〜陛下の寝室〜
コンコン…カチャ
エリート「失礼致します」
右大臣「……来たか」
皇太子「話とは、一体何かな?」
右大臣「…陛下、宜しいですな?」
陛下「……う…む」
右大臣「今から話す事、それは殿下……」
皇太子「……」
右大臣「貴方の異母妹の事です」
皇太子「――っ!?」
エリート「それでは……まさかっ」
右大臣「今こそ真実を明かそう……」
エリート「噂は…本当に……」
右大臣「殿下の妹君。それは――」
380 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 23:01:33.68 ID:evX4dAM5o
〜???〜
コツ…コツ…コツ…
左大臣「……」
――「来ましたか」
左大臣「ここのところやられっぱなしでなァ」
――「そうですね……ククッ」
左大臣「我慢してきたがァ、もう耐えるのもいい加減、飽きたわァ」
――「おや、動くと言うのですか?」
左大臣「いつまでも待てと言われて……待てる程、気は長くないのだぞ」
――「……」
左大臣「悪いがァ、好きにやらせて貰うぞ」
――「全く。火の粉だけは飛ばさぬように……頼みますよ?」
左大臣「私を誰だと思っておる」
――「……」
左大臣「せいぜい大人しく、見ておる事だなァ。……ネクロマンサー」
381 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 23:03:02.16 ID:evX4dAM5o
コツコツコツ…
ネクロマンサー「……やれやれ。困ったものですねぇ」
――「良いのですか?あのような勝手を許して」
ネクロマンサー「構わんよ、ククッ」
――「……」
ネクロマンサー「もう、期待は出来ない」
――「それもそうですね」
ネクロマンサー「左大臣さんには、囮にでもなって貰いますよ。ククッ」
――「そうですね」
ネクロマンサー「まぁ、こちらも動くとしよう」
――「……」
ネクロマンサー「君には期待しているよ、しっかりね」
――「勿論です。ご先祖である貴方の……お導きのままに」
ネクロマンサー「期待しているよ……副司令官」
副司令官「……はい」
382 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 23:04:02.80 ID:evX4dAM5o
コツコツコツ…ヒュン
副司令官「……」
――「ネクロマンサーは去ったか?」
副司令官「……おや、貴方もいらしていたのですか」
――「左大臣は勝手に動くつもりらしいな」
副司令官「……まぁ、放っておきましょう」
――「最後まで使えぬクズであったな。まぁ良い……」
コツコツコツ…
――「この機に乗じて、厄介者を一掃するとしようじゃないか」
副司令官「東方司令部の件もまだ落ち着いていないのに…ですか?」
――「だからこそだ。一気に畳み掛けたほうが撹乱にもなる」
副司令官「……畏まりました」
――「この白いコートとも、そろそろおさらばしたいところしな」
副司令官「……」
――「いいか、まず最初の標的は――」
383 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 23:05:34.84 ID:evX4dAM5o
〜北関〜
戦士「ふい〜っ。つっかれたー!!」
魔道士「今日も働きましたね〜っ」
召喚士「ええ」
盗賊「……」
戦士「しっかし、こんな事ずっとしてていいのかねぇ」
魔道士「大切な事ですよー?」
戦士「まぁ、そうなんだけどさ」
召喚士「今は国軍も忙しい時だからね」
盗賊「……」
召喚士「俺達も出来る事を精一杯手伝おうよ」
戦士「……まぁ、それもそうだな」
盗賊「……ああ」
魔道士「それじゃお食事にしましょうかっ」
召喚士「ええ、そうしましょう」
384 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 23:08:37.95 ID:evX4dAM5o
…
テクテクテクテク
戦士「ん?」
参謀「戻られましたか」
召喚士「参謀さん」
参謀「先程、ワーカーが手紙を届けに来ましたよ」
魔道士「手紙?私達にですか……?」
参謀「はい」
スゥッ
戦士「誰からだ?」
召喚士「……サモナーさんっ!!」
盗賊「……何!?」
魔道士「も、もしかして……っ」
戦士「召喚獣の事か……!?」
召喚士「……うん。おそらく」
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 23:36:42.16 ID:dfBbpWvDO
事態が大きく動いて来たな…ますます楽しみになってきた。
乙です。
386 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/06(日) 23:46:06.48 ID:evX4dAM5o
…
戦士「何だって?」
召喚士「えぇと……召喚獣の事で新たな進展があったみたい」
魔道士「おぉーっ!」
盗賊「…それで?」
召喚士「…まぁ、暇が出来たら訪ねてくれって…っ」
戦士「急ぎじゃないのか……。大した動きでもなさそうだな」
魔道士「でも、行くなら今こそチャンスじゃないですか?」
戦士「んーまぁ、それもそっか」
盗賊「…どうする?」
召喚士「そうですね。出来るなら話は聞いてみたいと思いますけど」
魔道士「それじゃ行ってみましょうよ!ここも落ち着いてきましたし……」
戦士「ああ、俺もそれは賛成だな」
盗賊「…だってさ」
召喚士「……う、うん」
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/06(日) 23:47:24.47 ID:evX4dAM5o
あー全然進まなくてごめんなさい。言い訳はしません
いつも沢山のご支援ありがとうございます!
それではまた明日!おやすみなさーい!ノシ
388 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/06(日) 23:53:25.07 ID:NojoHiZIo
乙楽しみに待ってるよー
389 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 01:16:54.58 ID:+6fvoOAAO
左大臣ェ……
390 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 02:43:52.60 ID:tt2hJoEVo
副司令官は怪しかったけどやっぱりつながってたか
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/07(月) 07:02:09.42 ID:PsS1EoYSO
副ってつくやつはだいたい怪しいの法則
392 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 07:15:08.82 ID:Koi7ttaDO
副司令官はわかりやすすぎだったな
司令官か副司令官のどちらかが内通者→司令官は内通者ではない
ってわかる話がどっかにあったはず
あえて言わなかったが
>>1
乙
393 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 08:28:31.88 ID:cRXcHjrDO
>>1
乙っす
394 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 11:13:33.27 ID:ZQlXEVqAO
>>1
乙んつん 相変わらずのドキドキ〆 次回が楽しみで仕方がないっす!
395 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 13:19:22.57 ID:WIPBORgAO
>>1
おつ
物語が急展開だな
396 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/07(月) 18:13:56.73 ID:Dxn8vLIDO
>>1
乙
みんなはもう一人の内通者を待っているのだよ…
主人公達よりも周りのお偉いさんの過去がこれからわかると思うと胸熱
397 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:25:17.08 ID:yQZio3Uno
〜本国、王宮〜
皇太子「…………」
エリート「……バ、バカな……っ」
ダンッ!!
エリート「父上っ、今……何と申された!?」
右大臣「申した通りだ」
エリート「そ…んな……」
皇太子「…………」
エリート「では貴方は、それを承知の上で私を……」
右大臣「エリート、声を鎮めよ。陛下の御前だぞ」
国王「……う…う」
エリート「……っ」
ズザッ
右大臣「……殿下っ、申し訳御座いませんでした!全ては私の責務!」
皇太子「……」
398 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:26:10.06 ID:yQZio3Uno
スッ
エリート「で、殿下?」
皇太子「大丈夫、部屋に戻るだけだ。一人にさせてくれ」
エリート「……っ」
右大臣「殿下……」
カツカツカツカツ…パタン
右大臣「……う、うぅ」
エリート「何故、公になさらなかった…!?」
右大臣「……」
エリート「どうして殿下にまでっ」
右大臣「話せるわけがなかろう。このような事……」
エリート「何ですと……?」
右大臣「相手は絶大なる魔力を持った……」
エリート「それは分かっております!」
右大臣「殿下に変わる存在だったのかもしれぬのだ!言えるわけがなかろう」
399 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:28:03.08 ID:yQZio3Uno
エリート「何を……言っている……」
右大臣「殿下の魔力が開花しなかった時は……」
エリート「何を言っている……」
右大臣「やむを得ぬ事なのだ。そうして代々王家を……」
エリート「貴方は何を言っているのだ!」
右大臣「分かっている、分かっているのだ……」
エリート「分かっていない!貴方は人の人生を弄んだのですよ!」
右大臣「重々承知の上よ。しかしこの国を守る為には致し方ない事……」
エリート「承知?ならば何故、捨てるような真似を!」
右大臣「捨てたわけではない」
エリート「手離したのでしょう!?結果としては変わらぬっ!」
右大臣「男子であれば……しかし女子は……」
エリート「そんなものは差別、偏見です」
右大臣「……普通の女子ならば問題はなかったのだ。しかし……」
エリート「……っ」
400 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:29:05.35 ID:yQZio3Uno
右大臣「……魔力を持ち過ぎた。後々、利用される事は明白だ……っ」
エリート「だから手放したと?」
右大臣「隠したのだ…。全ては国を守る為の事なのだ……」
エリート「人と国と、どちらが大事かっ!!」
右大臣「……っ」
エリート「国とは、人々が成り立ってこそのものであろう!?」
右大臣「言い分は分かる。だがな、これは古来より代々執り行ってきた……」
エリート「悪しき習慣だ。もしそんなものが代々許され、伝えられると言うなら…」
右大臣「……」
エリート「そんなものは私が壊す。新しい時代を作ります」
右大臣「エリート、良いか?私も陛下もだな――」
国王「……もう…良い」
右大臣「……陛下!?」
国王「全て……エリートの申す……通りよ」
エリート「……」
401 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:29:41.65 ID:yQZio3Uno
国王「我らが……馬鹿であった…っ」
右大臣「陛下……」
国王「すまぬ……エリート。すまぬ皇太子……ごほごほっ!!」
右大臣「陛下っ!!」
エリート「……今日はこれにて失礼致します…っ」
クルッ…カツカツカツ…パタン
国王「ごほごほごほ…っ!!ごほっ!!」
右大臣「陛下っ!無理に起きたりなさらず……」
国王「……右大臣」
右大臣「……」
国王「…新しい……時代が…来たな」
右大臣「陛下…」
国王「老いぼれはそろそ…ろ、去るとしようか……」
右大臣「……っ」
国王「ごほごほ…っ!……げほぉ!!」
402 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:30:23.61 ID:yQZio3Uno
カツカツカツカツ
エリート「…………」
カツカツ…カツ…ピタッ
エリート「……」
皇太子の部屋の前。一度は足を止めたエリートであったが、
眉間に皺を寄せ、再び足を前へと出す。
エリート「――っ」
コンコン
皇太子「開いているぞ」
カチャッ…キイィ
皇太子「……どうしたエリート?」
窓から外を見つめる皇太子はドアの隙間から覗く男に声を掛ける。
エリート「よく…分かりましたね」
皇太子「一人にしてくれと言ったのに来るような無礼者はお前しかおらぬ」
エリ−ト「……失礼致しました…っ」
403 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:32:40.09 ID:yQZio3Uno
皇太子「ははっ。冗談だ、入りたまえ」
エリート「……っ」
パタン…カツカツカツ
皇太子「落ち込んでいる私を、励ましにでも来たか?」
エリート「い、いえ……っ」
皇太子「気に病む事はないぞ、別に落ち込んではいないさ」
エリート「……」
皇太子「王家では昔からある事だ。お前も知っているだろう?」
エリート「しかしですね……」
皇太子「事情があったのだろう。手離さなくてはならぬ事情が」
エリート「だからと言って、許される事では……」
皇太子「そうかもしれないな」
エリート「……」
皇太子「しかし、驚いたよ……落ち込んだ方がまだ良かったかもしれん」
エリート「……ええ」
404 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:33:49.77 ID:yQZio3Uno
皇太子「エリート、お前はどう思う?」
エリート「……と、申されますと?」
皇太子「もし生まれてからずっと、この城で王女として生活する事と……」
エリート「……」
皇太子「城を離れ、一人の女性として生活する事。どちらが幸せだろうな?」
エリート「……私には、分かりません」
皇太子「そうだな。しかし、彼女を見ていると…これで良かったのではないかな」
エリート「……」
皇太子「今更、妹として見る事は出来そうもないけれどな。はははっ」
エリート「私だって……そうですよ…っ」
皇太子「……申し分…ないんだがなぁ」
エリート「……え?」
皇太子「…いや、何でもない」
エリート「殿下…?」
皇太子「気晴らしに、たまには剣の稽古でもしようか。はははっ!」
405 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:36:10.70 ID:yQZio3Uno
〜次の日、北関〜
召喚士「すみません、何だか急に……」
騎士長「構わんさ、お陰で助かったよ」
戦士「そうか?別に何もしてないけどなぁ……」
騎士長「いやいや、俺らも常駐出来るわけじゃないだろ?」
戦士「…はぁ」
騎士長「現にこうして、日替わりで来てんだ」
盗賊「……」
騎士長「現状分かる人間が現場仕切ってくれて、大助かりってわけよ」
戦士「なるほどなぁ。ま、一応お役には立てたわけか」
騎士長「んで、お次はどちらへ行くんだ?」
魔道士「西方ですっ」
騎士長「東奔西走ってやつだな。忙しいこった…」
召喚士「ははっ、本当ですね」
騎士長「気を付けてな……って言っても、もうそんな立場じゃねーか」
406 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:37:37.76 ID:yQZio3Uno
…
魔道士「それでは、行ってきまーすっ!」
騎士長「おーう!」
戦士「おっさん達も頑張ってな」
おっさん「おうよっ、任しとけぃ!」
召喚士「それじゃ、行きましょうか」
盗賊「……ああ」
テクテクテクテク
戦士「ルートはどうする?」
召喚士「シンプルに……いや、待てよ」
盗賊「…?」
召喚士「陸路で西高原国から入ろうか」
戦士「おーそうだな。どの程度進んだかも気になるし」
魔道士「それじゃ陸路で行きましょっか!……ちょっと…大変だけど…」
盗賊「…頑張ろ。みんな一緒なら大丈夫」
407 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:39:46.02 ID:yQZio3Uno
〜本国、国軍本部〜
コンコン…カチャッ
秘書官「大軍師様、お見えです」
司令官「…ん」
大軍師「失礼致します。今日はどういったご用件で?」
司令官「…分かっているくせに」
大軍師「ふっふ、ここ最近やる事が多すぎて、どれの事やら」
司令官「強いて言えば全部かな」
大軍師「欲張りなお方だ」
司令官「新聞社の懐柔は進んでる?」
大軍師「……もはや打つ手なしですね」
司令官「……」
大軍師「墓穴を掘ってくれたお陰で、動かずとも事を終えましたよ」
司令官「例の亡くなった記者の件かな?」
大軍師「彼らは社の総力を挙げて、内通者を追い詰めると意気だっておりますよ」
408 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:41:50.11 ID:yQZio3Uno
司令官「……」
大軍師「事前に内通者の事を明かしておいた甲斐がありました」
司令官「…君、怖いねぇ」
大軍師「偶然ですよ。私とてそこまでは読めません」
司令官「それで、その東方司令部はどうするつもり?」
大軍師「私はただの参謀役です。それを決めるは副司令官様でしょう?」
司令官「それもそうだね。彼に任せるとしようか」
大軍師「そろそろ、仕掛けてきますよ」
司令官「…だろうね」
大軍師「どうなさるおつもりですか?まさか囮に……?」
司令官「…うーん、それもアリだね」
大軍師「……っ」
司令官「いい機会だね。死んで貰おうか」
大軍師「……」
司令官「…ん、決めた。総司令官には死んで貰う事にしよう」
409 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:43:13.60 ID:yQZio3Uno
〜北方司令部〜
戦士「すっかり夜になっちまったなぁ」
魔道士「でもっ、日没もだいぶ遅くなりましたよ〜」
召喚士「そうですね。気温も暖かくなってきましたし」
盗賊「…ああ。助かるな」
テクテクテクテク
魔道士「こんばんはーっ」
左翼長「お、来たな」
参謀「どうぞごゆっくりなさって下さい」
召喚士「いえいえ、宿泊させて頂くだけでも十分なのに……」
カツカツカツ
騎士団長「おや、朱雀先生か」
召喚士「騎士団長さん…っ!?お久し振りです」
魔道士「今日はどうなさったんですか?」
騎士団長「ん、ああ。実はな……」
410 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:45:26.46 ID:yQZio3Uno
…
盗賊「…軍事演習?」
騎士団長「うむ。決戦間もなくだしな、そろそろ本格的に準備せねばならん」
戦士「ほぉ」
騎士団長「我らの役目は壁。その為のルートと連携において失敗は許されん」
召喚士「……壁ですか?」
騎士団長「いずれ分かると思うが、最終決戦の場は北となる」
魔道士「……っ!!」
騎士団長「全軍を押し上げ、更に精鋭が魔王城へと乗り込むだろう…」
召喚士「まさか……っ」
騎士団長「その時、我らが壁となり雑魚共を封じるのさ」
盗賊「……なるほど」
騎士団長「壁が崩れれば潰走の危険もある。だから入念に準備せねばならんのだ」
戦士「つー事は、地獄の壁と……」
騎士団長「我ら国軍の壁。これで魔王軍を全て封じる」
411 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:46:28.93 ID:yQZio3Uno
…
左翼長「そんじゃな。おやすみ」
召喚士「おやすみなさい」
テクテクテクテク
戦士「国軍も、本当に忙しそうだな」
ぽつりとそう呟く戦士の目には、爛々とした正面にある多数の窓が飛び込む。
魔道士「本当だ……。あんなに沢山明かりが点いて……」
戦士「さっきの騎士団長さんもそうだけどよ、大変だよな」
盗賊「…でも、仕事だからな」
戦士「そうだけどさ、俺らみたいなワーカーはまだ気楽じゃん?」
盗賊「…まぁ、それはそうだけど」
戦士「なーんで国軍なんて入りたがるんだろうなぁ」
召喚士「……前にさ、青年兵くんが言ってたけど……」
魔道士「…?」
召喚士「みんな、それが夢だったんじゃないかな?」
412 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:47:13.02 ID:yQZio3Uno
戦士「夢…?」
召喚士「うん。例えば子供の頃とかにさ、助けて貰ったりとか……」
戦士「なーるほどな。そういう事か」
召喚士「きっとその国軍の人に憧れて、自分もそうなりたい…ってさ」
盗賊「…そう…かもな」
魔道士「……ええ…っ」
戦士「……」
召喚士「……」
四人がそれぞれ、己の胸に問いかける。自分がこの道を選んだきっかけ。
それは幼き頃に見た光景。それぞれが景色は違っても、思いは同じ。
その勇姿、その背中を見て、そして追いかけてきた。
戦士「形は違えど、みんな通る道は同じって事だわな」
盗賊「…そうだな」
魔道士「はいっ!」
召喚士「……うん」
413 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/07(月) 18:48:23.51 ID:yQZio3Uno
〜次の日〜
テクテクテクテク
召喚士「まずはこのまま、北の街まで向かいましょう」
魔道士「はいっ!」
召喚士「そこで一晩過ごし、明朝より山岳地帯を進みます」
戦士「おう。一度行ってるし降雪もない。前ほど苦戦はしねぇだろ」
召喚士「それからは進み具合だね。行けるならば西高原国の城跡までか…」
盗賊「……無理なようなら高台の山で野宿…か」
魔道士「野宿は嫌だなぁ……」
戦士「どのみち西高原国まで行っても、風呂は入れねーぞ?」
魔道士「うぅ……」
召喚士「それから西国まで一気に進む……と」
戦士「船使わないだけで、こんなにも大変なんだなぁ……」
盗賊「…でも、最初の頃はそうだったぞ?」
戦士「……言われてみりゃそうだわな!よーし……気合い入れて行くかぁ!」
414 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/07(月) 19:06:40.71 ID:yQZio3Uno
雪やんだー良かったー!
それでは帰ります!ご支援ありがとうございました!ノシ
極力あとで来ようと思うのですが、期待薄で…
手の空いた時にでも読んで頂ければ結構ですので!まじまじ!
415 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 19:10:08.10 ID:IEcFvokKo
>>1
乙乙
ふむ、今日雪が降ってた地域か…把握した
416 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 19:17:45.64 ID:NkAoPTl2o
乙!
まさかの王女か、胸熱だ……
画面見ながらにやついてた
417 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/07(月) 19:20:21.24 ID:q7kNw9jIO
関東地方かな?
とりあえず大阪はふってないよ
418 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 21:14:58.58 ID:anLHa7KIO
うぉぉ、まだ続いてたのか!
長期入院してて追えなかったから嬉しい。
今から読むぞー
419 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 21:42:56.22 ID:eXAO0anko
退院おめでとう
420 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 22:33:31.55 ID:cRXcHjrDO
>>1
乙っす
>>418
も退院おめでとう
421 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/07(月) 22:34:52.09 ID:klfvMtYvo
このまえの雪のときも言ってたから関東は確定
422 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:04:19.06 ID:lkamvrGVo
〜北の道〜
魔道士「あっ、花が咲いてる!」
召喚士「本当だ」
魔道士「ありゃ何て花だ?冬の花じゃないのか?」
魔道士「遠くてよく分からないけど……春の花だと思いますよ〜」
盗賊「……もう…季節も変わるんだな」
召喚士「いいのか悪いのか…ですね。ははっ」
戦士「なんか……色々と緊張しちまうよな」
魔道士「あんまり考えたくないですよ……」
召喚士「まぁまぁ、のんびりいこうよ」
戦士「そうだな!どーんと構えてようぜ!」
盗賊「……ああ」
魔道士「やる事はしっかりやらないとですよ〜?」
戦士「もっちろんよ!」
召喚士「ええ!」
423 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:04:45.01 ID:lkamvrGVo
〜北の街〜
盗賊「……到着」
戦士「割かし早く着いたな」
召喚士「うん。時間が時間だけに…普通のホテルも取れそうだね」
魔道士「良かった!えへへっ!」
戦士「そんじゃ大通りの……ん?」
盗賊「…何だ?」
召喚士「あれは……っ!!」
パッカパッカパッカ…
従者「……」
四人の前を豪華な馬車が一台、通過する。
パッカパッカパッカ…
戦士「今の馬車…知ってんのか?」
召喚士「……うん。あれは――」
盗賊「!?」
424 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:05:20.17 ID:lkamvrGVo
ババッ
戦士「どうした!?」
盗賊「魔物の気配……っ」
魔道士「えっ!」
召喚士「どこです……っ!?」
盗賊「……」
クルッ
盗賊「あれだっ!!」
通りの反対側を指差すその先、法衣を纏い笠を深く被った者が路地裏に姿を消す。
戦士「どうする?」
召喚士「もちろん追うっ!」
戦士「だよなっ!!」
ダダッ…タッタッタッタッタ
戦士「…ちぃっ、早いな……っ」
魔道士「お、追いつけますか!?」
425 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:05:47.18 ID:lkamvrGVo
盗賊「…仕方ない。先に行くぞ」
シュバッ…タタタタタッ
戦士「気を付けろよっ!!」
タタタタタッ
盗賊(……いたっ!)
シュバッ!!…タンッ…タンッ
盗賊(……あの動き、まさか……っ)
タタタタッ……スタッ
盗賊「……どうした?もう…逃げぬのか?」
――「……ふっ」
タッタッタッタッタ
戦士「盗賊!」
召喚士「いたっ!!」
魔道士「はぁ…はぁ……はぁ……っ」
――「勢ぞろいか。相変わらず元気そうで何よりだ」
426 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:06:13.85 ID:lkamvrGVo
シュルッ…ハラッ
召喚士「あ、あなたは……っ!!」
魔道士「ハヌマーンさんっ!?」
ハヌマーン「こんな所で会おうとは、奇遇だな」
戦士「そっちこそこんな所で何してるんだ!?」
ハヌマーン「……先程の馬車」
召喚士「名士さん…ですか?」
ハヌマーン「ああ。彼の者に用があってな」
召喚士「名士さんに?一体……」
盗賊「……あの者、魔物ではないのか?」
魔道士「えぇっ!?」
盗賊「…微かだが、あなたとは違う…魔物の気配を感じた」
ハヌマーン「……流石だな」
召喚士「め、名士さんが……魔物…っ」
戦士「一体、どういう事だよっ!?」
427 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:06:40.22 ID:lkamvrGVo
ハヌマーン「あの者は魔族だ。古くからこの地に住んでいる……な」
魔道士「……っ!!」
召喚士「そうか……っ。どうりで……」
戦士「何か思い当たる節でもあるのか?」
召喚士「……言われてみれば…だけど」
盗賊「……」
召喚士「以前、同門さん達の件で訪ねた時……」
戦士「ああ、一度会ったって言ってたよな?」
召喚士「うん。でも、正確に言えば会ってはいないんだ」
魔道士「……どういう事ですか?」
召喚士「カーテンごしに姿は見えなかったし、話も従者の方を通してだったんだ」
盗賊「…なるほど。姿を隠していたわけか」
召喚士「まさかハヌマーンさんが会いに来たというのは……」
ハヌマーン「……ああ。想像の通りだ」
魔道士「スグリーヴァ様と……?」
428 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:07:08.52 ID:lkamvrGVo
ハヌマーン「うむ。わが主とは共闘の契りを結んでおる」
戦士「!!」
召喚士「い、いつの間に……っ」
ハヌマーン「法師様に付いて、世界を回っている時に偶然な……」
戦士「そういう事だったのか……」
ハヌマーン「オークは北の出身であろう?そこから情報を得てな」
魔道士「……凄い…っ」
ハヌマーン「我らとて驚いたさ。まさか北の地に志同じ者がおるとはな……」
召喚士「そうか、どうりでこの辺りの魔物も減ったわけだ……っ」
ハヌマーン「おそらく名士殿が裏で動いてくれておるのやもしれぬな」
盗賊「……」
ハヌマーン「ともかく、この事は秘密裏に頼むぞ」
戦士「言ったところで、誰も信じねーって」
ハヌマーン「…ふっ。それもそうだな」
魔道士「え、ええ……っ」
429 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:07:35.20 ID:lkamvrGVo
ザッ
ハヌマーン「では、私はこれで……」
召喚士「ハヌマーンさんも気を付けて下さいねっ!」
ハヌマーン「お主等もな。また会おう!」
シュバッ…フッ
魔道士「……驚きましたね」
盗賊「…ああ」
戦士「動いているのは、国軍だけじゃねーって事か……」
召喚士「うん……。個々がそれぞれ…準備を進めているんだ」
魔道士「……っ」
戦士「こりゃ、俺らもどっしり構えてる場合じゃねーかもな」
盗賊「……出来る範囲で動けばいいさ」
召喚士「うん…。他の邪魔にもなりかねないしね……」
戦士「……そうだな」
四人は静寂を取り戻した路地裏を後にし、ホテルへと向かった。
430 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:09:54.38 ID:lkamvrGVo
〜ホテルの部屋〜
魔道士「お風呂ーっ!!」
バシャーンッ!!
盗賊「……っ!!」
魔道士「盗賊さんっ、ちゃんと洗わないと駄目ですよー?」
盗賊「……あ、洗ってるよ…っ」
魔道士「いえいえ。いつもより念入りに、です!」
盗賊「……何故」
魔道士「だってぇ〜っ、明日はお風呂は入れないじゃないですかっ!」
盗賊「…はぁ」
魔道士「だから、超洗わないと駄目です!えへへっ!」
盗賊「…超…ですか」
魔道士「超です!……えいっ!!」
盗賊「ひっ、ひああぁぁ!」
夜は更けた。
431 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:12:37.69 ID:lkamvrGVo
〜次の日〜
戦士「おーし、そんじゃ行くぞー」
魔道士「はーいっ!」
召喚士「ここからは険しい道になりますからね。頑張りましょう」
盗賊「……ああ」
戦士「険しいったって、前ほどじゃねーだろ」
召喚士「それはそうだけど……」
戦士「大丈夫大丈夫。ノンビリ行こうじゃないの」
魔道士「戦士さん、そんな余裕ぶって、痛い目みても知りませんよ?」
戦士「はははっ!俺にはそのくらいの方が丁度いいって!」
盗賊「……」
戦士「さぁさぁ、出発〜」
魔道士「…大丈夫ですかね?」
召喚士「まぁ……多分……ですけど」
戦士「あっはっはっはー!」
432 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:15:17.14 ID:lkamvrGVo
ビュオオォォォォ
戦士「……ささっ、寒い……っ!!」
魔道士「だから言ったじゃないですかっ!」
召喚士「凄い吹雪……っ。こんなにも天候が変わるなんて……」
戦士「何が楽勝だよバカヤロー!」
魔道士「自分で言ってたんじゃないですかっ!」
盗賊「……全くだ」
戦士「うぅ、こいつは敵わん。さっさと下山しようぜ」
召喚士「そうだね」
戦士「召喚士、あれだよほら……クジャタだクジャタ」
召喚士「はぁ……」
魔道士「他人任せですねぇ」
戦士「仕方ないだろっ!寒くて剣も握れネェ・・・。こんな時に敵にでも遭遇したら……」
盗賊「何かくる!?」
魔道士「えっ!?」
433 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:17:01.11 ID:lkamvrGVo
ドドオオォォ
召喚士「イ…イエティ……!!」
戦士「でけぇ!!こりゃ多分、ボスクラスの奴だぞ!!」
魔道士「詠唱します!」
イエティー「ガアアァァーッ!!」
ブオンッ
戦士「あっぶね……」
盗賊「戦士っ!後ろにもいるぞ!!」
戦士「何ぃー!?」
イエティ「グオオォォ!!」
ガバァ
戦士「ちぃっ」
ザザッ
召喚士「戦士ーっ!!」
キュイイィィ……ドドオオォォンッ!!
434 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:19:39.98 ID:lkamvrGVo
イエティ「グアアァァ!熱いいぃぃ!!」
戦士「魔道士ナイス!助かった!!」
魔道士「い、いえ…っ。まだ撃ってないですよ……!?」
戦士「何!?」
召喚士「それじゃ一体……誰が……」
イエティ「グ…ウオオォォ」
――「こっちよ!!」
――「魔物さん!!」
キュイイィィ…
イエティ「――!?」
――「炎の魔法とぉー」
――「風の魔法でぇー」
ドドオオォォンッ!!
――「合体攻撃ーっ!!」
ドッグオオォォォォン!!
イエティ「グギャアアァァーッ!!」
435 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:23:11.62 ID:lkamvrGVo
ドシャアアァァ…ブスブスブスッ
魔道士「す、凄い……威力っ」
召喚士「イエティを一撃で……っ」
盗賊「……何者だ?」
ザッザッザッザ
――「大丈夫ですか!?」
――「皆さんっ!!」
戦士「あ、あぁ…。お陰で助かったぜ」
召喚士「ありがとう…ございます」
――「いえいえ、私達は」
――「当たり前の事をしたまでっ」
魔道士「え、えぇと……」
――「ご紹介が遅れましたわっ」
――「私達、旅のワーカーです」
双子姉「私が姉っ!」
双子妹「私が妹っ!」
双子姉妹「二人合わせて、シスターズですわっ!ヨロシク!」
436 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/08(火) 00:27:54.14 ID:lkamvrGVo
雪かと思ったらポップコーンとわたあめでした。
間違えちゃいましたね、今日は晴れです晴れ
>>418
まだ続いてましたすみません…
何はともあれ、退院おめでとーございます!
また無駄に新キャラ出しちゃった…増えすぎてごめんなさい
折角なので、双子姉妹の特徴でも募集を……
あと忘れてた。開発局の局長も募集しましょう!
安価はなしで色々なご意見のいいとこ取りでいきたいと思います!
それではおやすみなさい!
ご支援ありがとうございましたー!ノシ
437 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 00:34:19.43 ID:6smzlPXwo
なんだ、ポップコーンとわたあめか
1乙
438 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 00:53:34.59 ID:DUqhD7FRo
>>1
乙
双子の特徴か
外見ならポニテとツインテールて感じか?
439 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 01:01:43.10 ID:c0Lv8Fc/o
>>1
乙
発想が
>>438
と全く同じで悔しい
440 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 01:03:38.57 ID:F/+hMEAYo
どう見ても全く同じ見た目だけどなぜか見分けのつく戦士がモテモテ
441 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 01:21:27.79 ID:ywquQj6IO
これってまだ続いてたのか…
442 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 01:58:51.31 ID:Ql/LJACSO
いちおつ!
師匠…あの時の合体魔法の修業の時の双子の例え話は…伏線だったのですね……?
443 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 02:03:49.16 ID:JJSaV/9P0
じゃ外見以外で
双子らしくシンクロした会話になるなら、あえてそれが噛み合わないとか
例えば、姉がしゃべらせてもらえない、もしくは出遅れる、あがり症で上手く話せない等々
さらに言うと、きっちり信頼関係はあってほしい
二人とも悪気は一切なく素でそうなっちゃうみたいな
444 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 02:04:32.16 ID:o8KiNLA3o
なんだろう。策略姉妹みたいなの想像した。
445 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 02:22:04.52 ID:PfHfq5WAO
姉は召喚士、妹は魔道士に惚れてほしい
446 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 02:26:44.22 ID:D6VQuSJDO
魔道士 I盗賊
俺
姉ル 妹
これでバッチリ
447 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 03:13:46.88 ID:UCZJ8TqAO
シスターズと聞いてダルトンゴーレムを思い出した
まねっこ!
448 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 03:44:29.37 ID:PIpmXZgIO
なにこのパロムポロム的な双子w
449 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 04:50:14.19 ID:8WddDTbDO
まさかの石化フラグですね、わかります
450 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 05:19:45.58 ID:mK22bfpDO
>>1
乙
>>408
の
司令官「…ん、決めた。総司令官には死んで貰う事にしよう」
これって総じゃなくて副?
違ってたらごめん
451 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 05:23:34.32 ID:KDXNfr8SO
自分を死んだことにするって事だと思った
452 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 08:00:32.47 ID:EicYM4QIO
誤植かどうかも含めて、この先の展開をまとうではないか
( ´Д`)y━・~~
453 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 08:37:52.00 ID:qrigD2pAO
>>418
が退院したのとほぼ入れ違いに入院したwwwwwwタイミング合いすぎワロタwwwwwwww
双子の特徴……両極端にする事が多いからあえて殆ど同じにしてみたりとか?
454 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 09:02:18.06 ID:c7lnQLRko
右と左で逆のサイドテールに一票
455 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 11:50:32.20 ID:NtrzczuDO
わかった!片方は実は男で定期的に入れ替わるとかでどうだ!?
456 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 12:16:36.37 ID:ziiJUDVAO
白黒だナ
457 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:09:01.33 ID:XfspLDDso
…
盗賊「……」
戦士「……」
魔道士「……えっと」
双子姉「あのー」
双子妹「何か?」
召喚士「双子の…魔道士さん…ですか?」
双子姉妹「はいっ!」
戦士「二人でワーカーやってんのか?」
双子姉妹「はい、そうですよ!」
盗賊「……何故、こんな所に?」
双子姉「私達はこれから」
双子妹「西高原国へ向かう所です」
魔道士「そうなんですか!?実は私達もなんですよー」
双子姉妹「おぉーっ!」
戦士「……左と右から同じ音が聞こえる」
458 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:09:57.49 ID:XfspLDDso
テクテクテク…
双子姉「いやぁー」
双子妹「すみません、何だかご一緒させて貰っちゃってー」
召喚士「いえいえ、頼もしい限りですよ」
戦士「そうそう。あのでけぇイエティを一撃だもんなぁ」
双子姉「いえいえー」
双子妹「ありませんわ。むしろ皆様こそ頼もしいですよー」
魔道士「そんな事ないですよー」
盗賊「……うん」
双子姉「だってー」
双子妹「まさか、あの朱雀先生方とは驚きですよー」
双子姉「……ちょっと双子妹ちゃんっ!」
双子妹「なぁに、お姉ちゃん」
双子姉「私にもお話させてよぉー!」
双子妹「すればいいじゃないー」
戦士「……おぉ、分離した」
召喚士「分離…!?」
459 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:11:02.70 ID:XfspLDDso
…
召喚士「え、えっと……双子姉さん?」
双子姉「は、はいぃっ!」
召喚士「双子姉さんと妹さんは、何故二人でワーカーを?」
ドキーン!!
双子姉「…………」
ドッドッドッ…
双子姉(朱雀先生ってば、わざわざ私がお話出来るように配慮を……)
召喚士「……あ、あのぉ?」
双子姉「そ、それはですねっ!」
双子妹「母が病気で入院していて、そのお金を稼ぐ為です」
双子姉「きぃーっ!!」
双子妹「父は蒸発して行方不明ですし、私たちが稼がなくてはいけなくて」
魔道士「そうだったんですか……偉いですねっ!」
双子妹「そんな事ないですよー」
魔道士「いえいえっ、本当に偉いと思いますよ!えへへっ!」
460 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:12:06.07 ID:XfspLDDso
ドキーン!!
双子妹「……」
ドッドッドッ…
双子妹(なんて可愛らしい方なんだろう……)
魔道士「……あのぉ」
双子妹(同じ魔道士として、とても勉強になるわ)
魔道士「双子妹……さん?」
双子妹(あの杖…ハート型!?やっぱり魔道士はこう在るべきよっ、うん!)
戦士「なんだか…別世界に行ってるぞ?」
盗賊「…う、うん」
双子姉「たまに双子妹ちゃんはこうなります。放っておいて結構ですよー」
戦士「はぁ……」
双子姉「それでは皆様」
双子妹「西高原国までヨロシク!ですわー」
双子姉「私にも言わせてええぇぇ!!」
戦士「……こいつら、面白いな」
461 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:12:52.41 ID:XfspLDDso
〜北の山岳地帯〜
戦士「ここを越えりゃーひとまず一泊だな」
魔道士「結局野宿ですかぁ……」
戦士「仕方ねーだろ、この暗闇じゃ危ないっつーの。なぁ?」
召喚士「……まぁ、うん」
双子姉「それならば」
双子妹「致し方なし、です」
盗賊「……とにかく、ここを登らないとな」
魔道士「結構険しいですからねー」
戦士「そんじゃこっちは俺が先頭で、姉のお前が続いて最後に魔道士」
双子姉「……っ!!」
ドキーン!!
双子姉(な、何でこの人、私達の区別がつくの!?)
召喚士「こっちのルートは俺が先頭で、双子妹さんと…最後に盗賊さん」
盗賊「…よろしくな。何かあっても必ず私が守るから」
ドキーン!!
双子妹(……なんてカッコイイの!?女の人なのに……っ)
462 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:13:46.42 ID:XfspLDDso
…
戦士「大丈夫かー?」
双子姉「は、はいぃ」
ガシッ…グググッ
魔道士「よ……っと」
戦士「こっちは登り終えたな。召喚士、そっちは――」
フォンッ…フワッ
戦士「!?」
スタッ
魔道士「な……んで……」
双子姉「え……えっ!?」
戦士「離れろぉ!!」
ザザッ
召喚士「何だか上が騒がしいな……戦士ーっ!?」
戦士「ちっくしょぉ……何でこんな時にぃ……っ」
463 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:14:58.46 ID:XfspLDDso
ザッザッザッザ
魔道士「戦士さん!」
戦士「下がってろ!召喚士らが登ってくるまで待て!!」
ザッザッザッザ
戦士「……そこで止まれ……ネクロマンサー!!」
ネクロマンサー「……ククッ、貴方達とも不思議な縁ですよ」
戦士「こんな所で何してやがるっ!?」
ネクロマンサー「こちらの台詞ですよ。私はただ帰還途中なだけです」
戦士「……っ」
ネクロマンサー「急いでいるのでね、あまり相手はしていられません」
戦士「来るぞっ!」
魔道士「詠唱します……っ!」
ネクロマンサー「一瞬でケリを付けてあげますよ!」
フォンッ!!…ビュンビュンビュンッ!!
ネクロマンサーの両腕から伸びる針が、鞭のようにしなった。
464 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:16:04.65 ID:XfspLDDso
ググッ
召喚士「……やっと着いたぁ」
ガガガガガガッ
召喚士「ん……?」
戦士「召喚士ぃ、避け――」
召喚士「っ!?」
双子妹「えっ、何です――」
ガバッ
双子妹「ひゃっ!?」
崖を登りかけた矢先、目の前に迫る攻撃に対し、
召喚士は慌てて双子妹を抱きしめ崖から飛び降りる。
盗賊「召喚士っ!?」
召喚士「盗賊さん、避けて――」
盗賊の左右両脇から生き物のようにうねった針が通過する。
盗賊「な……っ!?」
465 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:16:34.77 ID:XfspLDDso
召喚士「くっそぉ……っ」
クルッ……ドグゥッ…ザシュウウゥゥ
身を捻り双子妹を庇った召喚士は、二本の針に貫かれ血を吹き出した。
盗賊「召喚士ぃーっ!!」
召喚士「コカ…トリス……」
シュイイィィン
落下の最中、召喚士とその両腕に抱き抱えられた双子妹は、
空中でコカトリスの背中へと着地、いや……かろうじてしがみ付いた。
双子妹「朱雀先生っ!?」
召喚士「コカトリス……っ、丘……」
コカトリス「おうっ!」
ゴアッ!!…ドシュウウゥゥ
戦士「召喚士……っ」
盗賊「なんとか無事だっ、それよりも……」
ネクロマンサー「……ククッ、流石…・・・ですかねぇ」
466 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:17:15.94 ID:XfspLDDso
戦士「盗賊、召喚士が回復するまで時間を稼ぐぞ!」
盗賊「…ああ!」
戦士「魔道士っ!」
魔道士「……」
戦士「おいっ、魔道士!!」
魔道士「召喚士さん……っ」
ズザザザザアアァァ…ドサァ
召喚士「う……ぐ…っ」
双子妹「朱雀先生っ!!」
召喚士「……シービショップ、ごほっ!」
魔道士「……ない」
ザッ
魔道士「許せない……っ」
盗賊「……魔道士…?」
戦士「な……んだ!?」
467 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:17:55.98 ID:XfspLDDso
キュイイィィィィ…
魔道士「よくも……っ、召喚士さんを……」
ネクロマンサー「何です……!?」
戦士「……双子!魔道士の支援を頼む!!」
双子姉妹「えっ!?」
盗賊「……召喚士には…近づけさせんっ!」
タンッ
戦士「てめぇだけは……許せねぇんだよおおぉぉ!!」
ネクロマンサー「小賢しいっ!」
チュイン!!…キィン!!
盗賊「はあぁっ!!」
ネクロマンサー「無駄ですよ、不死身の私に物理攻撃など――」
双子姉「土の魔法とぉー」
双子妹「土の魔法でぇー」
ドドオオォォンッ!!
双子姉妹「合体魔法っ、土ぃー!!」
468 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:18:34.06 ID:XfspLDDso
ネクロマンサー「ッ!?」
地面が隆起し、ネクロマンサーの下半身を飲み込む。
ガボオオォォ!!
ネクロマンサー「こ…の……」
オオォォォォ
ネクロマンサー「……?」
空に浮かぶ巨大な、白く輝く球体。
ネクロマンサー「――っ!!」
魔道士「許せないんだからあぁーっ!!」
ゴウッ!!
ネクロマンサー「ちいぃ!!」
ヒュンヒュンヒュンッ……ブヂイイィ!!
戦士「何ぃ!?」
盗賊「…自ら…胴を……っ」
ネクロマンサーは下半身を捨て、上半身のみで退避した。
469 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:19:15.87 ID:XfspLDDso
ドウッ!!…ズゴゴゴゴゴッ
双子姉「これは……っ」
双子妹「……五行っ!?」
双子姉妹「あ、有り得ない……っ!」
ドズウウゥゥゥゥンッ!!
戦士「くあ…っ!!」
召喚士「魔道士……さん……」
ズウウゥゥゥン…
魔道士「はぁ……はぁ……はぁ……」
ネクロマンサー「……っ」
双子姉「あの魔物っ」
双子妹「まだ…生きてるっ!」
ネクロマンサー「無駄な魔力を使わせてくれる……っ」
フォンッ
盗賊「……!?」
ネクロマンサー「……仕方ない、今日は退くとしましょう」
470 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:19:54.67 ID:XfspLDDso
フワッ
戦士「逃げるかっ!」
ネクロマンサー「先程も言ったように、帰還途中なのでね」
召喚士「……っ」
ネクロマンサー「お相手はまだ今度、改めますよ……ククッ」
フッ
双子姉「魔物が……」
双子妹「消えた……っ!?」
魔道士「はぁ、はぁ……はぁ。……っ!!」
クルッ…タッタッタッタッタ
魔道士「召喚士さんっ!?」
召喚士「……大丈夫です、傷は…なんとか……」
シービショップ「やれやれだわい」
魔道士「良か……った」
戦士「無事…みたいだな……」
盗賊「……ああ」
471 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:20:26.35 ID:XfspLDDso
…
双子姉「先程の魔物は」
双子妹「一体、何者?」
戦士「…まぁ、ちょっと因縁があってな」
召喚士「……」
戦士「それよりも魔道士、二度と無茶するんじゃねーぞ?」
魔道士「……ごめんなさい」
双子姉「それにしても」
双子妹「ビックリしました」
盗賊「……」
双子姉「まさかあれ程の」
双子妹「魔力をお持ちとは……」
魔道士「召喚士さんが血だらけで……無我夢中で……」
双子姉「これが」
双子妹「いわゆる」
双子姉妹「……愛の力」
魔道士「ちちっ、ちが……違います……っ!!」
472 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:20:57.34 ID:XfspLDDso
…
戦士「……っと、ここでいいか」
盗賊「…ああ」
戦士「召喚士、大丈夫か?」
召喚士「うん、傷は平気。ただ出血でふらふらするけど……」
双子姉「任せて下さいっ!」
双子妹「私たちが……」
ギュッ
双子姉妹「両脇から支えますっ!」
召喚士「え、えぇ…!?」
戦士「ははっ、良かったな召喚士」
魔道士「良くないですっ!!」
召喚士「!?」
戦士「え、だって……愛の力じゃないんだろ?」
魔道士「……戦士さん、怒りますよ?」
戦士「…ごめんなさい」
473 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:21:47.74 ID:XfspLDDso
…
グツグツグツッ
盗賊「……いい匂い」
魔道士「もうすぐ出来ますからねっ」
双子姉「お料理も完璧だなんて」
双子妹「魔道士お姉様ったら…」
双子姉妹「……素敵っ」
戦士「何なんだお前らは……」
召喚士「は、はは…っ」
魔道士「は〜い出来ましたーっ!」
コトッ
盗賊「…い、いただきますっ」
戦士「……んー、うめぇ!!」
魔道士「……はい、召喚士さん」
召喚士「あ、ありがとうございま……」
474 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:22:29.12 ID:XfspLDDso
コトッ
召喚士「…………」
魔道士「どうしました?」
召喚士「何だか…変な虫が蠢いてますが……」
魔道士「……これは腹の虫です」
プイッ…スタスタスタ…
戦士「おーおー、腹の虫が大暴れしてますなぁ」
召喚士「……っ」
盗賊「…はらわたも…ぐつぐつと煮えくり返っているな」
召喚士「……ち、ちょっとやめてよ…っ」
戦士「冗談だよ、その虫は鉄分豊富で血止めにも効くって話だ」
盗賊「…魚の内臓だって栄養素が高いのだぞ」
召喚士「……」
パクッ…ゴクゴクッ
召喚士「……良薬…口に苦し……かな。はは…っ」
475 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:23:34.50 ID:XfspLDDso
〜次の日〜
召喚士「……ん」
ノソッ…
召喚士「……うん、いい感じだ」
テクテクテクテク
召喚士「……あっ」
魔道士「……おはようございます」
召喚士「おはようございます。あ、あのぉ……」
魔道士「……」
召喚士「昨日はありがとうございました。お陰で…元気になりましたよ」
魔道士「……あんまり…心配させないで下さいよ…?」
召喚士「…はい、ごめんなさい」
魔道士「…ふふっ、許しますっ」
召喚士「……魔道士さん…っ」
魔道士「えへへっ!!」
476 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:24:36.29 ID:XfspLDDso
タッタッタッタッタ
双子姉「朱雀先生っ、おはようございます」
双子妹「体調はいかがですかー?」
ムギュウウゥゥ
召喚士「い、いっ……あの、大丈夫ですから…っ」
双子姉妹「まぁ、それは良かったです!」
召喚士「は、はは……っ」
魔道士「……」
スッ…テクテクテクテク
召喚士「あっ!魔道士さん……っ!?」
双子姉「さぁさぁ朱雀先生ー」
双子妹「朝食に致しましょうー」
魔道士「……ふん」
召喚士「あ、あぁ……っ」
ジーッ
戦士「朝から賑やかな事ですなぁ……」
盗賊「…そうですなぁ」
477 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:25:22.91 ID:XfspLDDso
…
召喚士「では、今から一気に西高原国の城跡まで向かいます」
盗賊「……」
召喚士「まず、このまま真っ直ぐ南……」
グッグッ
召喚士「……あの、ちょっと話して貰えますか…?」
双子姉妹「えっ?あ、すみませんー」
パッ
召喚士「えぇと、城跡到着後は軽食の後にそのまま一気に……」
魔道士「……」
召喚士「……一気に、西国まで…頑張りましょう」
戦士「おーうっ」
双子姉妹「おぉーっ!」
盗賊「……おー」
召喚士「お、おーっ!はは……っ」
魔道士「……」
478 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:26:13.49 ID:XfspLDDso
…
テクテクテクテクテク
戦士「しっかし妹ちゃんの服、汚れちまったなぁ」
召喚士「すみません…。何だか俺のせいで……」
双子妹「構いませんよ。いっその事全部赤くしちゃおうかしら」
盗賊「…?」
双子姉「そうすれば姉妹の」
双子妹「見分けも付きやすいです」
戦士「別にそんな事しなくても分かるけどなー」
双子姉妹「何故っ、分かるの!?」
戦士「何故って…顔とか全然違うし……」
魔道士「……す、すご」
盗賊「…戦士って…こういうところ、結構気付くよな」
召喚士「え、ええ」
双子姉「私達を見分けるなんて……」
双子妹「こんな事…初めてかも……」
479 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:26:56.77 ID:XfspLDDso
すったもんだの挙句、西高原国の城跡へと辿り着いた六人。
〜西方、西高原国城跡〜
魔道士「そういえば、ここは国境とかないんですねぇ」
戦士「言われてみりゃそうだな。素通りだもんな」
召喚士「多分、置くつもりないんじゃないかな?」
盗賊「どういう事だ?」
召喚士「元々、西高原国の領土だったし、その後は魔王軍の領土だったから」
戦士「西国としちゃ、堂々とここから自分の物だって、謳えないって事か?」
召喚士「大義的にはそうなるんじゃない?私利の為ではないし……」
魔道士「そっかぁ」
召喚士「それに、いずれはここkが防衛線になるようだし」
盗賊「…関係もなくなるわけか」
召喚士「ええ。西国の兵だけでなく、国軍なんかも参加するでしょうしね」
戦士「そっか……」
双子姉「なるほどー」
双子妹「そういう事ですねー」
480 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:28:45.27 ID:XfspLDDso
ザッザッザ
双子姉「城跡の中には」
双子妹「入らないのですか?」
戦士「あーまぁ、色々と面倒な事になりそうだから……」
召喚士「こっちの端でいいよね、この辺りで軽食を取ってすぐに……」
――「おやぁ!?」
魔道士「っ!!」
ザッザッザ
西国兵長「やはりっ、救世主様方!!」
双子姉妹「救世主ー!?」
召喚士「は、はは……っ」
西国兵長「どうなさったのですこのような所で!ささっ、どうぞどうぞ!」
魔道士「い、いえっ……私達はそのぉ……」
西国兵長「何を仰いますか!ささっ、どーぞどーぞ!!」
戦士「……はぁ」
盗賊「…結局…これか」
481 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:29:38.81 ID:XfspLDDso
〜城跡内〜
西国兵長「いやはや、こちらも未完成なので…ロクな物もありませんが……」
召喚士「十分すぎますよ……」
戦士「あの、マジでお酒は結構ですので」
西国兵長「そう仰らずどうどうぞ!」
盗賊「…じゃあ、いただきます」
魔道士「すみません…何だか……」
西国兵長「この程度の持て成しで感謝されては、私こそ恥ですよ」
西国兵「そうそうっ。我らが陛下や神官様に怒られてしまいます。あはは」
召喚士「……」
戦士「…な、だから言ったろ?」
西国兵長「何か申されましたかな?おかわりですか?」
戦士「い、いやいや!独り言です!感嘆の声っ!」
西国兵長「それは何より。さぁおかわりです、どうぞどうぞ!」
双子姉「この方達って」
双子妹「一体何者…?」
482 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:30:39.19 ID:XfspLDDso
…
盗賊「…ご馳走様でした」
戦士「……苦し。これから砂漠越えだってのに」
西国兵長「また是非にいらして下さい!いつでも歓迎致しますぞ!」
召喚士「はいっ。あ、ちなみに結構出来上がってますけど…完成は…」
西国兵長「そうですね。このペースでいけば半年弱と言ったところでしょうか」
魔道士「おぉーっ」
西国兵長「拠点としてはほぼ機能出来ますよ。あとは防壁や細部のみですかね」
召喚士「なるほど。楽しみですね」
西国兵長「もしかしたら共に戦う事になるかもしれませんね!」
戦士「その時はよろしくっす!」
西国兵長「こちらこそ!むしろ是非一緒に!」
召喚士「か、考えておきます……はは…っ」
盗賊「…それじゃ行こうか」
魔道士「はい。それでは失礼致しますっ!!」
483 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:31:35.81 ID:XfspLDDso
テクテクテクテク
双子姉「何だか唖然と」
双子妹「するばかりでした」
戦士「まー不思議な縁で、こんな事になっちまったんだよ」
双子姉「流石、朱雀先生方」
双子妹「お見それ致しました」
召喚士「いやっ、本当にただの偶然なんですよ」
魔道士「そ、そうそうっ」
双子姉「またまたー」
双子妹「ご謙遜しちゃってー」
盗賊「…してない」
戦士「あー腹苦しい、だーから軽食で良かったのに…」
召喚士「夜までにはなんとか西国まで着きたいところだね」
戦士「…へいへい、頑張りますよ」
盗賊「…欲張っておかわりするからだ」
戦士「仕方ねーだろ、あの状況で断れるか!誰かさんの胃袋とは違うんだ」
盗賊「っ!?」
484 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:32:26.16 ID:XfspLDDso
夕暮れを背に、砂漠を南下する召喚士ら一同。
日はあっという間に暮れ、やや冷え込んだ砂漠を足早に過ぎる。
そしてようやく、西国の城下町へと到着したのであった。
〜西国、城下町〜
双子姉「おぉーっ、これが……」
双子妹「西国の城下町ですか」
ギュッ
召喚士「あ、あの……」
双子姉妹「駄目ですかっ!?」
召喚士「駄目ですよ……っ!」
魔道士「良かったですね、召喚士さん」
召喚士「えぇっ!?」
盗賊「…ニッコリ笑顔で…威圧が出てる」
戦士「すげぇな。いつのまに会得したんだ?」
盗賊「…それで、どうする?」
戦士「ちゃっちゃか宿取って、城近辺は回避だ」
485 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:33:14.57 ID:XfspLDDso
双子姉「お城の周辺は何で」
双子妹「駄目なんですかー?」
戦士「だから、さっきも言ったろ!色々とマズイんだよ」
魔道士「そうそうっ、西国のお城なんてさっきの比じゃないですよっ」
盗賊「…うん。早く去ろう」
召喚士「あんまりのんびりしていると――」
――「あーっ!?」
戦士「……あーあ。ほれみろ」
テクテクテクテク
盗賊「……?」
――「やっぱり……そうですわ」
召喚士「え、えぇと……?」
――「お久し振り…ですのー!!」
戦士「あれ…?誰……?」
――「えぇ!?私達の事……忘れちゃったんですのー!?」
――「まぁ……っ、薄情なものですわね」
486 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:34:25.96 ID:XfspLDDso
召喚士「そ、その口調……まさか……」
魔道士「玄武娘ちゃんに……朱雀嬢ちゃんっ!?」
玄武娘「やっと思い出してくれたですの!!」
朱雀嬢「それ以外に誰がいるのかしら」
戦士「い、いやだって……全然違うし……」
朱雀嬢「……はい?」
魔道士「二人共すっごい大人っぽくなっちゃって!!」
朱雀嬢「それはそうですわ。あれから随分経ってますわ。レディの嗜みですわ」
盗賊「…幾つになったのだ?」
玄武娘「私は今年で16ですのー!」
朱雀嬢「私は18……ですわ」
戦士「えっと、魔道士さんは?」
魔道士「えっ、私ですか?……23ですけど」
戦士「……ふーん」
マジマジ
487 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:35:30.06 ID:XfspLDDso
魔道士「……どこ見て言ってるんですか?」
戦士「えっ、いやどことかじゃなく全体的に……」
魔道士「へぇ、もっと悪いですねそれ」
戦士「……っ」
魔道士「私、五行使えるようになったみたいなんですよねー」
戦士「へ、へぇ〜。……ごめんなさい」
朱雀嬢「それよりも朱雀先生っ!」
召喚士「は、はいぃ」
朱雀嬢「その両脇の……お二人はどなたかしら?」
召喚士「え、えっと…あの……」
双子姉「私は双子姉っ」
双子妹「私は双子妹っ」
双子姉妹「二人合わせて、シスターズ!ヨロシク!」
朱雀嬢「……それで、何でさっきからくっ付いているのかしら?」
双子姉「それはきっと」
双子妹「好意…かしら?」
488 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:37:46.71 ID:XfspLDDso
朱雀嬢「……ふーん」
魔道士「朱雀嬢ちゃん、いいんですよ」
朱雀嬢「よくありませんわ!」
魔道士「へっ……?」
朱雀嬢「レディーの嗜みがなっておりませんわっ!」
玄武娘「おぉ、朱雀嬢ちゃんが怒っているですの……」
戦士「何だか面倒な事になってきたぞ」
盗賊「…ああ。触らぬ神に祟りなし、だ」
朱雀嬢「とにかくっ、街中でそれはどうかと思いますけれど」
召喚士「そ、そうですよねっ。はは……」
双子姉「あら、またしても」
双子妹「ライバル現る?」
朱雀嬢「ライバル!?そ、そんな事……ありませんわっ」
召喚士「こ、困りましたね……魔道士さん」
魔道士「……ふん」
召喚士「……は、はははっ。……はぁ」
489 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:44:05.19 ID:XfspLDDso
〜食事処〜
召喚士「と、とにかく食事でもして…整理しましょうっ」
玄武娘「はいですの!」
朱雀嬢「……むー」
双子姉「私はこれっ」
双子妹「私はこれっ」
戦士「双子なのに、好きな食べ物は違うんだな……」
双子姉妹「そんな事ないですよー」
戦士「いや、実際違ってんじゃん」
魔道士「さーて、何食べようかなぁ」
戦士「あーっ!!」
盗賊「な…何だよ…っ!急に大声出すなっ、たわけっ!」
戦士「召喚士っ」
召喚士「…?」
戦士「金…大丈夫か?」
召喚士「え……?あっ!!」
490 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/08(火) 18:50:04.31 ID:XfspLDDso
チラッ
玄武娘「これとこれと、あとこれとこれとあれとそれと……」
召喚士「……」
戦士「こりゃやばいぞ…?」
召喚士「ちょっと、お金降ろしてくる」
スクッ
召喚士「……っ」
魔道士「えぇっと……」
召喚士「魔道士さんっ!」
魔道士「は、はいぃ!?」
召喚士「お金降ろしに行くんで、一緒に来て貰えますか?」
魔道士「わわ、私が……ですか…っ?」
戦士「いくら召喚士と言えど、一人だと危険かもしれないしな」
盗賊「…ああ。女性であっても…二人で行った方が安全だ」
魔道士「……は、はい…っ」
491 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 18:53:40.54 ID:XfspLDDso
やばい、凄い中途半端なところで終わってしまったぞ…
本日もご支援ありがとうございました!あと、リクもありがとうございます!
色々と交えてみました!やっぱりこういうの楽しいですねー
それでは、失礼致します!ノシ
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 19:06:26.29 ID:t8DBorINo
1乙!
召喚士もげろ
493 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 19:06:51.52 ID:c7lnQLRko
いちもつ
召喚士も遂に戦士と同じ状況か
ちくしょう、リア充なぞ滅んでしまえ
494 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 19:10:31.56 ID:4ca7hU38o
やっと主役らしくなったんだしいいじゃない
495 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 19:29:51.63 ID:PfHfq5WAO
いちおつ
大好物な展開だ召喚士がモテるとなんかうれしいでござる
496 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 19:35:22.73 ID:NtrzczuDO
しかし終盤に来てやっと主人公みたいに見えてもなあ……
497 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 19:36:55.67 ID:60rpUM1Ko
魔道士ちゃんのふくれっ面が可愛すぎて困る
498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 19:56:17.38 ID:cJlTQlTXo
>>497
はげど
499 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 20:14:23.03 ID:i9HrqrPfo
いいじゃないか将来は一国の王になるんだし
500 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 20:18:18.52 ID:b/OP/aGAO
>>1
乙
ギギギ…
501 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 20:27:22.92 ID:JJSaV/9P0
実はリクしたあと無茶だったかと後悔したけど
きれいに拾ってあって素直に感動した ありがとうありがとう
502 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 20:40:31.22 ID:t3B8EDAto
召喚三国志(戦国SLG)だったら
西高原国は強い将がいないから、戦士で鍛えてLVの底上げをしよう
↓
鍛えすぎて凄い事に
503 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 21:00:07.20 ID:mNoCvuYAO
今の魔道士なら強力な土行詠唱できるな
504 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 21:14:25.00 ID:U5kXe6yDO
>>1
乙
召喚士潰す!
505 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 21:27:09.62 ID:GCuR80Gno
>>496
まだプロローグだってのに何いってんだ?
506 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 21:46:52.21 ID:HJn25adw0
ちょっと聞きたいんだが
召喚士はどこを貫通して血がでたんだ?
なんかそんな描写が見られなかった気がして
読み忘れならすまん
507 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 22:07:18.20 ID:wreL0h+fo
ちょっと5行鉱石もって召喚士全力で殴ってくる
508 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 23:08:55.08 ID:cvFFbT+jo
まさか、な・・・
509 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 23:15:39.90 ID:vGzWQRwCo
魔道士ちゃんももう23か・・・
510 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 23:33:51.23 ID:B8AwUUqT0
今日の魔道士、やたらかわいい
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/08(火) 23:51:51.83 ID:yFKmhSKb0
やばいこののりたのしすぐる
512 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/08(火) 23:56:49.20 ID:LA+PJFADO
>>509
いつの間にか物語の登場人物に年を越されてたという、いつもと逆パターン
513 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:04:39.18 ID:/QMlkG0no
…
店員「ありあしたー」
ガチャッ…テクテクテクテク
召喚士「……」
魔道士「……」
召喚士「……」
魔道士「……」
召喚士「あ、あの……」
魔道士「……はい」
召喚士「怒って……ます」
魔道士「……なんで私が、怒らなくちゃいけないんですか?」
召喚士「あ、そ…そうですよね……っ」
魔道士「私、気にしてませんから」
召喚士「……」
魔道士「って言ったら、嘘になりますけど……」
514 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:05:49.53 ID:/QMlkG0no
クルッ
魔道士「だって皆さん、召喚士さんの事……見てませんもの」
召喚士「……魔道士…さん?」
魔道士「朱雀先生、朱雀先生って……」
召喚士「……」
魔道士「ましてや、昨日今日あったばかりで……」
召喚士「……っ」
魔道士「召喚士さんの事、一番近くでずっと見てきたの……私ですもんっ」
召喚士「魔道士さん……」
魔道士「召喚士さんの事なら、何でもたーくさん知ってるもんっ」
召喚士「!!」
魔道士「……あ」
召喚士「……っ」
魔道士「そ、そんな深い意味じゃ……ないですからねっ!」
召喚士「は、はい……っ!」
515 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:06:32.27 ID:/QMlkG0no
魔道士「……ふふっ。でも、召喚士さん」
召喚士「はい」
魔道士「遠くに行っちゃ……やですよ?」
召喚士「……はい」
魔道士「……うん。なら、いいですっ」
召喚士「俺、魔道士さんの傍に居ますから」
魔道士「――っ!!」
召喚士「あ、いや…っ!そ、その…仲間として……まっ、守りますから!」
魔道士「はいっ!」
召喚士「…それじゃ、戻りましょうか」
魔道士「そうですねっ、えへへ!」
召喚士「…寒くないですか?」
魔道士「大丈夫ですっ、ありがとうございます!」
召喚士「……ははっ」
魔道士「ふふふっ」
516 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:07:35.89 ID:/QMlkG0no
テクテクテクテク
戦士「お、帰ってきたか」
召喚士「無事、降ろしてこれたよ」
戦士「ご苦労さん。二人も食っちまえよ」
魔道士「はい、いただきますー!」
盗賊「……問題なかったようだな」
魔道士「問題?何がですか……?」
盗賊「…い、いや…その……」
魔道士「問題なんて、元からありませんよ〜」
戦士「何だか、急に吹っ切れたな」
盗賊「…う、うん」
双子姉妹(……ふぅん、そっかそっかぁー)
魔道士「これ、美味しいですねっ。ふふっ」
魔道士「はい!美味しいですのー!」
朱雀嬢「貴方は少し加減と言うものを覚えなさいですわ!」
517 :
>>516訂正
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:08:30.72 ID:/QMlkG0no
テクテクテクテク
戦士「お、帰ってきたか」
召喚士「無事、降ろしてこれたよ」
戦士「ご苦労さん。二人も食っちまえよ」
魔道士「はい、いただきますー!」
盗賊「……問題なかったようだな」
魔道士「問題?何がですか……?」
盗賊「…い、いや…その……」
魔道士「問題なんて、元からありませんよ〜」
戦士「何だか、急に吹っ切れたな」
盗賊「…う、うん」
双子姉妹(……ふぅん、そっかそっかぁー)
魔道士「これ、美味しいですねっ。ふふっ」
玄武娘「はい!美味しいですのー!」
朱雀嬢「貴方は少し加減と言うものを覚えなさいですわ!」
518 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:09:23.46 ID:/QMlkG0no
…
朱雀嬢「それでは、おやすみなさいですわ」
玄武娘「うぅー。おやすみなさいですの〜」
テクテクテク
双子姉「それでは私達も」
双子妹「失礼致しますわ」
双子姉妹「おやすみなさい」
魔道士「おやすみなさーい」
盗賊「…おやすみ」
スタスタスタスタ
戦士「はぁ、何だか賑やかな一日だったわ……」
召喚士「本当だね」
戦士「あいつ……大丈夫かな?」
召喚士「え?……魔道士さん?」
戦士「違う違う。ネクロマンサーの野郎だよ」
召喚士「……あぁ」
519 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:09:50.75 ID:/QMlkG0no
〜最北の山脈〜
ヒュンッ…シュバッ…シュバッ
ネクロマンサー「…………」
ザザッ
ネクロマンサー「……何かご用ですか?」
ザッザッザ…
ネクロマンサー「今は戦いたい気分じゃないんですよ」
ピタッ
ネクロマンサー「非常に気が立っていましてね……殺しますよ?」
同門「……望むところだ」
ネクロマンサー「たった一人で、何が出来るか……ククッ」
同門「……行けっ、フェニックス!」
シュイィィン
ネクロマンサー「……召喚士っ。ますます……癪に障る野郎だ……!!」
同門「はああぁぁーっ!!」
520 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:10:28.92 ID:/QMlkG0no
〜次の日〜
魔道士「おはようございますー!」
召喚士「あっ、おはようございます」
戦士「ふわ……」
玄武娘「おはようございますですのー」
戦士「おー。早いな……」
朱雀嬢「レディの朝は大変なのですわ」
戦士「……ガキンチョは起きるのが早いからなぁ」
朱雀嬢「……っ」
盗賊「…あとは」
テクテクテクテク
双子姉妹「おはようございますぅ」
戦士「……寝癖まで一緒とはな」
双子?「突然ですがここでクイズ。私はどっちでしょう」
召喚士「へっ!?」
双子?「せーので答えて下さいね。せーの……」
521 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:10:55.30 ID:/QMlkG0no
召喚士「ふ、双子姉さんっ」
魔道士「お姉さん」
戦士「妹」
盗賊「…双子姉」
双子姉「正解は」
双子妹「……戦士さん!」
双子姉妹「何で分かるんですかっ!?」
戦士「だーから、全然違うって」
魔道士「ど、どこが違うんです!?……ヒソヒソ」
召喚士「さ、さっぱり……」
戦士「遊んでねーで、早く仕度してこいよ」
双子姉妹「はーい」
戦士「……」
ジーッ
玄武娘「あっ、このお土産わかいいですのー」
朱雀嬢「あら、本当ですわね」
戦士「……さて、召喚士」
522 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:12:03.17 ID:/QMlkG0no
召喚士「ん?」
ズイッ
戦士「あの二人…どうするつもりだ?」
召喚士「え?」
戦士「え?じゃねーだろ。西方まではるばる何しに来たと思ってんだよ」
召喚士「サモナーさんの所に……」
戦士「連れて行くつもりか?」
召喚士「……あー」
戦士「なんとか撒かないと……面倒だぞ?」
召喚士「…確かに」
スイッ
玄武娘「どうしたんですのー?」
戦士「うわっ!な、何でもねぇよ!」
朱雀嬢「男同士で内緒話なんて……怪しいですわね」
召喚士「そ、そんな事ないですよ……はははっ」
523 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:18:40.53 ID:/QMlkG0no
…
双子姉「大変お待たせ致しました」
双子妹「準備万端ですわー」
戦士「おーし、そんじゃ行くとするか……って」
盗賊「……」
戦士「お前らもいつまで付いてくるんだよ」
双子姉「いやぁ、何だかすっかり」
双子妹「居心地が良くなってしまいまして」
戦士「あのな……」
魔道士「まぁ、もうしばらくはいいんじゃないですか?」
召喚士「うん…。いきなり西方で置いていくってわけにも…」
戦士「……まぁ、仕方ねーか。……んで、お前らは?」
玄武娘「私達は西方に残るですのー」
朱雀嬢「仕方ないですわね」
戦士「そっかそっか。そうだよな」
朱雀嬢「……?」
524 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:21:18.93 ID:/QMlkG0no
玄武娘「お別れは寂しいですけれど……」
召喚士「ええ……」
朱雀嬢「朱雀先生」
召喚士「は、はいっ」
朱雀嬢「召喚獣の件、お手紙呼んで頂けましたかしら?」
召喚士「……はい」
朱雀嬢「直に会って、お教えしようかと思いましたけれど……」
召喚士「……」
朱雀嬢「……昨晩の件で幻滅しましたわ。また今度」
召喚士「……返す言葉もありません」
魔道士「自業自得ですよっ、召喚士さん」
盗賊「…全くだな」
戦士「あーあ。まぁ、高い授業料だったって事だわな」
召喚士「……くぅ…っ」
朱雀嬢「……ふふっ」
525 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:24:20.74 ID:/QMlkG0no
…
魔道士「それじゃ、二人ともまた。元気で頑張ってね!」
玄武娘「はいですの!」
召喚士「朱雀嬢さんも、お元気で」
朱雀嬢「……はい」
盗賊「……では」
双子姉妹「失礼しまーす」
テクテクテクテク
戦士「……何だかやけに、素直に引き下がったな」
召喚士「そう?」
戦士「……うーん。ま、いいか」
盗賊「……」
魔道士「それじゃ、目指すは……」
召喚士「さもなーさんの所ですね!」
魔道士「出発ーっ!」
526 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:26:26.49 ID:/QMlkG0no
玄武娘「朱雀嬢ちゃん、私達も行くですのー」
朱雀嬢「お待ちなさい」
玄武娘「ほえ?」
朱雀嬢「後を付けますわよ」
玄武娘「えぇ!?な、何でですの?」
朱雀嬢「どうも、何か隠し事をしているですわ」
玄武娘「そ、そうなんですの!?」
朱雀嬢「しかも……私達に対して、ですわ」
玄武娘「ほえー。朱雀嬢ちゃん凄いですの」
朱雀嬢「……となるともしかして」
玄武娘「……?」
朱雀嬢「ほらっ、行きますわよっ!」
タッタッタ…
玄武娘「ま、待ってですのー!」
タッタッタッタッタ…
527 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:32:10.70 ID:/QMlkG0no
…
テクテクテク
戦士「へーっ、趣味も全然違うのかー」
双子姉妹「はいっ!そうなんですよー」
双子姉「私は読書に絵画」
盗賊「……おぉ」
ギュッ…ブンブンブン
双子姉「……?」
双子妹「私はピアノにUFR!」
召喚士「UFR…?」
魔道士「――っ!!」
ガサゴソッ…ビシィッ
双子妹「あぁっ!?マスク・ド・ジーニアスの直筆サイン!?」
魔道士「えへへ〜!」
双子妹「う、羨ましい〜っ!!」
召喚士「…あ、あぁ。アンダーファイトリング……ですね」
528 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/09(水) 00:34:40.10 ID:/QMlkG0no
ここまでにて!失礼致します!
多数のご支援感謝!大変嬉しいでございます!
>>502
一体、いつ発売になるのやら…ドキドキ
>>506
特に描写はしませんでした。背中から脇腹とか腕とか、
まぁ一撃で致命傷にならないような箇所で…
それではおやすみなさいー!ノシ
529 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 00:46:55.33 ID:nFwdyonjo
乙!
>>1
はいったい何時書き溜めているのだろうか
毎日このペースで更新とか、今更ながら凄いよなぁ
530 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 01:32:45.03 ID:6+ers4+DO
>>1
乙
久々に読み返しているがシルフって空気を浄化する能力持ってたんだな……
531 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/09(水) 02:20:38.24 ID:eJLd5s0DO
同門大丈夫なのか・・・?
お互いに不死だし相手が悪いんじゃ・・・
532 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 03:34:45.29 ID:V3paAXbh0
>>1
乙‼
ネクロマンサー「私は不死者。よって如何なる攻撃も、私の前d」
フェニックス「ザオリク。」
ネクロマンサー「ぬわーっ!」
533 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 07:51:43.71 ID:EguRahJDo
双子を余裕で見極めるなんてさすが戦士さんはひと味違うな
534 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 08:03:56.10 ID:boyHleXSo
>>533
モテる男はちょっとした違いも見逃さないんだな!
やっぱり少し切った髪とかには目ざとく気づいて褒めるんだろうな
そこにシビれる!憧れるぅ!
535 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 08:22:24.31 ID:rO/d7PeHo
さすが主人公だな
536 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 12:29:40.02 ID:jfKJVv2DO
双子姉「暇をもてあました」
双子妹「神々の」
双子姉妹「遊び」
537 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 16:12:08.87 ID:R4MQIywDO
暇を持て余したお前らの遊びだろと小一時間
538 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:05:24.35 ID:1fxioGFCo
…
双子姉「へぇ〜っ、そうなんですかぁ!」
盗賊「…うん。墨で書くから…味が出る」
双子妹「そうそうっ!あの奇跡の逆転フォールで――」
魔道士「あったあった!あのツームストーン・パイルドライバーは――」
召喚士「何だか、盛り上がってて…良かったね」
戦士「……そうだな」
双子姉「今度、是非拝見したいですー」
盗賊「…恥ずかしいよ…っ」
双子妹「やっぱり何だかんだチャンプが――」
魔道士いーえっ、チャンプの時代は終わりましたよ!」
召喚士「……」
戦士「……」
召喚士「……戦士って何か趣味ある?」
戦士「……筋トレ……かな」
539 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:06:14.10 ID:1fxioGFCo
〜西端の町〜
双子姉「ここが」
双子妹「西端の町?」
魔道士「そうですよ〜」
戦士「こっから更に、あの山を登って行く」
双子姉「あんな所に」
双子妹「住んでる人が?」
召喚士「…ええ。いるんですよ」
戦士「しかしもう夕方か。時間も中途半端だな」
盗賊「…今日はここで一晩過ごすか」
召喚士「そうですね。この時間からだと着くのも夜遅くになっていしまいますし」
双子姉「私達は」
双子妹「お任せしますっ」
魔道士「それじゃ、一泊しましょうっ」
召喚士「ええ、そうしましょう」
戦士「……盗賊?どうした?」
盗賊「……ん、いや」
540 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:07:33.90 ID:1fxioGFCo
ジーッ
盗賊「……まさか」
魔道士「盗賊さーんっ」
戦士「ほれ、呼んでるぞ」
盗賊「……うん」
クルッ…スタスタスタスタ
盗賊が見つめていた建物と建物の影から二人の少女が顔を出す。
朱雀嬢「……ばれては、いないようですわね」
玄武娘「で、ですのっ!」
朱雀嬢「今日はここで一泊するようですわね」
玄武娘「それじゃ私達も……」
朱雀嬢「そんなお金…ないですわ」
玄武娘「えぇ〜っ!?」
朱雀嬢「誰のせいだと思っているのかしらっ、この大飯食らいっ!」
玄武娘「ひっ、ひえぇ……!」
541 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:08:46.39 ID:1fxioGFCo
〜ホテル〜
召喚士「それじゃ、宜しくお願いします」
フロント「はい。ごゆっくりどうぞ」
戦士「さて、そんじゃ飯食いに行くかね」
魔道士「はいっ!」
戦士「そこいらの飯屋でいいよな?」
双子姉「私達は」
双子妹「お任せしますっ」
盗賊「…何かあったら…言ってくれて構わんのだぞ?」
双子姉「いえいえっ」
双子妹「お気遣いなくっ」
盗賊「…はぁ」
戦士「そんじゃ、荷物預けたら行くぞー」
魔道士「はーい!行きましょ、盗賊さんっ」
盗賊「…うん」
召喚士「俺も荷物置いてくるね」
542 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:09:42.50 ID:1fxioGFCo
…
朱雀嬢「あっ!出てきましたわ!」
玄武娘「……ねぇ、朱雀嬢ちゃん」
朱雀嬢「しっ!」
玄武娘「こんな事してないで、堂々と合流したらどうですの〜?」
朱雀嬢「……貴方の為にやっているんじゃない」
玄武娘「私の為…ですの?」
朱雀嬢「……鈍感っ!」
玄武娘「ええぇぇ!?」
ピクッ
盗賊「……」
キョロキョロ
召喚士「盗賊さん……」
盗賊「……左後ろの建物の影。勘付かれるなよ」
召喚士「!?」
543 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:11:14.52 ID:1fxioGFCo
ソローッ…チラッ
盗賊「……あの二人だ」
召喚士「っ!!」
盗賊「…どうする?」
召喚士「……」
戦士「おーい、どうした?」
召喚士「ここまできて、隠せないか……」
魔道士「…?」
盗賊「どうする?」
召喚士「下手に逃げられると面倒ですね」
盗賊「……仕方ない」
召喚士「お願いします」
盗賊「…うん」
魔道士「え、えっとぉ……?」
戦士「何が起きてんの?」
544 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:12:13.82 ID:1fxioGFCo
タタッ…ヒュンッ
朱雀嬢「……!?」
玄武娘「盗賊さんがどっか行っちゃったですの」
朱雀嬢「……まさか、気付かれて?」
玄武娘「そ、そうなんですの!?」
朱雀嬢「…いやっ、そんなはずないですわ」
スタッ
玄武娘「あーっ、食事処に入っていくですの」
朱雀嬢「私達も行くですわ」
玄武娘「やった!ご飯……」
朱雀嬢「そんなお金はないですわ」
玄武娘「えぇ〜っ!?」
朱雀嬢「だから、貴方は少し……」
ツンツン
朱雀嬢「……?」
盗賊「……」
545 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:14:05.65 ID:1fxioGFCo
朱雀嬢「うわぁ!!」
玄武娘「ひゃああぁぁ!?」
盗賊「…何…してる」
朱雀嬢「えっとえっと、散歩!散歩ですわ〜!」
玄武娘「私はお土産を探してるですのー!おほほー!」
盗賊「……」
朱雀嬢「さて、そろそろ失礼しようかしら〜」
玄武娘「さようならですのー」
スタスタスタ…グイッ
盗賊「……つけていたな?」
朱雀嬢「まま、まさかーっ!」
玄武娘「そ、そうですのー」
盗賊(分かりやすい二人だなぁ……)
朱雀嬢「つけるだなんて人聞きの悪い……」
玄武娘「そっ、そうですのー」
546 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:15:12.12 ID:1fxioGFCo
〜食事処〜
朱雀嬢「…………」
玄武娘「…………」
朱雀嬢「貴方がほいほい白状するからっ」
玄武娘「だってぇ、ご飯奢ってくれるって……」
朱雀嬢「台無しですわっ。ふん!」
玄武娘「うぅ……っ」
召喚士「ま、まぁまぁ。とにかく…後をつけてきたわけですね?」
朱雀嬢「……ごめんなさい…ですわ」
玄武娘「ごめんなさい…ですの」
召喚士「いえっ、別に謝る必要は……」
朱雀嬢「……それもそうですわね」
玄武娘「へっ?」
朱雀嬢「元はと言えば、隠し立てしていた皆さんが悪いんですわ」
召喚士「――っ!!」
547 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:16:18.56 ID:1fxioGFCo
朱雀嬢「朱雀先生、知っていましたわね?」
召喚士「……そ、そのぉ」
朱雀嬢「ならば一言、教えてくれてもいいのに……」
戦士「いや、ちょっと待ってくれよ。俺らだって事情が……」
朱雀嬢「お陰で私が、どんな目にあったか……」
ゴゴゴゴゴゴ
朱雀嬢「玄武娘の付き添いであんな事もこんな事も……」
魔道士「おっ、落ち着いて!ねっ、朱雀嬢ちゃん……」
召喚士「ご、ごめんなさい……っ」
朱雀嬢「さぁ、吐いて貰いますわよ!」
盗賊「……」
朱雀嬢「サモナーさんの居場所を!」
玄武娘「……えっ」
朱雀嬢「いえっ、同行させて貰いますわよっ!」
玄武娘「……ええぇぇぇーっ!?」
548 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:18:37.30 ID:1fxioGFCo
…
魔道士「ごめんね玄武娘ちゃん。騙すつもりはなかったの……」
朱雀嬢「だから言ったじゃない、鈍感だって……」
玄武娘「…………」
召喚士「明日、俺らはサモナーさんの所へ行きます。一緒に行きますか?」
戦士「おい、召喚士……」
召喚士「ここまできたら仕方ないよ。いずれは分かる事だし……」
盗賊「……」
召喚士「どうします?玄武娘さん……」
玄武娘「……行く…ですの」
召喚士「……分かりました」
魔道士「サモナーさんい会えるんだから、元気出してっ!ねっ!」
玄武娘「……明日になれば治るですの。今日は…食欲もなくなったですの……」
戦士「……そらこんだけ食えばなくなるだろうよ……」
盗賊「…いつもより、気持ち少ない…?」
549 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:19:24.25 ID:1fxioGFCo
〜ホテル〜
召喚士「えっ!?」
フロント「申し訳御座いません。満室でして……」
魔道士「どうしましょう……」
朱雀嬢「お構いなく、私達なら結構……」
戦士「なぁ、二人なんで一緒に泊まってもいいだろ?」
フロント「……うぅん」
戦士「もちろん料金は払うからな。なっ?」
フロント「……仕方ありませんね。それで宜しいですか?」
召喚士「もちろんです、ありがとうございます」
魔道士「良かったね!」
玄武娘「ありがとうですのー!」
朱雀嬢「何だか…申し訳ないいですわ」
双子姉「これにて」
双子妹「一件落着」
盗賊「……だな」
550 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:21:57.83 ID:1fxioGFCo
…
召喚士「それじゃ、また明日。おやすみなさい」
魔道士「おやすみなさーい!」
双子姉「明日もまた」
双子妹「ヨロシクですわ」
玄武娘「久し振りにゆっくりねられるですの〜」
魔道士「そうなの!?」
朱雀嬢「食費だけで……素寒貧ですわ……」
盗賊「…な、なるほど」
魔道士「よーし、それじゃみんなでお風呂入りましょうかっ!」
双子姉「いいでしょう!」
双子妹「望むところですわ!」
盗賊「……何を!?」
玄武娘「久し振りのお風呂ですのー!」
朱雀嬢「お風呂は久し振りじゃないですわっ!」
玄武娘「あ、そうでしたのー」
551 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:23:08.71 ID:1fxioGFCo
カポーン
魔道士「広〜いっ!!」
双子姉「本当にー」
双子妹「広いですねー」
プルンッ…プルンッ
魔道士「……」
朱雀嬢「お風呂でのんびり出来るのも久々ですわ〜」
プルンッ
玄武娘「ですのー!!」
タユンッ
魔道士「……っ!!」
盗賊「……はぁ」
ボイイィィーン
朱雀嬢「おーっ」
玄武娘「おーっ」
双子姉妹「おーっ」
魔道士「……秘訣はよく食べる事、と」
552 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:24:13.56 ID:1fxioGFCo
…
玄武娘「はぁ〜っ。さっぱりしたですのー」
朱雀嬢「たまには大人数でお風呂と言うのも、良いですわね」
盗賊「…たまにはな。たまには」
双子姉「それではすぐに」
双子妹「お伺い致しますね」
魔道士「へ…っ?」
双子姉「女子が集まる」
双子妹「夜と言えば…」
双子姉妹「ガールズトークです!」
玄武娘「ほ、ほえぇ…。大人ですのー」
朱雀嬢「ば、馬鹿ねっ。レディなら当たり前ですわっ」
盗賊「……寝て…いい?」
双子姉妹「駄目ですっ!」
盗賊「……はぁ」
魔道士「は、はは……っ」
553 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:25:41.72 ID:1fxioGFCo
〜部屋〜
双子姉「ずばり」
双子妹「お聞きします」
盗賊「…いきなりっ!?」
双子姉妹「皆さん、好きな人はいますかっ?」
魔道士「!?」
玄武娘「サモナーさんですの」
朱雀嬢「貴方は気楽でいいですわね」
双子姉「そういう」
双子妹「朱雀嬢ちゃんは?」
朱雀嬢「えぇっ!?」
玄武娘「朱雀嬢ちゃんは召喚士さんじゃないんですの?」
朱雀嬢「ち、違いますわよっ!私は修行の身、もっとレディを磨いてから……」
双子姉「それでは朱雀先生は」
双子妹「構わないのですね?」
プシュウウゥゥ
朱雀嬢「そ、それは……駄目ですわ……っ」
554 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:27:03.11 ID:1fxioGFCo
玄武娘「あっ、でも…召喚士さんには魔道士さんがいるですの」
朱雀嬢「……っ」
双子姉妹(この子……直球ね……)
玄武娘「ねっ、魔道士さん」
魔道士「……うーん」
盗賊「…?」
魔道士「別に、何もないですよ」
朱雀嬢「……っ」
魔道士「でも私、改めて…やっぱりなぁって気付いた事があります」
玄武娘「何ですの?」
魔道士「私、召喚士さんの事……本当に好きなんだなって思いました」
朱雀嬢「……」
双子姉妹「お、おぉーっ」
盗賊「…あのー、魔道士…さん?」
魔道士「私……召喚士さんが大好きです」
555 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:28:45.24 ID:1fxioGFCo
盗賊「……」
双子姉妹「…………」
朱雀嬢「……」
玄武娘「……おぉ」
魔道士「…あっ、でも…今は別にそのお付き合いしたいとかそういう事ではなくっ」
盗賊「……」
魔道士「やっぱり、しなくちゃいけない事をしっかり終わらせてからですよ」
玄武娘「何ですの?」
魔道士「もちろん、悪い魔物を倒して平和になる事…ですかね」
双子姉妹「……っ」
魔道士「……ご、ごめんなさいっ。私…変な話しちゃった…?」
玄武娘「そんな事ないですの!かっこいいですのー」
朱雀嬢「……そうですわね。これは……敵わないですわね」
魔道士「え…っ?」
朱雀嬢「何でもないですわ」
双子姉「魔道士さん」
双子妹「ご立派です」
魔道士「そ、そうですか?……へへっ」
双子姉「それならば」
双子妹「盗賊さんは?」
556 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/09(水) 18:29:21.92 ID:1fxioGFCo
盗賊「わ、私…っ!?」
玄武娘「盗賊さんは戦士さんですの」
盗賊「お、おいっ!」
玄武娘「違うんですの…?」
盗賊「……ち、違うよっ」
双子姉妹「……ふぅん」
朱雀嬢「てっきりそうなのかと思ってましたわ」
盗賊「……し、知らぬっ」
双子姉「本当に」
双子妹「違うんですか?」
盗賊「…し、しつこいな!違うったら違うっ!」
魔道士「盗賊さん、ここは素直に……」
盗賊「しつこいっ!!」
バフッ…ポトッ
魔道士「……やったなぁ〜?この〜っ!」
玄武娘「おぉっ、枕投げ開始ですのー!!」
557 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 19:52:11.74 ID:6+ers4+DO
いやあーかしましくて大変良いことですなあ
558 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/09(水) 19:56:59.98 ID:v7qBuplAO
魔導師ちゃん…
559 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 00:27:32.52 ID:ktjpYluEo
〜バー〜
戦士「お疲れさん」
召喚士「お疲れ〜」
チィンッ
戦士「今頃女どもは…騒いでそうだわなぁ」
召喚士「ははっ、本当だね」
戦士「まぁ、たまには賑やかなにも良しとするか」
召喚士「うん」
戦士「しかしこれでハーピーもうまくいけば入手出来そうだな」
召喚士「どうかなー。まぁ、お願いはしてみるつもりだけど…」
戦士「うまくやれよ?」
召喚士「えっ?」
戦士「ほら、レディの嗜みってのを…紳士的にだな…」
召喚士「あ、ああー」
戦士「男の見せ所だな!」
560 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 00:28:33.24 ID:ktjpYluEo
…
戦士「これでサモナーさんに話も聞けて、召喚術は順調だな」
召喚士「うんっ。戦士はどうするの?」
戦士「うーん……」
召喚士「あと半年切ってるからねぇ」
戦士「まぁ、欲を言えば防具だな」
召喚士「防具?」
戦士「ああ。色々考えてみたんだが……」
召喚士「うん」
戦士「五行の鉱石を一つの斧に付加するのは危ないんだろ?」
召喚士「鍛冶屋さんはそう言ってたよね」
戦士「て事はだ。一つの武具に一つ、鉱石を付けりゃいいんじゃないか?」
召喚士「!?」
戦士「盾に炎だから……あとは、鎧と籠手と具足と……」
召喚士「兜?」
561 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 00:29:39.41 ID:ktjpYluEo
戦士「視界が遮られるから、個人的には付けたくないんだよなぁ」
召喚士「まぁとにかく、5つの武具に鉱石をそれぞれ……」
戦士「そういう事。そうすりゃうまく合体魔法みたいな攻撃が出来るんじゃないか?」
召喚士「でも、危なくない?」
戦士「俺の魔力なんてたかがしれてるし、五行使わなきゃいいんだろ?」
召喚士「まぁ、そうだけど……」
戦士「結局は鍛冶屋さんが出来るか出来ないか次第なんだけどな。それに……」
召喚士「それに?」
戦士「それだけの鉱石がゲット出来るかってのも重要だな」
召喚士「あぁ、確かにそうだね」
戦士「まぁ、火の時ですらあんなばかでかい鉱石があったわけだから……」
召喚士「確かに。破片であれだけの量だもんね」
戦士「仮に全部持ってきたら、軽く10人分は賄えるぞ?」
召喚士「そうだね……」
戦士「場所も存在の有無も分からねぇけどな」
562 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 00:31:09.32 ID:ktjpYluEo
召喚士「でも、俺はあるって思うなぁ」
戦士「そうか?」
召喚士「うん。火の鉱石が火山にあったわけだし……」
戦士「もしかして、関係するような地域にあんのかな?」
召喚士「その可能性は高いと思う」
戦士「……なるほどな」
召喚士「色々と調べてみる価値はありそうだねっ!」
戦士「ああっ!ちょっくら平行して調べてみっか!」
召喚士「うんっ!」
戦士「…さーて、そろそろ部屋に戻ろうぜ」
召喚士「そうだね」
戦士「明日はいよいよ……」
召喚士「サモナーさんの所へ……」
戦士「……面倒な事にならなきゃいいけどな」
召喚士「……う、うん」
563 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/10(木) 08:49:58.89 ID:B7LwkwSCo
>>1
おっつん
564 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/10(木) 10:33:27.00 ID:d1G9agyu0
1乙
何か玄武娘の胸が成長してるような音だったな
565 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:35:56.38 ID:gEsJ/ja9o
〜次の日〜
召喚士「さて、行きましょうか!」
戦士「おうよっ!」
スタスタスタ
魔道士「だって〜昨日あんなにはしゃいじゃったから〜」
盗賊「…何だかんだ…夜更かししちゃったな」
朱雀嬢「ちょっと激しすぎましたわ」
玄武娘「本当ですの!」
双子姉「今日もよろしく」
双子妹「お願い致します」
ササッ…ギュウウゥゥ
戦士「お、おいっ!?今度は俺かよ……っ」
召喚士「良かったね戦士」
盗賊「よ、良くないっ!!」
双子姉妹「あれぇ〜?昨日確か――」
盗賊「やっやめろおおぉぉ!」
566 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:37:17.07 ID:gEsJ/ja9o
スタスタスタ
男「……お、おい。あれ見ろよ」
おじさん「はぁ!?粒ぞろいを6人も……」
老人「な、何が激しかったんじゃろか……」
男「何者…なんだ……っ」
戦士「なんか…注目されてねーか?」
召喚士「うん……。嫌な視線を感じる」
盗賊「…魔物の気配はないぞ?」
魔道士「敵…ですかね?」
戦士「……まぁ、敵…でしょうね」
召喚士「……」
玄武娘「あっ、朱雀嬢ちゃん見て見て!あれ美味しそうですのー!」
朱雀嬢「ふらふらしてないで真っ直ぐ歩きなさいですわっ!」
双子姉「このコンビ」
双子妹「面白いかも」
戦士「……お前らもな」
567 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:38:55.79 ID:gEsJ/ja9o
〜西端の山〜
玄武娘「うへぇ……。結構険しいですの……」
戦士「なんか懐かしいフレーズだな」
魔道士「私達も最初の頃は、そう言ってましたね〜」
双子姉「この程度」
双子妹「なんて事ない」
朱雀嬢「ほら、負けてられないですわっ!」
玄武娘「が、頑張るですの!」
戦士「そうそう。愛しのサモナー様が待ってんだぞ?」
玄武娘「!!」
ササッ…スタスタスタ
玄武娘「早く行くですの!」
盗賊「……おぉ」
戦士「急に元気になったな」
朱雀嬢「……はぁ」
玄武娘「ほらほらっ、早く行くですのー!」
568 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:40:59.33 ID:gEsJ/ja9o
…
玄武娘「ひぃ……ひぃ……まだ…ですのぉ?」
朱雀嬢「一応、私からも謝罪しておきますわ」
召喚士「い、いえ…別にいいですよ」
玄武娘「ちょっと……休みたい感じですの……」
魔道士「もうちょっとだから頑張ろ?」
双子姉「それにしても」
双子妹「あとどれくらい?」
召喚士「多分1時間もかかりませんよ。頂上ではないですし」
盗賊「…うん。もうじき着くよ」
玄武娘「……ひぃ……ひぃ」
双子姉「それならば」
双子妹「頑張ります」
朱雀嬢「ほらっ、貴方も頑張りなさいですわ」
玄武娘「は、はいですのおおぉぉ」
男女8人。困難とは言えないものの、ややハードな登山は続く。
そしてしばらく登り続けると、ようやく一軒の民家が見えたのであった。
569 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:44:18.87 ID:gEsJ/ja9o
…
魔道士「着いた〜っ!!」
玄武娘「……ぜぇぜぇ」
双子姉「ここに人が…」
双子妹「住んでいるのね」
召喚士「……サモナーさんいるかな?」
テクテクテクテク…チラッ
朱雀嬢「何故、手で目を覆っているのかしら?」
戦士「まぁ……ちょっとな」
召喚士「だ、誰か居ますかー?」
パシャッ
マーメイド「……あら、こんにちは」
盗賊「……大丈夫。隠れてるよ」
召喚士「あ、そ…そうですか。良かった」
魔道士「マーメイドさん、こんにちは!」
マーメイド「ふふっ。今日は何だか…大人数ね」
570 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:45:15.48 ID:gEsJ/ja9o
テクテクテク
双子姉「あれって……」
双子妹「マーメイド!?」
朱雀嬢「召喚獣……?」
玄武娘「…お、おぉー」
召喚士「サモナーさんいらっしゃいます?」
マーメイド「ええ。……サモナー、お客様よ」
召喚士「ち、ちょーっと待――」
スタスタスタ
サモナー「お客さん?誰だい……」
玄武娘「――っ!!」
サモナー「……おっ、召喚士くん――」
スッ
サモナー「…………」
玄武娘「サモナー……様……っ」
サモナー「玄武娘……ちゃんかい!?」
571 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:46:05.86 ID:gEsJ/ja9o
タッタッタッタッタ…ダキッ
玄武娘「サモナー様ああぁぁ!!」
サモナー「……お、大きくなったね……つ」
玄武娘「ふええぇぇーん!!」
サモナー「何で……」
召喚士「すみません……」
戦士「偶然西国で…ばったり会っちまってさ」
朱雀嬢「ひどい話ですわ。知っていたのに内緒にしていたなんて…」
玄武娘「ほっ、本当ですよおおぉぉ!」
召喚士「……すみません」
サモナー「いや、僕が頼んだんだ。悪いのは僕さ」
玄武娘「……ひっくひっく。会いたく…なかったんですの…?」
サモナー「……いや、そうじゃないんだ」
朱雀嬢「では何故?玄武娘が貴方の事をどれほど想って……」
サモナー「だからさ」
朱雀嬢「…?」
572 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:48:35.09 ID:gEsJ/ja9o
サモナー「玄武娘ちゃん。君の好意は本当に嬉しいよ」
玄武娘「そ、そうですの!?」
サモナー「でも、それには応える事は出来ないんだ」
玄武娘「え……っ」
サモナー「この際だからハッキリ言っておく」
玄武娘「……っ」
サモナー「玄武娘ちゃん、僕は……」
玄武娘「……聞きたくないですの!」
サモナー「違うんだ。聞いてくれ」
朱雀嬢「玄武娘、ちゃんと聞くですわ」
玄武娘「…………」
サモナー「僕の寿命はもう残り僅かなんだ」
玄武娘「――っ!!」
双子姉「寿命が……」
双子妹「残り僅か……!?」
サモナー「うん。魔力を使いすぎてね」
573 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:49:44.86 ID:gEsJ/ja9o
召喚士「……」
サモナー「多分、あと10年ももうもたないと想うよ」
玄武娘「!!」
サモナー「それも魔力次第。使えばそれだけ短くなる」
朱雀嬢「そんな……」
サモナー「いや、いいんだ。僕は後悔していない」
スッ…スタスタスタ
サモナー「全てはこの、マーメイドとの時間を過ごす為にね」
マーメイド「……っ」
サモナー「そういうわけなんだ、玄武娘ちゃん」
玄武娘「サモナー様……っ」
サモナー「だからずっと慕ってくれた君が悲しむ……」
玄武娘「……」
サモナー「それだけは避けたかった。だから…会えなかったんだ」
玄武娘「…………」
574 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:50:26.24 ID:gEsJ/ja9o
魔道士「玄武娘ちゃん……」
玄武娘「……サモナー様ですの」
盗賊「…?」
玄武娘「やっぱり、そういうところ…サモナー様ですの!」
サモナー「玄武娘ちゃん……」
玄武娘「そういう…優しいところ…とか、全然変わってないですの!」
ギュッ
玄武娘「だから私、やっぱり会えて…良かったですの」
サモナー「……ありがとう。君も変わらないね」
玄武娘「……へへっ」
双子姉「振られて」
双子妹「しまいましたわね」
朱雀嬢「ちょっと…!」
玄武娘「いいんですの。サモナー様は私にとって、おっきすぎたですの」
朱雀嬢「玄武娘…?」
玄武娘「…私、レディの嗜み……磨くですのっ!」
575 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:51:27.68 ID:gEsJ/ja9o
…
サモナー「……どうぞ」
コトッ
双子姉「これは一体」
双子妹「何でしょう?」
サモナー「手作りのクッキーと紅茶さ。口に合えばいいけど」
朱雀嬢「頂きますわ」
玄武娘「……美味しいですの〜っ!!」
サモナー「さて、召喚士君。よく来てくれたね」
召喚士「いえ。連絡頂けて嬉しいですよ」
魔道士「何か進展があったんですか?」
サモナー「……まぁ、進展…かな」
召喚士「……」
サモナー「召喚士はさ、召喚獣の存在をどう捉えてるのかな?」
召喚士「召喚獣の存在…ですか?」
サモナー「うん」
576 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:52:47.87 ID:gEsJ/ja9o
召喚士「……難しい質問ですね……っ」
サモナー「だよね。僕も深く考えた事はなかったよ」
召喚士「強いて言うなら、自分…ですかね」
サモナー「自分?……面白い表現だね」
召喚士「何ていうか……自分の魔力で召喚士して……」
サモナー「うんうん」
召喚士「一緒に戦ってくれるもう一人の自分って言うか……」
サモナー「成程。確かにそうだね」
召喚士「す、すみません…。よく分からない事を言ってしまって」
サモナー「いやいや、いいんだ。答えはないからね」
召喚士「……」
サモナー「色々な解釈があって、正解だと思うよ」
召喚士「……あの、それが…何か?」
サモナー「……じゃあ、もし召喚獣が僕らと同じだとしたらどうあかな?」
召喚士「……えっ?」
577 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:55:47.78 ID:gEsJ/ja9o
サモナー「この世界には多種多様な生物が存在するよね?」
召喚士「え、ええ……」
サモナー「その中でも、知恵を持った特異な存在……」
盗賊「……」
サモナー「その一つ目が……人間」
魔道士「っ!!」
サモナー「同じく、更なる特異な存在……魔族」
戦士「……っ」
サモナー「この世界では人間と魔族、この二種類が知恵を持ち……」
召喚士「君臨している……」
サモナー「うん。でも、特異な存在はもう一種、存在するよね」
盗賊「……まさか」
サモナー「同じく知恵を持ち、言語を用い……力を持つ」
召喚士「そ、それが……」
サモナー「……召喚獣さ」
578 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:57:28.72 ID:gEsJ/ja9o
魔道士「た、確かに……っ」
サモナー「召喚獣のみ住む世界が異なり、別の存在に思えるけど…」
戦士「俺らと…同じだって言うのか!?」
サモナー「……これ、見て貰えるかな」
スッ
魔道士「何です…?」
サモナー「玄武先生の弟子の一人が書いた、手記のようなものさ」
盗賊「……」
サモナー「この人はちょっと変わり者でね」
召喚士「……」
サモナー「今話した事と同じ内容を、独自に解釈しているんだ」
召喚士「……っ」
サモナー「だから僕の言った事も、あくまで推測に過ぎない」
戦士「つまり……?」
サモナー「東方の式神。五行の秘密はここにあるんじゃないかな?」
579 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:58:19.44 ID:gEsJ/ja9o
魔道士「っ!!」
サモナー「そもそも、不思議な事だとは思わない?」
召喚士「何が…ですか?」
サモナー「例えば言語」
盗賊「……」
サモナー「この世界の者なら共通の言語を認識していておかしくない」
戦士「確かにな。地域で多少の違いはあるが……」
魔道士「東方とかそうですもんね」
サモナー「だから魔族は分かるんだ。でも、召喚獣は?」
召喚士「……普通に会話出来ますね」
サモナー「誰も気に留めない、いや…気にはしても解明は不可能」
戦士「不思議に思った事なんてなかったな……」
サモナー「ここからは更に、僕の推測なんだけど……」
召喚士「…はい」
サモナー「元々、魔族も別の世界に住んでいたんじゃないかな?」
580 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 18:58:50.42 ID:gEsJ/ja9o
魔道士「えっ!?」
サモナー「知恵を持っている彼らであっても、話せる魔物と…」
召喚士「話せない魔物がいるっ!!」
サモナー「…いや、もしかしたら人間が別の世界から来たのかもね」
召喚士「……っ」
サモナー「とにかく、一つの世界に二つの知恵が存在する」
盗賊「……」
サモナー「今の世界はそういう事なんだ」
魔道士「そ、それで……式神の解明というのは……?」
サモナー「……ここを見てくれる?」
パラッ
サモナー「この人はとある密教について記しているんだ」
盗賊「…密教」
サモナー「この密教は魔物、いや…魔王パススを信仰していてね」
戦士「…パズズ?あぁ、伝説が倒したっていう……」
581 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 19:00:38.39 ID:gEsJ/ja9o
サモナー「人間は、魔物が手を加えて魔族化する事が出来る」
召喚士「ええ…」
サモナー「でも、この密教ではそれは真理でないとしているそうだ」
盗賊「……」
サモナー「真理とは、死して魔族へと転生する事……」
戦士「転生?」
サモナー「宗教の教えさ。人間は死して新たな生へと生まれ変わる」
戦士「その時、魔族になるっていうのかよっ!?」
サモナー「彼らはそう考えているみたいだね」
召喚士「……」
サモナー「じゃあもし、それが本当だとしたら……」
戦士「俺の前世は魔物だったのかもしれないってのか?」
サモナー「……そうかもしれない」
戦士「馬鹿げてるぜ!そんな話……」
サモナー「うん。実際、僕も正直言うとそう思ってるよ」
582 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 19:01:49.94 ID:gEsJ/ja9o
召喚士「……召喚獣」
魔道士「……?」
召喚士「まさかこれも……召喚獣に当てはまると……?」
サモナー「もし同じ存在ならば、そういう事になるんじゃないかな」
召喚士「人間、魔物……そして召喚士。全てが対等の存在……?」
戦士「でもよっ、召喚獣は死なないんだよな?」
サモナー「そう。それはこの世界に居ないからなんだ」
召喚士「普段jは召喚獣界に住んでますもんね」
サモナー「うん。それで魔力を糧にこの世界に導いている」
召喚士「ええ…」
サモナー「つまりそれは召喚獣の本隊ではないって事になるよね?」
召喚士「ええ。そういう事になりますね」
サモナー「魔力を伝い、この世界に幻影させている事になるんだ」
戦士「……駄目だ、ワケ分からなくなってきた」
魔道士「同じく……です……」
583 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 19:04:07.19 ID:gEsJ/ja9o
サモナー「ごめんね、ややこしい話になってしまって」
召喚士「もし良かったら、俺が聞きますからみんなは……」
盗賊「……いや…聞くよ」
戦士「あいつらは既にリタイアしてっけどな」
チラッ
双子姉「しかし本当に」
双子妹「美しいですね」
玄武娘「それがマーメイドさんですの!」
朱雀嬢「専属ですものね、初めて見ましたわ」
マーメイド「ふふっ、ありがと」
サモナー「……こほん、は…話を戻そうか」
召喚士「は、はいっ」
サモナー「とりあえず召喚獣の仕組みは先程の話で仮定するとして」
召喚士「それがどう、式神と繋がるのかですね」
サモナー「うん」
魔道士「式神さんも召喚獣さんって事ですか?」
584 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 19:05:26.41 ID:gEsJ/ja9o
サモナー「……まぁ、そういう位置付けにはなると思う」
魔道士「……?」
サモナー「密教の話を前置きすると、召喚獣にも当てはまるよね」
召喚士「……」
サモナー「人間は死して、召喚獣になれる。そういう結論になる」
戦士「何っ!?」
サモナー「勿論、推測の話だよ。でも…3種族の存在を考えると…」
盗賊「…有り得なくは…ないな」
サモナー「そうなると、魔族と召喚獣だって繋がるよね」
召喚士「……繋がりますね」
サモナー「そこに式神のヒントが隠されているように思えるんだ」
召喚士「まさか…そんな……」
サモナー「召喚獣だって魔物になるかもしれないし、その逆も然り」
召喚士「……っ」
サモナー「それがこの手記に基づいた、一つの説さ」
585 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/10(木) 19:08:25.47 ID:gEsJ/ja9o
魔道士「……」
盗賊「……っ」
サモナー「でももしこれが真実なら、辛い話さ……」
召喚士「……ええ」
戦士「でもよ……悪は悪、善は善だろ?」
サモナー「戦士くんの言う通りさ。魔物にだって善は存在するし…」
戦士「悪だけを倒せばいいって話だろ」
召喚士「召喚獣の悪も存在するんですか?」
サモナー「……うーん、まぁそういう事にもなるよね」
魔道士「見た事ないですけどね……」
召喚士「……ええ」
戦士「はー駄目だ、駄目駄目!難しくてさっぱり分からん」
サモナー「いや、きちんと理解する必要はないさ」
盗賊「……うん」
サモナー「それにこれが真実かもまだ分からないからね……」
586 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/10(木) 19:14:53.10 ID:gEsJ/ja9o
だるーい説明が続きますが、さくっと読み流しちゃって下さいまし
それでは帰ります!ご支援ありがとうございまし!ノシ
587 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/10(木) 19:40:19.58 ID:gSBWT82M0
>>1
乙
588 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/10(木) 19:55:31.07 ID:Vq6L5vVR0
乙
愛してる
589 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/10(木) 20:33:08.64 ID:kskUWWEAO
いちおつ
俺が一番1を愛してる
590 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/10(木) 20:57:38.45 ID:LCPrAaUOo
1otuはガンダム好きなのかしら
ガンダムネタが多い気がする
591 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/10(木) 22:02:01.10 ID:o9bb5YPSO
1おつ!
以前スフィンクスの「人間、魔物、召喚獣、一番悪いのは?」的な
なぞなぞの裏にこんな設定があっただなんて……!
592 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/10(木) 22:02:54.27 ID:WsYxUddAO
こういう話好きだ
593 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/10(木) 22:09:52.59 ID:HSudx/UFo
黒い三連星とか東方先生のほかになんかあったっけ
594 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/10(木) 23:41:52.26 ID:C/lh2Y3Jo
いちょつ
この世界の七不思議の一つがいよいよ解明されるんだな
背景がしっかりしているからTRPG とかで入り込んでみたいな
595 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:27:49.62 ID:ZrRYb4lYo
…
双子姉「マーメイドさん」
双子妹「お休みなさい」
マーメイド「はい、お休みなさい」
召喚士「何だかすみません。泊めて頂いてしまって……」
サモナー「いやいや、こっちこそ長話ですっかり暗くなってしまって……」
盗賊「……」
サモナー「それに、食事まで作って貰っちゃって、こっちこそありがとう」
魔道士「いえいえっ、この程度の事で……」
玄武娘「魔道士さんて凄いですの〜」
朱雀嬢「……しっかり勉強させて貰いましたわ」
玄武娘「……ふわぁ」
魔道士「それじゃ私達も寝ましょうか」
朱雀嬢「そうさせて頂きますわ。お休みなさい」
玄武娘「……ですの。むにゃ」
召喚士「うん。おやすみなさい!」
596 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:28:30.82 ID:ZrRYb4lYo
テクテクテクテク…パタン
戦士「お前はまだいいのか?」
盗賊「…うん」
サモナー「それじゃ、少しお酒でも飲もうか」
戦士「おっ、いいっすねぇ!」
盗賊「…やっぱ寝る。おやすみ」
サモナー「……?」
召喚士「あ、盗賊さんは下戸なので……」
戦士「気にしなくていいすよ」
サモナ−「紅茶とかもあるよ?」
盗賊「…ん、お構いなく」
テクテクテクテク…パタン
戦士「そんじゃ、男だけで楽しむとしますかっ」
サモナー「そうだね」
召喚士「それじゃ……乾杯〜っ!」
597 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:29:42.93 ID:ZrRYb4lYo
…
戦士「しかし……さっきの説だけどよ」
サモナー「うん」
戦士「確かにサモナーさんの話聞いてると、そうじゃないかって思えてくるよ」
召喚士「うん……俺も」
サモナー「……正直、話そうか悩んだんだ」
召喚士「……?」
サモナー「もし魔族まで、同等の存在と認識してしまったら……」
戦士「躊躇するってか?……安心してくれ、それはないよ」
サモナー「うん。思ったよりも君達が強くて、安心というか…ほっとしたよ」
召喚士「結構、慣れてきましたから」
サモナー「……そうか。本当、強いね」
召喚士「そんな事…ないですよ」
戦士「そうそう。上には上がいますから」
サモナー「……そうか」
598 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:30:30.83 ID:ZrRYb4lYo
…
召喚士「でも、人間が魔族になる事は分かりますけど……」
戦士「召喚獣ってのは信じられないな」
サモナー「確かめようがないからね」
召喚士「ええ…」
サモナー「ただ、召喚士君なら分かると思うけど…」
召喚士「…?」
サモナー「召喚獣には召喚獣の住む世界が存在する」
召喚士「ええ。何度か行った事があります」
サモナー「僕も一度だけ行った事があるけど、あれは完全に別世界だよね」
召喚士「ええ。明らかにこの世界とは違う次元の、世界ですね」
戦士「へぇ」
サモナー「でも、限られた条件の下、僕らも訪れる事は可能なんだ」
召喚士「はい」
サモナー「それは不思議だと思わない?」
599 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:31:29.98 ID:ZrRYb4lYo
召喚士「不思議…ですか?まぁ確かに、不思議ですけど……」
サモナー「召喚獣は僕らが魔力を用いてこの世界に呼び出す事が出来るけど…」
召喚士「あっ、俺らは自ら行く事が出来る……っ」
サモナー「その時にはやっぱり、肉体を離れて精神的なものだけが行くんだ」
召喚士「た、確かにそうですね」
サモナー「つまり、互いに本体が直接行く事は出来ない……」
召喚士「でも、向こうは呼ばれて、こっちは自発的に行く事が出来る……」
戦士「そうか。召喚獣が自分の意思で来れるんだったら、召喚士なんていないもんな」
サモナー「多分、召喚獣はそういう世界に住んでるンだと思う」
召喚士「……つまり」
サモナー「転生後の世界さ。死の先、とでも言えばいいのかな……」
召喚士「それが密教の言う、転生……」
戦士「じゃあ召喚獣も、元々は人間だったってのか?」
サモナー「……勿論、確信はないよ。ないけれどね……」
召喚士「……」
600 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:32:27.77 ID:ZrRYb4lYo
サモナー「そうそう、もう一つこんな話を聞いたんだ」
召喚士「何でしょう?」
サモナー「西国が召喚術の研究をしているらしいんだけど……」
召喚士「西国……研究…?」
サモナー「どうも古代の召喚術を蘇らそうとしているらしいんだ」
召喚士「……」
サモナー「古代の召喚術は結構、危険なものが多くてね」
戦士「そうなんすか?」
サモナー「うん。五行と同じく、命を失うというか…犠牲にするものもあったりしてさ」
召喚士「……それで?」
サモナー「手がかりになる古代の文献を手に入れたとかいう噂さ」
戦士「あのよ、それってさぁ……」
サモナー「僕が思うに、西国の神官さんじゃないかと思って……」
召喚士「……やっぱりそう思いますか」
サモナー「以前から本国で腕利きの賊に依頼してるって話もあったしね…」
601 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:35:40.11 ID:ZrRYb4lYo
戦士「賊…?」
サモナー「どうもただでは手に入らない代物らしくてね」
召喚士「……」
サモナー「ワーカーよりも手馴れた賊に頼んだんじゃないかって……」
戦士「へぇ。神官さんも結構やるときゃやるんだな」
召喚士「……賊……文献?」
戦士「賊に文献……盗賊団に……本っ!?」
召喚士「ま……さか……っ」
サモナー「……?」
召喚士「サモナーさん!その文献というのは!?」
サモナー「いやっ、僕も詳しくは分からないんだけど……」
召喚士「……」
サモナー「さっき言った禁呪が書かれた文献じゃないかって……」
召喚士「……っ」
戦士「……召喚士」
602 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:36:27.63 ID:ZrRYb4lYo
召喚士「……うん。何となく繋がったよ」
サモナー「心当たりがあるのかい?」
戦士「…ちょっとな」
召喚士「神官さんは……三日月島ですか?」
サモナー「じゃないかな?ここ最近は西方でも耳にしないしね」
召喚士「……」
サモナー「政治で研究どころじゃないかもしれないね」
召喚士「だと……いいんですけど……」
戦士「まさかそんな危ねぇ術を完成させて……」
召喚士「うん。幾ら魔王を倒す為とは言え、己の身を犠牲にするなんて……」
サモナー「そうだね。でも……君達は止められる?」
戦士「分かんねーけど、そんなん止めるしかないだろ。なぁ?」
召喚士「……うん。神官さんに会ってみよう」
サモナー「任せたよ。一人でも犠牲は少ない方がいいからね」
召喚士「……もちろんです」
603 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/11(金) 00:40:55.92 ID:ZrRYb4lYo
広げた風呂敷が大きかったようです。せっせせっせ
それでは寝ますです。おやすみなさい!ノシ
>>587-589
愛は頂いたぜい!ありがとうございます!
>>590
好きですね。かなりですね
>>591-594
良かった…説明文的で面白味に欠ける感じで…救われます
背景なんて結構適当ですのよ。あくまで補足程度なのですよ
〜オマケ〜
魔道士「沢山食べる…沢山食べる!!」
玄武娘「ほえ?」
ボイーン
盗賊「……ん?」
バヨエーン
魔道士「沢山食べる沢山食べるタクサンタベルタクサンタベルサンタサンオネガイ……」
〜次の日〜
魔道士「……3kg太りました」
604 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 00:44:36.75 ID:LpEvGwkJo
>>1
乙
色々と繋がってきたな
605 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 02:04:45.77 ID:2sNDKhkAO
>>1
おつ
SSなのに背景がどうたらって時点でこのSSは何かおかしなことになってるような…
606 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 02:09:59.75 ID:SOAWbwyDO
アヌビスか・・・
股間が黒くなるな
607 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 02:28:46.09 ID:dvmeYvRDO
新ヒロインにエイダちゃんが出るわけか!胸熱
608 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 02:42:45.15 ID:19NQbBLco
>>603
乙
あるあるww
3kgですんだならまだいい方だなww
609 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 07:46:01.81 ID:4whhlygDO
>>1
乙
すげーな
まさか最初の頃の…あの投げっぱなしの伏線回収とは恐れ入った
610 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 07:54:14.70 ID:5cZWlRzf0
SS?いいえ、LSです
611 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 08:36:01.95 ID:PUynxctIO
ケツアコウトルがずいぶんなついてきたのもなんかの伏線かねぇ
612 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 08:59:53.07 ID:5r8mu1lDO
>>1
乙っ!
そういやイケメンユニコーンさんは最後に自分から出てきてたなあ。これも含めて色々ななぞが解ければいいなあ
613 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 11:12:49.97 ID:Ou6L//f0o
ユニコーンイケメンverはそういう事だったのか…
しかも召喚獣は前世の記憶を残してるって…辛いな…からいな…
614 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 15:16:17.08 ID:l5Gqv8Dxo
この地震はまさかクジャタ?
615 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 15:18:03.16 ID:6M+bsafUo
みなさん地震大丈夫ですか?
616 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 15:18:19.44 ID:l5Gqv8Dxo
書き込んだ直後に二度目の大揺れが来たぜ
617 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 15:48:33.04 ID:n4qFqnNLo
お前らと
>>1
怪我はないか?大丈夫か?
618 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 16:06:32.03 ID:Fi9O/vo/0
津波やべーぞ!
>>1
にみんな大丈夫か?
619 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 16:06:57.76 ID:CLWVMVPro
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1299825187/
すまん、ルール違反だって分かってはいるが
2chは鯖落ちしたっぽいし
緊急事態だから一応立てておいた
良かったら使ってくれ
620 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 16:08:17.09 ID:UD2/2T9Vo
いや、地震板が健在なのでいらないです
621 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 16:09:23.02 ID:CLWVMVPro
mjky
行って来る
622 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 16:15:33.06 ID:rhySoYAS0
うほーすごかった。みんな平気か??
623 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 16:38:16.25 ID:11z4qsOoo
とりあえず生存報告…
無事…ですが、地震の影響で酔って気持ち悪いです…
東北の方々は大丈夫ですか?皆様のご無事をお祈り致します
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
624 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 16:39:44.29 ID:UD2/2T9Vo
そういえば
>>1
はどこ住みなんだ?
被害とか大丈夫か?
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
625 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 16:48:34.32 ID:ScVp4QqIO
とにかく落ち着ついて
停電の地域は、夜と悪天候に備えよう
車も注意力散漫だから道路も気をつけて
各地火事もあるから気をつけて
被害は東北だけでないからゆだん禁物
怖がりすぎないこと、油断しないこと
避難地域、停電地域は防寒と明かりと雨具をお忘れなく
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
626 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 16:50:07.03 ID:UD2/2T9Vo
俺大阪だけど経験から言うと
マジで防寒と雨具はもってけ
持ってたら避難先でかなり楽になる
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
627 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 17:06:04.53 ID:H9GY+q2Oo
うわ。びっくりした
福島は無事っす
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
628 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 17:14:24.05 ID:Zyk9mnNG0
ヒャッハー仙台住みのオレ参上!
泣き出したいけど
>>1
のSS読んでガンバル
つか余震…
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
629 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 17:16:18.68 ID:O7KffJJQo
>>628
書き込んでる場合なのか?
がんばって!
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
630 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 17:40:00.25 ID:dBgBIifDO
仙台とか、津波大丈夫だったか?
働いているところの系列が仙台泉にあるんだが、連絡取れないし来ない…
関東もまだまだ危ないみたいだし、
>>1
もおまいらも無事でいてくれー
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
631 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 17:58:33.84 ID:tM/MS3B10
福井はとりあえず大丈夫だ。
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
632 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 18:23:14.13 ID:5r8mu1lDO
群馬は平気だよーみんなも気を付けてね
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
633 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 18:30:29.09 ID:nvT9Unl2P
千葉はまだ余震がちょくちょくくるなぁ
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
634 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:32:03.02 ID:11z4qsOoo
〜次の日〜
サモナー「それじゃ、気を付けて」
召喚士「はい。ありがとうございました」
サモナー「また、連絡するよ」
召喚士「お待ちしてます」
魔道士「マーメイドさんもお元気で!」
マーメイド「ふふっ、ありがと」
双子姉「またお会いできる日を」
双子妹「楽しみにしております」
戦士「そんじゃ、世話になりました!」
盗賊「…また」
スッ…テクテクテクテク…
朱雀嬢「玄武娘、行くですわよ?」
玄武娘「……」
朱雀嬢「…ほらっ、早く」
玄武娘「…はい…ですの」
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
635 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:32:47.29 ID:11z4qsOoo
サモナー「……」
玄武娘「……サモナー様」
サモナー「……」
玄武娘「お達者で……ですの」
サモナー「玄武娘ちゃんも元気で。頑張るんだよ?」
玄武娘「……はいですの」
スッ…テクテクテクテク…
サモナー「…………」
マーメイド「良かったの?……これで」
サモナー「…ああ。いいんだ」
マーメイド「……っ」
サモナー「僕は君と共にする。そう…決めたから」
マーメイド「サモナー……」
サモナー「……うん」
マーメイド「……でも、変わったわね」
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
636 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:34:37.48 ID:11z4qsOoo
サモナー「……ん?」
マーメイソド「昔の貴方、心を閉ざしていたもの……」
サモナー「……そうかな」
マーメイド「そうよ。でも今は、随分と変わったわ」
サモナー「……おかしい…かな?」
マーメイド「うんん。今の貴方…私は好きよ」
サモナー「……そっか」
マーメイド「彼らのお陰かしらね」
サモナー「…そうだね。自らの意思で前に進んで……」
マーメイド「うん」
サモナー「勇敢に戦う。そんな彼らに感化されたのかもね」
マーメイド「貴方も……一緒に手を貸したいんじゃないの?」
サモナー「……まさか」
マーメイド「いいのよ、無理しなくても」
サモナー「僕は……ただの臆病者さ」
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
637 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:37:27.82 ID:11z4qsOoo
マーメイド「そんな事ないわ。貴方は強い…そして、一途よ」
サモナー「……」
マーメイド「ありがとう。私はもう、十分よ?」
サモナー「……」
マーメイド「最後くらい…いいじゃない、カッコよく決めましょ?」
サモナー「……凄いね、マーメイドは」
マーメイド「んー?」
サモナ−「僕の心を何でもお見通しだ」
マーメイド「…だって、長い付き合いですもの」
サモナー「そっか」
マーメイド「毎日毎日、貴方と過ごしてきたもの…」
サモナー「……そうだね」
マーメイド「……行くんでしょ?」
サモナー「……でもね、最後にまだ…やる事があるんだ」
マーメイド「……?」
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
638 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:38:20.46 ID:11z4qsOoo
テクテクテクテク
玄武娘「……あっ」
魔道士「どうしたの?」
玄武娘「サモナー様の家に…忘れ物してきちゃったですの!」
双子姉「あらら…」
双子妹「それは大変」
召喚士「それじゃ取りに戻りましょうか」
玄武娘「あっ、大丈夫ですの!一人で行けるですの」
魔道士「でもぉ……」
玄武娘「先に町まで、降りてて下さいですのっ」
魔道士「あ…っ」
タタッ…タッタッタ…
盗賊「……どうする?見てこようか?」
朱雀嬢「大丈夫ですわ。私が追いますわ」
召喚士「……?」
朱雀嬢「察してあげて。あの子、一人になりたいんですわ……」
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
639 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:39:08.42 ID:11z4qsOoo
タッタッタッタッタ…
玄武娘「…………」
タッタッタ…ズルッ!!
玄武娘「ひゃっ!?」
ドテッ
玄武娘「……っ」
グググッ…ヨロッ
玄武娘「……う……ぐぅ」
握った右手は泥に塗れていた。
玄武娘「……うぅ……っ」
鼻を啜りながら右手で擦ると、鼻の下に泥が付いた。
玄武娘「…ひっく……っ」
転んだ両膝を叩きながら起き上がると、身体の向きを変えた。
玄武娘「……っく」
身体を反転させると、来た道が進む道になった。
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
640 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:40:06.66 ID:11z4qsOoo
玄武娘「!?……朱雀嬢ちゃんっ、どうして……」
朱雀嬢「貴方が忘れ物をした事を、思い出すわけないじゃない」
玄武娘「……」
朱雀嬢「……いいのかしら?サモナーさんに会わなくて」
玄武娘「……いいんですの」
朱雀嬢「……」
玄武娘「自分のしなくちゃいけない事が…見えましたの」
朱雀嬢「貴方……」
玄武娘「私、サモナー様の道を追いかけるんじゃなくて……」
朱雀嬢「……」
玄武娘「自分の道を、歩くですの」
朱雀嬢「……ええ」
玄武娘「…………でも、今は」
朱雀嬢「…いいですわ。今日だけ貸してあげますわよ」
玄武娘はぼろぼろと涙を流し、朱雀嬢の胸に顔を埋めた。
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
641 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:41:15.68 ID:11z4qsOoo
…
テクテクテクテク
朱雀嬢「……あっ」
玄武娘「……!!」
朱雀嬢「何で……待ってて……」
魔道士「おかえりなさい」
召喚士「忘れ物は…見つかりましたか?」
玄武娘「……っ」
ゴシゴシッ
玄武娘「……見つかったですの!」
戦士「そりゃ良かった」
盗賊「それじゃ、帰ろうか」
玄武娘「……はいですの!」
双子姉「時には忘れ物も」
双子妹「大切な事ですわね」
玄武娘「……えへへっ、ですの!」
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
642 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:41:56.14 ID:11z4qsOoo
〜北西の山脈〜
ポタポタポタッ
同門「……はぁ……はぁ……はぁっ」
スゥッ
ネクロマンサー「喧嘩を売る相手……間違えましたねぇ」
同門「……くそぉ…っ」
ネクロマンサー「貴方の召喚獣、フェニックスですか……」
同門「……っ」
ネクロマンサー「確か、魔力の続く限り不死なんでしたっけ?」
同門「……」
ネクロマンサー「不死対不死。このまま続けますか?」
同門「……ち…っ」
ネクロマンサー「魔力の続く限り、どちらが勝つのか…ククッ」
同門「フェニックス!!」
フェニックス「……」
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
643 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:42:42.00 ID:11z4qsOoo
ゴウッ…ドジュウウゥゥ!!
ネクロマンサー「我が身を焦がす灼熱の炎……」
同門「はぁ……はぁ…はぁ…っ!」
ネクロマンサー「それも空しい、魂の炎かな……クククッ」
同門「……この……野郎ぉ!!」
ネクロマンサー「このまま続け、死を選びますか……」
同門「ふざけるなああぁぁ!!」
ネクロマンサー「ククッ!その……目!!」
同門「はああぁぁ!!」
ネクロマンサー「生意気…諦めれば良いものを……っ!」
同門「りゃああぁぁーっ!!」
ネクロマンサー「殺しはしませんよ。貴方はね……」
スゥッ
ネクロマンサー「新しい人形として、遊ばせて頂きますよ。ククッ」
同門「――っ!!」
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
644 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/11(金) 18:43:33.83 ID:11z4qsOoo
全然書き溜めてませんごめんなさい…
でも今日は許されますよね…
これから歩いて帰宅します。また明日にでも会いましょう…
皆様もご無事で!心よりお祈りしております!ノシ
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
645 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 18:57:32.29 ID:vDi7cvsko
むしろ投下されると心配になるくらいだ
今は災害対策に集中してくれ
気を付けてな
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
646 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 18:59:48.51 ID:NW32uVQg0
歩きも気を付けたほうがいいぞ。
落下物とかあるかもしれんしな。場所によっては土砂崩れもあるかもしれんし。
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
647 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 19:15:01.92 ID:/dOpO3WLo
気をつけろよ
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
648 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 20:25:07.33 ID:6DP/rS2DO
むしろ更新ないと思ってたから凄いありがたい。
気を付けて!
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
649 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 21:32:35.65 ID:2sNDKhkAO
>>1
おつ
茨城だが地震の時は世界が揺れてたわ。二度と味わいたくねぇなこりゃ
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
650 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/11(金) 22:53:42.71 ID:oS+xxkzY0
1乙
すごい揺れだった
きをつけて
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
651 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/12(土) 01:42:43.25 ID:J/rye6hjo
無事、帰宅致しました!途中から電車復旧してくれて良かった…
でも気持ち悪いし疲れちゃったので、寝させて頂きます
皆様の安否が気になりますが、どうかご無事でありますように
それでは失礼致します!ノシ
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
652 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 01:45:34.11 ID:xdxvYssbo
乙!
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
653 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/12(土) 02:23:02.12 ID:X+c7rpqDO
>>1乙
やっぱ同門はネクロマンサーの性奴隷・・・じゃなくて人形にされるのか
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
654 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/12(土) 03:28:15.30 ID:V7ambCKAO
いちが無事でよかった
みんなも無事か?
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
655 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 05:39:01.62 ID:vQws59pAO
避難所から
>>1
乙
656 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 10:03:49.24 ID:B6KMlKNDO
>>1
乙
>>655
も頑張って
657 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 10:18:35.68 ID:YvrV1t9uo
1生きててよかった…
658 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 16:38:06.19 ID:azofK1NOo
そして玄武娘のリヴァイアサンは不謹慎技として封印されるのであった
659 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 18:44:09.58 ID:vWO7o78DO
>>1
乙
そういう反応の仕方するからおかしくなる
660 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 23:16:38.44 ID:4bG3guxSO
>>1
は福島在住
つまり・・・もう・・・
661 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/13(日) 00:29:22.47 ID:RI42IMDDO
>>660
つまり、避難したわけか
662 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/13(日) 00:38:44.48 ID:c8UFCaMDO
いや、
>>1
は都内だぞ
663 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/13(日) 01:06:36.90 ID:GjOmTgtg0
お前ら不謹慎だぞやめれ
664 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/13(日) 01:18:44.93 ID:ChCeh+BIO
頑張れ、みんながんばれ
665 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:14:26.72 ID:TlyImG+Oo
ネクロマンサー「これで……終わりです」
呼吸を荒く身を屈め、攻撃に備える同門。
しかしそれは無意味な抵抗であり、漆黒の双鞭、
即ちネクロマンサーの両腕より伸びた触手は、
フェニックスの反攻を避ける様に、地面すれすれを伸び、
一直線に同門の脚部へと空を切り裂いた。
ザシュウウゥゥッ!!
同門「……っ!!」
ネクロマンサー「……?」
何かを切り裂いた音が周囲に響き渡る。
それは同門の脚部……ではなく、それを狙ったネクロマンサーの触手であった。
ネクロマンサー「……何者です?」
ザザッ
同門「お……前ら…っ」
同門の前に立ちはだかる三つの影。
666 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:15:24.85 ID:TlyImG+Oo
偽戦士「……立てるかっ!?」
ウィッチ「…近づけさせないでございます……っ!」
くの一「何だ……あの魔物は!?」
同門「何…しに来やがった……っ」
偽戦士「何しにって……」
くの一「……仲間だろ」
ウィッチ「助けに来たでございます……っ!!」
同門「……っ」
ネクロマンサー「…いやはや、麗しき仲間愛と言ったところですか」
偽戦士「……てめぇは…ネクロマンサー!!」
ネクロマンサー「ほぉ、私をご存知とは光栄ですね。ククッ」
偽戦士「光栄も何も……いけすかねぇんだよ!」
ネクロマンサー「いけすかない……?」
偽戦士「元、人間の分際で……コソコソうぜぇんだよ!!」
ネクロマンサー「……ほぉ」
667 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:15:50.71 ID:TlyImG+Oo
くの一「……」
ネクロマンサー「貴方、魔族ですね?」
偽戦士「……」
ネクロマンサー「魔族なのに、人間と共闘しますか」
偽戦士「てめぇは、人間だったくせに魔族と世界制服ってか?」
ネクロマンサー「……面白い。全く逆の立場で…戦うとはねぇ」
ウィッチ「……っ」
ネクロマンサー「貴方に利用価値はありません。……死になさい」
偽戦士「そう易々と……殺されてたまるかよぉ!」
くの一「来るぞっ!!」
同門「早く……逃げろ……っ」
ウィッチ「……援護するでございます!」
同門「早く逃げろおぉ!奴は…不死身だぞっ!!」
ネクロマンサー「虫けケラが……大口を叩く」
偽戦士「行くぞぉ!同門を守れ!!」
668 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:16:23.29 ID:TlyImG+Oo
くの一「ああっ!」
ウィッチ「同門さんっ。下がって下さいでございます!」
同門「頼むからやめてくれぇ!!」
ネクロマンサー「ククッ、ハーッハッハッハ!!」
ビュオオォォッ!!…ヒュンッ…ヒュンッ
くの一「かわせるっ!、見えているぞ!」
偽戦士「触手が厄介だ!懐に飛び込むぞ!」
タタッ…シュンッ
偽戦士「でりゃああぁぁ!!」
くの一「はああぁぁ!!」
ネクロマンサー「……甘いんですよっ」
くの一「っ!?」
ネクロマンサーの全身より、無数の針が飛び出す。
偽戦士「な…っ!?」
ネクロマンサー「本当に…詰めが甘い」
669 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:17:31.98 ID:TlyImG+Oo
偽戦士「……お前だよ」
ネクロマンサー「!?」
飛びかかる偽戦士とくの一めがけ迫る、ネクロマンサーの触手針。
しかしその猛攻は、突如せり出す土の壁によって遮られ、
ネクロマンサーはその動きを急停止し、眼光を鋭く言い放つ。
ウィッチ「……させないでございます……っ」
ネクロマンサー「貴……様ぁ」
クルッ
ネクロマンサー「……貴方も、死にたいのですか?」
ウィッチ「……っ!!」
同門「早く逃げろっ!逃げるんだ!!」
ネクロマンサー「ククッ、ならばお望み通り……」
ヒュッ
ネクロマンサー「!?」
同門「!?」
670 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:18:44.67 ID:TlyImG+Oo
くの一「はあぁ!!」
偽戦士「余所見してんじゃねええぇぇ!!」
ザシュッ!!…ドッグオオォォ!!
ネクロマンサー「こ……の……」
偽戦士「手を止めるなっ、攻撃し続けろ!!」
くの一「はああぁぁ!!」
ウィッチ「やあぁーっ!!」
ドドオオォォン!!…ゴアオオォォ!!
ネクロマンサー「く……おぉ……」
偽戦士「一挙に押し返せぇ!」
ウィッチ「はいでございます!」
ネクロマンサー「……ッ!!」
ドスススッ!!
偽戦士「……っ」
ネクロマンサー「あんまり……調子に乗るんじゃあない……」
671 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:20:24.13 ID:TlyImG+Oo
腹部に突き刺さる数本の触手を見つめ、ドッペルゲンガーは笑う。
偽戦士「この程度で…俺が殺せるかよ」
ネクロマンサー「……お前、不死か。つまりは……」
ザクゥッ!!
ネクロマンサー「人間に化けた……ドッペルゲンガーですか」
偽戦士「ご名答っ!!」
ウィッチ「くの一さん、今のうちに同門さんを!」
くの一「……分かった」
ネクロマンサー「……」
チラリ
ネクロマンサー「成程、良い作戦です」
ウィッチ「……っ」
ネクロマンサー「しかし……」
フッ
ウィッチ「きっ、消え――」
672 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:20:50.74 ID:TlyImG+Oo
偽戦士「違うっ!後ろだ!!」
スウッ
ネクロマンサー「……ククッ」
ウィッチ「あ…っ――」
ドスッ
一瞬の内に、ウィッチの背後へと現れたネクロマンサーは、
数本の触手を尖らせ、背後よりウィッチ触手で串刺す。
ウィッチ「か……っ!!」
くの一「っ!!――ウィッチ!!」
偽戦士「傷は深くねぇ!!それよりもそっち――」
フッ…スウッ
くの一「な……っ!?」
ネクロマンサー「次は……貴方ですよぉ?」
偽戦士「避けろぉーっ!!」
同門を助けに走るくの一の元へ現れた黒い影は、再び触手の針を伸ばした。
673 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:21:16.75 ID:TlyImG+Oo
ビュオオォォ
同門「――っ!!」
バシィ!!…ビュオンッ
偽戦士「消え……た!?」
ネクロマンサー「……何者です?」
その場より消えたように見えたくの一は、だき抱えられ、
ネクロマンサーより離れたきの上で呆然と、その男を見つめる。
くの一「あ……なた…は…っ」
――「盗賊…ではないようだな。……大丈夫か?」
くの一「頭領……っ!?」
ネクロマンサー「貴様…ぁ!!生きて……」
影忍「……残念だったな、ネクロマンサー」
ネクロマンサー「……ククッ、クククククッ!!」
影忍「!?……まずいっ!その少女を頼むぞ!」
偽戦士「お、おうっ!」
674 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:21:45.59 ID:TlyImG+Oo
タタッ
影忍「動けるかっ!?」
同門「……っ」
影忍「高魔力……っ。何かくるぞ!」
偽戦士「同門、立って退がれっ!!」
影忍「くるぞっ!!」
偽戦士「間に合わ――」
ネクロマンサー「ガアアァァァァーッ!!」
カッ!!……ズガアアァァァァッ!!
影忍「ぐく……っ!!」
くの一「……っ!!」
同門「う……ぐっ!!」
ドドオオォォォォ…ガラガラガラッ…ゴトッ
突如、ネクロマンサーの体内より発せられた魔力の力により、
同門らを含め、周囲の木々や岩が、その場より吹き飛んだ。
675 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:22:18.13 ID:TlyImG+Oo
ドドオオォォ…ゴトッ
影忍「……ぐく…っ」
くの一「……う……っ」
影忍「……大丈夫か?」
だき抱えた胸の胸の中で顔をしかめるくの一に、影忍は声を掛ける。
くの一「…は……い」
影忍「……他の者らは……っ」
キョロキョロ
くの一「……っ」
影忍「どうやら吹き飛ばされて、崖下に転落したらしいな」
くの一「……あ、あの」
影忍「立てるか?」
くの一「……はい」
影忍「一旦この場を離れる。いいな?」
くの一は無言のまま、強く頷いた。
676 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:22:44.91 ID:TlyImG+Oo
オオォォォォ
同門「…………」
ゴトッ…ガシャアァ
同門「…かはっ、はぁ……はぁ……」
己の上に積み重なった岩をどけ、同門が顔を出す。
同門「……っ」
ヨロッ…キョロキョロ
同門「…………」
目の前で直撃を受けた同門であったが、なけなしの魔力で
咄嗟に出した召喚獣が壁となり、最悪の状況は免れた。
同門「……っ」
しかし、その周囲には誰もいない。衝撃により、影忍らとはまた違った、
崖の下へと勢いよく吹き飛ばされたのだ。
同門「……く……そ…ぉ」
起き上がった同門は、そのまま意識を失い、再び地面へと倒れた。
677 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:23:18.83 ID:TlyImG+Oo
偽戦士「……く……ぅ」
ウィッチ「……」
偽戦士「……息は…あるな」
身体の下で気を失うウィッチの呼吸を確認し、ドッペルゲンガーは笑う。
偽戦士「……くそ…っ」
背中に圧し掛かる岩を、なんとか退けようともがくが、
それは無常にも、ピクリとも動かない。
偽戦士「せめて……ウィッチだけでも……」
ガラッガラッ…ゴトッ
偽戦士「……っ」
スゥッ
ネクロマンサー「…………」
偽戦士「てめぇは…人間としても、魔族としても……最低だな」
目の前に立つ黒い影を見上げ、ドッペルゲンガーは苦笑する。
ネクロマンサー「……クククッ、ハーッハッハッハッハ!!」
678 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/13(日) 02:32:12.79 ID:TlyImG+Oo
祖母と親戚が水没した地区に住んでおり、何とか無事は確認できましたが、
依然、孤立状態らしく気が気でないです……
ネット義援金や夕方からの節電には協力しましたが、
自分が出来る事は拙い分をつらつら垂れ流すだけなので、
不謹慎、過激な表現もあるかと思いますが、自粛せず書こうと思います!
無関係ですのでご容赦下さい。せめて明るい場面なら良かったのですが…
この後も何があるか分かりませんので、
皆様も身の安全を最優先にお過ごし下さい!
ご支援&ご心配、本当にありがとう!それでは失礼致します!
679 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/13(日) 02:47:42.56 ID:9zUjiNsQ0
>>1乙
1の文を読んで安心する人もきっといるはず……多分きっとおそらく。
680 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/13(日) 03:09:37.56 ID:VA7wqS5AO
>>1
ありがとう!不安が和らぐよ!
気にせずと言ったら無理があるかも知れないけど、
>>1
のペースでどうぞお願いします。
681 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/13(日) 03:52:44.51 ID:LxEryIc+0
<<1乙‼
影忍って、盗賊の…⁉
この奇跡の復活が、東北地方の復興に繋がりますように。
682 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/13(日) 04:18:47.72 ID:3HrQMP7SO
1おつ!
不謹慎っていうより、むしろ安心できる
意見は人それぞれだろうが、無理せず更新してくれるのが
俺としては嬉しい
「最終話見るまでは[
ピーーー
]ない」って人も何人かいると思うんだよね
偽善者と思われようが生きていてほしいわ
マジレスですみません
683 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/13(日) 08:51:55.07 ID:zSbM5sFR0
それはなマジレスやなくてな、感想いうんやで
684 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 00:19:01.09 ID:xAertwpgo
wktk
685 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:32:40.62 ID:NYlszuIJo
〜西方、西の港〜
戦士「本当に行かねーのか?」
玄武娘「はいですの」
朱雀嬢「私達も…やるべき事が分かってきましたわ」
盗賊「……そうか」
召喚士「これから、どちらへ行くんです?」
朱雀嬢「それはまだ分かりませんわ」
玄武娘「でも、立ち止まってる場合じゃないですのっ」
魔道士「…そうね……そうだよねっ」
戦士「お互い、頑張ろうぜ」
玄武娘「はいですの!」
召喚士「それじゃ、俺らは三日月島へ……」
朱雀嬢「朱雀先生……っ!」
召喚士「…?」
朱雀嬢「ちょっと……宜しいかしら?」
686 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:33:14.95 ID:NYlszuIJo
召喚士「な、何でしょうか…?」
朱雀嬢「……お教え致しますわ」
召喚士「……?」
朱雀嬢「ハーピー。お役に立つと思いますわ」
戦士「!?」
双子姉妹「ハーピー?」
召喚士「ほっ、本当ですか…!?」
朱雀嬢「ええ。宜しくてよ」
召喚士「ありがとうございますっ!!」
朱雀嬢「ここでは人が多いので……あちらへ行くですわ」
召喚士「ええ、それじゃ行ってきます!」
魔道士「はいっ!」
スッ…テクテクテク
魔道士「良かったですねぇ、召喚士さんっ」
盗賊「…ああ。そうだな」
687 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:34:02.96 ID:NYlszuIJo
テクテクテクテク
朱雀嬢「この辺りでいいかしら」
召喚士「…はい。お願いします」
朱雀嬢「じゃあ早速、いくですわよ」
召喚士「……はい」
スゥッ
朱雀嬢「出て来いっ、ハーピー!」
シュイイィィン
召喚士「……おぉ…っ」
現れた女性の顔を持つ召喚獣、ハーピー。
両手の代わりに持つ羽を大きく広げ、背伸びのように大きく身を反らす。
ハーピー「んんーっ!!」
朱雀嬢「ご存知の通り、ハーピーですわ」
ハーピー「そうよんっ。ハーピーですわ〜」
召喚士「……ど、どうも」
688 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:35:53.21 ID:NYlszuIJo
朱雀嬢「さて、ハーピーはご存知の通り……」
フワッ…バサッバサッ
朱雀嬢「飛行能力と……」
ヒュンッ…ヒュンヒュンッ
朱雀嬢「スピードを生かした物理攻撃。これが基本能力ですわ」
召喚士「他にも能力が……?」
朱雀嬢「……ハーピー」
ハーピー「はいなっ!」
ヒュイイィィ……ゴウッ!!
召喚士「――っ!!」
朱雀嬢「威力は弱いですけれど、風も操れますわっ」
召喚士「す…凄……」
ハーピー「ちょっと〜っ、弱いって何よ〜」
朱雀嬢「事実ですわ」
ハーピー「何ですってぇ〜っ!?……ひどいっ!」
689 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:36:35.87 ID:NYlszuIJo
…
朱雀嬢「…さぁ、召喚してみて下さいですわ。イメージは大丈夫のはずですわ」
召喚士「……ええ」
ハーピー「な〜に?貴方も召喚するの〜?」
召喚士「……行けっ!ハーピー!!」
シュイイィィン
召喚士「……っ!!」
シュウウゥゥ…
朱雀嬢「……お見事ですわっ!」
ハーピー「……」
召喚士「…は、始めまして」
ハーピー「貴方が……呼んだの?」
召喚士「……は、はい」
ハーピー「……ふふっ、イイ男じゃない……イジめ甲斐があって」
召喚士「えっ!?」
690 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:37:27.87 ID:NYlszuIJo
バサッ…バサッ…ストッ
召喚士「……あ、あの…っ」
ハーピー「ふふふっ、貴方……」
召喚士の前に舞い降り立つハーピーーは右の羽で召喚主の顎を撫でる。
サワッ…ツツーッ
召喚士「――っ!!」
ハーピー「攻められるの……好きデショ?」
召喚士「!?」
ハーピー「照れちゃって……ふふっ」
召喚士「そ、そんな事……」
ハーピー「そうなのぉ?そー見えるけどぉ……」
サワサワサワッ
召喚士「ち、ちょっと……っ!」
ハーピー「……あぁ、もしかして……まだなのかしら?」
召喚士「っ!!」
691 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:38:15.17 ID:NYlszuIJo
ハーピー「顔真っ赤。ふふっ、カッワイイー!」
召喚士「やめて下さいっ!!」
朱雀嬢「……あ、あのあのっ……その…っ!」
召喚士「あっ、す…すみません!」
ハーピー「あっ!!ちょっと――」
シュイイィィン
召喚士「……何なんだ一体…っ」
朱雀嬢「……あ、あの…っ」
召喚士「は、はははっ!困ったもんですね…!」
朱雀嬢「……っ」
召喚士「……はぁ」
朱雀嬢「あの……」
召喚士「す、すみませんっ!気にしないで下さいっ!」
朱雀嬢「いえっ、そうじゃなくって……」
召喚士「……?」
692 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:47:41.96 ID:NYlszuIJo
テクテクテクテク…スッ
召喚士「…あ、あのっ」
朱雀嬢「…………」
召喚士「何でしょ――」
朱雀嬢「……私、まだ…諦めたわけではないですわ」
召喚士「…へっ?」
朱雀嬢「……最後まで…諦めませんですわっ」
スッ……チュッ
召喚士「――っ!?」
朱雀嬢「……お、お元気でっ!また近いうちに…ですわっ!」
召喚士「あ……っ」
タッタッタッタッタ
召喚士「……」
一人残された召喚士。唇の触れた頬を手で押さえ呆然と立ち尽くす。
しばらくの後、ふと我に返り、朱雀嬢の後を追うように皆の下へ戻って行った。
693 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/14(月) 00:52:01.56 ID:NYlszuIJo
被災地ではないですが、色々と大変な事になってきました…
とにかく頑張りましょう!それでは失礼致します!ノシ
694 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 00:58:05.57 ID:CFxW8WBgo
乙!
695 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 01:00:12.10 ID:xAertwpgo
乙
無理はしないでなー
696 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 03:29:01.85 ID:PiGA5VqDO
>>1
乙っす
召喚師マジ主人公
697 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/14(月) 03:43:19.01 ID:mt9VBZlc0
1乙
ようやくコカトリス以外の朱雀召喚獣ゲット
698 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 09:31:52.65 ID:qGTCC2xAO
>>1
おつ
699 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/14(月) 12:04:47.64 ID:MKWb/n4DO
欝、展開はダメ!
出来たら楽しいので、お願いします!
700 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:04:03.41 ID:99/CZB6Oo
テクテクテクテク
魔道士「あっ、おかえりなさーい!」
召喚士「……どっ、どうも」
魔道士「どうでしたっ!?」
召喚士「え、えっと……はい」
魔道士「…?」
戦士「とりあえず、ハーピーはゲット出来たんだよな?」
召喚士「うん。……朱雀嬢さんは?」
盗賊「…さっき、玄武娘と去ったぞ」
召喚士「そう…ですか……」
双子姉「何か」
双子妹「ありました?」
召喚士「えっ!?い、いや…っ、何もないですっ!」
魔道士「……?」
召喚士「お、俺達も行きましょうか!はははっ!」
魔道士「はいっ!えへへ!」
701 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:05:11.47 ID:99/CZB6Oo
…
ザザーン
双子姉「三日月島とは」
双子妹「どういった所なのですか?」
戦士「今は本国と西方が半々の持ち物になってる島だ」
双子姉妹「へぇ〜っ!」
召喚士「いい所ですよ。緑が沢山あって」
魔道士「そうなんですよ〜」
双子姉「それは」
双子妹「楽しみっ」
戦士「西方からの船も開通したみたいだし、楽になったよなぁ」
盗賊「…うん」
召喚士「とにかく神官さんに会わないと……」
魔道士「ですねぇ……」
盗賊「……何もなければ良いがな」
召喚士「ええ……」
702 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:06:28.63 ID:99/CZB6Oo
船に揺られる事数時間あまり、一同は三日月島へと到着した。
〜三日月島、北の港〜
魔道士「到着です〜!」
双子姉「ここが」
双子妹「三日月島……」
召喚士「神官さんはおそらく、ここより南の砦にいるはずです」
戦士「おっしゃ、そんじゃ早速、行ってみますか!」
盗賊「…だな」
双子姉「これは」
双子妹「何です?」
魔道士「ほんとだっ!カワイイ〜!」
戦士「……おい、お土産なんぞ後回しにしろ」
召喚士「いいんじゃない?そんなに急ぐものでもないし…」
戦士「そりゃま、そうだけどよ」
双子姉「これは」
双子妹「買いですね」
魔道士「私も買っちゃお!えへへっ!」
703 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:07:30.60 ID:99/CZB6Oo
…
盗賊「…すっかり夜だな」
戦士「…ったく、チンタラしてっから」
魔道士「ごめんなさい……」
双子姉妹「ゴメンナサイ」
戦士「いいんだけどさ、何かと気を遣われるのがなぁ…」
召喚士「うん……」
戦士「…おっ、見えてきた!あれかっ!!」
召喚士「うん!」
目の前にそびえ立つ強固な城壁。その先にちらほらと光が見える。
魔道士「ここが西国のとりでですね〜」
召喚士「さて、神官さんはいるかな……?」
テクテクテクテク
召喚士「あの、すみません」
西国兵「…はい?」
704 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:08:22.32 ID:99/CZB6Oo
召喚士「神官さんはいらっしゃいますか?」
西国兵「神官様……ですか?」
召喚士「召喚士、と申します。お会いしたいのですが…」
西国兵「しばしお待ちを」
ザッ…テクテクテク…
双子姉「神官さんという方は」
双子妹「偉い方なのですか?」
戦士「ああ。西国のナンバー2だからな」
双子姉妹「――っ!!」
しばらくの後、先程の兵が慌てて戻ってくる。
タッタッタッタッタ
西国兵「どっ、どうぞ!お入り下さいませ!!」
召喚士「ど、どうも……」
魔道士「失礼します〜」
双子姉「凄い……」
双子妹「態度の急変…」
戦士「…いつもの事だ。気にすんな」
705 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:09:13.61 ID:99/CZB6Oo
…
カツカツカツ
西国兵「お連れ致しました!!」
召喚士「……神官さんっ!」
神官「これは皆様、遥々どうなさいましたか?」
魔道士「ご無沙汰してます〜」
召喚士「実は…神官さんにお伺いしたい事がありまして…」
神官「私に、ですか……?」
召喚士「はい」
神官「何でしょう?」
召喚士「……西方で妙な噂を聞きました」
神官「噂……ですか?」
召喚士「何やら、古代の召喚術の書物を探している者がいるとか…」
神官「古代の……?」
召喚士「はい。本国にあったものです。盗賊団に依頼し、それを…」
706 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:09:48.87 ID:99/CZB6Oo
神官「もしやそれは、アヌビスの手掛かりになるのでは…?」
召喚士「……?」
神官「どこにあるのです!?」
召喚士「い、いやっ。俺もそれが知りたくて……」
神官「何と、そうでしたか……」
戦士「神官さんじゃねーのか?」
神官「残念ながら……私ではありません」
召喚士「……そうでしたか」
魔道士「良かったです〜」
神官「良かった…?」
召喚士「…何でも、その召喚術は禁呪と言われるものらしく……」
神官「……禁呪」
召喚士「ええ。自己犠牲の元に、召喚獣を呼び出すと……」
神官「……何とも物騒な話ですね」
召喚士「ええ、そうなんです」
707 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:11:12.73 ID:99/CZB6Oo
神官「……成程、理解出来ました」
盗賊「……」
神官「それが私の仕業ではないかと……」
戦士「…ああ。ぶっちゃけその通りだ」
神官「……そうでしたか」
召喚士「少し、心配してしまって……」
神官「ありがとうございます。しかし、私ではないようです」
魔道士「良かったですよ〜」
戦士「つー事は、他に禁呪を用いようとしている奴が……?」
召喚士「いるって事だね……」
神官「……ふむ。西方にそのような召喚士がいるとは聞きませんが」
召喚士「とにかく、もし会う事があったら伝えて下さい」
神官「分かりました。心得ておきましょう」
魔道士「これでひとまずは…安心ですねっ!」
召喚士「ええ、良かったですよ!」
708 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:11:41.19 ID:99/CZB6Oo
…
戦士「……」
盗賊「……」
双子「凄い…」
双子妹「ご馳走です」
神官「さぁ、遠慮せずに御寛ぎ下さい」
召喚士「……何だか…すみません」
魔道士「いつもいつも本当に……」
神官「良いのですよ。我々がこうしているのも皆様のお陰です」
戦士「じゃあ…遠慮なく……」
盗賊「…いただきます」
双子姉「この人達……」
双子妹「本当に何なの」
魔道士「こっちが聞きたいです……」
召喚士「ええ…本当に……」
いつもの如く、大層な持て成しを受け、夜は更けた。
709 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:13:42.67 ID:99/CZB6Oo
〜次の日〜
召喚士「それでは、お世話になりました」
双子姉妹「なりました〜!」
神官「いえいえ。また是非、お越し下さいませ」
戦士「そっちも頑張って下さい」
神官「ええ、ありがとうございます」
盗賊「……それじゃ、行こう」
魔道士「失礼しまーす!」
召喚士「では、また」
テクテクテクテクテク
神官「……」
クルッ…ザッザッザッザ
副官「お帰りになられたようですね」
神官「…ああ」
副官「思ったより…情報が漏れているようで」
710 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:17:11.93 ID:99/CZB6Oo
神官「……きにする事はない。地下の施設は見られておらぬ」
副官「アヌビスの研究ももうじき官僚致します。そうすれば…」
神官「…ああ。完成してしまえばもう、どうする事も出来ぬ事さ」
副官「……しかしっ、本当に宜しいのですか……?」
神官「……私の問題だ。君達が心配する必要はない」
副官「しかし……」
神官「私一人の命で、何百の犠牲が救えるのだ」
副官「……」
神官「それで良いではないか」
スッ…テクテクテクテク
副官「神官様……っ」
西方での一件も、ひとまずは収束し、召喚士らは本国へと戻る。
その裏では人々の想いが交差し、事態はその刻へとむかっている。
彼らが全てを知る時、迎える結末とは如何なるものなのか。
それはまだ誰も知らない……。
〜第四十部、完〜
711 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:18:13.56 ID:99/CZB6Oo
とりあえずここで区切って、本編は一旦中段します!
ここからは何か楽しい番外編でも書こうかと思います!
ご希望あれば仰って下さいませ!!ノシ
712 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:19:03.83 ID:99/CZB6Oo
この期に及んで……くそぅ
中段→中断
713 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/14(月) 13:35:22.11 ID:MKWb/n4DO
同門一行、活約編
スカット、とバッタバッタと行けるなら、お願いします!
714 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 13:37:23.07 ID:zUxZLbpYo
肛門一行、括約筋
と読んだのはオレだけじゃないはず
715 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 13:50:20.54 ID:xAertwpgo
ムキムキマッチョはウィッチちゃんだと……!?
うん、流石に無いな
716 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:53:48.49 ID:99/CZB6Oo
偽戦士「でっりゃああぁぁ!!」
ゴブリン「――ッ!!」
ザシュッ
くの一「これで粗方、片付いたな」
ウィッチ「そうみたいでございますっ!」
偽戦士「…おーい、そっちは大丈夫かぁ?」
同門「……」
ゴブリン「感嘆にやられる俺っちじゃないだぎゃー!」
同門「…ふん」
スゥッ…チャキッ
同門「……はぁ!」
ザシュッ……ドサッ
偽戦士「…おーお見事」
同門「この程度、召喚獣を出すまでもない」
くの一「……だな」
717 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:55:14.28 ID:99/CZB6Oo
同門「行けっ!フェニックス!!」
〜召喚士「行けっ!コカトリス!!」番外編〜
718 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:56:03.96 ID:99/CZB6Oo
…
偽戦士「あー腹減ったぁ」
テクテクテクテク
ウィッチ「もうじき町が見えるでございます。我慢しましょう」
偽戦士「…ったく、同じ魔道士でこうも違うとはなぁ」
ウィッチ「何の話でございますか?」
偽戦士「あっちの魔道士は料理上手で…そりゃもう……」
ウィッチ「……ひどいでございます」
くの一「お前、いい加減にしろよ?」
偽戦士「なーんだよ、まぁそう怒るなって。胸を揉んだ仲じゃないか」
くの一「貴様が一方的に揉んだのだろうが!」
偽戦士「…まぁ、そうとも言う」
くの一「……っ」
チャキッ
偽戦士「うわっ、ちょ…落ち着けって!!」
719 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:56:30.24 ID:99/CZB6Oo
…
ウィッチ「でも、同門さんて不思議でございますね」
偽戦士「ん?あぁ、不思議っつーか変わりモンだなありゃ」
くの一「うん」
ウィッチ「もっと、仲良くすればいいのに……」
偽戦士「本当だよね。ビミョーな距離で歩いてるし……」
くの一「うん」
ウィッチ「こっちから…話すべきでございますかね?」
偽戦士「ほっとけ。ああいうの何て言うんだっけほら、コミュ……」
くの一「……」
ウィッチ「でも、パーティー仲間でございますし……」
偽戦士「ヤローに興味はない」
くの一「そもそも…仲間と思ってるのか?」
ウィッチ「でもでもっ、寂しそう――」
同門「……うるさいっ!全部聞こえんだよっ!!」
720 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:57:12.97 ID:99/CZB6Oo
偽戦士「おい、怒ったぞ」
くの一「怖い怖い」
ウィッチ「怒っちゃ…嫌でございます……」
同門「貴様ら……っ」
偽戦士「嫌なら出てきゃいいじゃーん!」
くの一「そうだそうだ」
ウィッチ「嫌なんで…ございますか?」
同門「……くっ!」
ザッ
同門「あー分かった。じゃあな!」
ザッザッザッザッサ
くの一「…おい。行ってしまったぞ」
ウィッチ「は、早く追うでございますっ!」
偽戦士「ほっとけって。どーせすぐ、寂しくなって帰ってくるよ」
同門「だから聞こえてるんだよっ!!」
721 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/14(月) 13:59:35.45 ID:99/CZB6Oo
では帰宅しますー!ご支援ありがとうでした!ノシ
722 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 13:59:56.81 ID:zUxZLbpYo
リクからの反応早っ
期待
723 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 14:00:46.04 ID:zUxZLbpYo
と思ったら終わってたwwwwww
おつーノシ
724 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 15:27:16.13 ID:w9MLeuTAO
相変わらず
>>1
乙んつん
とりあえず
>>714
は眼科行け
725 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 18:35:18.10 ID:Lgp4MNmLo
帰宅、出勤が可能だったということは23区内か職場と自宅がすぐ近くのどちらかという可能性大だな
>>1
乙
726 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 19:03:43.46 ID:cQJ/GKhX0
いま福島だが
俺も感嘆に滅入るわけにはいかんなぁ
東京も大変そうで
727 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 19:07:17.78 ID:xAertwpgo
父親が仕事で相馬に行ってるよ
正直、気が気じゃない
728 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 20:42:08.26 ID:qkvaUKLn0
福島人だが、こんな時こそめげちゃいかんよな
これを励みに頑張るわ
729 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:00:59.07 ID:NYlszuIJo
ザッザッザッザッザ
ウィッチ「本当に、行っちゃったでございますよ?」
偽戦士「だからほっとけって。どーせすぐに寂しくて戻ってくるよ」
くの一「そうか?」
偽戦士「むしろ俺としては……」
ウィッチ「ふぇっ!?」
くの一「な……っ!?」
モミモミムニュッ!!
偽戦士「両手に花…いやっ、両手におっぱ――」
くの一「やめんかあぁ!!」
ウィッチ「きゃああぁぁーっ!!」
バキィッ!!…ドカァ!!…ドサッ
くの一「…ふんっ、全く」
ウィッチ「破廉恥でございますわっ!ぷんぷんっ!」
偽戦士「……このノリ、あれだ…ギャグ漫画的なあれだ…うん」
730 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:01:46.43 ID:NYlszuIJo
〜夜!〜
カポーン
くの一「…風呂はいいね、風呂は心を潤してくれる。人の生み出した文化の極みだよ」
カラカラッ
ウィッチ「……」
くの一「女同士だ。そんなに隠さなくとも良いぞ」
ウィッチ「い、いえ…っ」
くの一「……」
ウィッチ「傷とか多くて……恥ずかしいでございます……」
くの一「……そうか」
ウィッチ「失礼しますでございます」
チャポッ
ウィッチ「……はぁ〜。暖かい〜っ」
くの一「風呂はいいぞ。風呂は心を潤し……」
カサッ
731 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:02:24.72 ID:NYlszuIJo
くの一「曲者っ!!」
シュバッ…カポンッ!!
――「ぎゃっ!!」
ウィッチ「えっ!?」
タタッ…ジーッ
くの一「……逃がしたか」
ウィッチ「ま、窓の外でございますかっ!?」
くの一「……ああ」
ウィッチ「……まさか」
くの一「そのまさか、だろうな」
ウィッチ「破廉恥でございます……っ」
ザバッ
ウィッチ「もう…出るんでございますか?」
くの一「とどめをさしてくる」
ウィッチ「…なるほど。お供するでございますっ!」
732 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:02:48.45 ID:NYlszuIJo
…
偽戦士「ふふんふーん」
スタスタスタ
偽戦士「風呂上りには…やっぱりこれよ!」
キュポッ
偽戦士「タオル一丁!腰に手をあてて……一気に!」
グイッ!!…ガチャッ
くの一「こらぁ!!」
偽戦士「ぐふおぉっ!!」
ウィッチ「!?」
偽戦士「げほっ、ごほっ!ごほっ!……ノッグぐらい゛じろよ゛……っ」
くの一「すすっ、すまぬっ///」
ウィッチ「……ひゃああぁぁ///」
偽戦士「……げほっ、んで…何だよ」
くの一「お、お前……風呂を覗いたろっ!」
733 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:03:15.80 ID:NYlszuIJo
偽戦士「はぁ!?ってか……風呂入ってたのかよ……っ!!」
ガクッ
偽戦士「こんなチャンスをみすみす逃すとは……」
くの一「とぼけるな!お前以外に誰が覗くというのだっ」
偽戦士「いや、あのな……。冗談抜きで俺じゃないんだって」
ウィッチ「……本当で…ございますか?」
偽戦士「ああ。俺の股間に誓って言う!違う!」
くの一「意味が分からんっ!!」
偽戦士「いやほら、覗いた後なら股間が――」
ドグッ!!
偽戦士「――っ!!」
くの一「そ、そんなものは潰れてしまえっ」
ウィッチ「いっ、痛そぉ……っ」
ドサッ…ピクピク
偽戦士「……潰れました……心が」
734 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:04:19.15 ID:NYlszuIJo
…
偽戦士「だーから、俺は風呂に入ってたっつーの」
くの一「まぁ……よく考えれば、その格好を見れば確かに……」
ウィッチ「そ、そうでございますね…」
偽戦士「蹴られ損だよ全く……」
くの一「……す、すまん」
偽戦士「罰として揉ませろ」
くの一「はぁ!?」
ウィッチ「でもっ、じゃあ…犯人は?」
偽戦士「…あー、あいつじゃねぇの?」
ウィッチ「同門さんでございますか!?」
くの一「あの男はそんな真似せんだろ」
偽戦士「何そのエコ贔屓……」
くの一「日頃の行いだ」
偽戦士「……ちぇっ」
735 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:05:25.45 ID:NYlszuIJo
〜近くの公園〜
同門「……ぶぇーっくし!!」
ゴシゴシ
同門「……冷えたか」
スクッ
同門「……ん?」
タッタッタッタッタ
――「おーいちちちちっ!ひでぇ〜目に遭ったぜぇ!」
同門「……」
――「しっかし……にっひっひっひっひ!い〜い眺めだった事っ」
キジ「サルッ!そこにたさー!」
イヌ「何してるね。もう出発ね」
サル「へいへい。目の保養も済ませたし…行くとすっかぁ!」
タッタッタッタッタ
同門「……な、何だったんだ…?」
736 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:05:52.68 ID:NYlszuIJo
〜昼!〜
偽戦士「結〜局、顔を見せねぇなぁ」
ウィッチ「何だかんだ、心配しているでございますねっ」
くの一「寂しいんだろ?」
偽戦士「バカ言えって!何で俺が……」
ウィッチ「ふふっ」
偽戦士「笑うな!」
くの一「ほら、行くぞ」
偽戦士「行くって……どこにだよ」
くの一「決まっておるだろう。山を登るのさ」
ウィッチ「登山…でございますか?」
偽戦士「そこに山があるから……ってか」
くの一「意味が分からん」
偽戦士「じゃあ何なんだよ」
くの一「決まっておるだろう」
737 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:06:39.25 ID:NYlszuIJo
〜夕方!〜
偽戦士「本当にいるんだろな」
くの一「分からん」
偽戦士「はぁ!?お前が山を登ればいるかもって言ったんだろ!」
くの一「ああ。いる『かも』と言ったぞ」
偽戦士「……屁理屈」
ウィッチ「ま、まぁまぁ!」
くの一「他にあ奴が行きそうな所など、知らん」
偽戦士「…まぁ、そりゃそうだわな」
ウィッチ「でも、私達だけで大丈夫でございますかね?」
偽戦士「あん?何がだ?」
ウィッチ「だって、この辺りには……」
ガサガサッ
ウィッチ「強ーいオーガが出るって……」
くの一「出たぁーっ!!」
738 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:07:14.38 ID:NYlszuIJo
ドズウゥン
オーガ「グワーッハッハッハ!!」
偽戦士「ちぃっ!こりゃでけぇぞ!!」
くの一「ウィッチ!援護してくれっ!」
ウィッチ「はいでございますっ!!」
オーガ「おんやぁ?メスが二匹もおるじゃないかぁ」
ウィッチ「ひぃっ!」
偽戦士「下がってな。俺がやる」
くの一「手を貸す。左右から行くぞ」
偽戦士「いや、お前は牽制しつつ…やばいと思ったらウィッチ連れて逃げろ」
ウィッチ「!?」
オーガ「オニーチャン、かっこいいねぇ!」
偽戦士「へっへ。ちゃっちゃと料理してやんぜ!」
オーガ「…ほぉ、大した根性だのぉー」
偽戦士「…おしゃべりは……これまでよっ!!」
739 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:07:58.02 ID:NYlszuIJo
〜格闘中!〜
バキャアアァァ…ズザァ!!
偽戦士「いっちちちち!!」
オーガ「おーらどうした?まだ一撃も食らってねーぞ」
偽戦士「……だっりゃああぁぁ!!」
オーガ「……ふん!」
バキャアァ!!…ドサッ
偽戦士「…お、おかしい。こんははずは…っ」
くの一「何をしている!?一旦下がれ!!」
ウィッチ「え、援護するでございます!」
偽戦士「仕方ねぇ。本気を出すか……。スーパーデンジャラスミラクル――」
バキィッ!!…ポイッ
偽戦士「あふんっ!」
くの一「あんの馬鹿……っ!」
オーガ「グフフフフッ!さーてさて!」
740 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:09:34.60 ID:NYlszuIJo
ウィッチ「ひ、ひいいぃぃ…っ!!」
くの一「こうなったら……っ!」
チャキッ
オーガ「おいしく頂き……サービスタイ……」
――「行けっ、フェニックス」
キュイイィィン…ガオオォォォォンッ!!
オーガ「ム――ッ!!」
ドッギャアアァァァァンッ!!
オーガ「おかーちゃーんっ!!」
キラーン
偽戦士「お、おま……」
くの一「……っ!!」
ウィッチ「同門さんっ!!」
ザッザッザッザッザ
同門「……ちっ、こんな所で何してやがる」
741 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:10:30.19 ID:NYlszuIJo
偽戦士「な、何って…てめぇを探しに……」
同門「何故、探すっ!?俺が頼んだか?」
ウィッチ「だ、だってぇ……」
くの一「お前は…本当にそれで良いのか?」
同門「……」
偽戦士「仲間…じゃねーのかよ」
同門「……っ」
偽戦士「何だかんだ、四人一緒にここまでやってきたじゃねーか!」
同門「……短い付き合いだけどな」
偽戦士「そんなの関係ねーだろっ!その分……ぶっとい絆だろうがよっ!」
くの一「……少なくとも、私達はそう思っている」
ウィッチ「そうでございますっ!!」
同門「……っ!!」
ダンッ
同門「もう関わるな!俺と関われば……不幸になる……っ」
742 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:11:01.06 ID:NYlszuIJo
ウィッチ「……いいえ」
同門「……?」
ウィッチ「私達三人だって、不幸を乗り越えてきたんでございます」
くの一「ああ。お前だって…そうだろ?」
偽戦士「こっから先は……希望って道しかねーぞ?」
同門「……」
くの一「お前だって分かっているはずだ。だから…助けに来てくれたんだろ?」
同門「…単なる偶然だ」
偽戦士「……へっ!」
グイッ…カサッ
偽戦士「偶然で…しっかり地図握ってかぁ?」
ブンッ
同門「うるさい……っ」
偽戦士「照れるなって!がっははは!!」
ウィッチ「……ふふっ。うふふふ!!」
743 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:11:25.72 ID:NYlszuIJo
…
くの一「……どうするのだ?」
同門「……」
偽戦士「俺らは…行くぞ?」
同門「……」
ウィッチ「同門さん、一緒に…行くでございます」
同門「……だけだ」
ウィッチ「へ…っ?」
同門「…一緒に…ついて行くだけだ…っ!」
ウィッチ「同門さぁんっ!!」
くの一「……へそ曲がりな奴だな」
同門「は、離れろっ!こらっ!」
偽戦士「…ったく。抱きつくのはお前に任せるが…揉むのは、俺担当だぜ?」
バキィ!!…ドカァ!!
偽戦士「……しっかり、オチもつくのね。とほほ……っ」
744 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/14(月) 22:13:36.24 ID:NYlszuIJo
ひとまず
>>713
終了という事で
>>725
ところがどっこい通勤に2時間以上かかりました…
>>726-728
本当にこんな事でしかお手伝い出来ません…
月並みな言葉で恐縮ですが、みんな付いてます!頑張って下さい!!
745 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 22:40:54.84 ID:xAertwpgo
乙っ
746 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 22:58:07.47 ID:umtDXDG0o
くりーく!くりーく!
この偽戦士のギャグっぷりがww
747 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/14(月) 23:46:02.79 ID:PiGA5VqDO
>>1
乙っす
ドッペルのスケベ設定忘れていて油断してたwwwwww
748 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/15(火) 15:11:50.79 ID:NXuyHxav0
1乙
ウィッチがしっかりしてきた
749 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 18:05:06.88 ID:moDotw8Ro
仙台住みだけど生存ー
内陸の方は被害少ないから知り合いが内陸に住んでいる人は安心してくれ
電気の復旧が遅れ気味だし、携帯はまだ繋がりにくいから連絡とりにくいんよ
750 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/15(火) 18:09:46.17 ID:CWSjP1ZDO
>>749
乙!
きついかもしれんけど頑張ってくれ
体調崩さないようにな
751 :
今日も楽しい(?)オマケです!
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:05:07.23 ID:QRUEsVmio
召喚士「……困ったなぁ」
戦士「何が?」
召喚士「何がって……今日は……」
戦士「あぁ、ホワイトデーか」
召喚士「うん。戦士こそどうすんのさ?」
戦士「俺?もうとっくに返し終えたぞ?」
召喚士「えぇっ!?返さないって言ってたじゃん!?」
戦士「……あー。そうだっけ……?」
召喚士「……そんなぁ」
戦士「……ほれ、早くしないと取り返しのつかない事に」
召喚士「えっ?」
チラッ
ソワソワソワソワソワ…
魔道士「ふ、ふふんふ〜ん……ふ、ふふんふ〜ん」
召喚士「……すっごい……期待してるっ!?」
752 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:05:55.86 ID:QRUEsVmio
〜1ヶ月ほど前〜
召喚士「……」
ドクター「…はい。それでは口を開けて下さい」
召喚士「……」
ドクター「痛かったら左手を上げて下さいね」
召喚士「はい」
ドクター「……では」
チャキッ
召喚士「!?あ…あのっ、麻酔とかしないんですか?」
ドクター「あ……っ、します?」
召喚士「もっ、もちろん!!」
ドクター「では、麻酔しますね」
召喚士「あるじゃないですかっ!」
ドクター「じゃあ、麻酔お願い」
召喚士「…?」
753 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:06:39.71 ID:QRUEsVmio
スッ
南方参謀「どうも〜助手の南方参謀でーっす」
召喚士「え!?何で南方参謀さんが――」
南方参謀「それでは麻酔しまーす!えいっ!」
ブッチューッ!!……レロレロレロレロ
召喚士「――くぁwせdrftgyまどうしlp;@」
ガクッ
南方参謀「麻酔完了ですっ、先生!」
ドクター「ご…ご苦労様です」
…
召喚士「……んん」
ドクター「気が付きましたか?終わりましたよ」
召喚士「……?」
ドクター「しばらくは痛むかもしれませんが、治療は全て終えましたので」
召喚士「……あ、ありがとうございます」
754 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:08:34.13 ID:QRUEsVmio
〜病室〜
コンコン…カチャッ
召喚士「具合はどう?」
戦士「…おうっ。とりあえず意識は戻ったし、もうじき退院出来ると思う」
召喚士「そっか…。良かった」
戦士「何だ?わざわざ見舞いに来てくれたのか?」
召喚士「それもあるけど、俺も治療に……」
戦士「治療?」
召喚士「えっと……実は……」
…
戦士「虫歯!?」
召喚士「う、うん……」
戦士「……まぁ、あんだけの量だしな。よく食いきったよ」
召喚士「俺もそう思うよ…。戦士こそ災難だったね……」
戦士「……あぁ、まぁな」
755 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:09:36.34 ID:QRUEsVmio
〜遡る事二日前(25スレ目
>>488
あたり)〜
魔道士「召喚士さんっ!」
召喚士「は、はいっ」
魔道士「今日は何の日だか……知ってます?」
召喚士「えっと……バレンタインデーですか?」
魔道士「ピンポーンですっ!正解〜っ!」
召喚士「ど、どうも」
魔道士「そして、召喚士さんの為に手作りチョコを作っちゃいましたっ///」
召喚士「えっ!?お、俺に……ですか!?」
魔道士「はいっ!食べて…くれます?」
召喚士「もちろんです!喜んで……!!」
魔道士「良かった〜っ。作りすぎちゃって断られるかと思っちゃったぁ」
召喚士「まさか、断りませんよ――」
ドンッ!!
魔道士「はいっ!」
756 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:12:58.56 ID:QRUEsVmio
召喚士「…………」
魔道士「今年は気合入れて……等身大コカトリスチョコです///」
召喚士「…………」
魔道士「氷魔法で冷やしてあるので…しばらく解けませんから……」
召喚士「……えっと」
魔道士「食べて……下さいっ///」
召喚士「……い、いただきます」
魔道士「どうぞ!えへへっ!!」
モグモグ…パクパク
魔道士「どうです!?美味しいですかっ!?」
召喚士「ええ、とても……っ」
魔道士「もうっ、全部食べちゃって構いませんよっ!えへへ!」
〜1時間後〜
戦士「……何してんの?」
召喚士「……うっぷ。あと半分……半分……」
757 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:13:45.43 ID:QRUEsVmio
ジーッ
盗賊「……」
戦士「何してんだ?」
盗賊「――っ!?」
戦士「お、おぉ。悪い…驚かせちまったな…」
盗賊「……い、いや…っ」
戦士「あれは召喚士と魔道士か。何してんだ?」
盗賊「…チョコ…食べてる」
戦士「チョコ?あぁ、今日はバレンタインデーか」
盗賊「……」
戦士「チョコって……いやいやいや、まさかあの模型が全部そうなのか!?」
盗賊「…みたい」
戦士「……うげっ、俺だったら絶対リタイアしてるわ…」
盗賊「……」
戦士「まぁ、二人きりにしといてやろうぜ。はははっ」
758 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:14:19.57 ID:QRUEsVmio
ザッ
盗賊「……戦士っ!」
戦士「あん?」
ズイッ
盗賊「……こ、これ……っ」
戦士「…?」
盗賊「…………」
戦士「何これ?」
盗賊「……チョコ」
戦士「あん?」
盗賊「チ……チョコだっ!///」
戦士「……俺に?」
盗賊「…………う…ん」
戦士「盗賊……お前……」
盗賊「……戦士///」
759 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:14:46.43 ID:QRUEsVmio
戦士「んなモン作れたのか?」
盗賊「……っ」
戦士「どれ…」
カサッ……ドヨーン
戦士「…………」
盗賊「……ど、どうかな…っ」
戦士「どうでしょう……」
盗賊「……」
戦士「あ、あのさ…これ…チョコ…だよね?」
盗賊「…うんっ」
戦士(うわぁ……めっちゃ笑顔だよこれ)
盗賊「……ふふっ」
戦士(食わなきゃマズイ流れだよねー)
盗賊「……ど、どうした?食べても良いのだぞ…っ?」
戦士「……そ、そんじゃあ……頂きます」
760 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:15:23.95 ID:QRUEsVmio
パクッ…バタンッ!!
戦士「…………」
盗賊「――!?」
ユサユサッ
盗賊「戦士っ!?戦士ーっ!!」
……――
戦士「……ん、何だここは……?」
パアアァァ
師匠「ガハハッ!思ったより早かったじゃねーか!」
マジシャン「ハッハ!ちゃーんと、酒持って来たんだろうなぁ?」
戦士「師匠…!?マジシャンのオッサン!?」
師匠「まーこうなっちまったモンは仕方ねぇ。楽しくいこうや!」
マジシャン「どれ、まずは祝いだ!カンパーイ!ハッハッハ!!」
戦士「――っ!!」
――……
761 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:15:50.65 ID:QRUEsVmio
盗賊「どどどどど……っ」
テクテクテクテク
魔道士「あれっ?盗賊さんどうしたんですか?」
盗賊「どどどどどれみふぁふぁふぁ……っ」
魔道士「……はい?」
盗賊「そらし…せんし……っ!!」
魔道士「戦士さんっ!?どっ、どうしたんですか!?」
召喚士「……うぇっぷ。ん?何か騒がしい…?」
ヨタヨタヨタ
召喚士「どうしまし……うぅっぷ」
魔道士「召喚士さんっ!戦士さんが!!」
召喚士「戦士!?……行けっ!シービショップ!」
シュイイィィン
召喚士「急いで病院は搬送しましょう!ドクターさんを……っ!」
魔道士「は、はいっ!!」
762 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:16:18.62 ID:QRUEsVmio
〜現在〜
戦士「……はぁ。そういや盗賊はどうした?」
召喚士「白装束に短刀姿でうろついてたから、今は精神科で診て貰ってる」
戦士「……そっか」
召喚士「はぁ。バレンタインデーって怖いね」
戦士「…ああ。色んな意味でな」
召喚士「でも、お返しも考えなきゃいけないんだよね」
戦士「え〜?んなモン要らねーだろ」
召喚士「そうはいかないよ」
戦士「そうかぁ?やっぱあげた方がいいのかな?」
召喚士「そりゃそうだよ。礼儀だもん」
戦士「……俺はいいかな。こんな目に合わされたし」
召喚士「盗賊さんだって悪気があったわけじゃないじゃん」
戦士「そりゃそーだけど、悪気なくてこんな目にあわされたまらんぜ…」
召喚士「……」
763 :
便利サイト:http://htn.to/k5D4GC
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:45:19.23 ID:QRUEsVmio
――アイキャッチ
チャラッチャッチャチャッチャー
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜CM〜
召喚士「大変な刻こそ、人と人との繋がりが一番の力」
戦士「だから、みんなで出来る事をしようじゃねーか!」
盗賊「…小さな事でも…いい」
魔道士「私も募金してきましたよっ!」
一同「おーっ!」
皇太子「私も募金してきたぞ。国家予算を」
一同「やりすぎですっ!!」
大軍師「そして、くれぐれも虚報などに騙されぬよう……ふっふ」
――アイキャッチ
チャラララーチャッチャッ
魔道士「行けっ、コカトリス!……えへへっ!」
764 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:46:01.62 ID:QRUEsVmio
…
召喚士「……」
テクテクテクテク
召喚士(まいったまいったまいった……まいったぞ…っ)
テクテクテクテク
召喚士(何がいいんだろう?本当に困ったぞ……)
テクテクテクテク
占い師「あら?召喚士くん?」
召喚士「占い師さん!」
占い師「一人なんて珍しいわね…?」
召喚士「助けて下さいっ!!」
占い師「へ……っ!?」
召喚士「今、すんごい困ってるんです!!」
占い師「ど、どうしたの!?」
召喚士「実は……」
765 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:47:17.87 ID:QRUEsVmio
…
占い師「…あははっ。そっかそっかぁ」
召喚士「笑い事じゃないですよ……」
占い師「いやいや、ごめんね。なーんか……」
召喚士「……?」
占い師「羨ましいなぁ。若いっていいわね〜」
召喚士「そんな若くないですって……」
占い師「私にとっては十分若いわよ〜」
召喚士「そうですか……?」
占い師「私あんんて……もう……ねぇ」
召喚士「あっ、その……ごめんなさい」
占い師「…ふふっ。しょうがないわねぇ」
召喚士「……」
占い師「分かったわ。ここはお姉さんに任せなさいっ!」
召喚士「……?」
766 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:48:05.28 ID:QRUEsVmio
〜国軍本部、会議室〜
占い師「それでは『朱雀先生、愛の救済大作戦』会議を始めます」
召喚士「……」
女隊員「おぉーッス!!」
白虎長「何よそれ…」
占い師「何って……そのまんまよ」
白虎長「それは分かってるわよっ。ネーミングセンスの話をしているのよ」
占い師「何?文句あるわけ?」
白虎長「ダッサイ……」
占い師「はぁー!?」
女隊員「ふっ、二人とも落ち着くッス!」
召喚士「そうですよ……ここは冷静に……」
占い師「……ふんっ」
白虎長「ふんっ!」
召喚士「……大丈夫かな……これ」
767 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:48:48.23 ID:QRUEsVmio
…
占い師「私が思うに、アクセサリーとかいいと思うわ」
白虎長「まともな意見ね」
女隊員「それは嬉しいッスね!」
占い師「女隊員ちゃんも分かってくれる!?」
女隊員「ダンベルとかだったら、超嬉しいッスよ!」
白虎長「私、ダンベルという名のアクセサリーは聞いた事ないわ」
召喚士「でも、魔道士さん…アクセサリー類は結構…持ってますよ」
白虎長「あの子…流行に敏感そうだし、被ったら痛いわね…」
占い師「食べ物は?」
召喚士「料理名人に何をあげれば…」
白虎長「口に合わなかったら致命的よねぇ」
占い師「手料理を振舞うとか……」
召喚士「それはもう、使いました……」
占い師「……」
768 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:49:32.13 ID:QRUEsVmio
…
女隊員「一向に決まらないッスねぇ……」
白虎長「あっ、そうだ!!」
召喚士「…?」
白虎長「コカトリスで空の散歩とか……」
占い師「あら素敵っ!流石、召喚士……」
召喚士「それも使いました……」
白虎長「あ、そう……」
占い師「……うがああぁぁー」
ワシャワシャ
占い師「なんにも決まらないじゃないのっ!」
召喚士「すみません……」
白虎長「こうなったら…自分にリボンでも付けて送るしかないわね」
召喚士「え……っ」
白虎長「……冗談よ」
769 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:50:31.58 ID:QRUEsVmio
女隊員「何か、趣味とかないんスか?」
召喚士「趣味…ですか」
占い師「そうよそうよ!それがいいわっ!」
白虎長「アンタ…だんだん適当になってきたわね…」
召喚士「趣味は……UFRですかね」
白虎長「何それ?」
女隊員「知らないんスか?地下格闘場ッスよ!」
占い師「格闘技!?……意外な趣味ねぇ」
召喚士「でもなぁ…。そんな……」
ガタッ
召喚士「……マスク・ド・ジーニアス!!」
占い師「!?」
白虎長「何、急に叫んで…。頭おかしくなっちゃった?」
召喚士「駄目だ…。天才さんの居場所が分からなきゃ……」
女隊員「天才さん?あぁ、それなら格闘家さんが知ってるかもしれないッスよ?」
770 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:51:40.08 ID:QRUEsVmio
召喚士「本当ですか!?」
女隊員「一応、師弟関係ッスからねぇ……」
召喚士「格闘家さんは今、どこにっ!?」
ズイッ
女隊員「たっ、多分…中庭に……」
召喚士「行ってきます!ありがとうございましたっ!!」
占い師「ち、ちょっと……っ!?」
タタッ…タッタッタッタッタ
白虎長「……行っちゃったけど…いいの?」
占い師「…えー、こほん」
女隊員「……」
占い師「以上を持って、朱雀先生、愛の――」
白虎長「それはもういいっ!!」
占い師「何ですってぇ!?大体、あんたはいつもねぇ……」
女隊員「……はぁ。先…戻るッスよ」
771 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:53:02.26 ID:QRUEsVmio
タッタッタッタッタ
召喚士「……いたっ!!」
タッタッタ…ズザザザアァ
召喚士「格闘家さん!!」
格闘家「っ!?」
召喚士「天才さんの居場所……知りませんかっ!?」
格闘家「……朱雀…先生?」
召喚士「知りませんか!?」
格闘家「し、師匠…ですか?」
召喚士「はいっ!」
格闘家「知らない…ですね」
召喚士「……そうですかぁ」
格闘家「あ、でも……」
召喚士「何か手がかりが!?」
格闘家「…ちょっと、外の公園まで移動しましょうか」
772 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:54:21.32 ID:QRUEsVmio
〜公園〜
召喚士「あの……ここに何が……?」
格闘家「……これを」
スッ
召喚士「笛…ですか?」
格闘家「師匠から、緊急時はこれを吹けと」
召喚士「えっ!?」
格闘家「吹けば必ず、正義は訪れると……」
召喚士「……それじゃ、失礼します。お疲れ様でした」
格闘家「あ、あのぉ……」
召喚士「だってそんな話、バカげてますよ」
格闘家「…ですよね」
召喚士「まぁ、一応…試しに吹いてみて貰えますか?」
格闘家「……はい」
スゥッ…ピイイィィィィ!!
773 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:55:33.06 ID:QRUEsVmio
召喚士「…………」
格闘家「…………」
召喚士「…ほら、何もない」
格闘家「ですね」
男「何だあれは!?」
老人「鳥か?」
青年「召喚獣か?」
おっさん「いや……っ」
キラーン!!…シュバッ…クルクルクルッ
――「天呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶううぅぅ!!」
ババッ
――「颯爽っ!豪快っ!端麗っ!無双ううぅぅーっ!!」
バババッ
召喚士「ま、まさか……っ!?」
――「人呼んで…正義の使者……マスク・ド・ジャスティス!!(以下、MDJ)」
774 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(0)
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:56:48.13 ID:QRUEsVmio
ポカーン
格闘家「……」
召喚士「……あの、何やってるんです?南方司令――」
MDJ「シャラップ!私は南方司令などではないっ!」
召喚士「そ、そうですか……」
MDJ「それで、悪の怪人…いや、魔物はどこだねっ!?」
召喚士「いませんよ、そんなの」
MDJ「いやいやいや、ジャスティスホイッスルの音が聞こえ……」
格闘家「これですか?」
MDJ「そうそう……って、まさか何もないのに吹いたのではなかろうな!?」
召喚士「……えっと、そういう事になります」
MDJ「――っ」
召喚士「いや、だって……これを吹けば天――」
MDJ「ジャスティスパーンチイイィィ!!」
召喚士「な、なぜええぇぇーっ!?」
775 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(0)
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:58:25.49 ID:QRUEsVmio
ヒュルルル…ドサッ
MDJ「はっはっは!悪は倒した!!さらばだっ!!」
シュバッ
召喚士「いっつつつ……」
格闘家「……大丈夫ですか?」
召喚士「…一体、何なんだ……っ」
スタスタスタ
天才「……何やってんのお前ら?」
格闘家「師匠!?」
召喚士「天才さん!?」
天才「はいはい…天才様ですよー。んで、何だよ」
召喚士「サイン下さい!!」
ズイッ
天才「はぁ?」
召喚士「サインをどうか……私めにお願いしますううぅぅ!!」
776 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(0)
[sage saga]:2011/03/15(火) 19:59:15.44 ID:QRUEsVmio
天才「ちょい待ち。俺は今、ここで人と待ち合わせ……」
テクテクテク
博士「おーっ、来てたのら……って、何か多くない?」
召喚士「博士さん!?」
天才「知るか。俺様が呼んだわけじゃねー」
博士「何してるのら?」
召喚士「いや、天才さんのサインを貰おうかと……」
博士「バイト?」
召喚士「宅配便じゃありませんっ!」
博士「ふーん。まぁいいのら。おい、早速撮るのら」
天才「早くしろよ。俺様も忙しい……」
召喚士「撮る?」
博士「ああ、これで…写真撮るのら」
召喚士「確か…発明品の……」
博士「そうなのら」
777 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(0)
[sage saga]:2011/03/15(火) 20:01:22.68 ID:QRUEsVmio
格闘家「何するんです?」
天才「俺様の素晴らしい勇姿を収めて、写真集を作る!」
格闘家「誰得……」
天才「バーカ。需要ありすぎて困っちまうくらいだ」
召喚士「写真……写真!?」
ガバッ
博士「な、何なのら!?」
召喚士「博士さんっ!!お願いが……っ!!」
博士「……?」
天才「おーい、早くしろっての」
博士「先にこっちを済ませるのら」
召喚士「構いません!終わってからで構いませんからぁ!!」
博士「……はぁ」
召喚士「……やった!これは…絶対喜んでくれるっ!!」
天才「……あん?」
778 :
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(0)
[sage saga]:2011/03/15(火) 20:02:53.62 ID:QRUEsVmio
…
博士「現像出来たのら」
召喚士「早いですね!」
博士「お前が急かすからなのら……」
召喚士「ごめんなさい……」
博士「まぁいいのら。ほれ、約束の一枚……」
パシッ
召喚士「ありがとうございましたぁ!!」
タッタッタッタッタ
博士「忙しい奴なのら……」
タッタッタッタッタ…キキイイィィ
召喚士「て、天才さん!!サイン!!サインンン!!」
天才「わーったよ、うるせぇなー」
キュキュッ…キュッ
天才「…ほらよ。これでいいんだろ?」
779 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(0)
[sage saga]:2011/03/15(火) 20:03:54.81 ID:QRUEsVmio
召喚士「ありがとおおぉぉございましたああぁぁ!!」
スクッ…タッタッタッタッタ
格闘家「……泣きながら…去って行った…っ」
天才「一度、頭を診て貰った方が良さそうだなありゃ……」
タッタッタッタッタ
召喚士「はぁ…はぁ……はぁ……っ」
スタスタスタスタ
魔道士「あっ、召喚士さん!どこ行ってたんですかぁ?」
召喚士「はぁ…はぁ……ま、魔道士さん!」
魔道士「は、はいっ!」
召喚士「……これを!」
ズイッ
魔道士「な、何ですか……?」
召喚士「開けてみて下さい……」
魔道士「……はぁ」
780 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(0)
[sage saga]:2011/03/15(火) 20:04:41.39 ID:QRUEsVmio
ペラッ
魔道士「――っ!!」
召喚士「バレンタインの…お返しです」
魔道士「これって……マスク・ド……」
召喚士「ええ。生写真にサインして貰いました」
魔道士「……っ」
召喚士「肖像画ではなく、本物の――」
ガバッ
召喚士「まっ、魔道士さん……っ!?」
魔道士「……これ……どうして……っ」
召喚士「…いや、色々考えて…探しました。はははっ」
魔道士「召喚士さぁん……っ!」
ギュウウゥゥ
召喚士「よ、喜んでくれて……嬉しいです」
魔道士「ありがとうございますっ!えへへ!!」
781 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/15(火) 20:15:25.55 ID:QRUEsVmio
ジーッ
戦士「めでたしめでたしってところだな」
盗賊「……うん」
〜夜〜
魔道士「お風呂〜。うふふふ〜ん。ふにゃあぁ〜」
盗賊「…上機嫌だな」
魔道士「そうなんですよ〜。うふふっ」
盗賊「…まぁいいや。入ろ?」
魔道士「はいっ!」
盗賊「……よいっしょ」
魔道士「盗賊さんっ!?」
盗賊「な、何……っ!?」
魔道士「何ですかその…可愛いパンツは!?」
盗賊「…え、えっと……猫さん剣士の…プリントの……っ」
魔道士「まさか自分で買って…?あっ、ふぅん…そういう事ですかぁ〜」
盗賊「な、何がだ!!ニヤニヤするなっ、たわけっ!!」
〜おしまい〜
782 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/15(火) 20:52:49.24 ID:6lHk0AYVo
おつ!
戦士よく買えたなwwww
783 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鳥取県)
[sage]:2011/03/15(火) 21:56:30.03 ID:EEtZujCS0
今日の
>>1
のテンションが異常に感じたそこのあなた
vipではこんな感じでしたよ
784 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/15(火) 22:15:51.12 ID:t04HomQAO
>>1
おつ
785 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/03/15(火) 22:59:41.39 ID:HP7hr8RAO
>>1
乙!
結局チョコ全部食ったのかww
786 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/03/16(水) 00:50:07.47 ID:XC3VwJ8AO
乙
MDJと聞いてDAPUMPのCMを思い出した
787 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/16(水) 01:42:17.89 ID:iXQesu8SO
召喚士まさか召喚獣達に食べるの手伝ってもらってはないよな…?
788 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/16(水) 05:17:23.35 ID:6+8Jn5vDO
>>1
乙
召喚士と魔道士のお母さんが一緒だったらどうしよう
789 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/16(水) 11:40:41.21 ID:8mG7tsIDO
>>1
乙!
テレビ見ててもネット見てても震災のニュースばかりなので、
ここで
>>1
の話を読むと少し震災以外の事に頭が切り替えられて助けられてる気がする。
>>1
も震災の影響受けて大変みたいだけど、話を書いてくれてありがとうな
俺には募金くらいしか出来る事はないけれど、被災地の1日も早い復興をお祈りします
790 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
:2011/03/16(水) 21:14:39.27 ID:QwFqOEvAO
元気出していこう!
791 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
:2011/03/16(水) 21:19:38.96 ID:ymgdpgfXo
エーザイ
792 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/16(水) 23:03:19.57 ID:l/Vkszb5o
静岡の人も福島の人も頑張ろうぜ
793 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/16(水) 23:27:58.27 ID:iXQesu8SO
静岡はあまり被害なかったから
東北の皆さんを優先してください@静岡県民
794 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/16(水) 23:55:54.58 ID:kc1bSxuOo
今日もやや大きい地震が続きますね
そして今日もよく歩きました…
そしてそして全然書けませんでした…
皆様お元気ですか?私は元気です↓続き
795 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/16(水) 23:57:02.98 ID:kc1bSxuOo
……――
子供「……ねぇお母さん、これはなぁに?」
母「これはね、神様なんだよ」
子供「神様?でも…怖い顔してるよ?」
母「うん。でもね、神様なの」
子供「ふーん」
母「私達のずーっとご先祖様はね、教祖様だったんだよ」
子供「教祖?なぁにそれ?」
母「神様に代わって、みーんなに神様のお言葉を伝える偉い人」
子供「へぇーっ、そうなんだぁ〜」
母「だからね、お前もご先祖様のように、立派な人になるんだよ」
子供「うんっ!僕……頑張るよ!」
母「いい子だね、……副司令官は」
子供「うん!僕、いい子だよ!」
――……
796 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/16(水) 23:58:03.82 ID:kc1bSxuOo
ガバッ
副司令官「…………」
日は登り、やがて落ちる。そして次の日もまた、その繰り返し。
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
〜第四十一部〜
797 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2011/03/16(水) 23:58:26.15 ID:vGsufX4AO
山形在住ですが物資を送って下さい
山形県人の為ではなく福島県人の為にお願いします
福島から山形に逃げて来るのにお金を使い果たした方が大勢いるんです
798 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/16(水) 23:58:51.88 ID:kc1bSxuOo
〜南方、南の山沿い〜
スタッ
男隊員「……どうだ?」
女隊員「真っ直ぐ東に向かってるッスよ」
男隊員「……予定通り南東国に向かってるのか……?」
女隊員「……それ以外、考えられないッスよ」
男「でもよ、何でわざわざ南方司令部ルートなんだ?」
女隊員「視察も兼ねて、って話ッスよ」
男隊員「…確かに、赤壁に立ち寄ったりはしてたけどよ」
女隊員「きっと勘違いッスよ!何にもないッスよっ!」
男隊員「今、この先を見てきたが……」
女隊員「……?」
男隊員「特に何もない。何もないんだが……確かに感じた」
女隊員「…な、何をッスか!?」
男隊員「……魔物の気配だ」
799 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/16(水) 23:59:58.15 ID:kc1bSxuOo
〜南方、南の山沿い〜
男隊員「……」
女隊員「……」
ザザッ…タッタッタッタ
二人の男女は崖伝いに移動し、崖下に広がる道を見つめる。
男隊員「……」
女隊員「……」
そこには道を真っ直ぐ進む軍人の一行。それが二人の目に映る。
一行はやがて、馬の足を止め、その場にて小休止を取る。
男隊員「……んっ!?」
女隊員「反対側から…誰か来たッスね」
男隊員「…ありゃあ、南東国の連中か」
女隊員「なるほど……」
男隊員「しかし、なーんでこんな所まで出張ってきてやがんだぁ?」
女隊員「言われてみれば……おかしいッスね……」
800 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/17(木) 00:01:26.30 ID:ahR8Z8YWo
パッカパッカパッカ
大軍師「わざわざのお出迎え、痛み入ります」
白馬騎士「こちらこそ。南東国大将軍、白馬騎士と申します」
大軍師「国軍参謀、大軍師と申します。以後、お見知りおきを」
白馬騎士「そちらが……」
大軍師「はい。国軍本部司令官殿です」
司令官「……」
白馬騎士「……なるほど」
大軍師「では司令、宜しいですね?」
司令官「ん、頼んだよ」
大軍師「それでは参りましょうか」
白馬騎士「……?」
大軍師「司令は後ほど、一人で来られますのでご安心を」
白馬騎士「…は、はぁ」
司令官「……ん、それじゃ頼んだよ」
801 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/17(木) 00:04:27.04 ID:ahR8Z8YWo
…
男隊員「何だ……?司令一人残ったぞ?」
女隊員「もしかして……」
男隊員「……はん、そんなバカな」
女隊員「……でもぉ」
男隊員「んっ!?」
女隊員「誰か……来たッス!」
男隊員「あっ、あれは……っ!?」
ザザッ…スタッ
司令官「……やぁ」
ハヌマーン「……」
司令官「では、案内して頂こうか」
ハヌマーン「……宜しいので?」
司令官「…ん、あれの事かい?」
ハヌマーン「崖上に二つ、気配がある」
802 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/17(木) 00:06:38.51 ID:ahR8Z8YWo
チラリ…ゴゴゴゴゴゴ
男隊員「――っ!?」
女隊員「っ!!」
ババッ!!
男隊員「(……気付かれた!?)
女隊員「(まさか……この距離で……っ)
男隊員「……」
クイッ
女隊員「……っ」
コクッ…ゴソゴソッ
女隊員「…………」
ジーッ……カシャッ
男隊員「……退くぞっ!!」
女隊員「はいッス!!」
タッタッタッタッタ…
803 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/17(木) 00:09:23.09 ID:ahR8Z8YWo
…
ハヌマーン「…気配が消えた」
司令官「…それじゃ行こうか」
ハヌマーン「わざと気付かせたのか?」
司令官「……ん、何の事かな?」
ハヌマーン「…まぁ、私には関係のない事だが」
司令官「色々と面倒なんだよ。人間も…ねぇ」
ハヌマーン「…そうか」
ザッザッザ
司令官「へぇ、こんな所に入り口があるんだ」
ハヌマーン「一見、崖のように見えるが安心せよ」
司令官「…ん。信じるよ」
ハヌマーン「では参ろうか……スグリーヴァ様の元へ」
司令官「…ん、よろしく」
ババッ…シュタッ
804 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/17(木) 00:13:03.28 ID:ahR8Z8YWo
…
男隊員「…はぁ、はぁ……はぁ……っ」
女隊員「まさか…っ、気付かれたッスか!?」
男隊員「どうだかな……」
女隊員「……はぁ。驚いたッス」
男隊員「どっちが放った…威圧なんだか……」
女隊員「しかし……司令が……」
男隊員「んで、その…写真だかっての、撮れたのか?」
女隊員「知らないッス。言われた通りやったッスけど……」
男隊員「よし、本国に戻んぞ。任務終了だ」
女隊員「はいッス」
男隊員「しかしさっきの魔物……」
女隊員「……ちらりと見えたッスけど…っ」
男隊員「これで決まったな。隊長の推測通りだ」
女隊員「戻って報告するッスよ!」
805 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/17(木) 00:45:45.13 ID:ahR8Z8YWo
>>797
親族が避難民なので人事とは思えません…
出来る限りの事はしたいと思います!
それでは、引き続き大変な日々が続きますが、頑張りましょう!ノシ
806 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/17(木) 01:19:20.25 ID:r/mpQOPko
俺もなんかしてあげたいが
物資を送ってほしいならなぜここに書いた?
個人では物資は送ってはいけない流れなのに
そんなおれは募金派
何はともあれ
>>1
乙
807 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/17(木) 02:27:13.68 ID:mUDAiemAO
>>1
おつ
個人で物資送るとそれを仕分けるために労力使うからな。送るなら団体とか活用したほうがいい
808 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2011/03/17(木) 03:03:41.04 ID:7gm+ETuAO
コカトリス始まった頃に失業して今まで読みながらバイト頑張ってきたけど、やっと正社員の仕事決まった。
こんなときに転職もタイミング悪くて大変なの目に見えてるけど、頑張ろうと思う。
大袈裟かもしれないけど、コカトリス書いてくれてて本当にありがとう。
これからも読むからね!
809 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
:2011/03/17(木) 08:00:50.36 ID:iMTU09XAO
いきなり感謝しまくっててキモイ
最終章にいえよ
810 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岩手県)
[sage]:2011/03/17(木) 08:03:49.19 ID:Y1sIC4tro
副指令は小さい頃から副指令だったんだn
物資はうちも不足してるけど…正直今はまだ個人より企業とかの支援物資なんだよな
自分も募金派
なんだかんだでお金が一番色々使えていいよ
811 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/17(木) 11:49:48.54 ID:jlA/oH2DO
もう聖行で放射線もろとも福島原発消しさってくれよ
812 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/17(木) 16:36:14.73 ID:AnTyN8wG0
ついでに政権与党も聖行で消し去ってくれよ。
リアル左大臣達にwwwwwwwwwwwwww
813 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/03/17(木) 18:46:56.07 ID:x+FvA37AO
被害を受けた人達や、不幸にも亡くなってしまった人達の中にはここの読者やVIPで名無し同士でレスし合った人ってのもいるのだろうか
ネットで世界を身近に感じられるようになった分余計人事とは思えなくなってくる
814 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:29:01.44 ID:5QK0dKFvo
ザザーン
双子姉「海は広いな〜」
双子妹「大きいな〜」
魔道士「はぁ〜。風が気持ちいいですねぇ〜」
戦士「何だそのテンション。海見るの初めてなのか?」
魔道士「何言ってるんです?散々一緒に見てきたじゃないですか〜」
戦士「……お前じゃねぇよ」
双子姉「私達も」
双子妹「初めてじゃないですよ」
戦士「…あっそ」
テクテクテク
戦士「ふあぁ。召喚士、お前は何してるんだ?」
召喚士「うん。西国での情報を整理してメモに……」
戦士「か〜。真面目だねぇ」
召喚士「いやいや、忘れっぽいから書き記してるだけだよ」
戦士「しかも謙虚。流石、我らがリーダーだな」
815 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:29:41.77 ID:5QK0dKFvo
テクテクテク
戦士「盗賊〜」
盗賊「…ん?」
戦士「お前も読書か?……勤勉だなぁ」
盗賊「…ま、まぁな」
戦士「仕方ねぇ。ちょっくら部屋で仮眠でも取るとすっか」
テクテクテク
盗賊「……」
召喚士「何の本、読んでるんですか?」
盗賊「……うぅ」
スッ
召喚士「……料理!?」
盗賊「……魔道士一人に…負担させていられないから」
召喚士「いつの間に買ったんですかっ!?」
盗賊「…師匠の家から…拝借した」
816 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:30:48.61 ID:5QK0dKFvo
〜本国〜
魔道士「到着〜っ」
双子姉「おぉ」
双子妹「凄い…」
戦士「本国は初めてか?」
双子姉「いいえ」
双子妹「何度も来ました」
戦士「……」
双子姉妹「……何か?」
戦士「何でもねぇ。っつーか、お前らどこに住んでるんだよ?」
双子姉「……へぇ」
双子妹「それ、聞いちゃいます?」
ギュッ…ガシッ
戦士「!?」
双子姉「もしかして私達の事…」
双子妹「気になっちゃってます?」
戦士「はぁ!?」
817 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:31:51.27 ID:5QK0dKFvo
双子姉「だって」
双子妹「色々質問するしぃ」
戦士「お前らの会話がおかしいから聞いてんだろ!」
双子姉妹「……ふ〜ん」
戦士「……もういい。離れろ」
バッ…グイッ
戦士「…盗賊、行くぞ」
盗賊「えっ!?……どこ…に?」
戦士「宿の予約だ」
スタスタスタ
盗賊「あ…っ、じゃあ……行ってくる」
双子姉妹「ごゆっくり〜」
召喚士「俺達はワークショップと買い出しに行きましょうか」
魔道士「はいっ!えへへ!」
テクテクテクテク
双子姉「私達は…」
双子妹「どうしましょ?」
818 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:33:01.16 ID:5QK0dKFvo
6人の陽気なたびとは裏腹に、この日の夜、国軍本部においては、
激震が走り、慌しく動いていた。
〜国軍本部〜
タッタッタッタッタ
技術士官「完了致しました!」
博士「よしっ!」
タッタッタ…
技術士官「現像した写真です」
博士「……うむ。ご苦労なのら」
技術士官「では、失礼致します!」
クルッ
博士「あっ、この事は他言無用なのら。絶対に……」
技術士官「…私は、何も見てはおりませんっ!」
博士「…なら、いいのら」
タッタッタッタッタ…
819 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:34:06.95 ID:5QK0dKFvo
博士「……しかし」
ピラッ
博士「これは…面倒な事になったのら……」
〜副司令室〜
コンコン
副司令官「うむ」
カチャッ
国軍兵「各員、大会議室に集合致しました」
副司令官「分かった。では、行こう」
スクッ
副司令官「……」
カツカツカツカツ
副司令官「……くくっ」
カツカツカツカツ
副司令官「これで…ようやく……」
820 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:34:59.83 ID:5QK0dKFvo
〜大会議室〜
ザッ…ババッ
副司令官「楽にしてくれたまえ」
スッ
副司令官「緊急の招集にも関わらず集まって貰い、感謝する」
男隊員「……」
副司令官「まず、先日公にされた内通者の件であるが……」
女隊員「……」
副司令官「極秘調査の結果、国軍に居る事が判明している」
博士「…………」
副司令官「そして、これは上層部の人間であるとの見解を受けた」
青龍先生「……」
副司令官「無論、私もその対象であったが、本国との連携により…」
騎士団長「……」
副司令官「特殊遊撃を用い、数日間の調査を行ったものである」
821 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:35:56.39 ID:5QK0dKFvo
ザワザワザワッ
副司令官「それにより、不審人物が一人、浮上したに至る」
騎士団長「……」
副司令官「皆もお気付きかと思うが……総司令、その人だ」
ドヨッ
白虎長「……総司令が…っ」
副司令官「まず司令自体、行動が非常に隠密であり、詳細が分からぬ」
青龍先生「…ひょっひょ。確かにのぉ」
副司令官「秘書官ですら日程や所在が掴めぬケースも多々ある」
秘書官「……」
副司令官「常に仮面で顔を覆い、本部滞在時は部屋より出ない」
占い師「……」
副司令官「更に極めつけは、素性の一切が不明であるという事」
カツカツカツ
左翼官「それについては、私が報告させて頂きます」
822 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:36:38.29 ID:5QK0dKFvo
男隊員「あれは確か……」
女隊員「……経済機関の人ッスね」
左翼官「先日、資料室にて司令の調査を実施させて頂きました」
騎士団長「許可は得たのかね?」
左翼官「本国と連携し、左大臣様の許可を得ております」
青龍先生「左大臣…ねぇ」
左翼官「資料につきましては、一部存在はするものの……」
副司令官「……」
左翼官「大半の資料は欠損し、詳細は不明となっております」
占い師「でも、それは司令に限った事じゃないわよ?」
左翼官「勿論そうですが、軍のトップが…というのが問題では?」
占い師「……」
副司令官「資料は各自、閲覧可能である。是非にも確かめて欲しい」
左翼官「私からは以上です」
副司令官「次に、ここ数日の行動についてだが……」
823 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:37:23.03 ID:5QK0dKFvo
ザッ…カツカツカツ
隊長「俺から報告させて貰う」
副司令官「先程も述べたが、特遊には調査を依頼していた」
隊長「数日間、総司令の動きだけを追ったが、結論から言うと……」
副司令官「……」
隊長「不審な点が全くない」
ザワザワッ
白虎長「じゃあ……シロじゃないの!?」
隊長「よく聞け。全くと言っていい程ないんだよ」
青年兵「どういう……意味でしょうか?」
隊長「数日間、全くここを動いていない」
秘書官「それは間違いありません」
隊長「そして把握出来ている限りでの訪問者は……」
秘書官「……大軍師様のみです」
隊長「そういう事だ。そして今回の視察……」
824 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:39:42.54 ID:5QK0dKFvo
騎士団長「確か、南方司令部経由で南東国へ向かったと聞いたが…」
隊長「…南方を知る者ならどう思う?」
青年兵「…おかしいですね」
隊長「……」
青年兵「何故、司令部経由なのでしょうか?」
占い師「どういう事……?」
青年兵「南東国への訪問がメインであれば…通常は……」
男隊員「南方の北側を直に行くはずだ」
青龍先生「…確かに…そういう事じゃな」
隊長「ところが、南方司令部を経由し、南側ルートを選んだ」
白虎長「視察を先にしても問題ないんじゃあ……」
副司令官「同盟国の訪問と自国軍事設備の視察、どちらが重要かね?」
白虎長「……っ」
隊長「全く不審な点がなかったはずが、いきなりこの動きだ」
青年兵「…………」
825 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:40:53.28 ID:5QK0dKFvo
隊長「そこで特遊は、司令の追跡を行う事とした」
ザワッ
隊長「追跡についてはそこの二人に行って貰った」
スッ
男隊員「司令については、確かに南方司令部の視察へ訪れておりました」
女隊員「間違いないッス。この目で見たッス」
副司令官「その後は……?」
男隊員「南下し、南東国へ向かっておりました」
騎士団長「おりました?」
男隊員「……っ」
女隊員「向かう最中、司令のみ離脱したッス」
占い師「離脱?……どういう事?」
男隊員「それは……」
副司令官「……博士、例の物を」
博士「本当に…良いのら?」
826 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:41:29.37 ID:5QK0dKFvo
副司令官「構わん。これこそが最大の事実だ」
博士「……分かったのら」
ピラッ
青年兵「あの、それは……」
博士「技術機関が開発した写真、なのら」
騎士団長「あぁ、話には聞いているな」
博士「これはそこの二人が撮ってきたものなのら」
女隊員「私が撮ったッス」
博士「かなり小さくて判別が難しいが、良く見て欲しいのら」
青龍先生「うーむ、小さくて見えんのう……」
青年兵「これっ、司令……ですよね!?」
副司令官「間違いない。そしてその右にいる者……」
白虎長「まさか……これって……」
副司令官「……魔物だ」
青年兵「――っ!!」
827 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:49:23.57 ID:5QK0dKFvo
副司令官「これがどういう意味か分かったかな?」
隊長「総司令は南東国の訪問、及び南方司令部の視察を理由に……」
白虎長「嘘……っ、嘘よ……」
隊長「魔族との密会を行っていた。これは紛れもない事実だ」
ドヨドヨッ
青年兵「これ……は……っ」
隊長「黙れ。余計な詮索はするな」
青年兵「……っ」
副司令官「これで分かったであろう?」
騎士団長「…………」
副司令官「ここに集まった各員に告ぐっ!」
ザッ
副司令官「本日を以って、総司令官を内通者と見なし、国家反逆の罪に問う!」
ザワザワザワ…
副司令官「即刻、総司令を捕らえ……処刑とすべし!!」
828 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/18(金) 00:53:25.13 ID:5QK0dKFvo
こっちの停電や混雑程度で泣き言申していられません!
被災地のみんなへ届けっ!魔道士のパンチラッ!!
魔道士「何でですかっ!!」
それではおやすみなさい!今日も頑張りましょー!ノシ
829 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/18(金) 00:54:18.86 ID:jQIcnztjo
乙
830 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/18(金) 01:00:37.45 ID:Wis/AqeDO
>>1
乙!
>>1
も通勤が大変だったり停電が大変だったりするのにずっと書いてくれるのは凄く嬉しい。
ありがとう!そして無理はすんなよー
831 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/18(金) 01:08:41.55 ID:UtiQdkL6o
乙!
副司令官ェ……
832 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/03/18(金) 01:31:52.64 ID:ZZVbncluo
>>1
乙!!
青年兵とかはハヌマーンのこと知らないんだっけ?
833 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/18(金) 02:13:33.03 ID:vKhHNOqAO
>>1
おつ
834 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/03/18(金) 02:15:37.99 ID:goy+pzETo
乙
>>832
お前もう一回読み直してこいよ
後は言わなくてもわかるだろ?
835 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/18(金) 02:43:30.70 ID:wtUGEF2DO
>>832
は第21部を読み直せば幸せになれるよ
836 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/18(金) 06:46:30.35 ID:swCBBu5SO
ふぅ………
837 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/18(金) 12:41:04.60 ID:IRWoUbCLo
青年兵もだが特遊は牛魔王倒すときの五行で共闘してるからな。
838 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/03/18(金) 13:37:54.83 ID:PnNaWTDio
その18やね
839 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/18(金) 18:39:11.16 ID:4BX21NUDO
>>1
乙っす
計画停電が始まったけど他の始まったけど地域も気を付けて
840 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:42:57.42 ID:Uss5MX78o
…
ゾロゾロゾロ
青年兵「……」
緊急招集を終え一同が退室する中、青年兵は隊長へ声をかける。
青年兵「隊長……」
隊長「さっきも言ったはずだ。これ以上の詮索はするな」
青年兵「しかし……っ」
隊長「黙って指示に従えっ!!」
青年兵「――っ!!」
ビリビリビリッ
占い師「!?」
白虎長「なっ、何……っ?」
隊長「逆らうならば総司令と同様、国家反逆罪で処刑するぞ大佐殿」
青年兵「……」
隊長「分かったら大人しくしているか、司令を捜索しに行くんだな」
841 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:43:44.92 ID:Uss5MX78o
ザッ
青龍先生「しかし、即刻処刑というのは…如何なものかのぉ」
副司令官「……?」
青龍先生「そんな事をすれば、不審を募るだけじゃて」
騎士団長「私も同意だな。国民に余計な不信感を与えることは明白」
青龍先生「それに、とっ捕まえて拷問にでもかければ……」
博士「仲間の名前を吐くかもしれないのら」
副司令官「……まぁ、それもそうか」
隊長「よーし。そんじゃ司令を捕縛せよ」
男隊員「抵抗して困難なようであれば?」
隊長「……生死は問わん」
女隊員「……っ」
隊長「それともう一つ、大軍師にも気を付けろ」
白虎長「大軍……そうかっ、途中まで司令と同行して……」
隊長「南東国に入ったものと思うが、現時点での接触は控えるように」
842 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:44:24.92 ID:Uss5MX78o
ババッ…ザッザッザッザッザ
青龍先生「……ふぅむ。成程の」
青年兵「……先生…っ」
青龍先生「どれ、儂も戻るとするかの。ひょっひょ」
ザッザッザッザッザ
青龍先生「儂が先日、言った事を覚えておるか?」
青年兵「勿論です」
青龍先生「ならば、そういう事じゃ」
青年兵「……分かりました。失礼致します」
カツカツカツカツ…
青年兵「……」
隊長「……」
青年兵「僕は……動きません。特遊にお任せ致します」
隊長「……それでいい」
目線を合わせる事もなくすれ違う二人の間に、風が吹いた。
843 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:45:13.68 ID:Uss5MX78o
カツカツカツカツ…ザッ
隊長「それでは、特殊遊撃隊……行って参ります」
副司令官「うむ。頼んだぞ」
隊長「司令捕縛についての全権はお任せ頂けますかな?」
副司令官「……構わん」
隊長「はっ」
クルッ…カツカツカツカツ
隊長「お前ら二人はどう思う?」
男隊員「あん?」
隊長「東と西、どちらのルートを経由すると思う?」
男隊員「そりゃ東だろ。形だけでも南東国を視察するっしょ」
女隊員「同じく同意見ッス」
隊長「……だな。よし、今より南東国に向かい……司令を捕縛する」
男隊員「ヒャハハ!面白くなってきやがったぜ」
女隊員「面白くないッスよぉ……」
844 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:46:01.06 ID:Uss5MX78o
ザッ
隊長「それじゃ、お前らは直に南東国へ向かってくれ」
女隊員「隊長はどうするんスか?」
隊長「一応、南方司令部回りで南東国へ向かう」
男隊員「りょーかい。そんじゃ行くか」
女隊員「はいッス!」
隊長「待て。一つだけ聞け」
男隊員「……?」
隊長「もし大軍師を見かけても、接触はするな」
女隊員「へっ?」
隊長「あくまで司令にのみ集中しろ。いいな」
男隊員「よく分からんが、りょーかい」
女隊員「それじゃ…隊長もお気を付けてッス!」
タッタッタッタッタ
隊長「……」
845 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:47:14.90 ID:Uss5MX78o
午前8時。特殊襲撃隊3名が本部を発ってから2時間が経過していた。
テクテクテクテク
魔道士「何だか、やけに静かですね……」
戦士「そうか?」
召喚士「言われて見れば、何となくいつもと違う気が……」
盗賊「…兵が…少ないな」
魔道士「あっ、そうですよ!」
戦士「そうかぁ?早朝なんてこんなもんじゃないか?」
召喚士「うーん…。でも確かに警備兵が少ない感じも…」
双子姉「何か」
双子妹「起きているの?」
召喚士「いや、それは分かりませんけど……」
盗賊「……」
戦士「まぁいいや。こないだから国軍も大変そうだしな」
魔道士「そうですよね…。東方司令部の事とか……」
召喚士「ええ…」
846 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:47:55.65 ID:Uss5MX78o
同時刻、国軍本部作戦室にて――。
青年兵「南方司令部からの連絡は?」
本国兵「まだありません!」
青年兵「……っ」
グシャッ
青年兵「人手が足りない……っ、これでは……」
テクテクテク
博士「電話が間に合えば…良かったのらけどな」
青年兵「博士……」
博士「まぁ落ち着くのら。大将はどっしり構えているのら」
青年兵「……東方司令部復旧に随分と人員を割いてます」
博士「……」
青年兵「更には南方司令部も赤壁の着手にラストスパート……」
博士「どこも人で不足なのら」
青年兵「一番の問題は本部での指揮官が圧倒てき二少ない事ですよ」
847 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:48:35.27 ID:Uss5MX78o
博士「…それはいるのら」
青年兵「……?」
博士「青年兵、君しかいないのら」
青年兵「っ!!」
博士「今だって、それで任されているのら?」
青年兵「今は非常事態です。ただそれだけの事……」
博士「非常事態にこそ、有能な指揮官が必要じゃないのら?」
青年兵「……人が居ない、ただそれだけですよ」
博士「……」
本国兵「騎士団長様、出発の準備整いました!」
青年兵「本国周囲の巡回と、各出入り口の警備を進めるように」
本国兵「了解致しました!」
博士「…まぁ、出来る事はするのら。言って欲しいのら」
青年兵「…分かりました、ありがとうございます」
博士「それじゃ、頑張るのら」
848 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:49:04.59 ID:Uss5MX78o
午前10時、南方司令部に伝令が到着。
南方副司令「……これは…どういう事だ!?」
南方魔道長「……さぁな」
南方参謀「とにかく、司令がいないんじゃどうしようもないわ」
南方副司令「すぐに赤壁へ伝令を走らせろ!」
南方兵「ははっ!」
南方魔道長「とにかくだ、総司令が来たら捕まえりゃいいんだろ?」
南方参謀「まぁ、来る可能性は低いわね……」
南方副司令「念の為だ、巡回の兵を増員しろ」
南方参謀「ここの防衛は屯田兵を招集!急いで頂戴っ!」
南方兵「かしこまりましたっ!」
南方魔道長「さぁて、どうなる事やら……」
南方参謀「総司令が内通者……っ。信じがたいわね……」
南方副司令「まぁな。しかししっくりくる事もあるし……これは……」
南方参謀「…………」
849 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:51:06.49 ID:Uss5MX78o
正午過ぎ、特殊遊撃隊隊長が南方司令部へ到着。
カツカツカツ
隊長「ご苦労様」
南方副司令「そっちこそ、また大変だな」
隊長「まぁな。それより通達は来てるな?」
南方魔道長「既に兵も手配済だ」
南方参謀「でも…可能性は低いんでしょ?」
隊長「だろうな。十中八九、南東国ルートだろう」
南方副司令「…流石にあっちまでは兵を派遣出来んぞ」
隊長「それは構わん。大人数は逆に目立つ」
南方参謀「ねぇ、今回の件って……」
隊長「……南方司令は?」
南方参謀「相変わらず赤壁よ。こんな時に全く……」
隊長「……そうか。んじゃ、ここは任せたぞ」
南方魔道長「どこへ?」
隊長「……赤壁だ」
850 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:51:54.45 ID:Uss5MX78o
13時過ぎ。先行していた特殊襲撃の2名が南東国付近に到着。
ドドッドドッドドッ…
男隊員「もうじき南東国だ」
女隊員「そういえば、観光じゃなくて入国出来るンスか!?」
男隊員「軍事同盟も締結済だ。問題ねぇ!」
ドドッドドッドドッ…
門兵「……本国の者か!?」
男隊員「通達は来てんだろっ!?本国の特殊遊撃だ!」
門兵「おぉ…っ、やはりそうか。さぁどうぞ」
男隊員「すまんな!」
ドドッドドッドドッ
女隊員「本当に素通りだったッス……」
男隊員「ちゃんと身分証は提示したぞ」
女隊員「い、いや…それはそうッスけどぉ……」
男隊員「ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇ!もうじき本チャンだ!」
851 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:52:57.18 ID:Uss5MX78o
ドドッドドッ…ドドォ
男隊員「……」
女隊員「……あれっ?」
男隊員「どうした?」
女隊員「あの……門の所……」
男隊員「――っ!!」
ザザッ
女隊員「えっ、えっ!?」
男隊員「早く来いっ!」
グイッ…パッカパッカパッカ
女隊員「今のって……」
男隊員「大軍師だな……っ」
女隊員「でも、一人……?」
男隊員「……関わるなって言われたろ。ほっとけ」
女隊員「……っ」
852 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:53:54.70 ID:Uss5MX78o
14時前。各司令部への通達も完了した。
〜北方司令部〜
左翼長「あぁ!?どういう事だよこりゃあ……!!」
騎士長「イカれてるとしか思えんな……」
参謀「何か不自然ですね……」
左翼長「まーたお前の兄上様が画策したか?」
参謀「いえ、そのような報告は聞いてはおりません」
騎士長「しかし司令がクロだとすると…非常にマズイぞ?」
左翼長「お前だって分かってんだろ。司令は司令だ」
騎士長「……まぁな」
参謀「兄上…いえ、大軍師殿に裏を取ってみましょうか?」
左翼長「それには及ばん。どうせこっちには無関係な話だ」
騎士長「まぁな。ここは静観して、お手並み拝見といこうじゃないか」
左翼長「……未来の大元帥様のな」
参謀「……ええ」
853 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:54:33.04 ID:Uss5MX78o
〜西方司令部〜
ジリリリリリッ
通信兵「こちら西方司令部!」
博士『何度もすまんのら』
助手「誰?博士?」
通信兵「ええ、そうで――」
パシッ
助手「もっしもーし!!」
博士『何で代わるのら……』
助手「まぁ、嬉しそうな声しちゃってぇ〜」
博士『耳が腐ってるのら…。まぁいい、司令に伝えて欲しいのら』
助手「はいは〜い」
博士『南方司令部にいつでも出動出来るよう、準備するように』
助手「了解〜。お伝えしま〜」
ガチャッ…ツー
854 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/18(金) 18:55:36.52 ID:Uss5MX78o
〜東方司令部〜
東方参謀「……」
東方副司令「先生、この通達は……っ」
東方参謀「ここも下手に動かぬ様、指示を出した方が良いな」
カツカツカツ
東方司令「もう済んだ」
東方参謀「ほぅ、早いな」
東方司令「当たり前だ。ここにもいるかもしれないのだからな」
女剣士「……?」
東方司令「内通者だよ。全容が分かったわけではないだろう?」
東方参謀「その通りだ。だからこそ逆に警戒する必要がある」
東方副司令「……っ」
東方司令「不審な動きを見せた者は、すぐ報告するように」
東方副司令「……了解…致しました」
東方司令「……」
855 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/03/18(金) 19:00:20.39 ID:k6x1C+hUo
なんかあれだな、こういう物語の進み方何かで見たことあると思ったらハガレンだな
856 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/18(金) 19:01:58.32 ID:Uss5MX78o
ではそろそろ帰りますです
本日もご支援ありがとございました!ノシ
>>855
そうなんですよね…なんというかその…ごめんなさいな感じです
857 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/18(金) 23:11:16.40 ID:Wis/AqeDO
>>1
乙!
やべえwwwwww先の展開が楽しみすぎて楽しみすぐるwwwwwwww
>>1
も色々大変だろうけれど頑張ってな!
858 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
:2011/03/19(土) 00:02:19.44 ID:fpdkDC0AO
草生やしすぎだろ新参
859 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/19(土) 00:27:28.51 ID:T6YEyZ4AO
>>1
おつ
860 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
:2011/03/19(土) 02:38:07.98 ID:P8s/ur4AO
いちおつ愛してる
861 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/19(土) 02:43:35.22 ID:umltxAuSO
俺、この地震と余震を生き残ったら…バハムートよりも強い青龍召喚獣になるんだ……!
862 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/19(土) 06:36:04.07 ID:09k+SpcSO
>>861
可愛がってやるよ
863 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2011/03/19(土) 07:06:41.72 ID:ztNNykNso
>>861
逃げてぇぇ
864 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/19(土) 08:44:20.71 ID:QSmuwjPAO
>>861
ダッシュで逃げてぇ〜
865 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2011/03/19(土) 10:23:03.54 ID:ztNNykNso
いつのまに県名表示されてんだよ
ここだけはないと信じてたのに
866 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/19(土) 11:27:31.17 ID:1NZ06w1IO
>>1
乙です
神奈川だけど、ちゃんと表示されるかな?
867 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/19(土) 15:36:17.51 ID:iagCvY0k0
>>1
乙
こんな状況なのに更新があるとは有難いです
868 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/19(土) 21:10:08.73 ID:3TviL07SO
なげえな…
869 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
:2011/03/20(日) 00:24:30.51 ID:Y8s3xdu30
一乙
おやすみ愛してる
870 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/20(日) 03:10:21.07 ID:4x2/3PTT0
ケッアナルココホル
871 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/20(日) 03:21:36.59 ID:TocZcwsDO
今日明日はスーパームーンで満月ででかくて輝いてるぞ〜
こんな日は召喚獣世界に行ったらすごいのが出てきそうだな!ちょっと行ってくる
872 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/20(日) 03:40:39.28 ID:JFSjMhuAO
先代ユニコーンさんに掘られてこい
873 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/20(日) 04:11:01.87 ID:4x2/3PTT0
アッー
874 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/20(日) 04:30:06.62 ID:WaNsRbMDO
1乙っす!
875 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:24:15.62 ID:s3dHniQno
16時ごろ。本国、国軍本部正門前にて。
ザワザワザワ
戦士「あん?」
魔道士「何だか騒がしいですねぇ」
召喚士「あれは……新聞社の?」
戦士「まーたあの件かよ」
盗賊「……」
テクテクテクテク
記者「ですからっ、噂は本当なんですか!?」
副司令官「今それを究明しておるところです」
記者「しかし、既に身柄拘束へ向けて出兵しているとの噂も……」
副司令官「ですから、それも含めて後ほど改めて発表を……」
ザッザッザ
青年兵「副司令様、そろそろお戻り頂いて宜しいですか?」
副司令官「うむ。では、これで失礼します」
876 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:25:00.93 ID:s3dHniQno
ザッザッザ
記者「最後に一言っ!本当に内通者は存在するのですね!?」
ザッザッザ
副司令官「……やれやれ。困ったものだ」
青年兵「本当ですね」
ザッザッザ
召喚士「青年兵くんっ!」
青年兵(召喚士さん……っ!?)
正門前に群がる記者の隙間から見える召喚士らの姿。
召喚士「この騒ぎは……一体……っ」
記者「……朱雀先生っ!?」
召喚士「……記者さんっ!」
戦士「何なんだ、この騒ぎは……」
記者「……ええ、実は…ですね」
召喚士「…?」
877 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:26:05.44 ID:s3dHniQno
…
戦士「なにぃ!?」
魔道士「総司令さんが……内通者!?」
記者「そうなんですよ。それでこの騒ぎで……」
召喚士「……青年兵くん」
呼びかける召喚士の声に反応し、ただ首を横に振る青年兵。
召喚士「……っ」
盗賊「…違う。あの者は断じて…内通者などではない」
魔道士「そうですよっ、きっと誤解に決まってます!」
召喚士「……青年兵くん、僕らも何か――」
青年兵「召喚士さん、黙っていて下さい。これは国軍の問題なのです」
召喚士「そんな……」
青年兵「あなた方、ワーカーの出る幕ではありません。……お引取りを」
副司令官「では、参ろうか」
青年兵「……それでは」
878 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:27:25.69 ID:s3dHniQno
ザッザッザッザッザ
戦士「んだよあの態度……カンジ悪りぃ……」
召喚士「青年兵くん……」
魔道士「でも、やっぱり邪魔しちゃ悪いですよ…」
召喚士「…ええ、そうかもしれませんね」
盗賊「……」
戦士「頼まれたって手伝ってやるかっての!」
魔道士「戦士さんっ!」
戦士「おいおい、先に手を出すなって言ったのはあっちだぜ」
記者「朱雀先生方もご存知ないという事ですか……」
召喚士「…ええ、すみません。俺らも本国へ戻ったばかりで……初耳です」
記者「まさか国軍のトップが……。真実ならば大変な出来事ですよ……」
召喚士「……はい」
盗賊「…私は…信じぬぞ」
魔道士「もちろん私です!」
879 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:28:35.00 ID:s3dHniQno
〜王宮〜
右大臣「エリート!これはどういう事か!?」
エリート「何のお話でしょうか?」
右大臣「総司令が内通者などと……そんな話があるかっ!!」
エリート「……現に、証拠もそろっているのです」
右大臣「そんなものは左翼でっち上げだ!お前はそれを鵜呑みにするのか!?」
エリート「……申し訳ないが、この件については国軍との共同作戦……」
右大臣「……」
エリート「それに、今更ごちゃごちゃ言われては敵いませんな……右大臣様」
右大臣「……っ」
エリート「では失礼」
スクッ…テクテクテク
右大臣「こ、こらっ!待てエリート!」
テクテクテクテク…パタン
右大臣「……馬鹿者めがっ!」
880 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:29:16.16 ID:s3dHniQno
〜王宮〜
右大臣「エリート!これはどういう事か!?」
エリート「何のお話でしょうか?」
右大臣「総司令が内通者などと……そんな話があるかっ!!」
エリート「……現に、証拠もそろっているのです」
右大臣「そんなものは左翼でっち上げだ!お前はそれを鵜呑みにするのか!?」
エリート「……申し訳ないが、この件については国軍との共同作戦……」
右大臣「……」
エリート「それに、今更ごちゃごちゃ言われては敵いませんな……右大臣様」
右大臣「……っ」
エリート「では失礼」
スクッ…テクテクテク
右大臣「こ、こらっ!待てエリート!」
テクテクテクテク…パタン
右大臣「……馬鹿者めがっ!」
881 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:30:17.01 ID:s3dHniQno
テクテクテク
エリート「……」
皇太子「少し、強く言い過ぎではないのかね?」
エリート「殿下……」
皇太子「ここまで聞こえてきたぞ?」
エリート「…はぁ、すみませぬ」
皇太子「落胤の件で腹を立てているのは分かるが、それとこれとは別だぞ」
エリート「分かっております。おりますが……」
皇太子「もうじき、一段落もするさ」
エリート「…しかし、総司令は如何なる処分になさるおつもりで?」
皇太子「…国家反逆者は当然、死刑だ」
エリート「……しかしそれでは」
皇太子「そうするしかあるまい。彼には死んで貰う」
エリート「……分かりました」
皇太子「なぁに心配するな。万事、上手くいくさ」
882 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:34:39.67 ID:s3dHniQno
17時20分頃。南方、赤壁にて。
ザッザッザッザ
赤壁兵「ごっ、ご苦労様です……っ」
隊長「南方司令殿は?」
赤壁兵「奥にいらっしゃいます」
隊長「おーう。サンキュ」
ザッ…カツカツカツ…
隊長「ふぅん。だいぶ出来てきてんじゃねぇか」
南方司令「…ほぉ、これは珍しいな」
隊長「んーまぁな」
南方司令「それで、何用かな?」
隊長「あーまぁ……総司令に捕縛命令が出た」
南方司令「……意味が分からんな」
隊長「国家反逆罪だ。内通者のな」
南方司令「…………」
883 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:36:58.47 ID:s3dHniQno
カツカツカツ…グイッ
隊長「……手を離せ。苦しい」
南方司令「意味が分からんと言っている」
隊長「何度も言わせるな。そういう事だ」
南方司令「……」
隊長「ここに来る事はない。そう思うが来た時には……」
南方司令「……」
隊長「事情はどうあれ、捕らえてくれ」
南方司令「誰の差し金だ」
隊長「副司令殿直々のご命令だ。即ちこれは、国軍全体としてのな」
南方司令「……っ」
バッ
隊長「そういう事だ。頼んだぞ、南方司令殿」
カツカツカツカツ…
南方司令「……馬鹿げている…っ。それが正義であってもだ」
884 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:37:49.61 ID:s3dHniQno
18時過ぎ。南東国、東の街にて。
女隊員「――っ!!」
男隊員「……来たな」
大軍師ら国軍の者が東の城を立ち去ってから数時間後、
正門前には単身、総司令がその姿を現した。
男隊員「中に入っていくな……」
女隊員「どうするッスか?……動くッスか!?」
男隊員「……いやっ、まだだ」
女隊員「……」
男隊員「出てきた時を狙う」
女隊員「でも、別の所から逃げられるんじゃ……」
男隊員「いーや、逃げたりはしねぇ」
女隊員「何で分かるんスか?」
男隊員「勘だよ、勘」
女隊員「勘……って」
男隊員「冗談だっての。だが、ここからの逃亡は絶対にねぇ。絶対にな……」
885 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:38:51.51 ID:s3dHniQno
〜本国、宿〜
召喚士「…………」
魔道士「本当に…総司令さんは……」
戦士「なぁ、どう思う?」
盗賊「…何度も言うが、私は信じぬ」
戦士「……召喚士は?」
召喚士「……分からない。分からないけど」
盗賊「……」
召喚士「これは、何か意味があっての事なんじゃないかな…」
魔道士「意味…ですか?」
召喚士「青年兵くんのあの、突き放した言い方…」
戦士「あぁ、あれには……」
召喚士「俺らを巻き込まないように、そう言ったんじゃないかな?」
盗賊「……確かに…そうともとれるな」
魔道士「それじゃあ…どうして総司令さんが……?」
886 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:40:01.88 ID:s3dHniQno
召喚士「…そこまでは分かりません」
戦士「そんじゃ何か?総司令を囮にしてるって事か?」
魔道士「……囮?」
戦士「だってそうだろ。総司令がシロなら囮に使ってるって事になる」
盗賊「……つまり」
召喚士「本当の内通者は……別にいる……!?」
魔道士「え……っ!?」
戦士「そう考えると、まぁ辻褄は合うわな」
魔道士「でもっ、それじゃ一体誰が……っ」
召喚士「そこまでは分かりません…。しかし……」
盗賊「……?」
召喚士「総司令ほどの方を囮に使う意味……」
戦士「おいおい……っ、それって……」
召喚士「…………」
そしてついに、本国全土に激震の走る出来事が訪れる。
887 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:40:39.47 ID:s3dHniQno
21時40分頃。南東国、東の街。
男隊員「……」
タッタッタ
女隊員「……あんぱんと牛乳、買ってきたッスよ」
男隊員「……おーう」
パシッ
男隊員「なんだこりゃ!?粒あんじゃねぇか!!」
女隊員「だって、それしか売ってなかったッスよ」
男隊員「ちゃんと探したのかよ。ったく……」
女隊員「文句言うなら自分で買ってくればいいッス」
男隊員「あんっ!?」
スタッ
男隊員「――っ!!」
女隊員「隊長っ!?」
隊長「てめぇら気配丸出しすぎだ。もっと抑えろ」
888 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:41:35.00 ID:s3dHniQno
男隊員「目標は城内。かれこれ3時間以上になりますわ」
隊長「……随分と長いな。他は?」
女隊員「大軍師さん達は、随分前にここを離れてるッス」
隊長「何?……ははぁ、そういう事か」
女隊員「……?」
隊長「お前ら二人は正門の左右に回れ」
男隊員「隊長は?」
隊長「正面から行く。合図と同時に左右から挟め、いいな?」
男隊員「……ヒャハハ!りょーかいっ!」
女隊員「……了解ッス」
隊長「……さーて、もうそろそろ……んっ!?」
女隊員「来たッス!!」
隊長「おーし、そんじゃ……作戦開始だっ!!」
男隊員「行くぞっ!」
女隊員「はいッス!!」
889 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:42:18.72 ID:s3dHniQno
ザザッ…タタタタタッ
隊長「……よし」
ザッザッザッザッザ
司令官「……おや?」
隊長「……」
パラッ
隊長「罪状は……お分かりですな?」
司令官「……意外と遅かったね」
隊長「……」
司令官「それで、どうしたらいいのかな?」
隊長「……確保ぉ!!」
ババッ
女隊員「……っ」
男隊員「……失礼致します」
司令官「……ん」
890 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:42:53.33 ID:s3dHniQno
グイッ…ググッ
隊長「21時46分。同時刻をもって、国軍総司令官を……」
司令官「……」
隊長「……国家反逆の罪により、捕縛!」
男隊員「馬車を」
女隊員「ういッス」
タッタッタッタッタ
隊長「……抵抗なさらず、光栄であります」
司令官「抵抗して欲しかったのかな?」
隊長「い…いえっ、そういうわけでは……っ」
司令官「…真面目だね、君は」
隊長「……私は、根っからの軍人であります」
司令官「…ん、頼もしいよ。君みたいな人はね」
隊長「……よし、連れて行け。すぐに本国まで護送するぞ」
国軍総司令官が内通者。次の日の新聞はどれを見てもその見出しであった。
891 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:43:20.65 ID:s3dHniQno
〜次の日〜
パッカパッカパッカ…
記者「来たぞっ!!あの馬車だ!!」
国軍兵「こらっ、下がれ!!」
記者「その馬車には総司令官が乗っておられるのですよね!?」
国軍兵「下がれと言っているのだ!通行の妨げになる!!」
記者「一言っ!どうか一言!!」
パッカパッカパッカ…ドドォ
青年兵「……」
ガチャ…スタッ
隊長「……」
青年兵「総司令は……?」
隊長「後ろだ。ひとまず地下の牢獄に移送する」
青年兵「ええ。お願い致します」
隊長「…馬車を裏に回せ」
892 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:44:04.42 ID:s3dHniQno
〜国軍本部、副司令室〜
コンコン…カチャッ
青年兵「総司令、今…到着致しました」
副司令官「よくやった!それで、生死は?」
青年兵「当然、生きております」
副司令官「そうか」
青年兵「それが何か?」
副司令官「いや、尋問等あるだろうしな……」
青年兵「今日の間は、地下牢獄にいれておきます」
副司令官「それが良かろう。誰も近づけるな、無論……君もだ」
青年兵「警備の者は宜しいので?」
副司令官「あそこからはどう足掻いても、脱獄出来んよ」
青年兵「……分かりました。伝えておきます」
副司令官「……うむ、それともう一つ」
青年兵「……?」
893 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:44:41.56 ID:s3dHniQno
副司令官「……総司令の座が空く」
青年兵「…はい。そういう事になります」
副司令官「まぁ、私が就く事になろうな」
青年兵「ええ、それが妥当……というか、勿論の事かと」
副司令官「そうすると、今度は副司令の座が空くわけだ」
青年兵「はい」
副司令官「青年兵、君は私に従うかね?」
青年兵「仰る意味が判りかねます」
副司令官「何があっても、私に従うかと聞いているのだ」
青年兵「勿論です。それが軍人としての務めかと」
副司令官「……良かろう。ならば、君を副司令としよう」
青年兵「――っ!?」
副司令官「あくまで、まだ先の話だ。確約は出来んが……約束しよう」
青年兵「……し、しかし他に適任者がいると思われますが」
副司令官「……君だって、偉くなりたいのだろう?」
894 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:46:03.60 ID:s3dHniQno
青年兵「…………」
副司令官「悩む事はない。それだけの事はしてきたであろう?」
青年兵「私は……」
副司令官「それに、弱肉強食。強い者だけが生き残るのだ」
青年兵「……」
副司令官「私は君を買っている。覚えておきたまえ」
青年兵「……あ、ありがとうございます……っ」
副司令官「…では、事務処理は任せる」
青年兵「はっ。……失礼致します」
ザザッ…カツカツカツカツ
副司令官「……くくっ」
コツコツコツ
副司令官「……これで好きに動けるだろう?左大臣に伝えよ」
スゥッ
導士「……」
895 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/20(日) 19:47:49.72 ID:s3dHniQno
>>878
× 魔道士「もちろん私です!」
○ 魔道士「もちろん私もです!」
あと
>>879-880
ダブっちゃいました。すいません…
896 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長野県)
[sage]:2011/03/20(日) 20:06:51.92 ID:gUeST5F7o
ダブリは今更気にしちゃいないお
それよりも乙だ
897 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/20(日) 20:38:19.09 ID:sk0rdCsDO
>>1
乙!
先の展開が凄く気になる…
早く続きを読みたくて明日が来るのが待ち遠しぜー
898 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/20(日) 21:12:19.60 ID:JFSjMhuAO
>>1
おつ
899 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/20(日) 21:39:26.28 ID:IKL1E3dR0
うほほほほもりあがってまいりましたwwww
1乙
900 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/20(日) 21:42:48.23 ID:jKRfsib9o
\ /
\ 丶 i. | / ./ /
\ ヽ i. .| / / /
\ ヽ i | / / /
\
-‐
ー
__ もちろん わ た し で す --
二 / ̄\ = 二
 ̄ | ^o^ |  ̄
-‐ \_/ ‐-
/
/ ヽ \
/ 丶 \
/ / / | i, 丶 \
/ / / | i, 丶 \
901 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/20(日) 23:17:57.89 ID:kxnhojDIO
一乙
導士ってあれか
キョンシー使うやつか?
俺のあそこがしにそうだから、生きかえらせてくれ
902 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2011/03/21(月) 00:19:31.93 ID:n1WN6cJZo
朱雀先生パーティが総司令は内通者じゃないって断言できるようなエピソードって何かあったっけ?
903 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/21(月) 02:19:04.41 ID:SoUv6uYSO
1乙!
>>901
俺が最強青龍召喚獣になったら一瞬で楽にしてやるから待ってろ
>>902
議会編の投票前あたりに盗賊と総指令が……
のような気がした。盗賊以外は特にないかな?
904 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2011/03/21(月) 04:32:21.92 ID:gHfYiMl70
1おつ
905 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
:2011/03/21(月) 08:47:13.34 ID:EJNyjSUAO
レス自重しろ
使いすぎだ
906 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/21(月) 20:05:48.49 ID:42VUZI88o
1スレだけで完結させる系のスレではないんだし
そこまで神経質にならなくてもいいんじゃね?
まぁアッチでやれと言われれば返せる言葉もないんだけどね
907 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:25:56.43 ID:sQRb2ASwo
カツカツカツカツ…
隊長「お入り下さい」
司令官「……」
カツカツカツ…ガシャアァン
隊長「ここの強固さは…ご存知ですよね」
司令官「もちろん。私が携わったものだもの」
隊長「……」
司令官「まさか、こんな事になるとは予想だにしなかったけどね」
隊長「早ければ、明日にでも尋問が行われる予定です」
司令官「……そう」
隊長「……」
司令官「何か言いたげだね、遠慮は要らないよ」
隊長「……いえ。ご武運を」
司令官「…ん、ありがと」
クルッ…カツカツカツカツ…
908 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:26:28.20 ID:sQRb2ASwo
〜国軍本部、正面入り口〜
青年兵「…あっ、どうです?」
隊長「今、獄へ入ったところだ。警備はどうする?」
青年兵「副司令が不要だと……」
隊長「……ほぉ」
青年兵「どうします?」
隊長「…お前はどう思うんだ?指揮官はお前さんだろ?」
青年兵「…上がそう言うのであれば、それは絶対です」
隊長「……ほぉ」
青年兵「それに、捕縛までが私の仕事。そこから先は管轄外ですよ」
隊長「……変わったな、お前」
青年兵「そうですか?変わったのは役職ですよ」
隊長「……そうかもな」
カツカツカツカツ…
青年兵「変わってなんかいないよ……僕は……」
909 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:26:54.62 ID:sQRb2ASwo
〜東方司令部〜
大軍師「…………」
カツカツカツ
東方参謀「古くに、そんな彫刻を見かけた事があるな」
大軍師「……考える人、ですか?」
東方参謀「真似事か?」
大軍師「ふっふ、私にもようやく宴会芸を身に付ける事が出来ましたな」
東方参謀「……それで、本国混乱の間隙を縫って、何の用だ?」
大軍師「偶然ですよ、偶然」
東方参謀「まぁよいわ。それよりもどうだ?」
大軍師「流石に、今のところ何も……」
東方参謀「事故からかなり経っておるからな。今更だな」
大軍師「事故…?事件の間違いでしょう?」
東方参謀「……それは悪かったな」
大軍師「事故で済めば、良かったのですがねぇ」
910 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:27:21.05 ID:sQRb2ASwo
…
大軍師「…………」
東方参謀「……なぁ」
大軍師「はい?」
東方参謀「今回の狙い、何が目的なのだ?」
大軍師「……どちらのですか?」
東方参謀「どちらもだ」
大軍師「確かに。割とすんなりこちらの思惑に乗ってくれていますねぇ」
東方参謀「安易だとは思わんか?」
大軍師「思いますが、こちらも手筈は周到に進めました故……」
東方参謀「敵を欺くには味方……か」
大軍師「誰が敵で、味方なのか悩ましいものですがね。ふっふ」
東方参謀「……」
大軍師「副司令官が内通者である事は、ほぼ間違いありません」
東方参謀「しかし今まで、全く尻尾を出さなかったのだ。何故今になって……」
911 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:27:47.45 ID:sQRb2ASwo
大軍師「左大臣の表立った動きに加え……ここでの……」
東方参謀「……そしてここでの事故」
大軍師「それにしては、入れ替わるように左大臣の動きが止まって――」
スクッ
大軍師「…………」
東方参謀「…どうした?」
大軍師「左大臣は…軍務の一切に口出しをしていなかった……っ」
東方参謀「それはそうだ。考えうる奴の狙いは……」
大軍師「……陛下っ!!」
東方参謀「……ちっ、面倒な事だ!」
大軍師「副司令の動きは牽制っ!あくまで罠に掛かった振りをした上での……」
東方参謀「真の狙いは……左大臣による、陛下への……」
大軍師「やってくれますね……。この私が謀られるとは……」
東方参謀「だが、このタイミングで陛下をどうしようというのだ……」
大軍師「……」
912 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:28:13.89 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「病床の上におられる陛下だ。言い方は悪いが……」
大軍師「放っておいても……死にますか?」
東方参謀「……っ」
大軍師「確かにそうですね。メリットは……ないはず」
東方参謀「ならば考えられる理由は……」
大軍師「…………」
東方参謀「……ま……さかっ」
大軍師「準備が整った段階で崩御なさるのと……突発的な崩御では……」
東方参謀「勝手が違う!混乱の中では更に混乱を極め……」
大軍師「……」
東方参謀「おい、奴の狙いは政権の掌握だ!後継者を……」
大軍師「落胤か……っ。まさか、もう突き止めているとは……っ」
ザッ
東方参謀「どこへ行く!?」
大軍師「本国へ戻ります!王宮へ……」
913 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:28:43.53 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「今からでは遅い!」
大軍師「しかし、放っておくわけにも……」
東方参謀「……いいだろう」
ザッザッザ…
大軍師「……?」
東方参謀「この柱で十分か……」
トンッ…スタッ…トンッ
東方参謀「…ふん」
ボゴォ
大軍師「……は、柱を……っ」
東方参謀「南西の方角、距離は……」
大軍師「いっ、一体……何をっ」
東方参謀「柱を投げたと同時に、風を頼む」
大軍師「!?」
東方参謀「お前の十八番であろう?頼むぞ」
914 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:29:14.77 ID:sQRb2ASwo
ザッ
東方参謀「すううぅぅ……っ」
グググッ
東方参謀「でやああぁぁーっ!!」
ブンッ!!
大軍師「はああぁぁ!!」
キュイイィィィィ……ブオオォォンッ!!
東方参謀「ひょおっ!!」
スタッ…ゴオオォォォォ…
大軍師「は、柱に乗って……本国まで行くと言うのか……っ!?」
ギュオオォォォォ…
大軍師「これで、間に合えば良いが……」
――「……ちっ」
バッ!!…クルッ
大軍師「……気の…せいか…?」
915 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:29:46.05 ID:sQRb2ASwo
ギュオオォォォォ
東方参謀「……」
キラッ
東方参謀「むっ!?」
バガアアァァッ!!……スタッ
東方参謀「何奴っ!?」
バサッバサッバサッ…
ガーゴイル「……ケッケッケ!」
東方参謀「……この程度の数で」
ガーゴイル「かかれぇ!!」
東方参謀「甘いっ!甘いわあぁ!!」
キュイイィィン…
ガーゴイル「な、何だ…っ!?体ぜんたいが光って――」
東方参謀「爆発っ!!」
チュドオオォォォォンッ!!
916 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:30:15.82 ID:sQRb2ASwo
ガーゴイル「ギイヤアアァァーッ!!」
ドドオオォォ…パラパラパラッ
東方参謀「……ふんっ」
キランッ
東方参謀「何っ!?」
ゴオウッ!!…ガガアアァァァァッ!!
東方参謀「ぬうぅ……っ!」
クルクルッ…スタッ
東方参謀「今の閃光は……」
ザッザッザッザッザ
東方参謀「……召喚獣!」
コート男「…くっく。どこへ行こうと言うのかね?」
東方参謀「…貴様はっ!?」
コート男「どうやら、良からぬ事のようだ」
東方参謀「こんな所で貴様と遊んでおる暇はないっ!!」
917 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:30:41.68 ID:sQRb2ASwo
タンッ
コート男「……老いたな。東方先生」
勢い良く地面を蹴る東方参謀の足場が、突如盛り上がる。
ゴウッ!!
東方参謀「何ぃ!?」
ベヒーモス「ゴアアァァァァ!!」
キュイイィィ……
東方参謀「ちいぃ……っ!!」
ガガアアァァァァッ!!
ベヒーモス「……フシュウウゥゥ」
ガラガラッ…カラン
コート男「……」
ゴトンッ…グググッ
東方参謀「……お…のれ……っ」
コート男「まだ生きているのか……しぶとい奴だ」
918 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 20:31:47.30 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「貴様、人間を捨ててまで……何をしようと……」
コート男「お前さんにゃあ、関係ないよ」
東方参謀「東方副司令や……白虎長の気持ちが分かるか!?」
コート男「……興味ないな」
キュイイィィ
コート男「死ね」
東方参謀「……タダでは……死なぬっ!」
コート男「……はんっ!その身体で何が出来るかっ!!」
ドドオオォォォォン!!
東方参謀「――っ!!」
ゴシャアアァァ…
東方参謀「……無…傷!?」
コート男「……ちっ、ベヒーモスが一撃とはな。何者だ……?」
ザッザッザッザッザ
――「…………ふぅ」
919 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
:2011/03/21(月) 20:33:15.62 ID:FgFidGuAO
しうぇん
920 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/21(月) 20:43:40.23 ID:lbGH7hbDO
ドS乙!
921 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/03/21(月) 20:57:18.17 ID:Tx0iyLEjo
読んでいるときのスクロールする速さが異常すぎて
自分に引いた
>>1
おつ
922 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/21(月) 21:25:08.22 ID:2ZBrRwQNP
おい桃白白
おい
923 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/21(月) 21:28:36.68 ID:os2zcMhKo
なんという桃白白
924 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州・沖縄)
[sage]:2011/03/21(月) 22:11:58.62 ID:d5uJHvuAO
東方不敗+桃白白=最強
925 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/21(月) 23:09:15.97 ID:/DVdLl6DO
東方不敗×桃白白で一気に噛ませ臭くなったと思うんだが
926 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/21(月) 23:21:36.85 ID:MGXOIXTDO
>>1
乙
テラ桃白白wwwwww
927 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 23:40:23.02 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「貴様は……っ!」
賢者「……こんな所で…無益な……ふぅ」
コート男「……新手か」
賢者「新手?君は人じゃないのかい?」
コート男「……」
東方参謀「問答はよい、その男から離れよ!」
コート男「まとめて殺し――」
ブゥン…
コート男「……っ!!」
賢者「召喚獣を出せば、それに反応し発動するよ……ふぅ」
東方参謀「…魔法陣!?い、いつのまに……っ」
コート男「……やってくれる」
賢者「きょうのところは…退いた方がいいと思うよ……ふぅ」
コート男「……っ」
賢者「……それでいい……ふぅ」
928 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 23:41:22.08 ID:sQRb2ASwo
スゥッ
コート男「……今はいい。今は……な」
ゴウッ……ドウゥンッ!!
賢者「……召喚獣って乗れるんだ」
東方参謀「……」
賢者「…ふぅ。それで、何をしてるのかな」
東方参謀「ほ、本国へ……行かねば」
賢者「ターミナルまですぐそこだよ。行くがいいさ…ふぅ」
東方参謀「……っ」
賢者「……分かったよ、仕方ない……ふぅ」
東方参謀「…?」
スゥッ…パアアァァ
東方参謀「…きっ、傷が……っ!?」
東方参謀「はい、おしまい。これは貸しにしておくよ……ふぅ」
東方参謀「……こ、こうしてはおれん!」
929 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 23:42:04.18 ID:sQRb2ASwo
バッ
賢者「まさか徒歩で来たのかい?」
東方参謀「飛んできた」
賢者「へぇ、それは凄いね……ふぅ」
東方参謀「ターミナルへ行くつもりが、とんだ邪魔が入ったわ…」
ザッ
東方参謀「とにかく助かったわ。借りはいずれ返すぞ」
賢者「……ふぅ。期待せずに待ってるよ」
シュタッ…タタタタタッ
東方参謀(……改めて思えば…さっきのコート男)
スタタタタタッ
東方参謀(何が目的で、あのような所へおったのだ?)
スタタタタッ…
東方参謀「む……っ!?」
疾走する東方参謀の前に、見覚えのある馬車がうっすらと見え始める。
930 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 23:43:03.25 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「あれは……っ!」
ズザザザァ
東方参謀「……仕方ない。気付いてくれよ……っ」
キュイイィィン……ドガアアァァ!!
国軍兵長「何の音だ……!?」
パッカパッカ…ドドォ
国軍兵「あれは……竜巻!?」
国軍兵長「こんな所でか!?まさか……魔物か?」
国軍兵「ど、どうしますかっ!?」
国軍兵長「……待て、何か…来る!?」
シュタタタタタッ
国軍兵「人間…っ!?いや、まさか……っ」
タタタタタッ…ズザァ
東方参謀「はぁ…はぁ、よくぞ止まってくれた」
国軍兵長「あ、あなたは……東方参謀様っ!?」
931 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 23:44:05.48 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「大軍師を送り届けた馬車だな?これから本国へ帰還か?」
国軍兵「え、ええ…。いかにも…そうですが」
東方参謀「助かった。急を要しておってな、馬を貸してくれ」
国軍兵長「馬ですか?」
東方参謀「うむ。何とか本国に辿り着かねばならぬ…」
国軍兵長「何か……緊急事項で?」
東方参謀「まぁな。伝令も出ているとは思うが…とにかく急ぎなのだ」
国軍兵「そうでしたか。それは惜しかったですね…」
東方参謀「…?」
国軍兵長「あぁ…先程、軍船が出航しましてね。あれに乗れれば……」
東方参謀「今……なんと言った?」
国軍兵長「で、ですから…軍船が……」
東方参謀「……こいつを借りるぞ!」
グイッ
国軍兵「南東国で付け替えた南東国馬です。気性が荒いのでお気を付けて!」
932 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 23:46:04.18 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「……南東国の馬か。丁度よいわっ!!」
バシィ!!…ドドッドドッドドッ
東方参謀「この脚ならば……っ!!」
ドドッドドッドドッドドッ…
東方参謀を背に乗せた馬は、海岸沿いを剛脚で駆け抜ける。
ドドッドドッドドッ…
東方参謀「……見えたっ!!」
崖上から眺める水面。その右手に国軍の船が浮かんでいた。
東方参謀「気付いて……くれよ」
シュッ…バシュシュシュシュシュシュシュ!!
東方参謀「……っ」
グイッ…ドドッドドッドドッ
東方参謀「今出来る事はここまでよ…。あとは、なるようにしかならんか」
緊急を知らせる紫色の閃光弾が消えるのを確認し、
東方参謀は再び馬を西へと走らせた。
933 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/21(月) 23:52:49.71 ID:sQRb2ASwo
東方参謀「……南東国の馬か。丁度よいわっ!!」
バシィ!!…ドドッドドッドドッ
東方参謀「この脚ならば……っ!!」
ドドッドドッドドッドドッ…
東方参謀を背に乗せた馬は、海岸沿いを剛脚で駆け抜ける。
ドドッドドッドドッ…
東方参謀「……見えたっ!!」
崖上から眺める水面。その右手に国軍の船が浮かんでいた。
東方参謀「気付いて……くれよ」
シュッ…バシュシュシュシュシュシュシュ!!
東方参謀「……っ」
グイッ…ドドッドドッドドッ
東方参謀「今出来る事はここまでよ…。あとは、なるようにしかならんか」
緊急を知らせる紫色の閃光弾が消えるのを確認し、
東方参謀は再び馬を西へと走らせた。
934 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/22(火) 00:14:19.46 ID:VnT8aoZdo
ペース遅くてほんとすみません…。もっともっと頑張らなくちゃ!
それではおやすみなさい!寒いけどお気をつけて!ノシ
935 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2011/03/22(火) 00:40:54.57 ID:TdUqpqsfo
乙
936 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/22(火) 02:05:24.38 ID:VPl5+liAO
>>1
おつ
これくらいのペースで十分ですたい
937 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/22(火) 02:55:16.63 ID:J9sTVBTSO
乙!
東方先生+気性の荒い馬……マスターアジアっ!!
938 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/22(火) 08:37:08.84 ID:mmlYUSKDO
>>1
乙!
うおー山場だなー!!
マジで更新が待ち遠しいけれど、まだ計画停電やらで大変そうだし無理しないペースで頑張ってくれよなー
939 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/22(火) 09:22:45.76 ID:4WmcPeDDO
黒松風再起号
940 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/22(火) 09:41:07.57 ID:Fz87JasAO
賢者△
941 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/22(火) 13:16:44.98 ID:8RLauM7DO
賢者はただのナルシストじゃなかったか
942 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/03/22(火) 14:52:13.12 ID:0tXxT2+vo
賢者は魔道士の初体験の相手
943 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/22(火) 16:51:22.51 ID:5ohz+elOo
ふぅ・・・
944 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:44:16.92 ID:Yaxb9Ndmo
〜海上〜
海兵「……お、おいっ。今の…見たか?」
国軍兵「あ、あぁ……っ」
カツカツカツ
船長「何を騒いでおる?」
海兵「閃光弾です……っ。紫色の……」
船長「紫…?東方司令部かっ!いくつだ!?」
国軍兵「確か……九つ」
船長「紫の9……!!ここから近い灯台は!?」
海兵「かなり西へ進まないと……ありません」
船長「……くそ…っ」
国軍兵「紫の9って確か……」
ザッザッザッザッザ
青龍士官「……至急。東方司令部で何かあったのだろう」
国軍兵「青龍士官様っ!」
945 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:44:57.22 ID:Yaxb9Ndmo
ザッ
青龍士官「閃光弾の上がった方向は?」
海兵「確か……あの辺り……」
青龍士官「……」
船長「どうするつもりだ?」
青龍士官「俺が行く」
船長「行くって……っ!?」
青龍士官「こういう時の為に、同行いるのだ」
バッ
青龍士官「出でよっ、ワイバーン!!」
シュイィィン……ガシッ
青龍士官「俺は気にせず、船は進めてくれ!」
船長「た、頼む…っ!」
ドシュウウゥゥ!!…バサァ
船長「……よし、こちらも急かすぞ!灯台まで全速前進!!」
946 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:45:26.03 ID:Yaxb9Ndmo
バシュウウゥゥ…バサッ…バサッ
青龍士官「……」
……――
青龍士官『……話?』
青年兵『うん。先日会った召喚士のワーカーが…話してたんだ』
青龍士官『だがよ、召喚獣と話すなんて普通考えるか?』
青年兵『僕も魔法だとばかり認識してた…。でも、あの人は違った……』
青龍士官『なんだ?まさか生き物だとでも言うのか?』
青年兵『……国軍の教えが間違っているとは言わないけど、何か違うんだ』
青龍士官『俺達…召喚隊が他の召喚士と関わる事なんて皆無だしな』
青年兵『でももし…召喚士さんの言う通り、会話をすれば連携や戦術の幅も広がる』
青龍士官『一兵卒がそこまで考える必要ないと思うけどな』
青年兵『そうかもしれないけどさ……っ、いずれは……』
青龍士官『それじゃあ何か?ワームやワイバーンの背中にでも乗って、飛べるってか?』
青年兵『……そういう事だって不可能じゃないかもしれないよ』
947 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:46:01.61 ID:Yaxb9Ndmo
――……
ワイバーン「……おい、おーい!!」
青龍士官「…あ、ああ。すまん」
ワイバーン「スマンじゃねーだろボケ!二度と乗せねーぞ!」
青龍士官「だ、だから……悪かったって」
ワイバーン「右の陸伝い。一騎駆けでいるのがおるぞ」
青龍士官「!?……国軍の者のようだな!」
ワイバーン「近づくか?」
青龍士官「敵味方は問わん!行くしかあるまいっ!」
ワイバーン「あーいよっ!」
ギュオッ…ドシュウウゥゥゥゥ
東方参謀「……むっ!?」
ドドッドドッ…ドドォ
東方参謀「…敵!?いやっ、ワイバーンか……っ!」
バサッ…バサッ…バサァ
948 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:46:41.22 ID:Yaxb9Ndmo
青龍士官「……貴方は!?」
東方参謀「青龍召喚隊の者か」
青龍士官「確か東方参謀様っ!このような所でどうなさいました!?」
東方参謀「丁度良かったわい。伝令を頼むっ!」
青龍士官「……何処までですか?」
東方参謀「本国……王宮」
青龍士官「――っ!!」
東方参謀「国家の一大事に繋がるやもしれんのだ。頼まれてくれるか?」
青龍士官「……っ」
シュルッ…スラスラスラッ
東方参謀「これを殿下、右大臣かその倅に渡してくれ」
青龍士官「……畏まりました」
東方参謀「頼むぞ!」
バサァ
青龍士官「とにかく、行ける所まで行くしかない……っ!」
949 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:47:07.80 ID:Yaxb9Ndmo
……――
青龍士官『まさかお前の……後塵を拝する事になろうとはな』
青年兵『別にそんなつもりじゃないさ』
青龍士官『結果は同じだ。それで…俺にどうしろと?』
青年兵『青龍先生亡き後、青龍隊を支えるのは僕達だ』
青龍士官『……まぁ、そうなるだろうな』
青年兵『ましてや、このままでは五ヵ年計画の戦力にも換算出来ない』
青龍士官『それは現場の人間としての意見か?それとも王宮務めとしての……』
青年兵『両方さ。今の戦力じゃ何の役にも立てないよ』
青龍士官『だから、俺は何をすればいいんだ?』
青年兵『第一に青龍召喚隊の魔力鍛錬。これは必要不可欠』
青龍士官『あとは?』
青年兵『次に召喚獣とのコミュニケーション。そして最後に、各部隊への編入だ』
青龍士官『…ど、どういう意味だ!?』
青年兵『いずれ、分かる刻が来るさ……っ』
950 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:47:38.43 ID:Yaxb9Ndmo
――……
バサッ…ドシュウウゥゥゥゥ
青龍士官「……ふっ、こういう事か」
ワイバーン「……何の話だ?」
青龍士官「…いや、何でもない」
ワイバーン「それより、魔力は持つのかよ?かなり乏しいぞ?」
青龍士官「言ったろ。行ける所まで行くしかないって」
ワイバーン「届かなかったらどうするつもりだ?」
青龍士官「……這ってでも行く」
ワイバーン「……グワハハッ!俺は付き合わんぞ」
青龍士官「……もうすぐ、もうすぐなんだ……っ」
ゴオオォォォォ…
青龍士官「……持ってくれよぉ!俺の魔力っ!!」
ワイバーン「……あーあ、ここまでだぁな」
奮闘空しく、青龍士官を乗せたワイバーンは徐々にその高度を下げて行った。
951 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:48:27.66 ID:Yaxb9Ndmo
ゴオオォォォ…グラグラグラッ
青龍士官「ぐ……うぅ…っ!!」
ワイバーン「もうじき消滅する!限界まで高度を下げるぞっ!!」
ゴオオォォォォ…
ワイバーン「あとは……適当に受け身でもとれやっ!!」
バシュンッ!!…ドドオォ!!
青龍士官「――っ!!」
ゴロゴロゴロッ…ズザアァ…
青龍士官「……痛……ってぇ」
ヨロッ…ズザッ…ズザッ
青龍士官「本国まで……あと……少し……」
ズザッ…ズザッ…ズザッ…
青龍士官「あと少し……あと……」
フラァ……ドサッ
青龍士官「…………」
952 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:48:55.69 ID:Yaxb9Ndmo
……――
青年兵『青龍士官……』
青龍士官『俺は、お前に従うわけではない。あくまで青龍召喚隊の為……』
青年兵『……』
青龍士官『それはつまり、青龍先生の御身の下よ』
青年兵『分かってるよ。僕もそう思っているさ』
青龍士官『だが青年兵、お前の策には賛成する。それについては……従おう』
青年兵『ありがとう。全ては青龍召喚隊を強くする為だ』
青龍士官『ああ。魔王討伐なんて美味しい場面で…後方支援なんざまっぴら御免だ』
青年兵『その為には強くなろう。それしかない』
青龍士官『その模範…いや、人柱は俺が勤める』
青年兵『すまない……』
青龍士官『謝るな。後塵を遮るには前に出るしかないだろう?』
青年兵『その時は、僕が後ろから背中を押すさ』
青龍士官『……ふっ。持ちつ持たれつ…か』
953 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:49:24.87 ID:Yaxb9Ndmo
――……
青龍士官「……はっ!」
バサッバサッバサッ
青龍士官「ワイバーン……!?」
青年兵「気付いた!?ビックリしたよ、いきなり倒れてるんだもの……」
青龍士官「お、お前……っ」
青年兵「虫の知らせってやつかな…。何か変な感じがしてさ……」
青龍士官「……」
青年兵「本部も落ち着いたし、本国近辺を巡回してたんだ」
青龍士官「……そう…か」
青年兵「それよりどうしたんだ?確か警備艇の……」
青龍士官「そ、そうだ…っ。これを……」
カサッ
青年兵「これは…?」
青龍士官「東方参謀様からの急報だ。陛下が…狙われている…っ!」
954 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:49:51.59 ID:Yaxb9Ndmo
〜本国、王宮近辺〜
バサァッ…シュイィィン
青年兵「走れるか!?」
青龍士官「俺は…いいっ!放って先に行けっ!!」
青年兵「……っ」
青龍士官「いいから行けぇ!国家の……大事なんだぞっ!!」
青年兵「……すまんっ!!」
ダダッ…タッタッタッタッタ
青龍士官「そうだ……それで…いい……」
ズルッ……ドサッ
青年兵「はぁ…はぁ……はぁ……」
タッタッタッタッタ
青年兵「……はぁ…はぁ」
タッタッタ…
青年兵「――っ!?」
955 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:50:27.24 ID:Yaxb9Ndmo
タタッ
青年兵「……召喚士…さん?」
召喚士「青年兵くん…?ど、どうしたの!?こんな所で……」
魔道士「お急ぎ……ですか?」
青年兵「……っ」
ギュッ
青年兵「……運命…ってやつ、ですかね」
召喚士「へ……っ?」
青年兵「だって、本来ならば一日も掛からず着くわけないんですよ……っ」
盗賊「…どうしたというのだ?」
青年兵「人から人へ。そして繋がった鎖は大きく……長く……」
戦士「…話が…読めん。何だってんだよ?」
青年兵「召喚士さんっ、皆さんっ!!僕と一緒に来て下さい!!」
召喚士「う、うんっ!えっと……どこへ…?」
青年兵「王宮……陛下の元へです!」
956 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:50:54.74 ID:Yaxb9Ndmo
…
タッタッタッタッタ
召喚士「……へ、陛下が……暗殺っ!?」
青年兵「……あくまで可能性の話です」
戦士「でもよ、陛下って…言い方悪いけど…余命少ないんだよな?」
青年兵「分かりません。分かりませんけど……何かあるのですっ」
魔道士「一体……何があるんでしょう……」
〜王宮、正門〜
本国兵「……青年兵様っ!?」
青年兵「すまぬ!急用だ、通るぞ!」
タッタッタッタッタ
魔道士「お、お邪魔します〜……っ」
召喚士「まずは殿下っ!それにエリートさんか!」
タッタッタッタッタ
本国兵「……へっ?今のって…朱雀…先生?」
957 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:51:25.31 ID:Yaxb9Ndmo
タッタッタ…カッカッカッカッカ…
青年兵「その角を曲がれば……」
ズザザッ…ドンッ
青年兵「……っつう」
盗賊「……大丈夫か?」
魔道士「……あっ!!」
皇太子「…どうした?廊下を走るなど行儀が悪いな?」
青年兵「で、殿下っ!これはご無礼を致しましたっ!!」
皇太子「構わぬ。こう見えても胸板は鍛えているからな」
ジッ
魔道士「……?」
皇太子「……」
召喚士「ちょうど良かった…っ。殿下にお話が……」
皇太子「青年兵に朱雀先生らか…。嫌な予感しかしないな」
青年兵「……っ」
958 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:52:10.74 ID:Yaxb9Ndmo
クルッ
皇太子「付いて来たまえ。会議室を――」
青年兵「時間がありません!これを……っ!!」
皇太子「伝令?……東方先生からか」
カサカサッ…パラッ
皇太子「――っ!!」
青年兵「陛下のお命が狙われておりますっ!!迅速にご対応を!!」
皇太子「……くっ!!」
タッタッタッタッタ
青年兵「殿下っ!?……追いましょう!!」
戦士「お前らは先に行けっ!盗賊、俺らはエリートさんを探すぞ!!」
盗賊「……ああ!」
クルッ…タッタッタッタッタ…
皇太子「……父上っ」
タッタッタ…
959 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:52:38.47 ID:Yaxb9Ndmo
薄暗く染まり始めた本国王宮。城内には明かりが灯り始め、夜を知らせる。
その中央に位置する王の間。更にその上部へ位置する国王の寝室。
窓辺に映る三日月。今宵は雲もなく、鮮やかな月光が降り注ぐ。
ベッドに横たわる老人は、か細い呼吸を粗く、しかし苦痛に歪む事もなく、
ただただその月をぼんやりと眺め、小さく息を吸っては吐いていた。
国王「……」
余命いくばくもない彼のここ最近の楽しみといえば、
昇る朝日と沈む夕日。そして優しい光を照らす月の変化を眺めるのみであった。
国王「……」
眺めていた月に突如、もやがかかる。
国王「……?」
スウゥ…
国王「――っ!!」
フワッ…
道士「陛下、御機嫌よう。そして……良い夢を……」
960 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:53:07.90 ID:Yaxb9Ndmo
タッタッタッタッタ…バンッ!!
皇太子「……はぁ…はぁ…はぁ……はぁ」
カツカツカツ…
皇太子「……」
青年兵「殿下っ!陛下は……っ」
皇太子「…………」
魔道士「そ、そんな……っ」
皇太子「眠っている。特に……変化ないようだ」
青年兵「間に…合った……」
召喚士「良かった…!!」
皇太子「この部屋に近づける者は限られている。警備を増やし、注意しよう」
青年兵「国軍としても出来る限り、協力致します!」
皇太子「うむ。頼もしい限りだ」
召喚士「しかし、どうして陛下のお命を……」
魔道士「え、ええ……っ」
961 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:53:42.06 ID:Yaxb9Ndmo
皇太子「……父の余命は、長くとも2ヶ月余り」
召喚士「……っ」
皇太子「3ヶ月の期間があるのと、突発的な死では、全然違うのさ」
青年兵「……それは、そうですが」
皇太子「例えば……跡を継ぐ者の準備……」
魔道士「え…っ?」
タッタッタッタ
戦士「無事か……!?」
エリート「殿下っ!!」
青年兵「陛下も殿下も、ご無事です」
召喚士「どうやら魔物の手はまだ届いていないようです」
ザッザッザ
盗賊「……いや」
魔道士「盗賊さん……」
盗賊「…既に…入り込まれている!」
962 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:54:13.20 ID:Yaxb9Ndmo
エリート「何……っ!?」
青年兵「し、しかし現に陛下は……」
盗賊「…魔物の気配を感じる。いや、残り香と言ったところか」
召喚士「既に…魔物が潜入していた!?」
エリート「バカなっ!どうやってこのような場に……っ」
皇太子「……」
カツカツカツカツ
皇太子「……父上、父上っ」
国王「…………」
エリート「確かに…息はしている……。仕損じたのか…?」
召喚士「……ま…さか……っ」
スッ…テクテクテク…
青年兵「召喚士さん?」
召喚士「陛下は……昏睡状態なのですか?」
皇太子「…まさか。朝には目を覚ますさ」
963 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:54:42.74 ID:Yaxb9Ndmo
…
テクテクテクテク
皇太子「エリート、早速兵の増強を進めてくれ」
エリート「はっ。念の為、明日には寝所も移動致しましょう」
皇太子「そうだな。それに常駐兵も配備した方が良い。場合によっては私が…」
青年兵「…召喚士さん?」
召喚士「あの、俺も朝まで…居てもいいですか?」
皇太子「それは勿論構わんが……何かあったか?」
召喚士「……どうにも気になるんです」
エリート「……と、言うと?」
召喚士「無抵抗の陛下を前に、寝所にまで忍び込んで……」
皇太子「何もしなかった。確かに私も、それは気になったな」
召喚士「何もしなかったのではなく……何もしないように見せた…のでは?」
青年兵「つ、つまり……」
召喚士「眠っているように見えているけれど、実際は……」
964 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:55:57.49 ID:Yaxb9Ndmo
戦士「夢魔かっ!!」
召喚士「…もしくは幻術かもしれない。とにかく、そういう類の可能性はあるよ」
魔道士「たっ、確かに…そうかもしれませんね……っ」
戦士「どうすんだよ!?」
エリート「夢魔ならばもって一晩。幻術ならばどの手のものか分からぬ限り…」
盗賊「…手は…出せぬか」
召喚士「だからこそ、目覚めるかどうか…まずは確かめたいのです」
皇太子「…良かろう。玉座手前の控え室を利用するといい」
召喚士「…ありがとうございます」
盗賊「…では、行くか」
魔道士「……っ」
テクテクテクテク
エリート「まさか…こんな事まで……。卑劣にも程があるぞっ!!」
皇太子「…とにかく、今は静観するしかあるまい」
数時間後、日が昇る中、召喚士の悪い予感は的中する事と相成った。
965 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/22(火) 18:58:09.68 ID:Yaxb9Ndmo
それでは帰宅致します!なんだか余震やら雨やらでゲンナリですねぇ
皆様のご支援に元気を頂きつつ、今週もファイトオォ!!
966 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/22(火) 19:09:12.73 ID:Fz87JasAO
一発ぅぅ!
967 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/22(火) 19:48:12.05 ID:5ohz+elOo
鷲のマークの大正製薬
968 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 00:17:11.40 ID:+CDaTqixo
カチャッ
召喚士「どうでしたかっ!?」
皇太子「……やはり駄目だな。目覚めん」
青年兵「……っ」
エリート「くそ……っ」
魔道士「でも、どうしたら……」
戦士「お前ん時は、確か……」
魔道士「天才さんが夢の中へ入って、助けてくれました」
召喚士「でも、今回はいない……」
盗賊「…どうするのだ?」
青年兵「話を聞く限り、陛下の夢の中へ入り込む……と言う事ですか?」
皇太子「そんな事が可能なのか?」
カツカツカツ
右大臣「可能だ。いや、それ以外に手はあるまい」
エリート「父う……右大臣様…っ」
969 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 00:18:09.93 ID:+CDaTqixo
カツカツカツ
東方参謀「伝令は無事、届いたようだな」
青年兵「……しかし、守れませんでした。申し訳ありません」
東方参謀「なぁに、陛下とて命を失われたわけではない。最悪の事態は免れた」
右大臣「それで、陛下は目を覚まさぬという事か……」
皇太子「うむ。朱雀先生の見解では、夢魔ではないか……とな」
東方参謀「……夢魔か。考えにくいがな」
魔道士「そうなんですかっ!?」
東方参謀「いいか?夢魔というのはな、その宿主の性を糧とする」
戦士「性…?」
東方参謀「そうだ。陛下と言えどあのお歳では性もあるまい」
召喚士「なっ、なるほど……」
東方参謀「しかし、症状は夢魔のようにも思える……」
右大臣「一度、容態を確認してみよう」
東方参謀「……うむ。それが良かろう」
970 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 00:18:41.19 ID:+CDaTqixo
カチャッ…カツカツカツ
右大臣「へ、陛下……っ」
東方参謀「…確かに、眠っているようにしか見えぬな」
皇太子「先程から声をかけても、揺すっても、何ら反応しない」
東方参謀「だが、やはり夢魔ではないようだな」
戦士「…分かるのか!?」
東方参謀「魔物の瘴気のようなものを感じぬ。ここには存在しないという事だ」
盗賊「……確かに」
召喚士「すると…夢魔ではない?しかしこれは……」
東方参謀「近しい何かであろう」
魔道士「幻術…ですか?」
エリート「しかし、このような幻術は聞いた事がありませぬ……」
右大臣「禁呪か……」
東方参謀「…やもしれん。これは一か八かだな……っ」
皇太子「……そうか」
971 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 00:21:00.49 ID:+CDaTqixo
東方参謀「……右大臣殿」
右大臣「…?」
東方参謀「関係者を集めておけ。今日が山場だ」
右大臣「……っ」
青年兵「助からないと……仰るのですか?」
東方参謀「先程も言ったであろう。一か八か、確立は半々だ」
盗賊「……」
東方参謀「とにかく手段は一つ、陛下の夢へ入り込む事だ」
エリート「誰が行くのです?」
東方参謀「……絶対条件として、高魔力の持ち主……」
皇太子「私は消えたな」
戦士「俺と盗賊もだな」
東方参謀「二つ目は……肉親者か限りなく近しい者」
エリート「な……っ!」
皇太子「……とんだ皮肉だな。肉親者が無魔力とは……っ」
972 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 00:24:16.41 ID:+CDaTqixo
右大臣「…………」
エリート「…………」
皇太子「どうし……」
魔道士「……?」
エリート「……父上、まさか」
右大臣「陛下のお命がかかっているのだ……っ」
カツカツカツ
魔道士「…あ、あの……っ」
右大臣「……頼む。陛下の中へ、君が行ってくれたまえ」
魔道士「え……っ?」
右大臣「身勝手は百も承知!しかし今は……今だけは……」
東方参謀「確かにその娘、高魔力の持ち主ではあるが……」
召喚士「魔道士さん…?」
東方参謀「……ま、まさか……っ!?」
魔道士「えっ、え……っ!?」
973 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 00:27:46.24 ID:+CDaTqixo
…
魔道士「……と、とにかく…やってみますっ」
東方参謀「一度経験もあるようだし、適任やもしれん」
右大臣「事情は必ず話す。今は…陛下のお命だけに集中貰いたい…っ」
エリート「魔道士さん……っ」
東方参謀「……陛下、ご無礼」
ズズッ
東方参謀「では、陛下の隣に寝て、手を握ると良い」
魔道士「へ、陛下のお隣にですか……っ!?」
東方参謀「密接している方が伝心しやすいからな」
魔道士「は、はい……っ」
ススッ
魔道士「でも、こんな状態では……眠れませんよ…っ」
召喚士「それは安心して下さい。こいつを使います」
魔道士「……?」
974 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 00:53:11.45 ID:Eeprac0DO
もはや睡眠の召喚獣の名前すら思いだせん
975 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
:2011/03/23(水) 00:54:26.85 ID:PuddDp7AO
確かロックマンみたいな…
976 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 00:55:40.10 ID:Ip6C/aaDO
ザントマン…だっけか?
977 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 00:59:21.83 ID:5hPRDuFqo
すぐトレードに出されそうになったやつか(´・ω・)
978 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/23(水) 01:16:13.99 ID:pduM7DQDO
ザントマンを使って幼女ちゃんを・・・グフフ
979 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2011/03/23(水) 01:39:07.82 ID:1k4CM7dCo
ぼくはエーリカ・ハルトマン!
980 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 05:17:58.23 ID:O+dFGglDO
まさか、サンドマンが伏線だったとは・・・
981 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/03/23(水) 08:32:02.60 ID:eb4u6ZHAO
コカトリスが名前間違えられただけで契約破棄の危機にまで陥ったんだ
ザンゲマン?はもっと酷い状況になるんじゃなかろうか
982 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 09:49:14.16 ID:NKJu5mWDO
ちゃんと名前は覚えておかないとダメだろ
なぁ、チャントマン。
983 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 09:53:56.28 ID:NBTXgscIO
いやいや、たしか、サンドパンだろー。ポケモンにも同じ名前で出てきたから間違え用がないわー。
984 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[ [sage]]:2011/03/23(水) 11:53:09.82 ID:EWeDPiXK0
みんなしっかりしてよ…
サンゲタンだよ!
985 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 12:32:35.31 ID:Ip6C/aaDO
あれ?皆寝てるぞ…?昼なのに起きないし
986 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 13:09:35.62 ID:++6im/UCo
皆名前間違えて眠らされたか・・・
この召喚獣ってあれだろ袋から雪粒当てて眠らせる…サンタサンだ
987 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/23(水) 14:13:30.53 ID:9gkrxU6SO
ザントマンはブーメランパンツのイメージだわ
988 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/23(水) 15:06:35.75 ID:hoxfPseDO
スレ埋まっちゃうからそろそろ自重しよう
989 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:11:31.10 ID:YVPYbLUmo
召喚士「……行け!ザントマン!!」
シュイイィィン
戦士「そうかっ、こいつがいたか!」
召喚士「これで、魔道士さんを眠りにつかせます」
盗賊「……大丈夫か?」
召喚士「加減が難しいですが、最低限の魔力であれば眠りも浅いですから」
魔道士「お、お願いしますっ!」
召喚士「では……いきます」
パアアァァ…キラキラキラッ
エリート「これは……っ」
召喚士「ザントマンの能力、対象者を眠りにへと誘う粉です」
青年兵「す、凄い……っ」
魔道士「……ん……っ」
皇太子「眠りについたようだな」
召喚士「……はい」
990 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:12:24.11 ID:YVPYbLUmo
東方参謀「さて、我らはここで迎撃態勢を取るぞ」
青年兵「……?」
東方参謀「もし夢魔であらば、あちらに居られなくなれば必ず姿を現す」
エリート「出てきた瞬間を狙い打つと……?」
東方参謀「下手に逃がせば厄介。ましてやここで暴れられては……」
右大臣「陛下が危うい……っ」
東方参謀「そういう事だ」
皇太子「彼女は……大丈夫なのか?」
東方参謀「夢の中では腕力は無用よ。大切なのは魔力と……」
盗賊「……」
東方参謀「精神力。己の心の強さよ」
皇太子「成程」
東方参謀「右大臣殿、この件が片付いたら、全てを語って貰うぞ?」
右大臣「分かっておる。関係者も招集をかけた。それより今は集中しよう」
召喚士「……はい」
991 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:13:50.12 ID:YVPYbLUmo
…
戦士「しかし、お前もちゃんと研究してんだなぁ」
召喚士「え?あぁ、ザントマンの事?」
戦士「ああ」
召喚士「今の内にやれる事をやっておかないといけないからね」
戦士「……そっか」
召喚士「そういう戦士だって、色々と調べてるじゃん」
戦士「…知ってたか」
召喚士「最近、熱心に本を読んだりしてるのを見たから」
戦士「まぁな」
召喚士「例の、功績の件?」
戦士「ああ。各、防具への付加は問題なさそうだ。問題があるとすれば……」
盗賊「……在り処か」
戦士「まぁ、色々と旅しながら探そうぜ。みんな頑張ってんだ……魔道士だってな」
召喚士「……うん」
992 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:14:22.64 ID:YVPYbLUmo
…
魔道士「……んっ」
ムクリ
魔道士「……ここが……陛下の?」
白くもやがかかった、あたり一面の景色。魔道士はきょろきょろと
その風景を眺めると、地面に転がる杖を手に取り、ゆっくりと歩き出す。
テクテクテクテク
魔道士「……うぅ。気味悪いなぁ……っ」
ただただ霧のような風景が広がる中、手探りでゆっくりと前へ前へと進む。
音も気配も、人影も建物もない、白くぼんやりと光る世界。
魔道士「…………」
テクテクテクテク
魔道士「陛下〜っ。誰か、いますか〜?」
テクテクテク
魔道士「…………」
993 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:22:15.48 ID:YVPYbLUmo
何で、私が選ばれたんだろう……。
そういえば、さっき東方参謀さんが言ってたっけ。
東方参謀『二つ目は……肉親者か限りなく近しい者』
陛下のご親族って、殿下だけなのかな?
でも、殿下は魔法使えなくて、それで高魔力の私が……って。
高魔力なんかじゃないのになぁ……はぁ。
……え? でも、何で私何だろう?
えっと、そう言えばいつだっけ。バーテンさんが同じような事言ってたっけ。
バーテン『普通は肉親者が入り込むか、逆に引っ張り出すんだがな』
魔道士『引っ張り出す?』
バーテン『肉体から精神だけを引っ張り出してどうこうってやつだよ』
魔道士『色々と方法があるんですねぇ……』
今回は夢魔か確信が持てないから、引っ張り出すというのは難しいんだ、うん。
それで、それで、それで、だって、別に魔力なんて高くないじゃない。
そうだよ、だから全然大丈夫。頭の中に入り込んでくるのなんて気にならないもの!
994 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:23:13.66 ID:YVPYbLUmo
……――
――『しかしだな……っ』
――『露見すれば、我が国は確実に滅びまする!』
――『殿下も17歳になる。最早これから先、開花するとは思えませぬ……』
…
――『君達に頼みたいのだ。引き受けてくれるか?』
――『…………』
――『そのような、恐れ多い事……っ』
…
――『すまない。私が殺したも同然だ……っ』
――『関係ねぇよ。全ては妹が自分から望んだ事だ』
――『…………』
――『だがな、子供に罪はねぇぞ?』
――『分かっている。安全な場へ移す。争いに関わる事もなく、平和な暮らしをな」
国王『……魔道士』
995 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:23:49.82 ID:YVPYbLUmo
――……
キイイィィンッ
魔道士「ーーっ!!」
ペタッ…ペタッ…ペタッ
魔道士「だ、誰!?」
霧掛かった正面の景色から、人影が近づき、足、下半身、そして全体が見え始める。
魔道士「……陛下っ!?」
その姿は裸足で、寝具に身を包んだ、先程までベッドに横たわっていた老人。
国王「…………」
魔道士「陛下っ、ご無事ですか!?」
国王「……お、お主は」
魔道士「…?」
国王「そうか、これは夢か」
魔道士「ええ。夢の中です」
国王「夢の中とは言え、このような場を設けてくれるとは……有難い事よ」
996 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:24:39.59 ID:YVPYbLUmo
魔道士「え……っ?」
国王「許してくれ、魔道士」
魔道士「あ、あの……っ」
国王「今でもあの選択が正しかったのか、私も分からぬ」
魔道士「何を……」
国王「平和な生活を与えたつもりが、結果的にはこのような事になってしまった」
魔道士「何を言って……いるのです……?」
国王「分かってくれ、許してくれとは言わない。しかし、信じてくれ」
魔道士「陛下っ、何を仰っているんです……っ!?」
国王「本国を守る為、お前を犠牲にしてしまったとは言え、信じて欲しいのだ」
魔道士「だっ、だから……何を……」
国王「私はお前を捨てたわけではないのだ。どうか、それだけは信じて欲しい」
魔道士「陛下っ!!」
国王「……あぁ、凄く眠たいな。また……眠りにつくとしよう……」
魔道士「へっ、陛下!!」
997 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:25:13.70 ID:YVPYbLUmo
国王「ありがとう魔道士。最後に、お前に会えて良かった」
魔道士「……あ、あの」
国王「こちらに、来て貰えぬか?」
魔道士「……っ」
テクテク…テク…
国王「大きくなった。健やかに、そして美しくなった」
ギュッ
魔道士「っ!?」
国王「目元などは、母親に似てきたな」
魔道士「あ、あの……っ」
国王「もしも許してくれるのならば、守っておくれ」
魔道士「陛下……?」
国王「皇太子と二人、この国を守っておくれ」
スウウゥゥ
魔道士「へ、陛下っ!?」
国王「さらばだ……」
魔道士「行っちゃ駄目ですよぉーっ!!」
国王「我が……娘よ……」
魔道士「――っ!?」
998 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:26:31.74 ID:YVPYbLUmo
ガバッ!!
召喚士「うわっ!?」
魔道士「……召喚士……さん!?」
右大臣「戻ったか!して、どうであった!?」
魔道士「……」
エリート「うまく…いきましたか?」
魔道士「…………」
東方参謀「魔物はおったのか?」
魔道士「……分かりません」
皇太子「父上!?」
右大臣「陛下!!」
国王「…………ぉ」
皇太子「父上っ!お気を、お気を確かに……」
国王「…………ぬ」
右大臣「……っ」
999 :
◆1otsuV0WFc
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:27:39.41 ID:YVPYbLUmo
国王「……す……まぬ」
エリート「医者を呼べっ!!」
青年兵「はいっ!!」
ダッ!!
皇太子「いや、それには及ばん」
エリート「え……っ!?」
スッ
皇太子「……どうやら、眠りについたようだ」
召喚士「眠り……って……」
右大臣「陛下……陛下ぁ!!」
盗賊「……くっ」
皇太子「深い眠りについた。ゆっくり……寝させてあげようではないか」
エリート「うっ、くく……っ!」
東方参謀「何と……いう事か……っ」
皇太子「安らかに眠られよ、父上」
1000 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/23(水) 18:28:48.96 ID:YVPYbLUmo
凄く伸びてて慌てました。でも大丈夫です。盛り上がるのは良い事!
次スレでも宜しくお願い致しますです!ノシ
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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その27 @ 2011/03/23(水) 18:19:02.83 ID:YVPYbLUmo
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よみのくに 73 @ 2011/03/23(水) 16:24:09.68 ID:HEC7vi01o
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クソスレッディル立てろクァスドゥ=モー @ 2011/03/23(水) 14:53:19.10
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ミュウ!!!ミュウミュウ!!!ミュウ!!!! @ 2011/03/23(水) 14:32:29.53
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厨2病 自慢厨 自称頭がいい知り合いに安価メール @ 2011/03/23(水) 14:28:28.58 ID:hF7TpdNk0
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