過去ログ - とある未来の通行止め
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1:ブラジャーの人
2011/07/14(木) 23:57:45.75 ID:w3/+8O0b0
一方さんと打ち止めの未来設定です。
よそで投下したものを再構成、改稿、加筆しています。
少女漫画を目指したはずだったんですが…


2:ブラジャーの人[sage]
2011/07/14(木) 23:59:46.40 ID:w3/+8O0b0
一方通行は眠っていた。昨夜ベッドに入ってからほとんど変わらない態勢で。
カーテンから漏れてくる明かりと鳥のさえずりが、まだ(彼にとっては)
睡眠時間の真最中であることを物語っている。
しかしこのマンションに住む住人は、彼の安眠を優先させてはくれない。

以下略



3:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:00:43.86 ID:WdcBs0Va0
「あなたーおきてー!もう朝ですよご飯できてますよ聞こえてるクセに
返事くらいしてよ、ってミサカはミサカは呼びかけてみる」

返事こそ無かったものの、一方通行の布団が大きく上下して、息を
吐き出した。その様子を見て打ち止めがトコトコとベッドへ近寄る。
以下略



4:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:06:50.59 ID:WdcBs0Va0
「あらやっと起きたのね。愛穂はもう出たわよ。君もはやく食べて
真面目に授業を受けていらっしゃい」
「はい、ミサカの特製ブラックコーヒーです、ってまだ眠そうなあなたに
愛情たっぷりを進呈」

以下略



5:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:09:38.93 ID:WdcBs0Va0
一方通行は大学の講義一限だけ受けた後、リビングで大して興味もないテレビをぼんやりと
見ていた。ふと携帯に黄泉川から着信が入る。ソファに寝転がったまま通話ボタンを押す。

「なンだよ」
「あ、一歩通行今ウチにいるか!?」
以下略



6:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:12:32.78 ID:WdcBs0Va0
「これって…」
その ブラジャー は、明らかに黄泉川のものでも、芳川のものでもなかった。

二人のものに比べてアンダー部分がやけに短く、何よりもこんな可愛らしい
デザインの衣類をあの二人が所持しているわけがない。
以下略



7:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:17:15.22 ID:WdcBs0Va0
「わぁ〜濡れちゃう濡れちゃうってミサカはミサっ…」
「うォ!?」

この曇天を見て大急ぎで帰宅したのだろう。洗濯物を取り込むために。
いつもの「たっだいま〜」も言わず学生カバンを持ったまま、打ち止めが
以下略



8:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:19:46.16 ID:WdcBs0Va0
一方通行は瞳をキラキラ輝かせてこちらを見ている打ち止めに気付いて
困惑の表情を浮かべる。

(なンでこのガキはこンな嬉しそうな顔して俺を見てンだァ…?)

以下略



9:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:21:56.38 ID:WdcBs0Va0
「え?…あなたってもしかして小さい方がよかったの!?
どうしよう、ミサカもうDカップになっちゃったよぉ」

「違ェ!いやだからヤメロっつってンだろォが!!オマエはもう喋るな!」

以下略



10:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:24:53.92 ID:WdcBs0Va0
ベランダでのブラジャー握りしめ事件から二週間ほどが経った。
一方通行はあれからというもの、自分の感情がコントロールできず、戸惑いの日々を送っていた。
ついつい、いや、どうしても気になるのだ。打ち止めが。

もう少し正確に表現するならば、打ち止めの胸にいつの間にか視線が行ってしまうのだ。
以下略



11:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:26:19.06 ID:WdcBs0Va0
(おいおいおいおいおいィ!!やめろ跳ぶンじゃねェ走るンじゃねェ!)

打ち止めのDカップが、黄色いパジャマの中で揺れている。
さらにそれはパジャマというよりは、露出の高い私服を寝る時用に着用しているだけなので、
鎖骨も二の腕もむき出しだ。おまけに身体にフィットしているから
以下略



12:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:29:32.94 ID:WdcBs0Va0
一方通行が新技のスキルアップに(不本意ながら)励む日々が続いたある日、
芳川から話があると言われてテーブルに座らされた。

「授業参観?」

以下略



13:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:32:33.50 ID:WdcBs0Va0
(あー…居心地悪ィ…)

一方通行は、なんとも落ち着かない心境だった。
まず周りには中年以上の父兄ばかり。我が子の授業参観なだけあって、
皆フォーマルファッションだ。
以下略



14:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:34:35.29 ID:WdcBs0Va0
「おぉ〜。あなたのスーツ姿って初めて見た、ってミサカはミサカは…」

「あれ?コイツの入学式で着てたじゃん。打ち止め見てないのか?」

「なンか文句あるかよ」
以下略



15:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:37:27.18 ID:WdcBs0Va0
(素敵、かっこいい、か…。なンなンだろうな、妙に浮ついてるよなァ)

今の慣れない姿と慣れない状況に、ドンと構えて(いるように見える)のも、
打ち止めの素直で一直線な賛辞があったればこそだ。
彼女がそう言うなら、それが真実なのだろう。今の自分におかしいところはない。
以下略



16:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:41:09.77 ID:WdcBs0Va0
チャイムが鳴ると、すぐさま打ち止めは一方通行に駆け寄ってきた。

(だから走るなって…)

始業前に打ち止めに話しかけようとした女子生徒や、気に食わない数人の男子生徒が
以下略



17:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:43:09.18 ID:WdcBs0Va0
一方通行は打ち止めに一歩近づき、今までよりも少し大き目な声を出しながら
左手を彼女の頭に置いた。

「じゃァ昼飯食って帰るかァ?オマエの食いたいもンでいいぜ」

以下略



18:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:46:39.62 ID:WdcBs0Va0
「うぅ〜。お、驚いた。ミサカの友達が、まるでこの前見たゾンビの映画のようにミサカに……
ビックリしすぎて逃げてきちゃった」

揉みくちゃにされて乱れた髪を手櫛で整えながら、打ち止めは力なく一方通行の横を歩く。
アホ毛も、今は元気がなく下降気味だ。
以下略



19:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:49:02.90 ID:WdcBs0Va0
一方通行と打ち止めは今、校内の学食で向かい会って食事を取っている。
予期せず訪れた突然の沈黙を破ったのは打ち止めだった。

「お腹すいたし…早くお昼に行こうよ?」
「…そォだな、案内しろ。コッチか?」
以下略



20:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:51:43.76 ID:WdcBs0Va0
示し合わせたように、先ほどのラブレターの件は頭の隅に追いやることにした二人。
小一時間前の記憶にだけフタをして、和やかに昼食を楽しむ。
周囲には遅れてやってきた打ち止めのクラスメイトの姿が、チラホラと確認できた。
箸を動かしながら二、三人でヒソヒソとこちらを気にしている。
これから部活なのだろう、ジャージを着た他のクラスや学年の生徒も、
以下略



21:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:53:54.36 ID:WdcBs0Va0
バスで移動しセブンスミストへ着くと、打ち止めはさっそく
好みの洋服が置いてあるテナントへ入る。
何着か服を選び、それらを一方通行の前に突き出してどれがいい?と
瞳をきらきらさせてきた。

以下略



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