過去ログ - マミ「杏子……」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:50:30.62 ID:UJglJRMW0
・まどかSS、マミと杏子の前日譚的な話です。二人が時に共闘しつつ、魔女がらみの事件を解決していく!みたいな話をちょっとずつ書いていくつもりです
・マミ杏子以外の魔法少女は出ません。筋の都合上、固有名詞のある独自キャラが一部出ます
 同様の理由で、独自設定なども出てきます。あしからずご了承ください
・話は暗めです。エログロは(多分)出ません。ご容赦ください


2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:53:14.59 ID:UJglJRMW0
 6月も終わろうとしていたある日の昼下がり。見滝原中学の屋上から見渡せる街並みの上には、雨雲が低く垂れ込めていた。

「授業たりー。このままここでさぼっちゃおうか」

 屋上の片隅にあるベンチに腰掛けていた女生徒がそう言うと、隣に座っていた眼鏡の女生徒が手を目の高さにかざしながら言った。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:54:18.95 ID:UJglJRMW0
巴マミが教室を覗くと、中には誰もいなかった。

(あれ……?教室が空っぽだ。移動教室かしら……?でもあの子の机は畳んだままになってるし、やっぱり今日も……)

「うちのクラスになんか用?」
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:54:45.48 ID:UJglJRMW0
「なんだ、あんた聞いてないんだ」

女生徒がそう言うと、マミは少しだけ口ごもってから言った。

「さっきまで図書室にいたから……。何かあったの?」
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:55:15.33 ID:UJglJRMW0
 そのとき、ものすごい勢いで誰かが階段を駆け降りてきた。

「おい、お前何してんだよ。すぐ屋上来いよ!」

 どうやらマミの相手をしていた女生徒を呼びに来たらしかった。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:55:46.05 ID:UJglJRMW0
(どうやら、あの子の知り合いだったみたいね。……そんなことより)

「キュゥベえ。聞こえる?近くにいたら返事して」

「僕はここだよ、マミ」
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:56:32.03 ID:UJglJRMW0
 雨の屋上には既に救急隊員が到着していた。生徒たちは傘もささずに、その様子を遠巻きに見守っている。

「これじゃあ私は近寄れないわ。キュゥベえ」

「了解だよ」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:56:57.33 ID:UJglJRMW0
 マミが戻ろうとすると、男子生徒を乗せた担架が階段の方に向かってきた。

(……?)

「どうしたんだい、マミ?」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:57:41.73 ID:UJglJRMW0
(入院だなんて……どうして私に何も教えてくれなかったのかしら)

 午後の授業が始まっても、マミは全く身が入らなかった。屋上での出来事も気にかかったが、それよりもその前に聞かされた事実の方がマミにとっては衝撃的だった。

(まあ、仕方がないかも知れないわね。幼なじみとは言っても、この頃は……ほとんど話をする機会もなかったし)
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:58:06.80 ID:UJglJRMW0
(もし……なんて考えても仕方のないことだけれど)

 交通事故に遭い、失われる筈だった命をつなぎ止めることと引き替えに魔法少女になったマミは、二つのものを同時に失った。
 家族と、ふつうの少女としての青春とを。
 それまでクラスの人気者だったマミは、事故の後、だんだんと自分が周囲から浮いた存在になっていくのを感じた。事故で一度に家族を失った悲劇の主人公にうまく接していくには、マミの友人たちはまだ幼すぎたのだった。もちろん、それだけなら時間が解決してくれたのかも知れない。孤独の影をひきずりながらも、一人の十代の少女として、人並みの青春を送れていたのかも知れない。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:58:34.58 ID:UJglJRMW0
「で、これからどうする気だい、マミ?」

 放課後、黄色い傘をさして家路につくマミの肩にしがみつきながら、キュゥベえは尋ねた。

「今日の事件が魔女の仕業だと分かった以上、放っておくとまた次の犠牲者がでることになるよ」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:59:10.75 ID:UJglJRMW0
「あったわ。小さく記事になってる」

 見滝原市立図書館の閲覧室で、マミは一人目の生徒の自殺を報じた新聞記事を見つけた。

「『……10日朝9時頃、見滝原市のショッピングセンター△△の屋上で、少女が血を流して倒れているのを警備員が見つけた。倒れていたのは見滝原中学2年の××(14)で、すぐに病院に運ばれたが既に死亡していた。少女の右手首には切り傷があり、警察では自殺を図った可能性もあるとみて捜査を進めている……』ですって」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 00:59:38.74 ID:UJglJRMW0
「魔女は移動しているのかな」

「だとしたら、そうとう逃げ足の早い相手ね。今日私たちが屋上に行ったときにはもう、気配の痕跡さえ感じられなかったんだもの」

「でも、もし遠く離れた場所から二つの事件をおこしたのだとしたら、それはそれで手強い相手だよ、マミ」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 01:00:39.24 ID:UJglJRMW0
 図書館から出ると、雨はますます激しくなっていた。遠くからは微かに雷の鳴る音も聞こえてくる。

「ひどい雨……。キュゥベえ、魔女も気になるところだけど、今日のところはひとまず家に帰りましょう」

マミは制服のスカートの裾をひらひらさせながら言った。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 01:01:11.69 ID:UJglJRMW0
(魔法少女なんていっても、雨から身を守ることさえ自由には出来ないなんてね)

 マミは心の中でそう呟きながら苦笑いした。

 もちろん魔法を使えば、雨よけのシールドを作り出すことなどたやすい。しかし、そんなささやかな術であってもソウルジェムを濁らせるとあっては、迂闊に魔力を使うわけには行かなかった。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 01:01:39.15 ID:UJglJRMW0
「マミ!」

 その時、キュゥベえが突然心の中に話しかけてきた。

「気配を感じるよ。このすぐ近くだ」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 01:02:14.80 ID:UJglJRMW0
「僕に考えがある」

「何なの?モタモタしてると、また逃げられてしまうわ」

「だったら逃がしてやろうよ」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 01:03:05.01 ID:UJglJRMW0
 光の中から現れたマミは、もう見滝原中学の制服などまとってはいなかった。白いブラウスに、髪の毛と同じ色のリボンとスカート。ブラウンのコルセットに、戦いにはやや不似合いなベレー帽。「魔法少女」としての、いつものマミのスタイルだった。

「油断は禁物だよ、マミ。どんな相手かよく分からないからね」

「分かってる」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 01:03:44.83 ID:UJglJRMW0
「でも、事態は少しばかりやっかいになってきたね」

「え?」

問い返すマミを見上げながらキュゥベえは言った。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 01:04:16.53 ID:UJglJRMW0
「言葉どおりの意味だよ、マミ。これだけの広い範囲を、君一人だけでカバーするのにはやや無理がある。今回の件に関しては助っ人がいた方がありがたいんじゃないかな」

「あの子のことを言ってるの」

マミはキュゥベえを睨みつけるようにして言った。しかしキュゥベえはそれに動じた様子もなく言葉を続ける。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 01:05:37.48 ID:UJglJRMW0
とりあえず今日はここまでです。またある程度ストックができた時点で投下します


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