過去ログ - 死んじゃわない彼女と夢見がちな僕等
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:21:14.41 ID:M4hWSeDR0


……寒々とした日が続く今日日、2月という冬真っ盛りなこの忌々しい季節。



本能にしたがうなら、マイホームで炬燵に入りぬくぬくとした部屋の中でくだらないテレビでも見ていたいのだけど……。
平日の真昼間というわけで学生という身分である僕は大人しく登校せざるを得なかった。
その学校も残すところあと2校時、はやく帰りたいな。

「じゃあ、次のページを開いて―――」

と先生のやる気のなさそうな声が響き、辺りからぱら…ぱら…とページをめくる音が聞こえる。
とりあえず、と僕も教科書を捲る。
そして教科書とノートの位置を変えるために教科書を持ち上げた。

(落書き……?)

そのとき、机の上に何かが書かれているのが見えた。
だがそれは窓から差し込む日光で反射していて、ぱっと見何を書いているかわからない。

「……」

さて、この授業は始まって十数分だが、まったくさっぱりわからない内容の授業にも飽きてきたところだ。
すでに寝ている奴もいる。

(暇つぶしにはなるか)

僕はそんな軽い気持ちで読み始めた。


2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:21:54.64 ID:M4hWSeDR0


――――――――――――

君がこれを見ているときには
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:25:03.91 ID:M4hWSeDR0

可愛らしい丸文字のそれは、2〜3度書きなぞってあった。
何だこれは。終わり。
いやいや終わらせるな……少し考えよう。

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:26:14.65 ID:M4hWSeDR0

……誰もいない?

杞憂だったか。それで良い
そして僕は、視線を文字がびっしりと書かれているであろう黒板へ向けようとした。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:27:41.39 ID:M4hWSeDR0

「ん?そうか、なら行って来い」

先生は特に気も留めず、返事をした。
長年、教師をやっていればよくあることだ、昨日も途中退出した奴もいるしな。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:31:24.20 ID:M4hWSeDR0

「やっぱり……誰かいるのか」

何をどうしたのかは知らないが、屋上への扉の鍵と鎖についた南京錠は丁寧に外されていた。
ただ単に閉め忘れなのかも知れないが…。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:33:15.20 ID:M4hWSeDR0

「ふふ……そうか、君があれを見たんだね」

嬉しそうに微笑むけど、やはりその笑顔はぎこちない。いつからここにいたんだ。
いや、さっきの授業が終わってからだろうけど。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:35:09.01 ID:M4hWSeDR0

なーんてこともあったかもしれない。

おっと、勘違いしないでもらいたいが。
僕は、俗にロリコンと呼ばれる人たちの類ではない。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:37:43.09 ID:M4hWSeDR0

それだけ話すと、場に軽い沈黙がおりる。
ま、初対面な訳だし。僕は初対面の人とフレンドリィに会話するほどのコミュニケィション能力を持ち合わせてはいない。
いやほんと、まったく残念なことにな……。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:39:05.67 ID:M4hWSeDR0

「お、おい…僕は、カイロをあんたにあげようとしただけで…」

これ以上は耐えられそうにないので、ちゃんと説明してみる。
すると彼女は
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:40:32.52 ID:M4hWSeDR0

自殺願望がある奴には、見えないんだけどなぁ。
いっそのこと、自殺をしようとした理由を聞いてみようか?
いや……ヘヴィな話だと、僕が参ってしまう。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:41:08.34 ID:m/XQDOpDO
期待
sagaれよ言おうと思ったら途中からsagaってたでござる


13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:43:25.39 ID:M4hWSeDR0

そしてついに指摘されてしまう。

「??…大丈夫かい?君、顔が赤いよ。……熱でもあるんじゃないかな」

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:45:34.65 ID:M4hWSeDR0
「ああ、そうだよ」

意表をつかれた、が。
考えてもみろ、まったく飛び降りる気がなかったのと、そそくさと校舎に戻ったところをみると
そこまで深刻な悩みを持っているのではないんじゃないか。と思い直す。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:46:56.22 ID:M4hWSeDR0

「死ねないんだ」

うん……ん?

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:48:32.75 ID:M4hWSeDR0

――――――−-‐

そのとき僕は、言い表せないような、寒気みたいなものを感じた。
それが何かはわからない……ただ
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:50:14.52 ID:M4hWSeDR0

彼女の顔は、見えない。

「あんたの夢は……まぁ、変っちゃあ変だけどさ。できないことをしたいって気持ちは……わかる。
でも、その夢で終わらせちゃっていいのか? もっといい夢を持てるかもしれないのに」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:51:52.47 ID:M4hWSeDR0

「僕が、あんたに……?」

どんな夢を見させてあげれるだろう。

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:53:18.96 ID:M4hWSeDR0

思い出して僕は赤面する。
冷静に考えると、僕はかなり恥ずかしいことを言ったんじゃないか?
場の空気に流されたとはいえ……あんたのために。だって? 漫画やアニメじゃあるまいし……。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 13:55:03.92 ID:M4hWSeDR0

「なっ……」

何を思ってこんなことをしだしたのか、わからないけど。
破壊力だけは抜群だった。僕は挙動不審になり、目が合わせられなくなる。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:57:25.19 ID:TLdyoDGAO
凄い厨二病な子たち


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