過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
1- 20
1:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 16:08:20.52 ID:lnwWc/Y0
○ご注意!
・基本的な世界観は一緒ですが、設定が違ういわゆるパラレルです。
・時系列は上条と美琴が出会った後、美琴が妹達の存在を知る前かつ上条がインデックスと出会う前。
・具体的には6月17日(?)の数日後くらいがスタート地点だと思っていただければ。
・それでも展開上の都合で、ちょこちょこ出来事の時系列や人物の関係、立場などの設定に変更があります。

けっこう前に総合に投下させてもらったお話です。
細かいことはまた一回目の投下終了時にさせて頂きますね。
それでは、お楽しみ頂ければ幸いです。


2:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]
2010/10/24(日) 16:09:11.17 ID:lnwWc/Y0
走る。走る。走る。

何処へ向かえば良いのか、どうして走っているのか。何も分からないまま、それでも少年はひたすらに走り続ける。
けれど少年には、たったひとつだけ分かっていることがあった。
以下略



3:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:10:32.78 ID:lnwWc/Yo
ヘッドセット越しに、カタカタとキーボードを打つ音が聞こえてくる。
それは時間にして一分にも満たなかっただろうが、途轍もなく長く待たされているかのような錯覚に陥った。

「まだか? 早くしねえと遠くに行っちまうぞ」
以下略



4:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]
2010/10/24(日) 16:11:18.73 ID:lnwWc/Yo
第七学区。
誰もいない裏路地のマンホールの蓋がひとりでに持ち上がったかと思うと、その中から幽霊のように真っ白な手がぬっと伸びてきた。
まるでホラー映画のワンシーンのような光景だが、続けてそこから顔を出したのは追跡者から逃げ回っていたあの少年だ。

少年は傷だらけの身体を引き摺って何とかマンホールから這い出ると、ぺたんと座り込んで壁に凭れかかる。
以下略



5:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:12:05.49 ID:lnwWc/Yo
同じく第七学区、とある大通り。
完全下校時刻間近で人通りの多いこの場所にも、世にも恐ろしい追跡者から必死で逃げ続けている不幸な少年が居た。
ただし、この少年を追いかけている追跡者はなんとも可愛らしい少女であった。
学園都市有数のお嬢様学校である常盤台中学の制服に身を包み、セミロングの茶髪を靡かせているその少女は、
しかし、体中から鋭い紫電を発していた。
以下略



6:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:12:35.02 ID:lnwWc/Yo
上条は即行で決断を下すと、急ブレーキをかけて真横に方向転換。
路地裏に飛び込むと、一気に美琴を引き離すべく全速力で走って路地裏の入り組んだ迷路の中に身を隠そうとした。

と、その時。
上条は、黒で塗り潰されているはずの路地裏に白い人影があるのを見つけた。
以下略



7:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/10/24(日) 16:12:51.60 ID:PByZF6Qo
期待


8:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:13:15.88 ID:lnwWc/Yo
第七学区、とある病院。
例の少年が入院することとなった病室の外にある椅子に、二人は落ち着かない様子で座っていた。
特に、この状況の原因である美琴の落ち着きのなさは尋常ではない。
大人しく座って俯いているかと思ったら、急に立ち上がって落ち着きなく辺りを歩き回り始める。
上条は暫らくそんな美琴を眺めていたが、いよいよこの沈黙に耐えられなくなったのか、急に美琴が声を掛けてきた。
以下略



9:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:14:16.04 ID:lnwWc/Yo
上条の説明に、医者は合点がいったような顔をした。
……と言うことは、まさか不良に絡まれたときに頭を強く殴られるか何かして記憶を失ってしまった、ということなのだろうか。
上条が考えたことをそのまま医者に伝えると、医者は左右に首を振った。

「いや、それはないね? ちょっと機械で検査をしてみたけど、頭部を強打したことによる記憶喪失ではなかったよ」
以下略



10:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:14:52.21 ID:lnwWc/Yo
少年は病室の窓際に置かれたベッドの上で、半身を起こして開け放たれている窓の外を眺めているようだった。
白い病室と殆ど同化してしまっている程に白いその少年は、三人分の足音に気付いてこちらを振り返る。

「ンだァ? まだ何か用か?」
以下略



11:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:15:43.88 ID:lnwWc/Yo
ほんの少し一方通行の様子を観察してみただけだが、やはり彼はどうにもこういうやり取りに不慣れなようだった。
反応に困っている気がする。
上条がそんなことを考えながらふと時計を見やってみると、もう完全下校時刻をだいぶ過ぎてしまっているではないか。
確か美琴の寮には門限があったはずだと思い当たった上条は、まだ一方通行と何事かを話しているらしい美琴に声を掛ける。
以下略



12:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/10/24(日) 16:20:23.45 ID:Gl6opcAO
支援


13:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:20:42.10 ID:lnwWc/Yo
ここまでが総合に投下させてもらった分です。
総合で突っ込まれた部分をここでちょこちょこ補足させてもらいますね。

・一方さんの存在や能力は原作と比べて凄まじく厳重に秘匿されている設定。少なくとも美琴たちは知らない。
・恋愛要素については美琴→上条があるくらいです。原作程度と思っていただければ。
以下略



14:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/10/24(日) 16:23:53.96 ID:zlFAvOIo
記憶にあるな
期待


15:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/10/24(日) 16:55:10.02 ID:lnwWc/Yo
うおお、レスありがとうございますー。励みになります。
意外と早く修正が終わったので、さっそく次の分を投下させてもらいますね。


16:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:57:31.30 ID:lnwWc/Yo
事件から数日後。とある病院の診察室。
冥土帰しという異名を持っているらしい医者による診察が終了したので、一方通行は診察のために脱いでいた手術衣の上着を着直した。
別に手術をしたわけでもないのに何故手術衣を着ているのかというと、前着ていた服がぼろぼろになってしまったからだ。

「経過は良好、能力も安定してるみたいだね? もう大丈夫だよ」
以下略



17:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:58:50.11 ID:lnwWc/Yo
「奴ら、ね。その、君を追っている人たちについては教えてくれないのかい?」

「……なにしろ記憶喪失だからな。追われてる俺にも、奴らが誰なのか分からねェ。まァ、ヤバくなったら出て行ってやる。安心しろ」

「そんな心配は無用だよ。前にも言ったけど、僕はちょっと上層部の方にコネがあってね。
以下略



18:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 17:00:03.16 ID:lnwWc/Yo
放課後。上条はとある高校の教室でのろのろと帰る準備をしながら、これからどうしようかと考えていた。
とりあえず今日も一方通行のお見舞いに行くつもりだが、今日こそは『一方通行』についての情報収集もしてやりたい。
……が、当然ながら当てがない。

上条は幻想殺しという特殊能力を持ってはいるが、学園都市の行っている身体検査ではその能力は測定できないため、レベルは0。
以下略



19:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 17:00:40.54 ID:lnwWc/Yo
土御門の言っていることはよく分からなかったが、とにかくこれで吹寄の頭突きは免れることはできた。
上条が心の中だけで土御門に感謝していると、青髪ピアスがふと思いついたように口を開く。

「能力のことなら、小萌センセに聞いてみると良いんやないか? 発火能力専攻やけど、他の能力にもかなり詳しいみたいやでー。
 ま、今日は会議があるとかで忙しそうやったから、訊くなら明日になるけどなー」
以下略



20:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 17:06:02.34 ID:lnwWc/Yo
同時刻、風紀委員活動第177支部。
柵川中学の一室にある風紀委員の支部だ。美琴のルームメイトである白井黒子や、その後輩である初春飾利の詰めている支部である。
美琴は硝子盤に手を触れて、指紋や静脈・指先の微振動パターンの認証を終えると、支部の扉を開いた。
……と、その瞬間。
以下略



21:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 17:06:31.24 ID:lnwWc/Yo
美琴より一つ年下の初春は、こう見えて凄腕のハッカーである。ただし今日は、初春の情報収集能力を見込んで頼みごとをしに来たのだ。
ただし、もちろんハッキングは犯罪。個人的な事情のためにそれをやってもらうのは少し後ろめたい。
美琴は後ろのほうで白井の介抱をしている固法を横目に見ながら、二人にばれないように初春にそっと耳打ちした。

「早速で悪いんだけど、『一方通行』について調べて欲しいの。皆に秘密でね。もちろん、時間が空いたらで良いんだけど……」
以下略



1002Res/1072.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice