1: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 14:49:45.24 ID:piabdirRo
注意書き
・叛逆後さや恭 恭さや
・さやか「やっぱり悪魔には勝てなかったよ…………」的な捏造展開が
後で一応描写入れるけど前提
・病みさやか
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2: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 14:53:57.58 ID:piabdirRo
〜☆
上条恭介は、かつて己が入院していた病院のとある病室を前に、少し憂鬱な面持ちで佇んでいた。
恭介にとって病院とは、自分からは絶対に近寄りたくない曰くつきの場所だった。
3: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 14:58:27.47 ID:piabdirRo
それは腕と足が完全に治癒した今、
あの事故から奇跡によって甦った彼が唯一抱えている後遺症だ。
明らかに事故前とは日常への感じ方が変わってしまった。
4: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:06:42.95 ID:piabdirRo
思い浮かべずにいられるのであれば、その方が幸福であるのは間違いなかった。
あの事故のせいで、恭介は初めて本物の不幸、
自分を根底から揺るがす試練というものを知ったのだった。
5: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:10:52.00 ID:piabdirRo
自分から訪れたくはない。
だが、訪れなければならない理由がそこにはあった。
そろそろこんな所で立ち尽くして時間を無駄にするのも終わりにしなければならない。
6: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:16:23.81 ID:piabdirRo
「さやか」
恭介は部屋に入って最初に部屋の主の名前を呼ぶ。
それが引き金となって、さやかの目が恭介に向いた。
7: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:19:27.24 ID:piabdirRo
「恭介」
8: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:22:57.57 ID:piabdirRo
本当に酷かった。
正気を失った当初のさやかは、
恭介と仁美以外の手が身体に触れると猛然と怒り狂った。
9: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:24:30.04 ID:piabdirRo
顔を合わせたさやかに、特に異常は見受けられない。
ちゃんと薬も効いているはずだった。
まず、仁美がさやかに優しく触れて、反応はなかった。
ニコリともせず、無表情に見返していた。
10: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:26:11.03 ID:piabdirRo
医師と看護師、さやかと恭介の父親がどうにか彼女を止めようと躍起になる。
恭介の隣で、顔を蒼くした仁美が腰を抜かして尻餅をついている。
倒れた椅子。人を呼びに行ったさやかと恭介の母二人。
11: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:34:06.01 ID:piabdirRo
薬がしっかり効いている、仁美たちがそれを見てショックを受けないように、
そんな理由で面会前に念入りな拘束をしなかったのは、結果的に大失敗だった。
そんなさやかも今となっては嘘のように大人しいものだが、
あんな騒動を一度起こした上で、こんなにも居心地のいい個室をずっと与えてもらえているのは、
12: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:38:59.51 ID:piabdirRo
この人なら、自分も心から好きになれるだろう。
そう思った。だから付き合った。
日に日に好きになっていく途中だった。
だから今、正直、恋人でなくなったことを残念に思う気持ちは湧いてこない。
13: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:40:26.28 ID:piabdirRo
自分が誰かをここまで愛することは生涯絶対に不可能だろう。
恭介はさやかを見ながらそう考える。
今のさやかが何より異常なのは、
恭介以外の他の物に極端に関心を向けないことだ。
14: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:43:02.36 ID:piabdirRo
「恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介――」
さやかの声、腕を撫でる仕草、表情。全てに恭介への一途な想いが詰まっていた。
むしろ今のさやかにはそれ以外何もなかった。
15: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:45:20.79 ID:piabdirRo
「恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介――」
さやかが行方不明になった。
それを知った日、恭介は特別彼女を心配していなかった。
16: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:48:53.60 ID:piabdirRo
彼女のあんな恐ろしい顔はそれまで全く見たことがなかった。
彼女が僕のことを好きだったなんて知らなかった。
想像すらしていなかった。
17: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:51:34.19 ID:piabdirRo
「恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介、恭介――」
18: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/03/19(水) 15:52:13.24 ID:piabdirRo
恭介は知っていた。
さやかが耳をそばだてるのは、演奏会なり家での演奏なり、
とにかく自分がかつて彼女の前で弾いてみせたことのある曲だけだ。
19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage ]
2014/03/19(水) 15:53:01.41 ID:PJO/k+Xz0
期待
>>1は過去作あるの?
20: ◆2DegdJBwqI[sage]
2014/03/19(水) 15:55:44.18 ID:piabdirRo
今日はここまで
スレタイ考えた本人が赤面するけど、さやか「恭介恭介恭介恭介……」
みたいな感じにすると、ギャグっぽいの期待した人も開いちゃいそうで申し訳ない気がしたからこれにした
21: ◆2DegdJBwqI[sage]
2014/03/19(水) 16:00:16.87 ID:piabdirRo
>>19
マミ「チーズがとっても大好きな、大切な私のお友だち」 地の文
沙々「わたし、マミさんの弟子になりたいんです!」 台本形式
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