88:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage]
2011/07/15(金) 23:00:27.36 ID:NYz2bdO/o
 「…なんとか逃げ切れたな…」 
 俺とアリサは支部へと帰る途中で少し休憩していた 
 「途中にホールドトラップを仕掛けといたから、多分追跡はしてこないだろう」 
 俺は笑いながらペットボトルでお茶を飲む 
 しかし、アリサの表情は晴れない 
89:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage]
2011/07/15(金) 23:01:13.81 ID:NYz2bdO/o
 「俺はしたくてやってるんだよ、だから、気にするな」 
 「気にしないなんて…できませんよ…」 
 アリサはまた泣きそうな顔をしながら俯く 
 「それにな、お前が無事で居てくれなきゃ、誰が俺を回復してくれるって言うんだよ?」 
 さらに撫でながら優しく諭す 
90:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage]
2011/07/15(金) 23:01:47.57 ID:NYz2bdO/o
 かなり研究熱心だが、他のことにはもっぱら適当 
 まあ、悪い人じゃないんだが… 
 何かにつけて本当に適当だからそのとばっちりを俺たちがくらう 
 それが、俺がこいつをクソ眼鏡呼ばわりする理由だ 
 「榊博士、私たちハンニバルに遭遇しました」 
91:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:02:48.57 ID:NYz2bdO/o
 あ、すいません 
  
 ピーは死ねです 
  
 神器使いが死ねば 
92:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:03:20.67 ID:NYz2bdO/o
 俺は少し笑いながらさりげなくアリサとセットにしてもらうようにする 
 まあ、最終的にメンバーを選ぶのは俺なんだが… 
 「またそんなこと言って…」 
 なんてアリサは文句を言っている 
 「確かにタツミ君やサクヤ君なら大丈夫そうだねえ…それにしても、君たちのコンビネーションには目を見張るものがあるよね、感服するよ」 
93:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:03:52.65 ID:NYz2bdO/o
 アリサは顔を真っ赤にしたまま先に出て行ってしまった 
 「いやはや、やりすぎたかな?」 
 「あの反応も、可愛いものですよ」 
 俺はアリサの後を追って研究室を後にした 
  
94:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:04:40.28 ID:NYz2bdO/o
 ちょっと揺れてた癖にな〜 
 素直じゃないこと 
 「とりあえず、シャワー浴びたら俺の部屋に来てくれ、なんか用意しておいてやるよ」 
 と、俺は帽子を乗せ直し、先にシャワー室に入る 
 「か、勝手に決めないでくださいよ!ちょっと!」 
95:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:05:35.91 ID:NYz2bdO/o
 普段着ている服も刺激的だが、こういうラフな格好でもある一部分が自己主張している 
 というかあの普段着は恥ずかしくないのだろうか 
 「あ、あんまりジロジロ見ないでくださいよ」 
 アリサは軽く頬を染めると、ズカズカと進んできてソファに腰を下ろした 
 「着席をOKするまでに座るのは面接的にNGなんだぞ」 
96:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:06:17.17 ID:NYz2bdO/o
 「俺のコントロールは完璧だって」 
 俺は笑いながら茶葉が入ったポットを眺める 
 うむ、いい感じに開いている 
 やはり水は軟水だな 
 「綺麗ですねえ…」 
97:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:07:02.40 ID:NYz2bdO/o
 何だかんだ理由をつけて、飯や菓子をふるまっている 
 時に俺から、そして時にアリサから、それぞれ誘い、誘われる 
 俺はアリサが料理を美味しく食べてくれる姿を見るのが好きだし 
 アリサはアリサで俺の料理を気に入ってくれているらしい 
 しかし、ここ最近俺への対抗心か、カノンやジーナ(試食役)も参加してくることがある 
98:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:07:48.16 ID:NYz2bdO/o
 「なるほど…つまり意地を張ってただけと…」 
 「余計なこと言わなくていいです!」 
 ま、それなら安心だ 
 …大体わかってたけど 
 「それならよかった…」 
99:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:08:17.44 ID:NYz2bdO/o
 俺は扉のロックを解除してコウタを中に通す 
 「おおお!話が分かるなやっぱり!!」 
 「紅茶くらいなら出せますよ」 
 俺はコウタに来客用(男子)のカップを出す 
 何気にこういうところは俺も気を使っている 
100:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:08:53.81 ID:NYz2bdO/o
 何だかんだ言って博士も動きが早いな 
 悪いことじゃない 
 「それで、気になって博士に聞いてみたら二人がハンニバルと戦ったって言うから様子見に来たってわけ、ま、無事でよかったよ」 
 コウタはカラカラ笑う 
 こういう仲間想いなところもあるから憎めない奴なんだよな 
101:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:09:32.02 ID:NYz2bdO/o
 「ま、そりゃそうなんだけどな」 
 そうしてコウタは一口しか手をつけてなかった紅茶を一気に飲み干す 
 「討伐した数とかによって給料も変わるだろ?ちょっと意地汚い話しだけど俺は気にしてるからさ」 
 コウタには居住区に家族がいる 
 母親と妹が一人 
102:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:09:58.15 ID:NYz2bdO/o
 これでポットは空だ 
 「さて…それじゃあアリサの家事下手についてなんだが…」 
 「怒りますよ!」 
  
 それから少し他愛のない話をしていたらアリサがあくびをし始める 
103:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:11:15.51 ID:NYz2bdO/o
 なんだって? 
 「おい、アリサさん?自分が何言ってるかわかりますか?」 
 「んうぅ…」 
 それだけ言ってアリサは完全に寝に入ってしまった 
 困ったな… 
104:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:12:01.21 ID:NYz2bdO/o
 「よし落ちつけ、よく考えよう、これはどういうことだ」 
 傍で聞こえる規則的な自分のものじゃない寝息 
 体に感じる柔らかい感触 
 そして目の前にはプルっとした唇と長いまつげ 
 「しかも俺ソファで寝たのにどうしてベッドに居るんだ!?」 
105:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:12:40.33 ID:NYz2bdO/o
 「ご、ごめんなさい…」 
 「いや、良いよ…おかげで冷静になれた…」 
 アリサの渾身のビンタを喰らった俺は完璧に冷静になり、アリサと共にソファに座った 
 頬がヒリヒリするぜ… 
 「とりあえず…どうして私がリーダーの部屋で寝てるんですか!?」 
106:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:13:36.54 ID:NYz2bdO/o
 「したくて赤くしてるわけじゃありません!」 
 「それで…どうする?俺の洗面台使うか?」 
 「さ、さすがにそれは…」 
 「やっぱり気持ち悪いよな、とりあえず顔だけ洗ってから俺の部屋に来てくれるか?」 
 「き、気持ち悪いってわけじゃないですけど…」 
107:A1h4hQOe0 ◆3KKT9vrQyY7x[sage saga]
2011/07/15(金) 23:14:22.15 ID:NYz2bdO/o
 と、現在ではここまでです 
  
 トーストに塗るもの〜 
 からちょっと変更しようと思ってるところです 
  
108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)
2011/07/16(土) 11:23:37.70 ID:ArAhPm0AO
 いいよいいよー 
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