過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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2012/04/06(金) 23:17:14.17 ID:LK9HCvEh0
001
鹿目まどかと彼女を取り巻くその友人達に関わる物語は、本来であれば語るべきではないだろう。
そもそも、僕が勝手に語ることについて彼女達は良い顔をしないと思うし、僕だって鼻息を荒くしてまで語りたいわけでもない。
むしろ。僕だって語りたくは無いのだから。
『だったら無理に話さなくても良いじゃないか』と至極当然な意見が聞こえてきそうだけれど、それは勘弁していただきたい。
仕方が無いのだ。これは僕に架せられた十字架であり(僕が言うと余り冗談として聞こえない)課せられた宿題のような物なのだから、
話さなければ、果たさなければならない。まあ、そんな事を言っても僕は二度と彼女達に会うことは無いだろうし、それ以前に彼女達も僕のことを憶えてはいないだろう。
それほどまでに印象の薄い話なのだ。いや、薄いのはいつだって僕の性格なのだけれど。
それでも大げさに、この語るべきではない物語の起因を誇大主張するのならば、本来なら関わりすら持つはずの無い彼女達の物語と、
僕の物語は因果を超えて関わってしまった、と言うことなのだろう。偶然と表すには軽すぎるし、奇跡と言うのも正しくは無い。
それこそ魔法――そう、魔法だ。魔法のような理解不能でいい加減な力が関わったからこそ、僕と彼女達は関わってしまう破目になってしまったのだ。
鬼、猫、蟹、蝸牛、猿、蛇、蜂、鳥。
曲がりなりにも普通の人間とは少しばかり違った経験を積み重ねている僕ですら、アレを理解することなど出来まい。
第一、僕が関わってきた怪異という世界そのものである理ですら何一つ理解出来ていないというのに、どうして彼女達とのあれこれを理解できると言うのだろうか。
僕は、彼女達の気持ちですら理解出来ていないというのに。
例えば鹿目まどか。
例えば美樹さやか。
例えば巴マミ。
例えば佐倉杏子。
そして……暁美ほむら。
彼女達は僕から見れば強すぎたし、美しすぎた。そして、同時に脆すぎた。
まるでガラス細工のように綺麗だったけれど、少し叩いてしまえば簡単に割れてしまうほど、弱かった。だから、僕には理解できなかった。
自分の弱さに気付いても尚、過酷な運命に立ち向かおうとする彼女達が。そして、僕が理解できなかったからこそ、あんな結末を迎えてしまったのだろうけれど。
さて、ようやくではあるが本題に入ろう。そして結末でさえも語っておこう。
鹿目まどかを中心に廻るこの物語は、数あるバッドエンドの内の一つでしかない。
希望と絶望に振り回され続ける、そんなありがちな、ただの魔法少女たちの物語だ。
作物語(つくりものがたり) まどかウィッチ
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2012/04/06(金) 23:18:07.65 ID:LK9HCvEh0
002
「お前様、夏休みも佳境だというのに、そうやって魔法少女モノのアニメを息抜きと称して長時間視聴し続けるというのは、いかにも非生産的に思うぞ」
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2012/04/06(金) 23:18:36.77 ID:LK9HCvEh0
「だってほら、儂ってまだ声優未確定じゃし」
「本家では決して言えないことを冒頭でサラっと言いやがった……!」
以下略
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2012/04/06(金) 23:19:06.36 ID:LK9HCvEh0
つーかもうこの掛け合い自体もう遅いんだよ。なんなら声優決定どころか放送終了してしまったし。
どれだけ遅いペースで書き溜めていたのかばれちまうじゃねぇか。
「そうじゃな。そしてそれを書き直さずに書き足すことで本家のメタネタっぽく見せて行数を稼ごうとする浅ましさも露呈してしまっておる」
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2012/04/06(金) 23:19:37.54 ID:LK9HCvEh0
……まあ、確かに僕も魔法が使えたらと思わないわけでもない。
いつだって人は、そういった楽なチカラの存在を求めるのだ。僕も忍も人間ではないけれど。
「ん、でもさ忍。アニメみたいなコテコテの魔法とまでは言わないけど、それに近いもんだったら存在するんじゃないのか?」
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2012/04/06(金) 23:20:05.43 ID:LK9HCvEh0
「まあ、やっぱりなんでも出来る魔法なんてものはないんだろうけどさ」
「む、どうしたんじゃ。急に」
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2012/04/06(金) 23:20:38.86 ID:LK9HCvEh0
「さっきも言ったが、人間視点での不確かな――おおぉぉぉおぉおおおお!」
と、何か言いかけた所で忍は表情を一変させ(例えるなら獲物を刈ろうとするライオンの様な)僕の脚の上から跳躍し、齧り付くようにしてテレビへと襲い掛かった。
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2012/04/06(金) 23:20:50.99 ID:7fa9q3pq0
アララギ「ガハラさ―ってだれだ!?」ほむら「こっちのセリフよ!」
ひたぎとほむらって声優同じなんだよな・・・・。ポータブルの外伝(マミさんがアイドルになる)ルートだと、戦場ヶ原ほむらって名乗っていいほど似ているし。
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2012/04/06(金) 23:21:39.42 ID:LK9HCvEh0
003
二人掛けのテーブルに置かれていたドーナッツの山が無残に崩れ去っていく様を見ながら、ああ里山を削られて開発されていく人の気分はこんな感じなんだと
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2012/04/06(金) 23:22:07.51 ID:LK9HCvEh0
まずレジカウンターに身を乗り出すようにして自分のドーナッツを待ちわびている少女。彼女の髪はまるで海のように、そして空のように青い。
青い髪、と聞けばパンク的なイメージを持つかもしれないが彼女の名誉の為に言っておこう。あれはそんな青色ではない。
ショートカットに中学生ながら発達気味の胸が何ともいえないアンバランス感を醸し出し、子供でありながら大人の女性に近づいている風情を出している。
カウンターに身を乗り出していることからも分かるように、恐らく彼女は元気があって活発な子なのだろう。なるほど、それだけを見れば確かに女子中学生らしい
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2012/04/06(金) 23:22:32.34 ID:LK9HCvEh0
「当たり前じゃ。そんな熱烈な視線を浴びせていては誰だって気が付くぞ」
「そんな……僕はただ普通に見ていただけなのに……」
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2012/04/06(金) 23:23:03.35 ID:LK9HCvEh0
しかし、あの黒髪の少女が僕を見る目は当時の戦場ヶ原を思い出す。
僕が彼女(ここでの彼女はそういう意味での彼女だ)にゴミを見るような目で見られていたという点はスルーするとして、なんとなく似ているのだ。
――あの問題を抱えていた頃の戦場ヶ原に。
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2012/04/06(金) 23:23:44.49 ID:LK9HCvEh0
何が『献上しても良いぞ』だ。テメエさっき散々食い散らかしただろうが。それに怪異が気軽に女子中学生と会話するんじゃねえよ。
頼むから空気を読んでくれ。僕とお前はペアリングである程度は繋がってるんじゃなかったのか?
「今は目の前のリングの方が大事じゃ」
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2012/04/06(金) 23:24:13.21 ID:LK9HCvEh0
「……それに、絶対ヤバイ関係だよ。見た目高校生と金髪ロリ少女って」
「…………」
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2012/04/06(金) 23:24:48.74 ID:LK9HCvEh0
「忍、出るぞ」
僕は残っていたコーヒーを一気に飲み干すと、まどかと呼ばれた少女のトレイを未だに見つめている忍の首根っこを掴んで猫のように持ち上げた。
そしてそのまま肩に担いで席を立つと、空いていた左手でトレイを持ち返却口へと向かう。
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2012/04/06(金) 23:25:14.46 ID:LK9HCvEh0
「ふぅ……満足じゃ」
店を出てから、ようやく忍は口を開きそんな感想を言う。
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2012/04/06(金) 23:25:41.73 ID:LK9HCvEh0
「お、おいおい……何の冗談だよ」
目の前で起こる変化――というよりは異変に僕の頭は付いていくことができない。だが、悲しいことに景色の変換は着々と進行し、僕が何一つ言葉を発する前に
完全に摩訶不思議な空間へと挿げ代わってしまった。明らかに地球上の生物とは思えないグロテスクな物体がそこら中を飛びまわり、テレビで見かけるスプレー缶の落書き
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2012/04/06(金) 23:26:46.85 ID:LK9HCvEh0
「うむ……知っては、おるの」
「いまいち煮え切らないな……とにかく、これは怪異の仕業ってことでいいんだよな?そしてお前が詳細も知っている」
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2012/04/06(金) 23:27:23.98 ID:LK9HCvEh0
「ん、この怪異は特殊じゃからな」
そんな数多の怪異を食い荒らしてきた口を少しばかり吊り上げながら、忍は凄惨な笑みを浮かべる。僕の血を普段より多く吸ったことにより彼女の見た目は十四歳――
つまりさっきの女子中学生ほどの体格となっている。そしてそれと比例するように、僕の身体能力も吸血鬼のそれに近づいている。
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2012/04/06(金) 23:27:49.80 ID:LK9HCvEh0
004
「魔女。これについては説明はいらんじゃろ?もはや西洋の国だけじゃなく、日本でも親しまれておる名称じゃろう
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2012/04/06(金) 23:28:47.06 ID:LK9HCvEh0
「ん?周りを飛び回ってるのは魔女じゃないのか、じゃと?
「ふん。あれは使い魔じゃ。部下というか手先みたいなものじゃよ。ほら、お前様が見てたアニメにも出てきておったじゃろ
「キメ顔の小娘ほど上等なものじゃないぞ。こやつらは意思も持たずにただ人間を襲うだけじゃからな
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