過去ログ - マミ「杏子……」
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1:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:13:41.08 ID:c4Axoe8J0
初めに謝っておきます。これは以前に立てたものの、途中で落としてしまった話です。
なので今更……なのですが、途中まで読んでくださっていた方に申し訳ないので最後まで上げさせていただきます。

前半(再掲部分)は、モブの表記など一部修正しています

・まどかSS、マミと杏子の前日譚的な話です。二人が時に共闘しつつ、魔女がらみの事件を解決していく!みたいな話をちょっとずつ書いていくつもりです
・マミ杏子以外の魔法少女は出ません。筋の都合上、固有名詞のある独自キャラが一部出ます
 同様の理由で、独自設定なども出てきます。あしからずご了承ください
・話は暗めです。エログロは(多分)出ません。ご容赦ください


2:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:14:18.11 ID:c4Axoe8J0
 6月も終わろうとしていたある日の昼下がり。見滝原中学の屋上から見渡せる街並みの上には、雨雲が低く垂れ込めていた。

「授業たりー。このままここでさぼっちゃおうか」

 屋上の片隅にあるベンチに腰掛けていた女生徒がそう言うと、隣に座っていた眼鏡の女生徒が手を目の高さにかざしながら言った。
以下略



3:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:16:01.05 ID:c4Axoe8J0
 巴マミが教室を覗くと、中には誰もいなかった。

(あれ……?教室が空っぽだ。移動教室かしら……?でもあの子の机は畳んだままになってるし、やっぱり今日も……)

「うちのクラスになんか用?」
以下略



4:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:16:33.78 ID:c4Axoe8J0
 どうやらマミの相手をしていた女生徒を呼びに来たらしかった。

「何なのよ。だからあたしは見たくないって……」

「屋上で倒れてんの、Kなんだよ!」
以下略



5:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:17:55.02 ID:c4Axoe8J0
 雨の屋上には既に救急隊員が到着していた。生徒たちは傘もささずに、その様子を遠巻きに見守っている。

「これじゃあ私は近寄れないわ。キュウベえ」

「了解だよ」
以下略



6:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:18:43.08 ID:c4Axoe8J0
(入院だなんて……どうして私に何も教えてくれなかったのかしら)

 午後の授業が始まっても、マミは全く身が入らなかった。屋上での出来事も気にかかったが、それよりもその前に聞かされた事実の方がマミにとっては衝撃的だった。

(まあ、仕方がないかも知れないわね。幼なじみとは言っても、この頃は……ほとんど話をする機会もなかったし)
以下略



7:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:19:33.16 ID:c4Axoe8J0
 巴マミと青梅あきは子供の頃からとても仲が良かった。小学校に入ったころは二人でよく遊んだ。しかし、やがて高学年になると、少しずつ疎遠になっていった。もともと大人しい性格だったあきは、クラスが離ればなれになってしまったマミに積極的に会いに来るようなことはなかった。それでもマミの方は、新しい友人たちとのつき合う一方であきの事も気にかけ、時々遊びに誘ったりもしていた。

 ……あの事故が起こるまでは。

(もし……なんて考えても仕方のないことだけれど)
以下略



8:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:20:19.16 ID:c4Axoe8J0
「で、これからどうする気だい、マミ?」

 放課後、黄色い傘をさして家路につくマミの肩にしがみつきながら、キュゥベえは尋ねた。

「今日の事件が魔女の仕業だと分かった以上、放っておくとまた次の犠牲者がでることになるよ」
以下略



9:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:21:35.39 ID:c4Axoe8J0
「あったわ。小さく記事になってる」

 見滝原市立図書館の閲覧室で、マミは一人目の生徒の自殺を報じた新聞記事を見つけた。

「『……10日朝9時頃、見滝原市のショッピングセンター△△の屋上で、少女が血を流して倒れているのを警備員が見つけた。倒れていたのは見滝原中学2年のSさん(14)で、すぐに病院に運ばれたが既に死亡していた。少女の右手首には切り傷があり、警察では自殺を図った可能性もあるとみて捜査を進めている……』ですって」
以下略



10:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:23:12.58 ID:c4Axoe8J0
 図書館から出ると、雨はますます激しくなっていた。遠くからは微かに雷の鳴る音も聞こえてくる。

「ひどい雨……。キュゥベえ、魔女も気になるところだけど、今日のところはひとまず家に帰りましょう」

 マミは制服のスカートの裾をひらひらさせながら言った。
以下略



11:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:24:11.99 ID:c4Axoe8J0
「!」

 マミはすぐにソウルジェムを取り出すと、辺りの気配に意識を集中した。

「この感じは……おそらく使い魔ね」
以下略



12:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:25:50.34 ID:c4Axoe8J0
 光の中から現れたマミは、もう見滝原中学の制服などまとってはいなかった。

 白いブラウスに、髪の毛と同じ色のリボンとスカート。ブラウンのコルセットに、戦いにはやや不似合いなベレー帽。「魔法少女」としてのいつものマミのスタイルだった。

「油断は禁物だよ、マミ。どんな相手かよく分からないからね」
以下略



13:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:26:34.35 ID:c4Axoe8J0
 問い返すマミを見上げながらキュゥベえは言った。

「君の学校から見ると、ここは一つ目の事件が起こった場所のちょうど反対側だろう?この使い魔の本体が何であるにせよ、これで僕たちがパトロールしなくちゃいけない範囲はますます広くなったと言わざるを得ない」

「それはまあ、そうかも知れないわね」
以下略



14:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:28:07.34 ID:c4Axoe8J0
「なんであたしが出ばらなきゃなんないのさ」

 鯛焼きをかじりながら、マミの顔も見ずに佐倉杏子は言った。

「あの街はあんたの縄張りじゃなかったのかい?巴マミ」
以下略



15:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:28:55.32 ID:c4Axoe8J0
 沈黙を破ったのはキュゥベえだった。杏子は振り返ることなく、ぴたりと足を止めた。

「君の力が必要だ」

「知ったことじゃねーっつーの」
以下略



16:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:29:41.08 ID:c4Axoe8J0
 期末試験が始まった。

 試験期間中もマミはなるべく時間を作って街をパトロールするようにはしていたが、さすがに普段と同じというわけには行かなかった。

「あまり無理はしないほうがいいよ、マミ」
以下略



17:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:30:30.34 ID:c4Axoe8J0
 それは5月の中頃のことだった。

 昼休み、いつものように一人で図書室にやってきたマミは、お気に入りの窓際の席が誰かに取られているのを見てほんの少しがっかりした。

(あ、先客だ)
以下略



18:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:31:48.98 ID:c4Axoe8J0
「うわぁ。やっぱり外は気持ちいいね、マミ」

 屋上のベンチに腰掛けたあきは、空を見上げながら気持ちよさそうに伸びをする。マミはその様子を見ながら、くすっ、と笑った。

「本当に変わらないのね、あき」
以下略



19:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:32:29.93 ID:c4Axoe8J0
「ねえ、マミも勉強してみない?イタリア語」

 そろそろ戻りましょうか、とマミが促そうとしたとき、あきが唐突に言った。

「え?」
以下略



20:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:33:05.42 ID:c4Axoe8J0
 その夜。

「危ないマミ!」

 キュゥベえの声で、マミはすぐ脇に迫っていた使い魔の攻撃をかろうじてかわした。
以下略



21:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:34:28.26 ID:c4Axoe8J0
「ふう……」

 マミは変身を解くと、大きく息をついた。

「どうしたんだいマミ?」
以下略



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