1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/12/07(土) 00:16:28.07 ID:gLkbd9Kt0
ノートに残ってる厨二小説晒してく 
 誤字や漢字変換などもそのまま
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:17:44.55 ID:gLkbd9Kt0
 ・プロローグ 
  
 どこかで誰かの泣き声が聞こえた。 
 幼い私が声を上げて泣いている。 
  
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:18:53.69 ID:gLkbd9Kt0
 ・第1章 
  
 夢を見た。とても、とてもなつかしい気がする夢。 
 正直、どんな夢だったのかは覚えてないのだけれど。 
  
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2013/12/07(土) 00:20:04.74 ID:gLkbd9Kt0
 「はやせ?どうしたの?」 
  
 後ろを向いたまま動かない私に、さくらが不機げんそうに問うてくる。 
 それでも私は動けなかった。頭の中に次々と浮かんでくる記憶の残像。 
  
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2013/12/07(土) 00:21:16.76 ID:gLkbd9Kt0
 チョークが黒板に字を連ねる音。先生の声、生徒の私語。 
 昼休みが終わった後の教室は汗くさい。時計の進む音が心なしかいつもよりおそい。 
 頬づえをつき、外を眺める。どこかのクラスの体育の授業を見るのにも飽きて、すずしい風の入ってくる窓ぎわの後ろの席で私は顔を伏せた。 
  
 「……あの人」 
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2013/12/07(土) 00:22:42.10 ID:gLkbd9Kt0
 『はやせちゃん』 
  
 優しい笑顔で近付いてくるあの子が子どもを喰らう化けモノに見えて、私は怖くて逃げた。 
 その時、彼女がどれだけ傷ついた顔をしていたかは、今でも覚えている。きっと顔に出さないよう努力していたのだろうけれど、彼女は一瞬、泣きそうな表情になった。 
 それでも私は彼女から離れた。 
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2013/12/07(土) 00:24:32.03 ID:gLkbd9Kt0
 『神厳山』 
  
 それは神のすまわっているとされる神聖な山。そこには“おばあちゃん”が住んでいる。 
 本当のおばあちゃんではない。昔、幼い頃あの子と一緒に迷い込んだ時出会ったその山に住んでいる人だ。 
 しばらく会っていなかったけれど、あの子が姿を消してからも私は度々訪れていたので多分分かってくれるだろう。 
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2013/12/07(土) 00:25:38.03 ID:gLkbd9Kt0
 「……あ、わ……!」 
  
 とっさに何かにつかまろうと手を伸ばすと、何か温かいものに触れた。 
 こちらが握る前に手を握られ、すごい力で引っ張られる。 
  
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:26:22.89 ID:gLkbd9Kt0
 「まさか、お前も契約者なのか!?いや、お前が……!証はどこだっ!」 
 「な、何言ってんですか……!契約って何……!?」 
 「とぼけるなっ!あいつと、あいつと契約したんだろう!?」 
 「だから私は何にも……!」 
 「そう、その子は何も知らない」 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:27:16.12 ID:gLkbd9Kt0
 「その子は契約するわ、私と」 
  
 少女の口角が上がった。今朝の、ぞっとするような笑み。背筋が凍るとはまさにこのことだ。 
 男の人もわずかながらひるんだようだ。 
  
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:27:49.01 ID:gLkbd9Kt0
 「あ……そうですよね」 
  
 あはは、と笑うと、今度こそ名乗る。 
  
 「夏風はやせ、です」 
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:28:29.70 ID:gLkbd9Kt0
 「おばあちゃん!」 
 「あらあら、はやせちゃん?」 
  
 おばあちゃんの細い目が微かに見開かれる。 
  
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:29:25.69 ID:gLkbd9Kt0
 おばあちゃんの家は山のふもとにある。よくマンガや昔話で見るような家をそのまま再現したような家だ。もちろん、川も流れているので水車つき。 
 幼い頃は、よくここまで来ては思い切り遊んでいた。ここまで来るには、私が入った所からは正反対の所にあるので(というか、入れるようなとこはあそこしかない)一担<一旦と書きたかったのだと思われる>登ってまた下りなければならない。 
 早くても三時間はかかるのに、おばあちゃんがいるとほんの数分で着いた感じがするから不思議だ。(実際に時計ではかったことはないけど) 
  
 「さあ、どうぞ」 
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:30:03.72 ID:gLkbd9Kt0
 「あの……」 
 「何?」 
 「さっき言ってた能力者とか契約とかってどういうことですか?」 
  
 ほんの一瞬、空気が凍りついた気がした。 
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:31:05.97 ID:gLkbd9Kt0
 「はやせちゃん」 
 「はい?」 
  
 山を下りた後、家の近くの公園まで送ってくれたおばあちゃんは、どこか影のある表情で言った。 
  
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[[sage]]
2013/12/07(土) 00:31:37.18 ID:XDVNMYfc0
 いいぞもっとやれ 
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:31:46.26 ID:gLkbd9Kt0
 「はーやーせー……」 
  
 能力だとか、契約だとかのことを考えていると、後ろから世にも恐ろしい声が聞こえ私は飛び上がった。 
  
 「さ、くら……」 
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:32:53.52 ID:gLkbd9Kt0
 「これは極秘情報。はやせだけ教えてあげる」 
 「ありがとう」 
 「緋月紫音はね、変な力があるの。あくまでウワサだけど、それを見たって人は結こういる。まだ他学年には流れてないけど、二年の間ではウワサの種」 
  
 変な力?そんな……。 
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:33:33.98 ID:gLkbd9Kt0
 ・第2章 
  
 「夏風さん」 
  
 昼休み。突然名前を呼ばれ、いざ口へ運ぼうとしていたタコさんウインナーを落としそうになった。 
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:34:23.16 ID:gLkbd9Kt0
 「あ……、さくらごめんね、今日だけ」 
  
 私は小声でさくらに言うと、お弁当を包みなおして立ち上がった。 
 いつのまにか周りの生徒の声は小さくなっていた。みんな自分の食事に戻っている。さくらは何も言わずに手を振った。 
  
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:34:55.21 ID:gLkbd9Kt0
 「心を無にして。何も考えないで」 
 「え?」 
  
 突然、緋月先輩は私の腕をつかむと自分の方に引きよせた。 
  
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