過去ログ - P「始原のiDOL」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/03(日) 21:55:48.82 ID:y8XKonFyo
 このSSは、以前投下した『偶像戦線【iM@s×伝奇物語】』を序章部分に据え置き、長篇化したものです。
 『序』の部分は『偶像戦線【iM@s×伝奇物語】』に加筆修正したものとなります。(話の大枠は変わりません)

 また、765のアイドルが中心ですが、
・アイドルマスターDearlyStars
・シンデレラガールズ
・アイドルマスターrelations
 等の周辺作品のキャラクターが脇役や敵役などのゲストキャラとして出てきますので、ご注意ください。

 765以外のキャラクターに関しては、タイトル代わりに画像を貼り付けることにしております。


 『序』には柊志乃さんがほんの少しだけ出ます。

yamiyo.info

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 21:56:40.01 ID:y8XKonFyo
 序


 その少女は事務所に足を踏み入れた途端、何かに驚いたような表情を浮かべた。
 しかし、彼女を案内していた男性がそれに気づくよりも早く、その顔は人なつっこい笑みに戻っている。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 21:58:20.83 ID:y8XKonFyo
 新人歓迎パーティの途中で、社長は『後は皆で』と言い残して立ち去る。
 その後、八時を回ったところで、年若い双子をプロデューサーが送っていくこととなった。

 新しい仲間を迎えての宴は、まだまだ続いているものの、大人たちが複数いる間に比べれば弛緩した空気が流れ始めた、そんな頃。

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 21:59:26.53 ID:y8XKonFyo
 起き上がった途端体にかかった金の髪を鬱陶しげに振るのは星井美希。
 その瞳もまた黄金に輝きだしている。

 しかし、星井美希と我那覇響は今日が初顔合わせではなかったか。
 まるで昔なじみのように彼女のことを語れるのはなぜだろう。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:00:45.93 ID:y8XKonFyo
「んぅ? それって……」
「偶然ってことね、信じられないかもしれないけれど」

 小鳥の言葉に疑わしげに首をひねる響に、醒めた調子の声をかけるのは、如月千早。
 超然とした表情がよく似合う少女は、この事務所では最も売れているアイドルだ。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:01:38.72 ID:y8XKonFyo
「すごいね、響ちゃん」
「でも、惜しいですー」

 感心したように漏らすのは、儚げな雰囲気を持った萩原雪歩。
 それに対して、胸の前に両拳を揃え、残念そうに漏らすのは高槻やよい。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:02:52.66 ID:y8XKonFyo
 その数日後、事務所へ向かう途中、響はとある路地に目をやった。

 通りを行きすぎる人は誰も気にする者などないような細い道。

 彼女はしばらくその入り口を眺めるようにしていたが、ふらりとそこに入っていく。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:04:35.68 ID:y8XKonFyo
「お前ら、ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ!」

 真と響が世間話のように気軽に話しているところに、男たちの一人が騒がしい声をたてる。

 どうやら、彼も、その他の男たちも、いきなりの響の出現に気を取られていたようだ。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:05:41.20 ID:y8XKonFyo
 彼女がなにかをしたというわけではない。
 真はただその拳が襲い来るところからその体を移動させたにすぎない。

 空振りとなった拳を壁に叩きつけて自爆したのはあくまで男の方だ。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:06:50.97 ID:y8XKonFyo
 その体をがっちりと掴んで、出来ることならば引きずり倒すつもりであった。
 倒してしまえば、あとは皆で蹴りつければいいだけだ。

 だが、その指は真の体はおろか、衣服にもかすることはない。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:08:52.59 ID:y8XKonFyo
 逃れる場所は無いはずだった。

 どちらに避けようと、誰かの拳は当たる。
 誰かが体をとらえれば、そのまま抱きついてでも動きを止めてしまえばいい。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:10:06.15 ID:y8XKonFyo
「やるなあ。でも、真なら、もっと簡単に片付けられたんじゃないか?」
「やめてくれよ。本当にボクは暴力が嫌いなんだってば」

 響がからかうように言うのに、真は妙に情けない顔で応じる。

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:11:56.07 ID:y8XKonFyo
「ありゃりゃ、そっちは響のお仲間だったか」

 真が頭をかきかき言うのに、響が口を尖らせる。

「こんな『雑じり』と一緒にしないでよ。ひどいなあ」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:13:15.24 ID:y8XKonFyo
「ぐっ」

 体をひねってよけても、巨猿の拳は、響の体をかすめた。
 直接に衝撃を受けずとも、ひっかけられた形で、彼女の体は先ほどよりさらに高い空中に放り出される。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:14:22.24 ID:y8XKonFyo
 彼女の背後で、ビルの壁にびしびしとひびが走り、何本もの配管がはがれ落ちていった。

「ぐわふ」

 響の動きを目で追った巨猿が奇妙な声をあげる。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:15:45.56 ID:y8XKonFyo
「ほっといてもいいのかなあ」

 巨猿は上を向き、口をぽかりと開けてだらだらと血泡混じりのよだれを垂れ流している状態だ。

 響が手刀の一撃で心臓を抜き取った胸は、分厚い筋肉が反射的に盛り上がって傷が埋まってしまっている。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:16:45.17 ID:y8XKonFyo
 この手で心臓を握りつぶしたはずの相手が、真の背を滅多打ちになどできるはずがない。

 だが、実際には巨猿は顔自体をどこかあらぬ方に向けたまま、真の背にその手のかぎ爪を打ち付けているのだった。

 その鋭く汚らしい爪が真の背を打つ度、鮮血が飛び、響にまで衝撃が届く。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:17:40.54 ID:y8XKonFyo
 血だまりの中でひくひくとうごめきながら縮んでいく、その体。

 裸の人間へと変じていくその様子をにらみつけながら、響が呟く。

「なんで、こいつ……」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:18:41.76 ID:y8XKonFyo
「それでボクの力もわかると思うから。どう?」
「いいんだな?」

 どうやら本気らしいと判断した響が、獰猛な顔つきで確認する。
 それに対して、真はさわやかな笑顔で応じるのだった。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:20:40.36 ID:y8XKonFyo
 だから、なにが起こるか、彼女は見逃さぬようにしていたのだ。

 真は地面に倒れている。

 上半身の衣服はぼろぼろに破られていて、ブラジャーもはずれかけているように見える。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:21:14.80 ID:y8XKonFyo
「いや、違うよ? ボクはただ蘇るだけ。身につけていたものまで戻るのは便利だけどね。でも、小鳥さんみたいに『死なない』のとはちょっと違うかな」
「あの人は、不死?」
「うん。不老不死。もう五〇〇年くらい生きてるんじゃなかったかな。あれ、八〇〇年だっけ? まあ、そんなとこ」

 小首を傾げてそんなことを言う真に、響はひゅっと小さな息を吐く。
以下略



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