過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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1: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 16:28:32.74 ID:x2ueaAjJo
冒頭

 政令都市見滝原。
 試験的な先進都市計画のモデルケースとなるこの都市で数年前に大規模な交通災害が起こったことは記憶に新しい。

 理由も原理も未だに不明であるその事故は、
先頭車両が突如として真上へと跳ね上がったことを皮切りにした、大規模な玉突き事故であった。

 この事故による死傷者は三百名を超えており、
事故直後に何が起きていたのかを知っていたであろう先頭車両近くの運転手、
相席者は一人の例外を残して亡くなっており、原因解明はほぼ絶望的といってよかった。

 生き残ったのは幼い少女で、警察も、もちろん我々報道関係者も、
茫然自失としたその少女を前にして、踏み込んだ取材などとても強行できなかった。

 これは全くの余談であるが、
その事故の直後から向日葵色の超能力少女の噂がまことしやかに学生の間で語られていたらしい。

 出典不明のその噂話が件の事件と如何様な関わりがあるのかは不明だ。



中略



 超能力少女の噂が落ち着いてきたころ、
見滝原市と隣接した風見野市で新興宗教の教祖が一家四人で無理心中するという事件がゴシップを賑わせた。

 だが、焼け落ちた教会からは遺体は三体しか見つかっておらず、
未だ行方知らずとなっていることは、公にされることはなかった。


 そんな事件の少しあと。女学生たちの間でまたもや一つの噂話が嘯かれ始める。

 噂の内容はこんな具合だ。

 夜道を一人で歩いていると、時々白いウサギが集まってくることがある。
 そして、それを追いかけて森へ入ると振り向いたウサギに頭を抉られる。
 だから、ウサギを見たら逃げなさい。一目散に逃げなさい。

 なんにしてもここ十数年の見滝原には何か悪魔的でにわかには信じがたい不吉さが立ち込めているようである。
 都市伝説とはよく言ったもので、今でも時折街中で背筋に悪寒が走ることがある。
 読者諸兄も、夜街を歩くときは十分注意されたし。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――三流ゴシップ誌切抜きより。
 

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2: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:31:10.96 ID:x2ueaAjJo

★◇

 弾痕、跳弾。灰の床に煤と銃痕。
 鈍色の礫が無尽蔵の孵化器を狙い撃つ。
以下略



3: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:32:16.83 ID:x2ueaAjJo

★◎


 浮かばぬ星を仰ぐ白く美しい少女は、その手の中に自らを握りしめて、円環を望む。
以下略



4: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:33:22.92 ID:x2ueaAjJo



 後に円環と呼ばれる少女がいる。
 果たして本当にこの世界は彼女を中心に廻っているのだろうか。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/06(土) 16:33:59.03 ID:tVgyT/yb0
なんかのクロスならはっきり書いてくれ


6: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:34:40.45 ID:x2ueaAjJo

★◇

 繰り返されるその絶望。始まりは変わりなく小さな教卓。
 黒髪の少女は盤上へと名を書き込み、円らな少女へと視えざる言葉を結い上げる。
以下略



7: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:36:14.71 ID:x2ueaAjJo



 同日、宵闇が迫るころ。呪いの連鎖を断ち切る少女は二人の少女と連れ立って帰路を歩く。
 軽い足取りとは裏腹に、重苦しい運命の歯車は軋みを立てて廻り始めている。
以下略



8: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:37:21.69 ID:x2ueaAjJo

 大輪のようなその少女は何処からともなくライフリングマスケット銃を両の手に召喚し、制圧行動を開始する。

 まずは一振り、眼前の標的へと発砲。
 迫りくる三匹を銃身で叩き、足蹴にし、弾丸を開放することによって軽やかに撃破する。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/06(土) 16:38:23.53 ID:5K6+zHdbo
◇と◎はわかるけど★は誰?
っつうかすごくよみにくい


10: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:38:55.03 ID:x2ueaAjJo

「その人を助けようとしてくれてありがとう。でも大丈夫よ、気絶しているだけだから」

「よ、よかったぁ。あの、その、それで今のって、夢……、じゃないんですよね?」

以下略



11: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:40:05.78 ID:x2ueaAjJo

★◇


 深い感情を秘める少女は、清廉潔白な少女の手を引いてビル内部を移動する。
以下略



12: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:41:17.95 ID:x2ueaAjJo

「ここまでくれば、一応大丈夫のはずよ。それで、その、話を聞かせてもらえる?」

 黒髪を持て余した少女は優しく問いかける。
 桃髪を運命色のリボンでまとめた少女は口を動かす。
以下略



13: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:42:28.16 ID:x2ueaAjJo

 伏し目がちに長い髪をなびかせる少女は黒のタイツに包まれた足を持ち上げて進む。
 自然と店内の野郎共の視線を集めているとも気づかずに。

 手にしたトレイには三人分の飲料と、二箱のアップルパイ。
以下略



14: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:43:38.10 ID:x2ueaAjJo

★◎


 白の少女と黒の少女は出会う。惹かれあう運命は均衡、愛と信念は交わり納まる。
以下略



15: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:45:05.48 ID:x2ueaAjJo

★◇


 闇に紛れる少女は月を眺める。見上げた先には疑問と瞬き。
以下略



16: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:46:18.60 ID:x2ueaAjJo




 正午過ぎ、太陽は空の中央に輝く。
以下略



17: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:47:29.37 ID:x2ueaAjJo

「例えそれが一般人を危険に晒すことになったとしても?」

「可能性を持っている時点で一般人とは言えないと思うわよ?」

以下略



18: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:48:44.13 ID:x2ueaAjJo

★◎


「キリカ。彼女の様子はどうだった?」
以下略



19: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:49:57.51 ID:x2ueaAjJo

★◇


 黒、青、桃。三色の頭が連れ立って進む。
以下略



20: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:51:08.39 ID:x2ueaAjJo

 少しだけ、時は遡る。瑠璃の少女が病室の前へと立った時と同じころ。
 病院一階の待合室にて冷笑的な少女が控えめな少女へと語りかける。

「今日のお昼休みに彼女に会ってきたわ」
以下略



21: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:52:33.63 ID:x2ueaAjJo

★◎


 鬱屈なため息を吐きだして、壊れた少女は今へと戻る。
以下略



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