過去ログ - 騎士見習い「もう疲れたよ……」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:50:54.52 ID:9b91y1IMo

 これは、未来永劫誰にも理解されないであろうある男の、孤独な戦いの物語である。



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:52:31.97 ID:9b91y1IMo




 title:騎士見習い「もう疲れたよ……」
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:53:33.59 ID:9b91y1IMo

「お前って大した奴だよな」

 あまり大きくもない声。うす暗くなった山中に低く鳴る。
 鳴る、という表現にはとりあえず違和感はなかった。的を射ている。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:55:08.95 ID:9b91y1IMo

 周囲には緑しかなかった。暗く淀んだ新緑のカーテン。そして靄が出始めている。
 そして寒い。この時期の山中では体温を奪われた上での衰弱死は珍しくない。

「そう、珍しくない」
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:55:46.01 ID:9b91y1IMo

 靄はそろそろ霧と呼べそうなくらいに濃くなってきていた。
 衰弱死は珍しくない……

「お?」
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:56:34.12 ID:9b91y1IMo

 鍵はかかっていなかった。だからと言って勝手に入っていいわけはないのだが、相棒は躊躇しなかった。

「ノックはした、誰も出てこない、俺たちは凍えてる、なら入る。この道筋は間違っているか?」
「……いいや」
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:58:53.36 ID:9b91y1IMo

「――!?」

 のけぞって倒れる。轟音に視線を振ると、館の扉が炎に包まれていた。
 魔術。誰が。そこまで考えて失敗を悟る。幸運にも何者かからの攻撃は外れた。しかし二撃目がないとは限らない。出所をたどるべきだった。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/30(水) 07:59:40.72 ID:9b91y1IMo

 to be continued...



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/30(水) 08:44:52.82 ID:HEW5kM5SO
ほぅ。面白そうじゃん


10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/30(水) 11:48:40.69 ID:rQ0iyY/9o
待ってた。 乙乙


11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/30(水) 11:49:08.74 ID:oV056XMm0
>>1

キタイシテルヨ


12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 23:02:59.58 ID:9b91y1IMo

「クビって、そりゃ一体どういうことだ!」

 執務室に怒声と机を叩く音が響いた。
 ウィリアムはぎょっとしたが、それらの主である相棒は気付かなかったようだった。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 23:03:57.78 ID:9b91y1IMo

「……だが、そんなの重すぎるだろ!」
「命令違反、勝手な行動。十分すぎると思うが」

 騎士団長の言葉に、う、と相棒が詰まる。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 23:05:39.25 ID:9b91y1IMo

 本来ならば。そう、本来ならばウィリアムたちのような見習いなんぞに騎士団長が直接伝えることではない。
 相応の者に相応の伝え方をさせて、後はぽいだ。
 いや、それだけで済めばいい。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 23:07:59.59 ID:9b91y1IMo

 オルトロック・アロー。彼は剣の王国にある三大貴族の内の一つ、アロー家の家の息子である。
 剣の王国においては王と、それに任命された騎士団長が軍事力の全てを司る。しかしそれでも無視できないものというのは存在する。
 それが彼のような者だ。

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/31(木) 00:27:09.02 ID:GfgkKPq6o

 騎士団長の話が終わって。二人は事務所内の廊下を歩いていた。
 早足で歩く相棒の後ろをウィリアムが追いかける。

「ロック」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/31(木) 00:27:55.30 ID:GfgkKPq6o

 ウィリアムには、騎士団長の話は特に屈辱的なもののようには思えなかった。

「むしろ寛大じゃないか。僕たちにチャンスをくれただろ?」
「チャンス?」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/31(木) 00:28:43.59 ID:GfgkKPq6o

 それは、元々は流浪の戦闘集団だった。
 強く雄々しい彼らは、金さえ積めばどのような者の命も受けた。
 一国の王から、それこそただの一平民まで。
 ただ、積むべき報酬は一個人に手が出せる金額ではないため後者はそうそうあることではなかったが。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/31(木) 00:30:17.71 ID:GfgkKPq6o

 騎士団と傭兵隊はその性格が異なる。
 まず騎士団は、王から直接の任命を受けた騎士団長によって組織され、構成員もその筋のプロが多く経験豊富だ。
 対して傭兵隊長は王からの任命を受けてはいない。構成員も現在は平民からの有志の集まりである。
 ただ訓練の質は良く、実のところそんじょそこらの国の正規軍など問題にならない強さなのだが、相棒は不満のようだ。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/31(木) 00:31:05.90 ID:GfgkKPq6o

 仕方のないことだ。ウィリアムは所詮下級貴族の息子で相棒は上級貴族の息子。
 ショックの度合いが違う。

「まあ、ロックにはいい薬なんじゃないか」
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/31(木) 00:32:31.75 ID:GfgkKPq6o

「じゃあ、言わせてもらうけどね、そもそも誰のせいでクビに、迷子になったと思ってる!?
 一番の原因を思い出してよ。そう、君が僕の進路決定に口を出してきたからじゃないか!
 あのまま無難に行けばちゃんと目的地について、こんなことにならずに済んだのに!
 僕だって免職は痛いんだよ! 何だよ山を越えた方が早いって!
以下略



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