過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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1: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:24:56.04 ID:Kfzyy5RB0
※女性向けな気がします。

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2: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:25:25.67 ID:Kfzyy5RB0
城内を行き交う淑女たちの声は明るい。
今日のパーティーの為にした目一杯のお洒落は、彼女らの心まで装飾する。

令嬢「あら勇者様、ご機嫌よう」

以下略



3: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:25:51.35 ID:Kfzyy5RB0
一世紀程前、魔王を名乗る者が人間達に攻撃を仕掛けてきた。
それまで魔物すらいなかった世界に突如現れた、人間の『天敵』である。

人間達は総力を上げて魔王に立ち向かったが、魔王率いる軍勢は圧倒的な強さで人間達を蹂躙した。

以下略



4: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:26:19.78 ID:Kfzyy5RB0
勇者(いいなぁ…いいなぁ……)

遠目で招待客の女性達が身につけているドレスを眺める。
フリフリに、キラキラ。それを身につけている女性達は誰もが可愛らしく、美しい。

以下略



5: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:26:52.95 ID:Kfzyy5RB0
王子「……それにしても、今回の魔王は曲者みたいだな」

王子はそう言いながら歩き始めた。
話を続ける為、勇者は彼について行く。

以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2015/09/30(水) 19:28:00.76 ID:wx/udULMo
勇者ちゃん可愛い


7: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:28:17.03 ID:Kfzyy5RB0
そこは先代の勇者が持ち帰った品々を置いてある部屋だった。
王子が見上げた先にあるのは剣――先代の勇者が魔王を討った時に使ったという代物だ。

使い古された上、製造技術も今より遅れていた時代に作られたその剣は、武器としてはもう使い物にならない。
それでも――
以下略



8: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:29:41.61 ID:Kfzyy5RB0



パーティーは滞りなく進行した。
仲間達(同じ勇者一族の出身で、勇者の親戚)も各々、酒や料理で舌を唸らせ、楽しんでいる模様。
以下略



9: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:30:32.75 ID:Kfzyy5RB0
賢者「勇者さぁ〜ん、どうしたのぉ。そんなしかめっ面しちゃってぇ」

既に酔っ払っている仲間が近づいてきた。

勇者「何でもない。それより賢者、たるみすぎ」
以下略



10: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:31:00.64 ID:Kfzyy5RB0
勇者(私も踊ってみたいけど…)

自分のこの格好では出られそうもない。出られたとしても、男役だ。

改めて周囲の、ドレスを着飾った女性達を見る。彼女らがダンスフロアを舞う光景は、さぞ華やかであろう。
以下略



11: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:32:43.77 ID:Kfzyy5RB0
まだダンスパーティーまで時間がある。
勇者はそっとパーティー会場を出た。

勇者(王子、ダンスは出ないのかな?)

以下略



12: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:34:37.27 ID:Kfzyy5RB0
声のした方に目をやると、バルコニーに王子がいた。

勇者(王子……?)

暗くてよく見えないが、他にもう一人いる。
以下略



13: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:35:03.28 ID:Kfzyy5RB0
姫「勿体無いお言葉でございます、王子様」

姫は俯きがちに答えた。

姫「私のような小国の姫は、貴方に相応しくありません。ですから……」
以下略



14: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:35:50.56 ID:Kfzyy5RB0
今の顔を誰にも見られたくなくて、勇者は人のいない場所――先ほど王子と訪れた部屋に向かっていた。
足早に歩きながらも、頭の中でぐるぐると色んな想いが渦巻く。


勇者(王子は――)
以下略



15: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:36:54.66 ID:Kfzyy5RB0
姫『私も、貴方を愛しています……王子様』


勇者(お姫様……)

以下略



16: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:37:37.52 ID:Kfzyy5RB0
カラーン

勇者「あっ」

壁を殴った衝撃のせいか、剣が目の前に落ちてきた。
以下略



17: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:38:08.65 ID:Kfzyy5RB0
勇者「幽霊かっ!?」

勇者は後方に大きく跳躍し、警戒する。
幽霊に遭遇のは初めてだが……。

以下略



18: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:40:51.87 ID:Kfzyy5RB0
精霊「いででで。所で君、勇者一族の人だよね?」

勇者「えぇ、まぁ。何でわかったの?」

精霊「たまーに、君がここを訪れるのを見ていたからね。それに君、先代の勇者にどことなく似てるし」
以下略



19: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:42:03.29 ID:Kfzyy5RB0
初回から長くなりました。
次回から10レスくらいずつの投下になると思います。

男勝りで内面乙女な勇者と、あざとい系ショタジジイ精霊の物語をどうぞ宜しく。


20:名無しNIPPER[sage]
2015/09/30(水) 19:51:29.29 ID:wx/udULMo
俺得だ乙


21:名無しNIPPER[sage]
2015/09/30(水) 20:43:51.06 ID:uHreCptJO
タイトルで作者が予想できるこの安心感


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