過去ログ - 【モバマス】まゆ「ママゆ」
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1: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:19:03.85 ID:UB/pX29A0
唐突にママゆという単語が頭に浮かんでしまったので、書いてしまいました。

読みづらかったり、誤字、脱字など諸々あると思いますが、見ていただけるとありがたいです。

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2: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:20:19.65 ID:UB/pX29A0
 強い雨が降っている日だった。

 時間帯が夜に入りかけということもあってか気温は下がる一方で、吹き抜ける風は秋を少し通り越したような寒さを感じさせる。
 佐久間まゆはその寒さに少し震えながらも、しかし明るい足取りで事務所に向かっていた。

以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2016/09/28(水) 18:20:35.39 ID:eDlgLe+V0
期待


4: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:22:08.42 ID:UB/pX29A0
「プロデューサーさん?」

 画面には彼女のプロデューサーの名前が表示されており、指のスライドを求めて、振動を繰り返している。
 その要求に従い、指を滑らして耳に合わせる。

以下略



5: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:23:03.48 ID:UB/pX29A0
(寮とは方向が違いますねぇ……)

 しかし、彼の仕事の支障になるようなことをしないのはまゆの信条でもある。ゆえに彼女は嘘をつくことにした。

「いえ、大丈夫です。ちょうど駅付近なので。このまま寮に戻りますねぇ」
以下略



6: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:23:32.43 ID:UB/pX29A0
「……まさか、事務所がこんなに早く閉まるなんて」

 傘を開いたまま扉の前でまゆは呆然と佇んでいた。いつもは明るい事務所からその明かりは消え失せており、いつもの活気さを微塵も感じさせない様相を醸し出していた。

「今日に限って合鍵は部屋に置いてきてしまいましたし……」
以下略



7: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:24:20.83 ID:UB/pX29A0
(……誰?)

 突然の緊張に体が強張り固まってしまう。事務所の明かりが消えているとこの通りは電灯だけで妙に薄暗くなってしまうのだ。
 ただでさえアイドル事務所だということが周知されている場所でもあるし、所謂『そうした人間』がこうした機会を狙っている可能性も十分にあった。

以下略



8: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:25:15.38 ID:UB/pX29A0
「ど、どうしたんですか!?傘もささないでこんな濡れちゃって!」

 まゆは慌てて駆け寄ると仁奈を自分の傘の内にいれる。対する仁奈は俯いており、小さな身体を震えさせていた。

「と、とりあえず拭けるところだけでも……」
以下略



9: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:25:42.48 ID:UB/pX29A0
 仁奈は髪を少し強めに拭かれているせいか、目をぎゅっと閉じながら返事をする。

「仁奈、今日はママが迎えにきてくれるはずだったんですが、急に仕事がはいったみてーで……」
「なるほど……それで、事務所まで?」

以下略



10: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:26:18.47 ID:UB/pX29A0
「仁奈ちゃん、仁奈ちゃんさえよければまゆの部屋に来ますか?こんな状態じゃ帰っても大変でしょうし……」
「えっ!?いいんですか!?」
「もちろんですよぉ。それにまゆも今日は予定がなくなっちゃったので暇してましたから」
「やったー!まゆおねーさんと一緒だー!」

以下略



11: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:27:06.64 ID:UB/pX29A0
 事務所から女子寮はそこまで距離が離れているわけではない。歩こうと思えば少し時間はかかるものの不可能ではなかった。
 つまりタクシーを使った寮までの移動時間は短いものであった。

「わぁ、すげぇひれーお風呂だー!」

以下略



12: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:28:33.74 ID:UB/pX29A0
 まゆは脱衣所に着くと急いで服を脱ぐ。そのまま身体にタオルを巻いて、浴場へ足を踏み入れた。
 この浴場は女子寮ということもあってか、設備も広さも申し分ないほど整っていた。年頃の少女達にとってそれは非常にありがたいことである。

「さて、仁奈ちゃんは……」

以下略



13: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:29:50.02 ID:UB/pX29A0
 仁奈ほどではないが彼女も雨と寒い外気に晒され続けていたたせいで身体が冷え切っていたのだ。
 しかし、仁奈のことに精いっぱいで自分のことを気にかけていなかったせいか、お湯を浴びて漸く身体の状態に気が付き、自分のことながら少し驚いた。

「だいじょうぶでごぜーますか?」
「え?」
以下略



14: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:30:46.21 ID:UB/pX29A0
 まゆはそれを見届けると仁奈の後ろに膝立ちの姿勢で座り込む。

「じゃあ、身体を洗いましょうか。仁奈ちゃんは前のほうをこれで洗ってください。背中のほうはまゆが洗いますから」

 そういってボディシャンプーをつけたタオルを仁奈に渡す。仁奈は元気よく返事をするとゴシゴシという擬音がぴったしのように身体を拭きはじけた。
以下略



15: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:31:47.25 ID:UB/pX29A0
 そのまま元気よく湯船に駆け寄っていく姿を想像していたまゆだったが、仁奈は何故か立ち上がらなかった。
 もしかして意外と痛かったかと嫌な予感が胸をよぎったが仁奈は全く別のことを考えていた。

「仁奈もしてーです」
「えっ?」
以下略



16: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:32:49.26 ID:UB/pX29A0
「まゆおねーさん、どうですか?」
「とっても気持ちいいですよ。ありがとうございます」
「ほんとですか!?ならよかったでごぜーます!」

 まゆは仁奈が背中を洗っているうちに後ろに飛ばないように器用ながら簡単に髪を洗うと、次に身体の正面も洗っていく。
以下略



17: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:33:29.20 ID:UB/pX29A0
「あ、終わったんだ!」
「美穂おねーさん!」
「あ、仁奈ちゃん。滑ったら危ないですからゆっくりいきましょう」

 まゆに制止されて仁奈は駆け出しそうになっていた姿勢を整え歩き出す。そのまま美穂の浸かっている湯船にゆっくり入ると、ふぁぁと気持ちよさそうな声をあげる。
以下略



18: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:34:10.04 ID:UB/pX29A0
「へぇ、それで……」
「流石に一人になるとわかっていて帰すわけにもいきませんでしたし……」
「うーん、そうだよね……あ、でも連絡とかプロデューサーさんにしないとね。ってまゆちゃんならもうしてるかな」
「…………」
「まゆちゃん?」
以下略



19: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:35:09.03 ID:UB/pX29A0
「ふぅ、いいお湯でしたね……」
「ぽかぽかでごぜーますー」
「ドライヤー熱くないですか?」
「だいじょうぶでごぜーます!」

以下略



20: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:35:45.49 ID:UB/pX29A0
「こういう設備、地味に嬉しいですよねぇ」
「ね。私はコーヒー牛乳にしようかなぁ」
「仁奈は牛乳が飲みてーです!」

 会話を聞きながらまゆは髪を乾かしていく。
以下略



21: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:36:35.37 ID:UB/pX29A0
「仁奈ちゃん?」
「うぅ……」

 さっきまで元気だったはずの仁奈がお腹をおさえてうずくまっている姿がまゆの視界に飛び込んできた。

以下略



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